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旧八百津発電所施設[きゅうやおつはつでんしょしせつ]

旧八百津発電所施設[きゅうやおつはつでんしょしせつ​

分類 重要文化財
指定別
所在地 加茂郡八百津町各務
所有者 ​​八百津町
指定年月日

平成10年5月1日

平成17年7月22日

 旧八百津発電所施設は木曽川中流域の右岸に位置する。発電所本館は、八百津水力発電工事の一環として明治44年に竣工したもので、発電機棟と2階建の送電棟が一体的に造られている。この建物は壁体を煉瓦造とし、両棟とも鉄骨トラスを組んで、それぞれ切妻屋根を架けて銅板葺としている。外観は漆喰塗で、要所に半円形のアーチや縦長の形状になる窓を設け、妻壁等に柱型のバットレスをつけている。放水口発電所は大正6年に建設されたもので、床下以下を鉄筋コンクリート造、床上を煉瓦積とし、屋根は鉄骨トラス組とする鉄板葺の建物である。これらは、木曽川水系に最初に設けられた我が国最初期の大規模発電所施設として、平成10年に重要文化財に指定されている。煉瓦造建築は、明治初期における洋風建築の代表的なものであった。その後、大正12年の関東大震災によって耐震性が問われて以降、全国的に鉄筋コンクリート造に替わっていく。煉瓦造は明治期から大正初期における貴重な遺構となった。
 この発電所の建物は、煉瓦造りの外壁全体にセメントモルタルが塗られている。小屋組は両棟とも鉄骨のフィンクトラスを用い、外壁の要所にバットレスを設け、内部は白漆喰仕上げである。
 水力発電が我が国で初めて実用化された明治23年(1889)以降、当初の小規模な火力発電から水力発電の大規模なものに移行する。この発電所は、明治44年(1911)竣工になる名古屋電灯株式会社の木曽川発電所で、建物が2棟併行に並んで接続して建てられ、1棟は発電機を設備して屋根裏まで吹き抜けている。他の1棟は母線室で2階に送電関係の施設を備えていた。昭和49年(1974)に操業を停止し、現在は、八百津町が歴史民俗資料館として保存と活用に努めている。