ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 分類でさがす > 県政情報 > 知事 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成29年12月27日)

本文

知事記者会見(平成29年12月27日)

記事ID:0017015 2017年12月28日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成29年12月27日(水曜日)15時30分

広報課  それでは、知事記者会見を始めます。
 知事お願いいたします。

知事

 今年最後の会見ということになりましたので、恒例ですが、お手元にありますように、1年間の県政を振り返るということで、どんな出来事があったか、どんな進展があったかということをざっと振り返るということで、お話をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料にありますように、まず「人づくり」ということについては、あらゆる分野で進展を見ていこうということで、努力してきたところでございます。地方創生の要のところになるわけでありますが、1ページにあります、産業人材という意味では、中小企業総合人材確保センターでありますとか、農業のアグリチャレンジ支援センターでありますとか、高校生への動機付けと言いますか、産業技術の基礎を学んでもらう「モノづくり教育プラザ」とか、そのような場をつくってきたこととか、学生の県内定着ということで、「オール岐阜・企業フェス」を、今年2年目でありますが高校生にも対象を広げて盛大にやらせていただきました。
 それから2ページ目で農業のほうは、いわゆる岐阜県方式ということで、研修施設をつくりながら、それを核に新しい人材を育て、確保していくということですが、今年は、夏秋トマト、柿、有機農業それから、クリといった研修施設ができて、すでに12の施設を数えるに至ったということでございます。
 それから、あゆパークの建設に着手、あるいは魚苗センターの拡充ということで、内水面漁業についても努力しているところであります。
 林業では、「地域森林監理士」という、森林行政の支援、指導を行う人材の育成をやってきました。その際には、ドイツとの連携を密にしようということで、非常に盛り上がったということで聞いておりますが、「日独林業シンポジウム」をやらせていただだきました。
それから、建設業では大変人材不足が厳しいということで、「ぎふ建設人材育成リーディング企業認定制度」ということで、先般新しい認定制度で、業界挙げての人材育成に取り組むよう督励をしてきたところであります。
それから、地域の活力という観点からの人材という意味では、移住定住対策ということで、地域の様々な方々の協力、支援をいただいたということであります。
 4ページですが、県内に卒業後に戻ってくる学生さんに奨学金の返還免除をするという制度をスタートしましたけれども、専修学校も追加して間口を広げたということであります。
 それから、コミュニティを支える人材ということで、消防団員・水防団員はすでに、かなり明確な成果が出ている分野でありまして、全国ほとんどの県がマイナスに転じている中で岐阜県はこの3年間で500人を超える増加がみられるということで、様々な支援制度が浸透してきているのではないかと思っております。
 子育ての部分では、女性の活躍推進、合計特殊出生率が下げ止まりにはなったとはいえ、更に伸ばしていくために、いろんなところで努力してきております。保育士の不足ということもございますので、保育士の修学資金の貸付も行っております。
 働き方改革ということで、女性、男女参画等ございますが、隗より始めよで、県自身も事務事業の改善で、思い切った棚卸しをしようということで、平成29年度の見直し方針を策定して、今、実施しているということでございます。今後そのフォローアップをしたいと思っております。先般退職されました、上手副知事もこれをやり遂げたいということで、最後まで情熱を傾けていただいたわけでございます。
 それから、文化の面では県民文化局を設置したということでありまして、これは全国的には非常に注目をされておりまして、国のほうも文化行政について、教育とそれ以外が分れがちなところを、一元的に進めていくということで、関心を持たれておりますし、その方向で国も動こうとしております。その一年目ということで、以下に色々とありますように、様々な分野で文化局に頑張ってもらっているところでございます。
