ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

須賀っとサロン(岐南町)

羽島郡岐南町「須賀っとサロン」へのアドバイザー派遣に関する取組

 「須賀っとサロン」は、多くの人が交流できる場づくりをするために、平成29年2月から地域の公民館や喫茶店を利用して、月1回サロン活動を行っている団体である。
 支援が必要な人への見守りや訪問等さりげないささえあい活動を通して、地域では支え合う地域づくりへの理解と関心がまだまだ低いことに気づき、いかに地域を巻込んだ活動とするかが課題だと考えるようになった。
 そこで、「須賀っとサロン」では、こうした課題を解決していく取組みを学ぶため、がやがやミニ会議を開催されました(平成31年2月14日)。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、講師として、岐阜市社会福祉協議会芥見東支部主事、「小さな手助け事務局長」松原鈴枝氏を派遣しました。

 松原講師から、「小さな手助けの活動について」と題し、講演が行われました。

講演の主な内容

  • 芥見東地区の高齢化率は40.5%(平成30年4月1日現在)であるが、高齢者と高齢者が見守り合い、助け合って生活している地域である。
  • ひとり暮らしの高齢者等を見守る5団体(自治会、赤十字奉仕団、民生児童委員、老人クラブ、身体障害者福祉協会)が、ちょっとした手助けが必要な人への支援が必要との地域の声を受け止め、実施に向けて検討を始めた。
  • 平成23年9月に自治会全戸に、「頼みたい手助けは何ですか、どんな手助けができますか」といったアンケートを実施した。返信用封筒を添えたことにより、58.5%と高い回収率となった。択一式に加え、記述での意見をもらったため集計が大変ではあったが、やっても良いと思う人が大勢いたこと、何らかの技量を持った人が多いことなど、協力してくれる地域の人たちの気持ちがうれしかった。
  • 平成24年5月に「小さな手助け」設立総会を開催。業者に頼むほどのことではないこと、有料にすると頼みたいのに利用しない人が出てくること、お金をもらって行うほどの専門的なことではないということなどから、利用料は無料とした。また、介護保険で対応できるサービスはやらない、車に乗せることはしない、商売の邪魔をしないなどの活動方針を決定した。
  • 運営体制は、代表、事務局員4名、窓口係として各地区にコーディネーターを配置して、丁寧な対応としている。訪問先のプライバシーを大切にする、トラブル回避のため複数人の対応とする、自分の体調に合わせ無理をしないようにすることを心がけている。また、安心と信頼のために登録者に腕章を着用して活動してもらっている。
  • 「頼る」ばかりでなく、「自分でできることは自分で」をモットーとし、網戸や障子の張り替え講習会を開催し、ボランティア登録者が講師となって技術を伝えている。参加者からは、「生活の知恵をいろいろ伝授してほしい」「このような機会があると知り合いが増えて楽しい」との感想が多い。受講者の中から、ボランティアとして登録する人もいる。
  • ボランティアを対象に「認知症サポーター研修」を開催し、認知症への理解を深めている。また、他の研修会も開催することで、活動の幅を広げている。
  • 依頼者、ボランティア登録者の双方が年を重ねて状況変化があることから、平成27年5月に2回目のアンケートを実施し、依頼内容の確認やボランティア登録者の想いを把握し、事業に反映している。
  • 活動の様子を地域に知ってもらうため、活動状況を記載した「通信」を回覧している。また、「通信」をボランティア登録者の方に配布して、仲間の行動を理解し合っている。通信は、平成31年2月発行で41号となる。
  • 依頼者から感謝の言葉が多く寄せられ、自分が役に立っていると嬉しい気持ちになり、やりがいを感じている。
  • 地域外に暮らしている子ども世代に、親がひとり暮らしになってもここ(芥見東地域)で、助け合いながら暮らしているから安心だと思ってもらえる地域づくりをしていきたい。
講演の様子(その1) 講演の様子(その2)
講演の様子その1 講演の様子その2

参加者の意見

  • 認知症について、若い世代も理解する必要がある。地域の人々の理解があれば、住み慣れたところで暮らし続けることもできると思った。
  • 顔を合わせることができる時間帯に、自治会の回覧板を持って行って、できるだけ話ができるように努めている。まず、向こう三軒両隣の人と顔の見える関係をつくっていきたい。
  • ここに住んで10年。やっと地域に慣れ親しんできた。自分にも何かできることがあるかもしれないと思って、サロンのメンバーになった。講演を聞いて、何かできる、やって行きたいとの気持ちになった。
  • サロンができて3年目となり、やっと歩み出している。小さな小さな手助けならできるかもしれないと思う。始めてみて、少しずつ工夫していけたら良い。

 最後に、松原講師から「岐南町は、若い世代が多いのが心強い。多世代の人と交流しながらこの地域にあった活動を進めていってほしい。」と温かいエールが送られました。

<外部リンク>