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日竜峯寺多宝塔[にちりゅうぶじたほうとう] 附棟札
日竜峯寺多宝塔[にちりゅうぶじたほうとう] 附棟札
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 関市下之保 |
所有者 | 日竜峯寺 |
指定年月日 |
明治34年3月27日 |
大日山日竜峯寺は俗に高沢観音と呼ばれ、飛騨街道から3kmもわけ入った幽すいな山境にある。古義真言宗高野派。
塔は鎌倉中期の3間多宝塔で屋根は檜皮葺[ひわだぶき]。宝珠[ほうじゅ]までの総高さ14.7m。上重は漆喰でかためた円い亀腹[かめばら]の上にのるが、その四角い大きな屋根も高い相輪[そうりん]も全般的に均衡がよくとれており、その丹塗[にぬり]の色も環境とよく調和している。
組物[くみもの]は四手先をつかい、その尾垂木鼻[おたるきばな]は木鼻とともに、天竺様の深い繰形をつける。下重の中央間には散八双[ちりはっそう]をうった板扉をはめ、左右の間は連子[れんじ]窓とする。縁は切目縁[きりめえん]で勾欄[こうらん]はない。組物は面取の出組とし、垂木にも大面をとる。中備えの繰抜蟇股[かえるまた]は形のよい輪郭をもっている。
内部は極彩色のあとがわずかずつ残り、天井は繊細な2重折上小組格天井[ごうてんじょう]になっている。
