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真禅院[しんぜんいん]
真禅院[しんぜんいん]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 不破郡垂井町宮代 |
所有者 | 真禅院 |
指定年月日 |
昭和52年6月27日 |
本地堂は桁行3間、梁間4間の妻入[つまいり]で、入母屋造[いりもやづくり]、桟瓦葺[さんかわらぶき]。正面1間通りを外陣、後方3間を内陣とする。柱は総円柱で四方に切目縁[きりめえん]を巡らし、親柱青銅製擬宝珠[ぎぼうしゅ]の勾欄をつけ、正面中央1間に耳石付石階5級を設ける。内部は内外陣とも床は拭板敷、天井は通肘木上にて格縁天井[ごうふちてんじょう]とし、花模様を極彩色に画く。内外陣境には虹梁[こうりょう]を架け、方柱を立てて3間に区切り、虹梁上に竹の節の装飾をつけている。内陣には来迎柱を設け、須弥壇上に厨子を安置する。
構成材のほとんどが当初のものでよく保存されている。妻飾[つまかざり]、蟇股[かえるまた]、組物[くみもの]の彫刻には、桃山時代の遺風を伝える江戸初期の技風や手法が表されており、内法長押[なげし]、蟇股、格縁天井の極彩色の画にも当初の色彩をみることができる。屋根は明治期の移築の際、檜皮葺[ひわだぶき]を桟瓦葺に改めている。
三重塔は方3間の本瓦葺で、初重勾欄の青銅製擬宝珠金具6つのうち3つは、明治初年の移築時に鋳鉄製のものと替えられていて形状が相違している。また、縁廻りの一部が補修され、屋根瓦も取り替えられているが、その他の構成材はほとんど当初のものが保存されている。内部極彩色の仏画や装飾文様も剥落しているが、不鮮明ながらも原色を残しており、各部の彫刻とともに江戸初期の手法を知ることができる。
