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乗鞍岳で活動する人々からみんなへのメッセージ

自然観察指導員上平尚
自然観察指導員上平尚氏

 標高2700メートルの乗鞍岳畳平での自然環境との共生体験はどうでしたか。ライチョウと出会えたでしょうか。お気に入りの高山植物は見つかったでしょうか?

 皆さんが訪れた乗鞍岳には体験したこと以外にも沢山の魅力があります。乗鞍岳についてもう少し説明します。

 乗鞍岳は飛騨山脈の南端にあって、その形成は複合火山帯で100万年程の間に大きな噴火を繰り返した連峰で、2500メートルの頂上をもつ岳が23峰あります。稜線を散策すると、噴火口跡や溶岩流が堰き止められてできた池が7ヵ所点在し、溶岩流が広がってできた緩い斜面にはハイマツが広がっています。

 皆さんはハイマツを観察することはできたでしょうか。

 乗鞍岳にはハイマツの海が広がることで、ライチョウの餌となる実や天敵から身を守る隠れ場所になり、ライチョウが多くみられる有数の場所になっています。
 また、乗鞍岳には、高山植物の宝庫ともいわれる畳平や桔梗ヶ原といった平原も10ヵ所あり、梅雨時から7月にかけては多くの花が咲き競い、乗鞍岳を訪れた時期によって違った様子を見ることができます。

 皆さんは自然観察する中でルールやマナーを守って自然観察できましたか。

 乗鞍岳は、中部山岳国立公園に属し、中でも最も規制の厳しい特別保護地区となっているため、環境パトロール員によるルールやマナーと事故未然防止の安全対策の啓蒙活動をしています。入山する人たちの理解と協力もあり、以前に比べ異臭やゴミがなくなり、豊かな自然が戻りつつあります。また、清掃ボランティア活動による、外来植物の除去作業が行われるなど、乗鞍岳の豊かな自然を後世へと受け継いでいく取組みが行われています。
 皆さんも地域の自然に目を向け、自然に触れて、いつまでも自然への愛着を持ち続けて下さい。

 乗鞍岳は訪れる人の目的によって、様々な過ごした方あります。今回の体験から学んだこと以外にも、乗鞍岳に関心を持ってもらって「なぜ」を感じてもらい、乗鞍岳のことを思い出して、乗鞍岳を訪れて貴重な自然に触れてみて下さい。
 乗鞍岳では、毎年7月下旬に自然観察教室が開催され、乗鞍の自然、文化、歴史などについて無料で指導員やガイドの解説を聞きながら散策することもできます。
 是非、乗鞍の魅力の再発見にチャレンジしましょう。