 障がいのあるお子さんたちの関係では、岐阜清流高等特別支援学校を4月に開校しておりまして、これで「子どもかがやきプラン」として色々と掲げておりました目標が全部達成されましたので、更に、というニーズが非常に強くございましたものですから、「新子どもかがやきプラン」を策定いたしまして、まずは、西濃地域で職業教育に特化した高等特別支援学校をつくっていこうということで、西濃高等特別支援学校と名付けて来年の4月開校を目指して、整備を進めているということでございます。
 7ページにありますように、3年に一回ということで、思い切って「ArtAwardINTHECUBE」ということで、新しいコンセプトで全国規模といいますか、世界にもアピールをする企画公募展をやらせていただきました。大変好評でございましたので、更に3年後もまたやろうということでおります。
 関ケ原、地歌舞伎、図書館、美術館、清流文化プラザ、いろんな幅を活かして、文化の発信をやってきましたが、特に象徴的な出来事といたしましては、文化と福祉とスポーツとを連携するということで、「清流デッキ」をメモリアルのところにつくりまして、これも関係者の方々が非常に行き来がしやすくなったということで、好評でございますが、このつながりの中で様々な行事もやっておるということでございます。これが大きな「人づくり」に関連するものでございます。
 8ページ以降は「魅力づくり」ということで、まずは「成長・雇用戦略」ということで3月に改定をいたしまして、特に、第4次産業革命、IoTの推進というあたりに力を入れてやってきたというわけでございます。
先般起工式をやりましたけれども、県の工業技術研究所の新しい棟を建築するということで、いくつかに分かれておりました、産業技術の研究所をまとめ、束ねるということで新機軸を期待しようということでございます。
 また、食品産業というのも成長産業として私どもは位置づけているわけでございますが、この「岐阜県食品科学研究所(仮称)」を拠点の施設として、岐阜大学のキャンパスに置いて、大学との連携をしながら食品科学の研究開発をやっていくということで、一部成果も出始めているということでございます。
 航空宇宙博物館もいよいよ、来年の3月24日のオープンまでこぎつけましたけれども、仮にということで、収蔵庫を使って建設工事中に「飛燕」を並べたわけでありますが、大変多くのお客さんがおいでになられまして、期待と関心の高さを感じたところでございます。
それから、3年に1回の「国際陶磁器フェスティバル美濃‘17」もセラミックパークMINOで行われたところでありまして、まずまずの結果だったのではないかと思っております。
 海外展開、販路開拓ということで、いろんな新天地を求めてやってまいりましたけれども、世界最大級の国際見本市に、岐阜県として「岐阜県ブランド」をチャレンジしていくということで、パリの「メゾン・エ・オブジェ」でありますとか、あるいはミラノの「ミラノ・サローネ」でありますとか、単体ではとても出られませんので、国際的な著名なデザイナーとタッグを組むことによって非常に厚遇を受けまして、いろいろと評価をしていただいておりますが、これももう少し続けようということでございます。
 それから、美濃和紙につきましては、世界遺産になって以来、美濃和紙活性化会議というものが動いておりますが、そこでの議論を踏まえて、今年、東京、岐阜、ニューヨーク、パリ、ミラノ、世界5都市で「ワールドプレミア美濃和紙ブランド展」ということで、ブランドマークのお披露目を同時にやらせていただきまして、これも、非常に斬新な試みとして、私も東京で参加しましたけれども、評価をいただいているところでございます。その勢いで、東京オリンピックで入賞者の賞状その他記念品について、美濃和紙を積極的に使っていただきたいということで、提案しているところでございます。
 トップセールスは2回、ヨーロッパを中心に周らせていただきました。
 それから、次世代エネルギーとしましては、コンソーシアムを作って色々と研究開発等々をやっておりますが、地味ではありますが、小水力発電ですね、これをコツコツと積み重ねてきておりまして、農業水利施設を活用したりしておりまして、可能なところに県の支援を得ながら造っていただいているということでございます。
 企業誘致もお陰様で好調を維持しておりますが、特に今年は、日本ガイシ、アイシン・エイ・ダブリュということで、大型の県内としては過去最大級の企業誘致が続いたということでございます。
