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令和5年度10大ニュース

飛騨農林事務所2023年度10大ニュース

飛騨米躍進! 米・食味分析鑑定コンクール国際大会にて昨年以上の多数入賞

 令和5年12月1、2日に新潟県津南町で開催された第25回米・食味分析鑑定コンクール国際大会において、飛騨米が全国から注目されるすばらしい成績を収めました。
​ 国際総合部門では、飛騨地域(高山市、飛騨市、白川村)で金賞5点、特別優秀賞10点が入賞し、全入賞数の35%を占めたほか、全国農業高校お米甲子園2023の部門では飛騨高山高等学校が金賞を受賞しました。
​ 今年の夏は猛暑となり栽培が難しい年でしたが、生産者皆さんのたゆまぬ努力や美味しい米づくりへの情熱が今回の結果につながったものと思われます。
​ 入賞された皆さんを招いた報告会では、飛騨米のさらなるブランド化に向け生産者と関係者が一丸となって取り組む決意であることを再確認しました。

第25回米・食味分析鑑定コンクール国際大会

各種共進会にて飛騨地域の肉用牛・乳牛が上位入賞を独占!

 県下では、畜産振興を目的としたさまざまな共進会が開催されます。
​ 「第22回岐阜県畜産共進会種牛の部」では、飛騨牛の改良と組織強化等のため延べ75頭の繁殖雌牛が出品し、高山市の生産者が知事賞を受賞しました。
​ また、飛騨牛の生産技術向上を図るため枝肉を評価する以下3つの共進会「飛騨ミート創立40周年記念肉牛枝肉共進会」「令和5年度岐阜県下農協肉牛枝肉共進会」「第75回岐阜県畜産共進会肉用牛の部」においても、高山市の生産者がそれぞれ知事賞を受賞しました。
 ホルスタイン種の改良成果を評価する「第8回岐阜県ホルスタイン共進会」経産の部でも高山市の生産者が受賞しており、生産者皆さんの育牛の成果が実った一年でした。

第22回県畜産共進会種牛の部

夏秋トマト産地発足以来、最高額となる飛騨トマト販売額59億円を達成

 飛騨蔬菜出荷組合トマト部会が、好調であった昨年をさらに上回り、産地発足以来初めてとなる販売額59億円を突破しました。
 今年度は好天に恵まれ、例年問題となる「灰色かび病」の発生が極端に少なかったことに加え、部会が推進している品種「麗月」の導入が広がり、出荷量が前年の108%と好調でした。
 平成30年から導入されはじめた「麗月」は、今年度、品種全体の97%を占める主力品種となりました。「麗月」は、裂果が少なく品質が安定しており、赤くて硬く棚持ちがよいことで市場や量販店の評価が高い品種です。
 連日の猛暑の中、全国的に夏秋トマトの品質低下や生産量の減少がみられましたが、安定的に出荷された「飛騨トマト」の市場評価は更に高まり、販売単価も大幅に高まりました。

【猛暑の中でも安定して着果するトマト】
猛暑の中でも安定して着果するトマト

スマート農業技術と豚ぷんペレット利用を組み合わせた環境保全型精密農業実証事業を実施​

 県営経営体育成基盤整備事業により大区画化ほ場に整備された飛騨市古川町の玄の子地区において、国の「スマート農業実証プロジェクト事業(令和5年度~6年度)」を活用して、スマート農業技術と豚ぷんペレット利用を組み合わせた環境保全型精密農業実証事業に取り組みました。
 水稲・大豆でブロードキャスタによる豚ぷんペレットの均一散布、気象観測装置による気象データ、人工衛星を利用したICTシステムとセンシングドローンによる生育診断をもとに病気の発生予測、散布用ドローンによるスポット防除等に取り組みました。その結果、化学肥料や化学農薬および化石燃料の削減、収量の増加、作業時間が削減されました。
 次年度も継続して実証に取り組み、将来的にはスマート農業技術の効果を最大限に発揮しうる経営体を育成し、地域に波及させていきます。

