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小屋名しょうけ
小屋名しょうけ[こやなしょうけ]
分類 | 重要無形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 高山市久々野町小屋名 |
技芸団体 | 小屋名しょうけ保存会 |
指定年月日 | 平成29年2月14日 |
片口しょうけ
しょうけの製作
高山市久々野町の小屋名地区に伝わる竹細工のざるで、野菜の水切りや米あげなどの台所用品として使われてきたものを「小屋名しょうけ」と呼ぶ。升受(しょううけ)のなまったものが、しょうけの名前の由来とされている。底と胴が一体となった浅い楕円形で、口のある「片口しょうけ」と口のない「丸じょうけ」がある。
材料は、スズタケ、マタタビ、ツタウルシが使われ、製作道具には古くなった鎌や鉈を加工した手作りの道具を使用し、真ん中から竹を輪に固定して縦に竹を入れながら編み上げ製作する。最後の部分でだんだんと小さくしていくところに高い技術が必要となる。
小屋名しょうけの製作には、伝承者の指先の動きや特殊な道具による高い技術が必要となる。特徴は極めて精巧で強靭、長持ちし、スズタケを縦横に丹念に編み込んだ美しい編み目を作り上げる点である。小屋名しょうけ保存会は平成8年に15名で結成され、製作技術の継承を行っている。金物や合成樹脂の台所用品が出回るようになり、次第に需要が落ちていき、ざるや籠を日常生活の中で製作する技術は少なくなっている現在において、高い技術と精巧な製品、伝承活動を行う保存会が存在する「小屋名しょうけ」は、永く伝承されるべき民俗技術であると評価された。