 11ページですが、「魅力づくり」の2番目が観光・交流、特に観光産業を基幹産業にしたいということは、ずっとかねがね申し上げておりまして、その観点から、関ケ原古戦場での様々なイベント、幸い映画「関ヶ原」も追い風になりましたし、「関ケ原ナイト」も色々と工夫をしてやっているところでございます。
 養老改元1300年祭と連携しながら、養老公園の活性化、あるいは、広域観光ということで色々とやってまいりました。特に、「養老アートピクニック」という、ピクニックをする感覚で養老公園で様々なアートを体験するという試みが、結構好評でございましたので、更に充実させていきたいと思っております。
 それから12ページですが、東濃地域がリニアの10年後の開業を踏まえながら、どうまとまって広域観光をやっていくかということで、色々皆さん検討をしていかれる中で、まず、「東濃」ではわからないということで「ひがしみの」ということで、この地域を皆さんで一致して呼んでいこうということで、「ひがしみの観光パスポート」「ひがしみのの山城」というようなことで、あるいは「ひがしみの」ということでの車のナンバーの統一とか、ようやくリニアの開通をにらみながら、この地域をどうしていくのかということが、「ひがしみの」というコンセプトを中心に動き出したということでございます。
 それから、白山開山1300年も様々な角度から石川県、福井県とも連携しながら、今年はやらせていただきました。世界遺産等の世界に誇るべき遺産を巡るキャンペーンとか、世界農業遺産「清流長良川の鮎」の展開とかをやってきました。
 私どもとして残念なのは、「杉原リスト」について先送りになったということでございまして、今後どうするか、今回の経緯を見定めながら考えていきたいと思っております。
 それから、アニメ、映画、ドラマにおいても岐阜が舞台となる案件が次々と出てきておりまして、それが観光につながり、岐阜のイメージアップにつながっていくということを期待しながら積極的にこの分野でもキャンペーン、PRをやっていこうということでございます。
 それから、未来につながる農林畜水産業づくりということで、岐阜の魅力としての農林畜水産業ということで、飛騨牛をはじめとした、売れる農産物、ブランドづくり、それから県産鮎の販売促進、県産の花きの活用促進と色々とやってきております。畜産振興も新たな種雄牛を造成するとか、中央家畜保健衛生所を岐阜大学の構内に開所をして、連携をしながら「産業動物獣医師の確保」とか「家畜の防疫体制の強化」を図っていこうということで、これも全国的には珍しい試みですが、こういった大学との連携をしながら振興策をやっていこうと、人づくりもやっていこうということでございます。
 鳥獣害対策、ジビエも着実に動いてきて、成果も出てきておりますが、更にもう一段頑張っていこうということで随時、本部会議をやって、はっぱをかけているというところでございます。
 それから、移住定住にもつながるわけでございますが、「ぎふの田舎へいこう!」というポータルサイトを開設いたしましたけれども、そのまま、ぎふの田舎へ行こうというテーマで、テレビドラマもありましたけれども、岐阜の田舎の魅力をアピールすると同時に、いわば里山づくりを担う人材の育成にもつなげていきたいということで始めたところでございます。
 森林につきましては、100年先の森林づくりというメッセージで望ましい森林の配置のありかたというところから、計画的にやっていこうということで作業が進んでおります。
 15ページですが、スポーツは、県ゆかりの選手が大変色々な分野で活躍をされまして、東京オリンピック・パラリンピックを見据えながら、選手強化、合宿の誘致、あるいは高地トレーニング場の積極活用、国際的な展開、県産材の活用、県の食材についてのオリンピック選手村への提供、そのためのGAPという認証を獲得していこうということを着実にやらせていただいております。特に県産材につきましては、選手村に岐阜県のスギ、ヒノキを活用するということは、このあいだ決定したところでございます。
 また、17ページですが、今、政府が力をいれておりますのが東京オリンピック・パラリンピックを一回限りで終わらせないという意味で文化事業を絡めようということで、「beyond2020プログラム」とか「東京2020参画プログラム」とか文化事業をやるように動いておりまして、岐阜県は、ここにありますように、かなり多い事業を既に認証をうけておりまして、そういう意味では全国でも屈指のオリンピックに向けた文化プログラム開催県となってきているのではないかと思います。
