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知事・岐阜市長合同記者会見(令和2年4月13日)
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に
整理して作成しています。
令和2年4月13日(月曜日)10時00分
司会 |
それでは、会見を始めさせていただきます。 |
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知事 |
おはようございます。この場所で記者会見やらせていただくのは初めてなもんですから、大変緊張しております。 |
司会 |
知事ありがとうございました。 |
市長 |
おはようございます。 |
記者 |
先ほど知事から、かつてない試みという言葉もありましたが、これまでの保健所行政にとって全く異例の画期的なことだと思うのですが、こうした本部を立ち上げるに至った経緯と言いますか、なぜこのタイミングで合同本部を立ち上げるに至ったのかということをお二人に伺いたいと思います。 |
知事 |
今回のこの新型コロナウイルス感染症問題に取り組むにあたって、私どもは対策本部を早急に設けてずっとやってきているわけですが、すでに当初の段階から、県の対策本部、あるいは医療関係の専門家との会合、調整本部、そういったところに、柴橋市長さんをはじめ、岐阜市の方々にもおいでいただいて、一緒に議論をし、進めてきたわけであります。突然何か今日降ってわいた話ではなしに、この問題は当初から広域化するというか、連携ということを私なりに心掛けてやってきた次第でありまして、そういう中で、今回のこの合同本部を考えたのは、何といっても先週金曜日の非常事態宣言でして、宣言の中にも書いてありますが、一方で可児のクラスターの終息宣言をしながらも、非常事態宣言をせざるを得ないという状況の一つとして、この岐阜市の二つの大きなクラスターがさらにまだ目途が立っていないと。 |
市長 |
ただいま知事がおっしゃられたとおりでございますけれども、従前より岐阜県・岐阜市は連携をしながら、県内唯一の保健所設置市としての役割を果たしてきたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この度立て続けに大きなクラスターが発生し、現在まだ終息に向けて途上を歩んでいます。 |
記者 |
市と県の相乗りの本部になると思うのですけれども、現実的に、情報収集、分析、そのグリップを持つのは、県になるのでしょうか、市になるのでしょうか。 |
知事 |
これは、この組織図をご覧いただきますと、本部長、副本部長と、副知事、副市長ということで、全体を束ねてもらって、実際に号令をかけるのはクラスター対策チームのチーム長、副チーム長、県の健康福祉部次長、岐阜市の健康部長ということでありまして、ここで全体の集約をするということでございます。 |
記者 |
人員としては21人というふうにご紹介いただきましたが、これの中に県の方々は何人くらいいらっしゃいますか。 |
岐阜県健康福祉部長 |
県の方は5名、岐阜市の方が14名、あと、アドバイザーの先生が2名おりますので、全部で21名ということです。 |
知事 |
ちょっとごめんなさい。今の話の中に、その下に、県保健環境研究所と市衛生試験所がぶら下がっていますから。この県保健環境研究所と市衛生試験所のPCRのオペレーションもいわば一体のものとして扱っていきますから。その分は除いた数字ですよね。その全体を進めていくチームの数ということでご理解いただければ。すみません。 |
記者 |
知事と市長お二人にお伺いしたいのですが、これまでも県と市は連携してきたとおっしゃった中で、こうして、一段フェーズを上げて合同本部をつくられるということで、これまで、県から見て、市から見て、連携の隔たりになってしまうような、課題に感じていたことがあったとしたら教えていただけますでしょうか。 |
知事 |
