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旧揖斐川橋梁[きゅういびがわきょうりょう]
旧揖斐川橋梁[きゅういびがわきょうりょう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 大垣市新開町、安八郡安八町西結 |
所有者 | 大垣市 |
指定年月日 |
平成20年12月2日 |
旧揖斐川橋梁は大垣市と安八町の間の揖斐川中流域に架かる橋長325.1m、下路式(かろしき)の錬鉄製五連トラス桁橋(けたはし)である。明治19年12月に竣工し、明治20年1月より東海道線の揖斐川橋梁として供用が開始された。
同橋梁の工事は、内閣鉄道局四等技師長谷川謹介及び六等技手吉田経太郎を中心として進められ、上部構造については同局雇のイギリス人技術者C・ポーナルの設計に基づき、イギリスのザ・パテント・シャフト・アンド・アクスルトゥリー社(The Patent Shaft & Axletree Co.Ld.)において製作された。
トラスは径間長63.6mのいわゆる200フィートダブルワーレントラスで、上下弦材(げんざい)および斜端柱(しゃたんちゅう)を一体化した台形フレームに斜材及び垂直材をピン結合している。また床桁(ゆかげた)は、格点(かくてん)で弦材等と結合させずに各格間の下弦材上に2本ずつ配する形式である。
下部構造は、直径12フィートの煉瓦造及びコンクリート造井筒基礎とし、井筒一対を煉瓦造アーチおよび鉄製梁でつなぐ橋台2基及び橋脚4基によって構成される。
同橋梁は、わが国で最初に完成した幹線鉄道である東海道線において、最も高度な技術を駆使して建設された大規模トラス橋の一つで、かつ唯一原位置に残る遺構として貴重である。明治期に全国各地で建設された大規模鉄道橋梁の一つの規範を示すものとして、鉄道技術史上、価値が高い。