 オリンピックに向けて、来年はアジアジュニア陸上、再来年が日本スポーツマスターズ、それからオリンピックの年にねんりんピックということで3年連続で、オリンピックにちなんだスポーツ健康づくりということで、大きな大会を誘致してきておりますので、それぞれに向けて準備をすすめていくということであります。
 それも念頭におきながら、昨年の全国レクリエーション大会が、いわば関係者によりますと、伝説の第70回と呼ばれているそうでありますが、今年は某県でやりましたが、元通りに戻ったということで、岐阜県は伝説になったそうでありますが、せっかくの伝説ですから、県レベルでの全県的なレクリエーション大会を毎年やっていこうと、これをねんりんピックにつなげていこうと、こんなことで、関係者の方々に汗をかいていただいているということでございます。
 それから三番目の大きな柱「安全・安心」ということで今年は鳥インフルエンザから1年がスタートしたわけでありまして、新年早々危機管理の重要性について徹してきたところでございます。19ページですが、医師の育成・確保の課題は各論でありましていろんなやりくりを地域医療対策協議会でやってきておりますし、AEDを全ての県有施設に導入するとか、看護人材の確保とか、いろいろと目配りをしてきております。
 20ページですが、児童虐待の問題については「中央子ども相談センター」をぎふ清流福祉エリアに来年度から移動させるということでさらに拠点としての体制を整備していこうと考えております。障がいのある方に対しましては、ぎふ清流福祉エリアに12月1日に障がい者用体育館の建設工事に着手いたしまして、再来年6月に供用開始の予定であります。
 21ページですが、高齢者を介護する人材の育成・確保ということで、大学との連携協定等々を進めてきておりますし、介護福祉施設に対する安全対策ということで、昨年の7月に相模原で事件がございましたが、いろいろと対策を強化してきたところでございます。今年7月から8月中旬にかけて介護老人施設「それいゆ」で死傷事案が出たということで、先般、改善勧告を出したところでございますが、この分野での安全対策もさらにしっかりやっていく必要があるということでございます。
 健康づくり、食品の安全、暮らしの安全ということもございますが、災害に強い県土づくりということで、熊本地震など全国各地でのいろんな災害を一つひとつ教訓として捉えて本県の対策に参考にさせていただくと、応用していくということで、特に熊本地震の検証では災害対策用の資機材の備蓄拠点を充実するということで課題として受け止めて実際に運用も開始をしておりますし、亜炭鉱対策は着実に基金を造成しながら進めております。
 それから23ページですが、少し時間はかかっておりましたけれども、新たな防災情報通信システムの地上系、衛星系が運用スタートしておりまして、あと残すところ移動系ということで、出来るだけ早く三層一体運用を確立していきたいと思っております。岐阜県庁の庁舎も建て替えの基本設計もとりまとめに至ることが出来ました。
 それから、24ページですが、鳥インフルエンザは冒頭申し上げた通りでございまして今回つつがなく出来たというもののもっと厳しい場面も想定されますのでさらに体制強化ということで、防疫演習とか備蓄とか一斉消毒とか指揮命令系統の見直しとかいろんなことをやらせていただいているということでございます。
 自然環境という面では、環境省からコンセプトは提供されたわけですが、岐阜県中部山岳国立公園というつかまえ方で地域の魅力を高めていくということで活性化基本構想を7月に策定しまして、先般も会議をしましたが、さらにこれを具体化するための基本計画を作りつつあるということでございまして、山岳観光についても目配りを始めたところでございます。
 それからインフラ整備のところでございますが、今年の10月に養老改元1300年祭のメインイベントまでには何とかということで要望を出しておりましたけども、それに沿う形で10月22日に養老ジャンクションから養老インター間が開通いたしまして、名神と接続したので養老公園までの所要時間が短縮されたということでございます。さらに、これを進めていく上で、先般、国土交通省が財政投融資を活用しながら積極的にやろうということで、高富インターから大野・神戸インターについては2024年度供用見込みということを発表されました。財政投融資を活用して県の負担がその分軽減されるわけでありますし、積極的にということで大変ありがたく思っておりますが、東京オリンピックが2020年ですから2024年だとパリオリンピックですからもっと前倒しで行きたいということを強くこれから申し上げていこうと思っておりますし、養老ジャンクション以南についても手続きを早急に進めて見通しを明らかにしていく必要があるのではないかと思っております。その他、リニアを念頭に様々な動きも出てきております。