先ほど申し上げましたように、この問題の発生の時点から、ウイルスの動きに行政の境目はないということで、特に全国的に見ても、都市部での発症の率が圧倒的に高いということで、そういう問題意識で、当初から、これは事実関係の認識とか、いろいろな打つべき政策とか、そのあたりについては、お互いに情報共有しながら足並みを揃えていくということが重要だということで、さっき申し上げましたように、当初から一緒に会議を進めてきたと。そういうことでやってきたわけですが、本格的に、全貌の見えないクラスターに取り組んでいくということと、現実的に岐阜市を超えて、あるいは岐阜県を超えて起こってきますと、どうしても対策は居住地ベースなんですよね。患者さんの居住地ベースですから、勤務地がこっちで、住んでいるとこがこっちでと。そうすると、住んでいるところの市町村が第一義的には責任を持つということになるんですが、そんなことを言っていては、こういう大規模なクラスター対策にはならないものですから、そういう意味で、齟齬があるとかないというよりも、事柄の性質に我々の体制がしっかりとできていかないと、対策もできないと。とりわけ、非常事態宣言に至ったというのがきっかけでありますけれども、問題意識はずっとありまして、齟齬は感じておりません。 |
市長 |
先ほど居住地ということがございましたが、例えば医療機関ですと、岐阜市外にお住まいの方が岐阜市内の医療機関を受診されて、感染症の疑いありということなると、検体を岐阜市の衛生試験所へ持ってこられます。 |
知事 | もう一つ、大事なことを忘れていたのですが、可児のクラスターの場合には、たった一人の人が感染した。そしてそこから輪がずっと広がっていって、関係者、濃厚接触者を特定していったわけですが、最終的には300を超えるPCR検査をやり、2千5,6百人の経過確認をしたわけですね。そういうオペレーションの中で、PCR検査、あるいは患者さんの病院への収容についても、すでに岐阜市さんに随分手伝っていただいているわけです。岐阜市の衛生試験所の方で、かなり可児がらみのPCR検査もやっていただいていますし、それから、中濃地域の感染症病床が埋まってくるにつれて、岐阜市の病院にもお願いしておりますので、可児のクラスターの終息にあたっても、すでにそういう協力関係の中でやってきたというのも大変重要な実績ではないかなと思っております。 |
記者 |
先ほど、知事がナイトクラブと同じ建物にある飲食店についてもクラスターの対象だというようなお話をされていたと思うんですが、これまでそこはクラスターの範疇には入っていなかったと思うのですが、どういった経緯で今回そのように含まれたのかを教えていただけますか。 |
知事 |
これはお配りした資料の、岐阜市クラスターA、Bが書いたやつがありますね。このクラスターAの一番下に岐阜市飲食店とありますが、これは同じ建物のフロアを異にしているものでして、かつ現実に、ナイトクラブの人が行き来しているということで、感染症が広がっておりますので、これは一つのものとして、ずっと実態を調べていくうえでこういう認識に達したということですね。 |
記者 |
もう一点、今後の広報体制なんですけれども、どういった場所でどういった形でやられるのか、想定で構わないので教えていただけますか。 |
知事 |
今、岐阜県は毎日午後8時ですか、岐阜市さんは午後7時半ですか、会見をやっておられますが、その毎日の会見の中に、この合同本部で起きた出来事も織り交ぜてやろうと。その分については、先ほどの仕組みで言うと、クラスター対策チームのチーム長たる堀次長と、副チーム長たる中村部長と、この2人の方からやってもらうということで、一体的に、その記者会見の中で毎日、状況をご報告し、またご質問もいただくということにしたいと思っております。 |
記者 | 場所としては、またこの場所なのか県なのか。そのあたりは。 |
知事 |
物理的に一カ所にしたほうがいいと思いますので、何曜日はどっちというような格好で統一することになろうかと思います。 |
記者 | お二人にお伺いします。合同本部に人を注力するということは、日々それ以外にも孤発例が岐阜市、岐阜県とも出ていると思うのですが、そちらが手薄にならないかということが心配なんですね。それぞれ感染症対策のチームに、今後、県も市もさらに人を増強していく考えがあるのかどうか、そのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。 |
知事 |
