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日下部家住宅[くさかべけじゅうたく]
日下部家住宅[くさかべけじゅうたく]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 高山市大新町 |
所有者 | (公財)日下部民芸館 |
指定年月日 |
昭和41年12月5日 |
明治8年(1875)起工、同12年上棟。桁行17.4m、梁間17.3mの主屋と北突出部からなり、一重・一部2階建、切妻[きりづま]段違、桟瓦葺[さんかわらぶき]、総ひのき造。大屋根の軒の出が深く庇がひっこみ下屋がない。昔はこの様式がかなり広く分布していたようであるが、今は飛騨地域以外は少なくなった。べにがらに煤[すす]を混ぜて塗った木部のこげ茶色と、胡粉[ごふん]を塗った白い木口[こぐち]が趣ある階調をつくっている。軒にはせいがい造というこの地方特有のむくりをもった庇があり、軒板が垂れている。窓の連子[れんじ]や格子には内側に簾をうってあり、外から内側は見えない。吹寄せの出格子も地方色が濃い。犬垣の向こうには溝があり、きれいな水が淙々と流れている。この水は洗濯や消火用、冬は雪流し用として昔から親しまれてきた。入口には大戸があり、大戸の左側には離れになった帳場が一室あるのみで、他の室はすべて右側に集まっており、「ドウジ」は裏までつき抜けた片側住居である。
現在は、民芸館として公開されている。