 以上のようなことで、「人づくり」、「魅力づくり」、「安全・安心」の3つの大きな柱の下でいろんなテーマがそれぞれに具体的に動いてきているこの一年かなと、それから我々の県庁の事務事業のあり方についても見直しをしてきたということでございます。
 去年の今頃のこの会見では、去年の一年間を一言漢字で捉えると何かというご質問がありまして、その時にはいろんなことが動き出したということで「動」という字ですかねと申し上げた記憶がありますが、胎動の「胎」では始まったばかりですからもう少し進んでいるかなと、「飛躍」とか「飛翔」だとちょっとそこまで行っていないから、「動」だろうと申し上げたのですが、今見ていただいたようなことをどのように考えるかなんですが、なかなか文字ひとつで表現するのは難しいのですが、私も4期目の選挙の中で、「『清流の国づくり』の全面展開」ということを申し上げましたし、展開とか発展とかという「動」の動きがかなり進んできたというニュアンスで言えば発展の「展」、展開の「展」というようなイメージが今年一年間通じてやってこられたのではないかと思っております。
 それから、議会でも話題になりましたし、いろいろと議論になった教育委員会の案件でありますけども、年内に第三者委員会の結論ということでお願いしているところで、年内ということになると今日か明日かということになりますが、何とか今日か明日というオーダーで、第三者委員会で結論をいただいてそれを踏まえて年が明けたところで今度は教育委員会側の対応をどうするかというページに移っていければということで関心を持ってフォローさせていただいているということでございます。
 それから来年度の予算編成の作業がフル稼働で動いておりますけども来年のことは来年の新年の記者会見でお話をするようにと言われておるのですけども、これからの作業を踏まえながらですが、今の流れを一段と深化をさせながら新たな課題にも柔軟に対応していくということではないかと思っております。例えば、「人づくり」の中に「生産性向上」、国は「生産性向上革命」と言っておりますけども、「生産性向上」といった視点をさらに強化をしていく、IoTの導入というのはまさにそういうことでありますが、多面的に政策展開をしていく必要があるのではないかと。「魅力づくり」のところでは、東京オリンピック・パラリンピックの準備に向けて急速に来年は進むと思われますので、その流れの中でしっかりと岐阜県の魅力を位置付けて、関わり貢献していきたいと思っております。「海外戦略」もようやくいろんなことが動き出して段々あれもこれも手に負えなくなるのですけれども、前へ前へと岐阜県のいろんな関係者の方々が自信を持って取り組み始めたところですので、これをさらにプッシュしていくことになろうかと思っております。それから、「安全・安心」というところでは、「ねんりんピック」ということを申しあげましたが「健康」という医療・福祉は当然でありますけども、あるいは危機管理も当然でありますが、「健康」という視点をさらに取り入れて積極的にやっていくということも大事ではないかと思っております。そんなイメージで今作業をしておりますが、また年が明けたところで、お話が出来ればと思っております。
 おかげさまで何とか年の瀬を迎えられこと、皆様方にもいろいろとお世話になりまして、改めて御礼申し上げますと同時にどうかよいお年を迎えていただき、また来年もよろしくお願いしたいということでございます。以上です。
広報課  それでは、記者の方からご質問をお受けいたします。
記者  県岐商の監督に名門校の指導の実績のある鍛冶舎さんが意欲を示しておられるということですが、知事の所感は。