先ほど申し上げましたように、岐阜県全体を眺めたときに、この部分の対策が圧倒的に急がれますし、ウェイトを占めているわけなんですね。もちろん孤発例も追いますが、エネルギーの配分としては当然ここに来るわけなので、そういう意味では、合同本部を置くことによって、別々にやっていた場合よりは、より効率的、効果的に行けるのではないかと思っておりますし、これを追いかけることが、さっきの同じ建物の別のフロアが繋がるように、繋がってくるんですよね。そういう可能性もありますので、そういう意味では、こういう体制でいいのではないかと思っていますが、仮にまた新たな大型のクラスターが発生したりいろいろな状況の変化があれば、マンパワー的には柔軟に考えていかなければいけないかなと思っています。 |
市長 | このクラスターはまさに岐阜市での発生でございますので、岐阜市としてはすでに更なる増強体制について十分想定されるというところであります。 |
記者 |
知事、市長両方にお伺いします。いわゆるリンクの追えない市中感染に関するご認識をお伺いします。先日、柴橋市長がブリーフィングに同席された時に、市中感染の可能性について言及されたかと思いますが、クラスター対策をやっていくうえで、リンクを追えない市中感染が多くなっていけば、クラスター対策をやること自体の有効性というか、意味も薄れていくのではないかと思うんですが、あえて今現在でもクラスター対策が市中感染を押さえていくのに有効だというふうに考えて臨んでいかれるということなんでしょうか。 |
知事 |
まさに先週金曜日の非常事態宣言で申し上げましたように、このウイルスは、感染のスピードが非常に速いと。それから年代、世代を問わず感染すると。それから、自覚症状のないままに感染すると。そして自覚症状がないままに人に移していくという恐れが十分にあると。そしてかてて加えて治療薬、ワクチンがないと。したがって仮に感染した場合には、隔離病床に入って自らの免疫力で治していくということになるわけで、まず何としてもかからないために、1人ひとりが自分の身は守っていくと。そういう意味で世界的にSTAYHOMEと、それからSOCIALDISTANCINGと。とにかく接触をしない、家にじっとしていると。これが最大の防御策であるというふうに言われているわけで、しかし、必要な行動、移動もあるわけなので、そういう中でどうしても市中感染的なものは避けられないかもしれませんが、まずはこの非常事態宣言の中で、お一人お一人が自らの身を守っていただくということでやりながら、一方で、クラスターがどんどん、知らないうちに広がっていくということについても集中的に、現にそこにあるわけですからね。 |
市長 |
今回、飲食店関係のクラスターを見たときに、やはり関係者というのは岐阜市民の方が多いですけれども、見ていくと近隣市町の方もいらっしゃっていて、これが岐阜市内だけの問題にとどまらず、全県的な感染の拡大につながるリスクをクラスターははらんでいると思います。 |
記者 |
知事にお伺いしたいと思いますが、特にナイトクラブのクラスターですね。なかなか対象者を見つけるのが難しいと言われていますが、そこの意味で、岐阜市さんだけではなかなかできない部分を、何か課題があって、そこに対して県として支えるという面があるのかどうかということを一点お伺いしたい。 |
知事 | 先ほど申し上げましたように、可児のクラスターを終息させる中で、岐阜市とのコラボレーションはすでにやってきているわけですね。これは一つのヒントでもありますが、先ほど柴橋市長がおっしゃったように、岐阜市内で発生したクラスターだけれども、広がりを持っているという中でコラボレーションというのは当然、必然的なものであろうと。しかもスケールの大きさを考えると、さっきも申し上げましたように特定多数のクラスターから、不特定多数のクラスターであって、全貌がまだ見えないということですので、やはりこういうしっかりとした組織立てをしてやっていく必要があるのではないかということです。 それから、将来のことをおっしゃられましたが、まだ全く先の見えない状態で、クラスターがなくなったらという、そういうことを想定する時期が来ればいいんですが、今はそういうことよりも懸命にクラスターを追いかけて阻止するという全力投球をとにかくやっていかないといけない時期ではないかなと思います。ですから、状況が好転すれば好転したでまた考えればいいわけですが、今そういうことを考える余裕は全くないのではないかなと思います。 |