【散布用ドローンによるスポット施肥】
散布用ドローンによるスポット施肥

令和2年・3年豪雨災害による農地・農業用施設の復旧を完了し、令和5年7月豪雨災害による復旧(被害額2億円)に着手

 飛騨管内では、令和2年から令和3年の間に発生した豪雨により農地の流出や農道・水路の崩壊などの災害が発生しました。特に高山市東南部の地域で大きな被害を受けましたが、高山市役所及び各支所が中心となり令和5年3月までに完全復旧しました。
 令和5年7月の豪雨では、高山・丹生川・国府の各地域において、関係施設等の被害額が2億円に上る災害が発生しました。10月には国の補助金による災害復旧事業に取り組むための査定を受け、今後、本格的な復旧作業が始まります。

【令和2年発生災害の復旧状況/高山市滝町地内】       【令和5年発生災害の状況/高山市上野町地内】
令和2年発生災害の復旧状況/高山市滝町地内           令和5年発生災害の状況/高山市上野町地内

災害に強い農村づくりを進めるため県営ため池等整備事業小屋名第2地区(ため池改修/久々野町)、深谷地区(遠方監視施設整備/丹生川町)の工事に着手

○小屋名第2地区
​ 令和5年9月から工事に着手しました。
 小屋名第2ため池は、洪水吐の通水能力不足により決壊の恐れがあり、農業経営の安定、地域住民の安全なくらしを確保するため、改修を実施します。

事業概要 小屋名第2ため池改修 1式
      堤体盛土工 V=4,839m3
      遮水シート工 A=1,350m3
      洪水吐工 L=72.1m
      取水施設工 N=1式              

小屋名第2地区

○深谷地区
​ 令和5年11月から工事に着手しました。
​ 深谷ダムは、堤体の決壊などによる下流域の人命等の被害を未然に防止するため、豪雨時の水位や、ダム付近の状況、堤体の変位などを遠方から監視する施設を設置します。

事業概要 遠方監視施設整備 1式
​      CCTV監視カメラ N=2台
​      堤体観測機器 N=8台
      無停電電源装置 N=5台
​      監視用サーバ N=1式

深谷地区

県民の食を支える生産基盤の整備を進めるため県営中山間地域総合整備事業古川地区(古川町)の事業に着手、同事業の国府上宝地区(国府・上宝町)及び県営かんがい排水事業 三ヶ区用水地区(古川町、基幹的農業用水路の長寿命化対策)を完了

○古川地区
 ​令和5年8月から測量設計業務を始め、事業に着手しました。
 古川地区は、飛騨市内の農地の約5割を占める農業生産の重要な役割を担う地域で、主に老朽化の進行や維持管理の増大した用排水路の更新整備を行い、施設機能の維持、改良を図ります。

事業概要 農業用用排水施設整備 L=3,268m
     農用地の改良又は保全 L=1,860m
     農業集落防災安全施設整備 L=682m

○国府上宝地区
 平成30年度に高山市国府町・上宝町において新規着手した県営中山間地域総合整備事業「国府上宝地区」において、今夏、名張大平農道3期工事が竣工し、事業完了となりました。

実施路線 農業用用排水施設 8路線 L=1,531m
     農道整備 2路線 L=1,205m
     農業集落道 1路線 L=947m

国府上宝地区

○三ヶ区用水地区
​ 令和2年度に飛騨市古川町において新規着手した県営かんがい排水事業 三ヶ区用水地区において、この度、第3期工事が竣工し、事業完了となりました。
 三ヶ区用水は古川町高野地内の一級河川宮川から取水し、飛騨市の農地82haをかんがいする基幹的農業用水路で、供用開始後30年以上が経過する区間もあり、経年劣化により、コンクリート水路のひび割れ、摩耗による骨材露出やゲート設備の錆・腐食、開閉装置の劣化等施設機能低下が進行し、維持管理コスト及び労務負担の増加が課題となっていました。
 このため、平成29年度に策定した機能保全計画に基づき、水路内面の表面補修やゲートの補修を行い、施設の長寿命化を図りました。