知事  岐阜県の今の高校野球がちょっとひと頃と比べると厳しくなっている感じがするわけで、全国的にもいろんな関係者の方々にいろんな意見を聞きますと、全国的な規模で監督、コーチ、選手、体制といったものが問われてそういう中で高校野球が動いている面も否定できないわけで、例えば、今年の選抜の優勝投手になりました根尾君も飛騨の古川中学から全国50の高等学校からお招きを受けて私の出身母校に是非と言ったんですが、大阪桐蔭に行かれまして早速、甲子園の優勝投手になったことで、県内に優れた選手はたくさんいるわけなのでそういった人達をどのように岐阜県に留まってもらって、どのように育てていくか、これは「人づくり」の一環のような話になりますが、選手づくり、チームづくりということで、選手本人もそうですが、監督、コーチの体制をどうするかというのも重要であることが見えてきておりますので、そういう中でいろんな方々が強化をするために手を挙げられたり、いろいろと要望されたり、そういった表れでして、歓迎すべきことではないかと思っております。特定の学校がどうなっていくかということではなしに、そういった動きの中で県内全体が刺激を受けてさらに選手、チームを強化していくという積極的な動きにつながれば、なお良いのではないかと思っております。
記者  先週末に高山の「それいゆ」の関係で処分が出たこと、また瑞浪の中央道の件で廃棄物の撤去がなされたこと、一つの節目が終えたわけですがそれぞれについてどう捉えているのかということと、これまで県に関する取り組みを振り返っていただきましたけども県内で起こったそれ以外の事象とか事件とか印象に残るものがあれば教えていただきたい。
知事  まず、瑞浪の廃棄物につきましては、全量撤去命令を9月に出して、期限内に完了したということで、その部分はひと区切り迎えたということでありますけども、ここから先は再発をどう防ぐかということで、スカイパトロールの監視強化ということも県議会で答弁させていただきましたし、適正処理のルールが如何なるものかということはもっと徹底的に理解してもらわないといけないということも痛感しておりますので、そういう意味での再発防止策の徹底ということが次の課題ではないかと思っております。と同時に今警察が捜査中でありますので捜査の進展も注視していくということでその状況によってはまた私どもも対応していかなければならないかもしれません。それから、撤去後の跡地については法面の安定性が大事でありますのでNEXCO中日本とも協議して当該業者に対してしっかりとした対策を講ずるようにきちんとフォローして指導していきたいと思っております。それから、本件が発生した後、県内には255の同様の事業場がありますので、その半分強については既に立入検査をやっておりますけども、まだ残りもございますので全て不適正な所がないかどうか確認作業はきちんとやっていくと、これは撤去完了後にもやるべきことはありますので、そこはきちんとやっていきたいと思います。
 それから「それいゆ」につきましては、いろいろと調査もし、ヒアリングをし、また検討もしてきたところでありますが、少なくとも行政サイドからすると運営基準、法に基づいてやらなくてはならないものについて十分でない点がいくつかあったので、まずは改めてもらうということで改善勧告という制度的には強い対応をさせていただいたということで、業者の方もこれをきちんと受け止めてやっていくということですからフォローをしていきたいと思っております。それから他の施設でも改めて防止対策の見直しをお願いするということもやらせていただいております。これはあくまでも介護保険法、県の条例に基づく運用基準順守の問題でありまして、この基準違反と死傷事案との間の直接な因果関係についてはこれまでのところでは積極的に認められるところはないということでありますので、今後の警察の捜査の進展もございますのでそちらをフォローしながら対応していきたいと思っておりますが、今回はまずは基準違反に対する行政側の対応、それに基づく再発防止策の徹底ということでございますので、そこのところは県として最後まで関与していきたいということでございます。それからそもそも県の運営基準がこのままでいいのかということもございますので、そこは検討の場を設置して来年の6月を目途に見直しをしたものを取りまとめたいと、それはそれで進めていきたいと行政として十分必要なところは引き続き手を打っていきたいと思います。
 3番目の質問のご趣旨がちょっと分からないのですが。
記者  県政以外の出来事というか、今おっしゃった振り返り以外のことで何かあれば。
