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平成30年度重大ニュース

飛騨農林事務所2018年重大ニュース

 職員の意見をもとに決定した、飛騨農林事務所の2018年重大ニュースは下記のとおりです。

1.6月から7月にかけて梅雨前線豪雨災害の農地・農業用施設災害、林道災害、豪雨・台風災害による農産物被害

 7月豪雨、台風20号・21号の影響により、農作物・農業施設に甚大な被害が発生しました。特に、台風21号の被害は、トマト・ほうれんそうのパイプハウスが損傷し、次年度作付けが懸念されましたが、補助事業・共済制度の活用により、復旧が順調に進んでいます。
 7月豪雨による被害農作物・農業施設 37百万円
 台風20号による被害農作物・農業施設 7百万円
 台風21号による被害農作物・農業施設 1,293百万円

台風21号により被害を受けたパイプハウスの画像
台風21号により被害を受けたパイプハウス

台風21号により倒木したリンゴ樹の画像
台風21号により倒木したリンゴの樹

 平成30年6月27日から7月8日にかけて発生した梅雨前線豪雨災害では、平成26年を上回る被害額18億6千万円に上る大きな災害になりました。
 農林事務所としては、管内市村が行う被害額調査・査定設計書作成等で支援を行いました。
 高山市:農地204箇所、農業用施設153箇所、災害関連施設1箇所 10億5千万円
 林道31路線・44箇所 2億2千万円
 飛騨市:農地95箇所、農業用施設120箇所 3億2千万円
 林道19路線・39箇所 2億7千万円
 白川村:林道1路線・1箇所 2百万円

農業用施設災害(農道)の画像
農業用施設災害(農道)

農地及び農業用施設災害(農地と農道の埋没)の画像
農地及び農業用施設災害(農地と農道の埋没)

林道の被災状況(高山市石浦町)の画像
林道の被災状況(高山市石浦町)

2.ジビエ料理まつりが開催

 飛騨の一流料理人が作る、飛騨地域で獲れたジビエ料理を味わっていただこうと、11月18日(日曜日)に高山市朝日町の美女高原にて「ジビエ料理祭」が開催されました。主催は、猟友会や解体処理施設・飲食店により組織された「森のごちそうの里・コミュノーテ飛騨」で、イノシシや二ホンジカを衛生的に処理し消費拡大を推進することを目的に6月に設立された組織です。
 当日は、飛騨地域の9つの料理店が参加し、ジビエ串焼き、イノシシ汁、ジビエシチュー、シカ肉の炊き込みご飯などが販売されました。来場者は1000人を超え、どの店の料理も好評のうちに完売となりました。
 来場者からは、とても美味しくジビエに対するイメージが変わったなどの声が聞かれ、「コミュノーテ飛騨」関係者も今後のジビエ振興に自信が持て、引き続きジビエ消費拡大に取り組む上で良い機会となりました。

ジビエ料理祭り会場にて屋台に並ぶ来場者の画像
ジビエ料理祭会場にて、屋台に並ぶ来場者

3.株式会社ひだキャトルステーションが設立

 11月15日(木曜日)、JAひだ本店にて、飛騨牛繁殖研修施設を運営する新法人として、「(株)ひだキャトルステーション」の設立総会が開催されました。出資は、飛騨農業協同組合、飛騨市、JA全農岐阜県本部の3者により分担し、代表取締役社長は、JA飛騨組合長が就任されました。
 30年度中に、県単事業を活用して酪農牛舎の改修工事が行われており、今後、新法人が事業実施主体となり農機具等の導入や繁殖雌牛の導入が進められます。
 新法人が運営される研修施設は、平成31年4月より研修が始まりますが、畜産関係では県下で初めての研修拠点となります。また、飛騨牛の素牛生産や牧草・堆肥の生産販売事業に取り組む計画もあり、「飛騨牛」のブランド化を一層進めるため、素牛の安定供給と飛騨牛の増産に向けて、「飛騨牛」産地の拠点として畜産業の発展に期待されています。

(株)キャトルステーション取締役と関係者の画像
(株)キャトルステーション取締役と関係者

4.飛騨牛のオーストラリア輸出が開始

 JA飛騨ミートが、6月13日に全国で初めて対オーストラリア輸出取扱施設に認定されたことを受け、7月19日(木曜日)に関係者100名余が一堂に会して、「オーストラリア向け「飛騨牛」輸出出発式」が知事の出席の下開催されました。
 「飛騨牛」の輸出は平成20年の香港を皮切りに始まり、平成29年度までに18カ国まで拡大しており、国内外に「飛騨牛」ブランドが浸透しつつあります。特に、飛騨ミートの衛生管理技術が世界水準として国際的にも認められたことは大変意義のあることであり、今後もさらに輸出国が拡大されることにつながると思われます。
 当日は、気温35℃に近づく炎天下の中でしたが、関係者の他、オーストラリアからも2名のシェフも来場し、「飛騨牛」の関心の高さに、関係者一同熱い期待を寄せていました。なお、輸出後のリピートも多く、予想以上の販売が展開されています。

