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小坂家住宅[こさかけじゅうたく]

​小坂家住宅​こさかけじゅうたく​​

分類 重要文化財
指定別
所在地 美濃市
所有者 個人
指定年月日

昭和54年2月3日

 小坂家は美濃市の中心部にある商家で、もとは杉本屋と称して古くから酒造業を営んでいた。現在の住宅は18世紀末から19世紀初の手法を示しており、入口まぐさに打たれた祈祷札には、寛政7年(1795)、同9年(1797)、文化6年(1809)、同8年(1811)、同13年(1816)などがあるので、寛政頃の建築とみられる。
 桁行6間、梁間8間半、切妻造[きりづまづくり]。背面段違いで正面には半間の庇をつけ、軒はせがい造とする。屋根は桟瓦葺[さんかわらぶき]で起[むく]りをつけ、けらばには卯立[うだつ]をたてる。正面1階は西寄りに大戸口があり、その右手西端1間は、前方へ半間張り出して太い格子をはめているが、この張り出しは後設されたものとみられる。左手は東端2間を半間張り出し、大戸口寄りの2間とともに細かい格子をはめている。2階は軒が低く、東端2間にガラス戸を後設しているほかは黒漆喰壁とし、2か所に塗り込めの格子窓を設けている。
 この住宅は美濃地方における商家の代表的な遺例として重要である。2階の低い正面の構えや卯立をつけた起り屋敷などに見るべきものがあり、上手と下手の室境に半間通りの部分をとる平面にも特色がある。​

小坂家住宅