知事  ひとつは、このところ全国的にみるとかなり大型の台風が次々と本土にやってきたり、局所集中豪雨で大変な災害も各地で起こっておりますが、岐阜県も直撃かということで本部編成して待ち構えていたりしたこともありますけれども、琵琶湖に抜けたとか、若狭湾に抜けたとか、浜名湖の方へ抜けたとかいうことで、幸い直撃的なものはなかったということであります。何年か前の可児川や八百津であったような百何十年振りの局所集中豪雨とかもありませんでしたので、そういう意味ではありがたいです。けれども、そういった天災はいつどこへでもやってくるものですから手を抜いてはいけないので、私はいつも申し上げているのですけれども、他県なり他の地域で起こったことを直ちに勉強して我々の不備な点を補っていくと、そういう姿勢はさらに強めていきたいと思っています。たまたま幸運に恵まれているだけだと思っておりまして、岐阜県は中山間地や険しいところが沢山ありますので、いざ起こると大変なことになりますので、そういった面では対応を怠りなくということです。
 あとは、ちょうど私の選挙と同じ日に、美濃加茂市の市長選挙がありましたけれども、あの後の司法の世界での判断というか、対応というか、これも関心を持ってフォローさせていただいたというところでしょうか。
 それから、石川県や富山県の知事とは年1回懇談をしておりますけれども、最近痛感しますのは、欧米から北陸新幹線やクルーズ船を使って、北陸へのインバウンドのお客さんが急増しつつあるのですが、皆さん異口同音におっしゃるのは、北陸一県だけではこなせないので、最初から飛騨も巻き込んで広域観光を組み立てていかないとそれだけの大きな流れに対処していけないので、これはもう一体的にやりましょうというようなことをずいぶんと言われますし、これは私どもも実感として感じております。そういう意味では、広域連携ということが、北陸新幹線やクルーズ船といったあたりから現実のものになってきているということであります。
 杉原千畝にちなんだ人道ルートなどについても、JTBさんが一生懸命開拓して商品化しておられますけれども、これも名古屋、八百津、高山、白川郷、金沢、それから敦賀といくわけですから、これも典型的な広域観光の例であります。このような連携が北の方であるとすると、関ケ原も点としての関ケ原ではなく、いわゆる関ケ原エリアだけではなく西濃全体であるとか、滋賀県との関わりとか、あるいは戦国観光といえば岐阜市とも関わります。今、関ケ原そのものをどう再構築するかということをやっておりますけれども、やはり広域的な視野を持ちながら進めていく必要があるのではないかと思っています。
 それから、ようやくリニアの関係で「ひがしみの」というコンセプトに皆が自信を持って取り組もうとういう流れができたことは非常に結構なことだと思いますけれども、この「ひがしみの」も県境をとっぱらえば木曽駒や三河とも一体ですので、リニア中央新幹線に関わる「ひがしみの」観光も狭く解することはないので、長期的な視点で広域的な連携を深める必要があると思っています。
 広域的な連携で最近非常にうまくいっている例は、富山県とのドクターヘリの共同運航ですね。富山県だけで1機ドクターヘリを持つにはどうかなと。それから岐阜県は岐阜大学にあるわけですけれども、飛騨の方でいざというときに富山県のドクターヘリが使えればさらにスピーディーに物事が進むということです。ドクターヘリはあまり話題になりませんけれども、出動回数がものすごく多いんですよね。そのような意味で、飛騨地域を富山と一緒にですね、富山のドクターヘリと共同運航という格好で協力していくということは、お互いにどのように役割や責任を分担していくかということはありましたけれども、非常にスムーズにいった事例です。こういった危機管理における広域的な連携についてもいろいろなところで目配りしていかなければならないと思います。
 それから今年は、信長450年と、白山開山1300年と、養老改元1300年と、3つの節目の年にあたるということで、それぞれにいろいろな行事がありましたし、県の立場でそれぞれに連携していくというか、サポートしていくということもありました。例えば、岐阜駅の「THEGIFTSSHOP」で信長450年コーナーを設けるとか、関ケ原のイベントでも信長450年バージョンもそこに必ず導入したりもしてきました。来年は何か節目のものがあるということはあまり聞かないですけれども、ただ、今年このようにいろいろとやってきたことが一過性に終わらないよう、さらに上手くつながり、発展していけばいいかと思っています。