オーストラリア輸出に向けた関係者によるテープカットの画像
オーストラリア輸出に向けて関係者によるテープカット

5.指導農業士会40周年を盛大に迎える

 岐阜県指導農業士連絡協議会は、平成29年で40周年を迎えました。それを記念して、指導農業士会飛騨支部でも3月23日に青年農業士会飛騨支部と共催で、40周年記念大会を開催しました。当日は、指導農業士OB夫婦、現役の指導農業士夫婦と青年農業士及び関係機関合わせて、約90名が出席する中で、30周年以降の支部長5名へ感謝の意を込めて花束を贈呈し、10年間の活動ビデオを鑑賞しました。また、東海農政局経営・事業支援部長から「担い手対策について」をテーマに記念講演をしていただき、交流会も開催されました。更に40周年記念誌も発行し、飛騨地域の担い手リーダーとしてのこれまでの多大なる活躍や功績に感謝すると同時に、今後の指導農業士会の更なる活動に期待がもたれました。

歴代支部長を代表して挨拶される沖田氏の画像
歴代支部長を代表して挨拶される沖田氏

来賓祝辞をされる國島高山市長の画像
来賓祝辞をされる國島高山市長

出席者全員でパチリの画像
出席者全員でパチリ

大会宣言をする役員の仲田氏の画像
大会宣言をする役員の仲田氏

6.「第20回記念大会米・食味分析鑑定コンクール国際大会in飛騨」盛大に開催飛騨地域から国際総合部門金賞全国最多の11名選出

 飛騨地域では、美味しい米づくりの取り組みを進めており、「飛騨コシヒカリ」は、(一社)日本穀物検定協会が実施する米の食味ランキングで、最高評価の「特A」を4年続けて獲得するなど、その成果が着実に現れています。
 美味しい米づくりに対する機運をさらに盛り上げ、飛騨コシヒカリの美味しさを日本全国にPRするため、「第20回記念大会米・食味分析鑑定コンクール国際大会in飛騨」が11月26から27日に高山市民文化会館で開催されました。
 本大会は米・食味鑑定士協会とJAひだの他、飛騨地域3市1村などで構成される飛騨地域実行委員会が主催し、岐阜県は後援として企画段階から協力してきました。10月26日に先立って開催された「第4回飛騨の美味しいお米・食味コンクール」は本大会のプレ大会として位置づけ、本大会と同じ審査内容で実施し、本大会の成功に向けて準備を万端に整えるとともに、美味しい米づくりに向けた生産者の意識高揚を図りました。
 その結果、「第20回記念大会米・食味鑑定分析コンクール国際大会in飛騨」の国際総合部門では、金賞20点のうち飛騨地域から11名(飛騨農林事務所管内)の生産者が選ばれ、また、全国農業高校お米甲子園では、飛騨高山高等学校も金賞を受賞するなど、飛騨コシヒカリの美味しさを日本全国にPRすることができました。
 今後も、美味しい米づくりの取り組みを関係機関と一緒になって、手を緩めることなく進め、飛騨コシヒカリの良食味米としてのブランド化を進めます。

全国からの出品米の画像
全国からの出品米

審査員による最終審査の画像
審査員による最終審査

国際総合部門金賞受賞者(臙脂色の羽織が飛騨地域関係者)の画像
国際総合部門金賞受賞者
(臙脂色の羽織が飛騨地域関係者)

7.ほうれんそう高能率調製機の導入を目指して

 飛騨ほうれんそう産地の課題である調製作業の労力不足問題を解決する一手段として、高能率調製機(根切り+下葉取り機)の導入試験を行いました。この機械は国農研機構の革新工学センターが中心となって開発したもので、開発過程のデータ収集等では県の中山間農業研究所も協力されてきました。下葉除去の精度は95%と高く既に購入予定の生産者もあります。限られた労力を活かすには、機械導入による省力化は欠かせず、当機械の今後の普及拡大に期待します。

