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長蔵寺舎利塔及び須弥檀[ちょうぞうじしゃりとうおよびしゅみだん]
長蔵寺舎利塔及び須弥檀[ちょうぞうじしゃりとうおよびしゅみだん]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 美濃市上野 |
所有者 | 長蔵寺 |
指定年月日 |
昭和54年2月3日 |
この舎利塔はほぼ完全な唐様[からよう]で、須弥壇[しゅみだん]、勾欄[こうらん]、宝塔ともによく保存され、建築的にも工芸的にも貴重な存在である。
須弥壇の高さ約0.87m、横幅約1.19m。須弥壇の上に方形の台をおき、その上に宝塔をおいている。宝塔の高さ約1.58m、漆塗。細部も非常に精巧で、勾欄の親柱は変形の蓮花と考えられるが、類例は非常に少ない。宝塔の軸部はかたの如く円形で、四方に両開き、円弧の桟唐戸[さんからと]を付し、その両脇間の上部は盲連子[めくられんじ]で下部は板羽目。長押[なげし]兼台輪[だいわ]上から亀腹[かめばら]としている。亀腹以上は多宝塔とまったく同様の構造である。亀腹上の腰組組物[くみもの]や勾欄も正規とし、勾欄斗束[とつか]上には握蓮を設けている。円形の軸部四面に出入口の扇形を設け、その両脇各2間には火燈窓を設けている。組物は三手先[みてさき]、唐様。軒は二軒扇垂木[ふたのきおうぎだるき]とし、隅木下には軒風鐸を吊っている。屋根瓦棒葺、露盤相輪つきで、四方にくさりを付した本格的な宝塔である。