 それとなんといっても、今年は総選挙があり、その関連で新しい政党ができたり、小池さんをはじめとする新しい動きが出てきたり、政治的には激動でした。比較的岐阜県はそのような中では落ち着いた展開でありましたけれども、全国的には、結果としては安倍政権の強化というようなことにつながってきているわけで、そのあたりの推移とか、近くは三都物語などもありましたけれども、そういった政治の流れがどのように県民市民に受け止められているかということについては関心を持っております。
 さらに目線を広げれば、北朝鮮、中国、韓国、あるいはアメリカのトランプ外交と、いろいろなことが我々の生活に及んでくるわけですので、否応なくグローバリゼーションの中にあるわけですから、そういったことも目を離せないということでしょうか。
 それら言い出すと切りがないので、このあたりでやめておきますがよろしいですか。
記者
 先月に、全国知事会の古田知事も入ってらっしゃる作業部会が、参議院の合区解消に関する憲法改正草案を明らかにされましたけれども、合区の解消が必要だと考えておられる理由と、それには憲法改正が必要なのか、それから合区解消を含めた憲法改正議論へのご期待とかご注文とかあればお答えいただければと思います。
知事

 これは一言で言うにはなかなか難しい複雑な問題ですけれども、まずは最高裁の判決で、今の状態は違憲状態であるとはっきり判定されたということで、これは改めていかざるを得ないと。その前提でどう改めるかというところが平成24年、26年の最高裁判決の出発点になっているわけです。それを改める方向として平成27年に公職選挙法を改正して、憲政史上初の合区というものが二か所で実現したということです。その議論の過程では、本県もその合区の対象にも挙がっていたわけであります。
 それで、やってみたところ投票率がはかばかしくないとか、自分たちの県から代表が出ないではないかという不満や批判があるということで、これから人口減少が続き、仮に一極集中がなお続くとすれば、どんどんと合区が進んでいって東京の定数がどんどんと膨れ上がっていくということになるわけですから、このままでいいのですかという議論は当然出てくるわけでありまして、これに対する答えを、再来年は参議院選挙もありますし、どういうタイミングでどう出していくのかという中で、知事会としては憲法改正論議が出てくる中で、地方分権、地方自治の観点からこういったテーマもお忘れなくということからいろいろ議論をしたということです。そもそも憲法改正の発議は国会でありますけれども、いろいろと議論することは必要だと思っておりまして、投票価値の平等といいますか、法のもとの平等ということと、選挙制度をどう組み立てるかということの調和点を探っていく仕事は早急にやっていかなければならないと思います。
 知事会の中でも色々な意見がありまして、地方というものをなにも都道府県というくくりにする必要はないのではないかと、道州制をにらんでですね、なにも都道府県を固定するような仕組みを憲法に導入する必要はないのではないかという議論も一方の極にはありますし、むしろアメリカの上院・下院のように衆議院と参議院の役割をそもそも見直して、とにかく地域代表というものを憲法上きちっと位置づけるべきではないかとか、仮にそうやって位置付けたら、法の下の一票の平等とですね、同じ憲法の中で矛盾点はあるのかないのかとかですね、難しい議論が沢山ありますので、これからさらに議論をしてですね、皆さんが納得がいくというか、答えを見出していく時期にきているのではないかと思っています。放置していてどんどんと合区が膨れ上がっていくということでいいということではないと思っています。
 思い返すと、私の大学時代の憲法の恩師が芦部信喜先生で、約2年間、その芦部ゼミにおりましたけれども、その当時ですよ、法の下の平等の中で、個人の一票の価値が二分の一以下になったらこれは憲法違反だと、違憲だということで、かつ、そのことについて誰もが違憲訴訟を提起できるという法律論を、当時、芦部先生が組み立てたのですよ。その頃の憲法学の世界では誰もその議論をしておらず、彼がコツコツと議論を組み立ててやってきたわけですね。それが1968年か69年くらいですかね、そこから今日に至って、多くの判例でこの一票の平等ということを真正面から取り上げて、ついに最高裁で違憲まで出てきたと。芦部先生も既に亡くなられましたけれども、それがここまできたかと、当時の先生のいろいろな思いも、私も個人的に浮かんでくるわけで、そういった意味では時代の流れというか、変化を個人的には感じますね。

 皆さん、よいお年をお迎えください。また来年もお世話になります。

<外部リンク>