高能率調整機の画像
高能率調製機

現場での導入試験の様子の画像
現場での導入試験の様子

8.GAPによる経営改善の試み(GAP認知度向上と認証取得促進)

 丹生川地区のトマト生産者である(有)橋場農園および(株)寺田農園では今後の販売情勢への対応のみならず、自社の経営管理、労務管理にも役立てようとグローバルGAP認証や岐阜県GAP確認制度に昨年度から取り組み、(有)橋場農園では2月に県内では2例目のグローバルGAP認証を、(株)寺田農園は5月に県内では第1号として岐阜県GAP確認制度の認証を受けました。この先進的な取り組みを契機に今後もさらに管内生産者のGAPへの理解が深まり、取組がさらに拡大することが期待されます。

グローバルGAP本審査様子の画像
グローバルGAP本審査の様子

9.新嘗祭に白川村から粟が献穀される

 白川村の農家を代表して、大田剛之・妙子夫妻が栽培した粟が、平成最後の新嘗祭へ献納されました。栽培では、6月の播種祭で苗を定植した後、7月の集中豪雨、8月の干ばつ、9月の台風接近による倒伏などの困難な状況が続きました。畝のマルチ被覆や倒伏防止ロープの設置などの栽培管理を適宜実施したことにより、十分な収穫を確保でき、関係機関の協力による、収穫・選別により、高品質な精粟を献納することができました。11月23日には、天皇陛下自らが、全国から献納された新穀をお供えになり、新嘗祭が執り行われ、五穀豊穣と我が国の農業の繁栄が祈願されました。12月5日には、宮内庁から贈られた新穀御供進伝達書の伝達式が執り行われました。

播種祭の画像
播種祭

精粟の選別作業の画像
精粟の選別作業

皇居での献納式1の画像
皇居での献納式

10.県営中山間地域総合整備事業神岡地区が完成

 平成24年度から進めてきた県営中山間地域総合整備事業神岡地区が平成30年3月に完了しました。この地区は、石神用水路の管水路化、梨ヶ根等の集落道路整備を目玉として、飛騨市神岡町の農業用水や農道、農村集落内の道水路の整備を行ってきました。
 事業の概要は以下のとおりです。
 総事業費393,819千円
 事業量

  • 農業用用排水路5路線L=3,802m
  • 農業用道路3路線L=2,399m
  • 農業集落道2路線L=983m
  • 防火水槽2基

中山間神岡牛ケ原排水路の画像
中山間神岡牛ケ原排水路

中山間神岡柏原農道の画像
中山間神岡柏原農道

11.県単小水力発電施設整備事業戸島用水地区戸ヶ野用水清流発電所の通水

 白川村戸ヶ野地内にて、平成27年度に着手した当事業による戸ヶ野用水清流発電所の通水式を12月10日に開催しました。
 発電された電力は中部電力(株)に売電し、維持管理費等を除いた剰余金は白川村内の農業振興施設の電気料金等に充当する予定です。
 (発電施設概要)
 水車形式:横軸フランシス水車、最大出力:130.0kW
 圧力管FRPMφ700L=554m、ヘッドタンク1基、発電施設1式

小水力戸島用水水車の画像
小水力戸島用水水車

小水力戸島用水通電式の画像
小水力戸島用水通電式

12.第10回「アレうたてぇな飛騨の味」の開催

 毎年開催される飛騨高山冬の風物詩「二十四日市」にあわせて、今年も1月24日に飛騨の農林畜産業や飛騨農林事務所をPRするイベント「アレうたてぇな飛騨の味」を高山陣屋前広場にて開催しました。
 PRパネル展示のアンケートとともに、飛騨の野菜やジビエ(猪)など飛騨産食材をふんだんに使った「飛騨のジビエ鍋」約360食を無料で提供。
 ジビエの味は好評で、お客さまから質問を受けることも多く、併せて鳥獣害などの情報提供もできました。

二十四日市の様子の画像
二十四日市の様子

飛騨のジビエ鍋の画像
飛騨のジビエ鍋

13.飛騨高山高校生(農業土木)の現場研修会を開催

 9月18日に飛騨高山高校環境科学科2年生を対象に、飛騨農林事務所管内の農業農村整備施設の現場見学会を開催しました。
 農業土木を勉強している高校生に、授業では接する機会がない工事内容や農業農村整備事業の進め方などを説明することにより、県の役割を理解してもらえることができました。
 特に平成30年度は、入庁2年目の若手職員である小松技師が実体験を踏まえた説明を行い、高校生たちは真剣に聞き入っていました。

高山高校現場研修(宮川右岸)の画像
高山高校現場研修(宮川右岸)