 用水路補修工(開水路・暗渠) L=278.8m
 用水路補修工(暗渠) L=51.5m
 ゲート補修工 N=7箇所(8基)
 掛樋補修工 N=2箇所

三ヶ区用水地区     三ヶ区用水地区

高山消防署と合同で林業労働災害レスキュー訓練を開催

 全産業の中で労働災害の発生頻度(年千人率)が最も高いのが林業となっています。
 そこで、高山消防署にご協力いただき、山林内で作業する労働災害被災者を安全かつ迅速に救出するために必要な知識と救出手順等を学ぶ「林業労働災害レスキュー訓練」を令和5年9月14日に開催しました。
​ 飛騨地域の林業事業体の森林技術者20名が参加し、高山市新宮町地内の山林において、高山消防署職員のご指導のもと、伐倒木の下敷きになった被災者(人形を活用)の救出、搬送訓練を実施しました。
​ 伐倒木を除去する際の注意点や現地の樹木と作業服を活用した担架や、背負って搬送する方法について体験し、不測の事態への対応を訓練してもらうことができました。

【通報訓練】             【救出訓練】             【搬送訓練】
通報訓練    救出訓練    搬送訓練

飛騨高山高等学校の生徒(2年生)を対象に林業就業体験研修会を開催

 令和5年10月6日、林業に関する専門教育を受けている飛騨高山高等学校環境科学科の生徒を対象に、地元の森林組合の森林技術者を講師に招き、林業就業体験研修会を開催しました。
​ 木材の伐採から搬出までの作業のうち、チェーンソーによる伐採と重機操作について、基礎的な実習を行いました。
​ また、県で導入した森林測量のためのデジタル機器(GNSS)の使用体験をしてもらい、最新のDXの一端に触れてもらうことができました。
​ 今回の研修を通じて、最新の機械や器具に触れることにより、生徒の林業への関心と、林業就業への興味が高まったのではないかと感じています。

【グラップル操作】            【チェーンソー作業(椅子づくり)】
グラップル操作   チェーンソー作業(椅子づくり)

【測量機器体験】              【製材工場見学】
測量機器体験   製材工場見学

全国初の温泉熱を利用した広葉樹材乾燥工場を飛騨産業(株)が整備

 令和5年11月、温泉熱を活用して木材を乾燥させる工場が、飛騨産業(株)により高山市奥飛騨温泉郷の旧栃尾中学校跡地に整備されました。
​ 広葉樹材専門の乾燥室が15室設置された工場であり、温泉熱を利用した広葉樹材乾燥工場は全国初となります。仕組みとしては、源泉をタンクにため、そこに浸かるパイプに山水を流し、61~63度ほどに加熱された温水が各部屋の配管を通ることにより、温度管理をしています。
​ 通常、広葉樹の乾燥は約10ヶ月程度天然乾燥を行った後に人工乾燥を行うのが一般的ですが、当乾燥工場では約45日間程度に短縮することが可能となる見込みです。

【工場概要】
・施設全体面積:1,360m2
・乾燥室面積:木造平屋の3棟(15室)で270m2

【工場全景】                【乾燥室】
工場全景   乾燥室

林道「宮・高山線」トンネル事前調査に着手 

 「林道 宮・高山線」は、高山市一之宮町地内を起点、高山市千島町地内を終点とする全体計画11,150mの林道です。
 昭和52年に大規模林道八幡・高山線として政令指定を受けて着手以降46年が経過し、その間に施工者(森林開発公団→岐阜県)、路線名(八幡・高山線→宮・高山線)など様々な変遷がありながら鋭意工事を進めてきました。
 この度、残工事区間1,577mを残すところとなり、トンネル坑口付近に到達(一部暫定完成区間あり)することができましたので、令和5年度はトンネル開設のための事前調査としての坑口付近の測量、地質調査や予備設計などを行いました。
 今後は、本調査や設計を行い、令和15年度の全線開通(予定)に向けて工事を進めます。
 現在、間伐などの森林整備に活用されるほか、沿線に工場、住宅地、宿泊・観光施設等が拡大するなどに寄与しています。また、完成後には国道41号線の高山市~下呂市間の唯一のう回路としての機能も期待されます。

宮・高山線