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薬師堂[やくしどう]

​​薬師堂​​​​​​やくしどう​

分類 重要文化財
指定別
所在地 飛驒市神岡町小萱
所有者 瑞岸寺
指定年月日

昭和46年12月28日

 瑞岸寺安楽院薬師堂は、その所在地名から俗に小萱薬師堂の名称で知られている。この堂はかつては小萱の共有で、寝雑薬師[ねまぜやくし]の別名で知られる奇祭が毎年行われて多くの参拝者を集めていた。現在、所有者は瑞岸寺となっている。
 昭和49年11月1日から13ヶ月の工期で解体修理され、現在の姿になっている。以前は様式手法が室町中期以前と推定されていたが、この修理によって、現在の建物は、鎌倉時代に建立された前身堂の部材を利用し、室町時代初期に再建されたものであることが判明している。
 方3間、入母屋造[いりもやづくり]、柿葺[こけらぶき]の小堂で、各柱は円柱になり、柱頭には舟肘木[ふなひじき]をのせてある。軒は一軒[ひとのき]、疎垂木[まばらだるき]で反りがあり、中世の様式を残す重要な建物である。
 建立後の修理としては、室町後期に柱の取り替えと柱間装置の変更があり、亨保12年(1727)及び宝暦4年(1754)に大規模な改修が行われて当初の姿が改変されていた。現在は室町時代初期の再建当時の姿に復されている。

薬師堂