高山高校現場研修(若手職員による説明)の画像
高山高校現場研修(若手職員による説明)

14.公共施設の木造化が進む

 管内の市村においては「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づく市町村方針により公共施設の木造化を進めています。
 高山市では、社会福祉法人飛騨慈光会が「清流の国ぎふ森林・環境税基金事業」のひとつである「木の香る快適な公共施設等整備事業」を活用して障害者支援施設「高山山ゆり園」と障害者共同生活支援施設「宇津江グループホーム」を内装木質化で整備し、3月29日に竣工式を開催しました。
 また、高山市の社会福祉法人高山社会福祉会が「本母保育園」を内装木質化により整備を始めるなど、各地で木材の利用が進みました。

高山山ゆり園(食堂)の画像
高山山ゆり園(食堂)

宇津江ホーム(リビングダイニング)の画像
宇津江ホーム(リビングダイニング)

15.全国菌床シイタケ品評会で岐阜が団体6連覇、飛騨やまっこ最優秀賞

 1月30日、菌床シイタケ栽培に取り組む「全国サンマッシュ生産協議会」の第32回全国大会と第28回品評会が福島県郡山市で開催され、同協議会岐阜県支部(奥原孝司支部長)が団体の部(県単位で賞の総数を競う)で史上初の6連覇を果たしました。

全国サンマッシュ生産協議会品評会授賞式の画像
「全国サンマッシュ生産協議会」品評会授賞式

16.木質バイオマス利用施設の運用が開始

 地球環境にやさしいエネルギーを導入する動きが全国的に広がってきていますが、この地域でも木質バイオマスを活用した施設の導入が進んできています。
 平成30年は、「臥龍の郷」(高山市一之宮町)において木質チップを燃料にしたボイラーが設置され、12月26日から熱供給が開始されました。
 (乾燥チップ使用量:500t/年)。

「臥龍の郷」木質バイオマスボイラーの画像
「臥龍の郷」の木質バイオマスボイラー

17.飛騨高山高校生(環境科学科)を対象に林業就業促進研修を開催

 将来の森林づくりを担う若い人材を確保するため、林業に関する専門教育を行っている飛騨高山高校環境科学科の生徒を対象に、生徒の林業への関心を高め、林業への就業を促進することを目的として、林業の現場を「見て」「聞いて」「体験する」機会を創出する研修を2回開催しました。
 5月26日に2・3年生を対象に、スイス連邦の森づくりの専門家「フォレスター」から森林管理等について学ぶ研修会を開催し、9月18日に、2年生を対象に、森林組合の森林技術者から、伐採、搬出等について学ぶ研修会を開催しました。

スイス・フォレスターに学ぶ高校生の画像
スイス・フォレスターに学ぶ高校生

安全な伐採について研修中の画像
安全な伐採について研修中

18.森林経営管理法の成立(譲与税を見据えた各市村の検討の開始)

 5月25日に、新たな法律「森林経営管理法」が可決、成立しました。来年の4月1日に施行となりますが、これにより経営管理が行われていない森林について市村が仲介役となって森林所有者と林業経営者をつなぐ「新たな森林管理システム」が始まります。
 各市村では、平成31年度から森林環境譲与税(仮称)の譲与が開始されることを見据え、「新たな森林管理システム」と森林環境譲与税(仮称)の使途などに関して、具体的な検討を開始しています。

19.緊急予防治山事業(崩谷[くずれだに])治山工事完成

 平成25年7月7日の17時20分頃、飛騨市神岡町船津地内の国道41号線を走行していた車両に、山腹からの落石が直撃しました。この対策を、道路管理者である国土交通省中部地方整備局高山国道事務所と当所が連携して行うこととなり、当所は平成26年度に発生源対策工事に着手しました。施工箇所は、高低差が300m以上ある約38度の急傾斜地でしたが、ヘリコプターによる資材運搬などを適用し、平成30年9月20日に工事が完成しました。これにより、国道41号線ばかりでなく、発生源の直下にあるレールマウンテンバイクの施設や地域住民の安全・安心も確保されます。

  • 施工地:飛騨市神岡町船津崩谷
  • 事業費:220,253千円
  • 事業概要:ロープネット工4,649m2、ロープ掛工5箇所、岩塊固定工1箇所

施工地全景(楕円内は施工箇所)の画像
施工地全景(楕円内は施工箇所)

ロープネット工の画像
ロープネット工

ロープ掛工の画像
ロープ掛工

岩塊固定工の画像
岩塊固定工

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