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知事記者会見(平成29年10月24日)

記事ID:0016660 2017年10月26日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成29年10月24日(火曜日)15時00分

司会  それでは、知事定例記者会見を始めます。
 知事お願いいたします。
知事

 議会などありまして間が空きましたので、いくつかご報告する件がありますが、お手元資料の、養老公園におけるアートイベント「養老アート・ピクニック」の開催ということで、養老改元1300年祭に合わせてやらせていただくわけでありますけれども、11月18日、19日の二日間で、養老公園をアートとウェルネス、健康長寿といったコンセプトで公園の魅力づくりをやってみようということで、情報科学芸術大学院大学IAMASと連携をしてやってみようと、お手元の資料にカラー刷りのパンフレットがありますが、芝生広場と養老天命反転地を中心に、様々なアートがここに結集するということで、映像、音楽、それから構築物がいろいろと、あるいは巨大な目玉型のバルーンとかですね、拡張現実、それからアート・ナイト、世界で話題になっているプレゼンテーションイベント「ペチャクチャ」とかですね、いろいろと盛り沢山の企画がございますので、是非、楽しんでいただきながら、岐阜県としてアートのイベントをひとつ、公園を活かす切り口として考えてみたいと思っております。ちなみに昨年まとめました岐阜県の都市公園活性化基本戦略の中で養老公園の基本コンセプトは「健康長寿の願いと命への感謝が込められた自然と歴史をたどる」ということでございます。まさにその趣旨に沿ったイベントでございますので、是非、多くの方に、特に「森と子どものアートなひろば」というイベントもございますので、現地で楽しんでいただけると思っております。

 それから二番目が杉原千畝の関係でございますが、杉原千畝の生涯を描いたオペラで「人道の桜」、これは既に一昨年の5月にリトアニアの首都ヴィリニュスの国立劇場で初公演をやりまして、その後、東京で3回公演しておられまして、私も今年行く予定でしたがどうしても日程が整わなくてまだ観てないですけども、この「人道の桜」というオペラを、岐阜の清流文化プラザでやっていただくということで、ピアノを伴奏にしながら「ウィーン岐阜合唱団」がこれに加わる格好でプロの方々と岐阜の地元の合唱団等も参加をするという形で作り上げていただくということでございます。先だって、新南田(しなだ)ゆりさんという台本を作り、また杉原千畝の奥さんの役をおやりになる方も岐阜においでになって、会場もご覧になりましたけども、是非、頑張りたいということでございます。
 ちょうど今、杉原千畝の「命のビザ」が世界記憶遺産ということで俎上にのぼっておりますので、これが何時頃どういう形で結果が私どもの方に届くか、今心待ちにしている所でございますけれども、その良い結果と、このオペラの岐阜公演が相まって盛り上がっていければという期待もございます。

 それから三番目が「日独林業シンポジウム2017」でして、これは平成26年に森林文化アカデミーの涌井学長以下、私どもも一緒にドイツのロッテンブルク林業大学、ドイツ屈指の林業を専門にする大学でございますが、こちらに伺いまして、学長間で連携の覚書を交わし、その後、教員の交流、学生の交流、あるいは関連のある民間企業の交流といろんなことが進んでいるわけでございますが、積極的にさらに学術的に連携を深めていこうということで、去年ドイツで第1回のシンポジウムが行われまして、今度は日本側でというか岐阜県側で第2回を行うという趣旨でございまして、資料にありますように様々なプログラムを用意しておりますけれども、メインが11月7日のシンポジウムでございます。私もカイザー学長をはじめいろんな方にお目にかかりましたので本来なら出たいところでありますが、ちょうど海外出張と重なったものですから私が出られないのは残念なのですが、是非、多くの方に関心を持っていただきたいと思っております。

 それから4番目が、来月7日から15日までということで、スペイン、フランス、イギリスへ出張に参りますので、そのご案内ということでございます。
 ひとつのポイントは、スペインで初めてトップセールスをやるということでございまして、昨日も在京のスペイン大使をはじめ、いろいろな方々と打ち合わせをしたところでございますが、岐阜県が飛騨牛その他、モノづくり、あるいは食、観光、三位一体でスペインにアプローチするというのは大歓迎であるということでございます。
実は平成8年か10年、あの辺りの数字をみてみますと、スペインからの観光客で岐阜においでになった方はゼロに近かったんです。それが昨年は2万2千人ということで、スペインから日本への観光客のうち、岐阜に来られたこの2万2千人という数は全国47都道府県中第5位ということでございまして、非常にスペイン側からは岐阜県が関心を持たれて観光先として評価いただいているということで、この時期を捉えて積極的に打って出ようということでございます。
 お手元にもありますように様々なキャンペーンをやっていきたいと思っておりますし、また、国連の世界観光機関というものがあるのですが、これはスペインのマドリードにございます。このことひとつをみても、観光という点ではスペインが非常に大きな力を持っているということの表れでありまして、スペイン語圏も世界に非常に広うございますし、そういう意味で、国連のこの専門機関でもある世界観光機関にも参上して、国連のいろいろな活動のいわば賛助会員のような制度があるようですが、日本の自治体としては初めて岐阜県がこれに参加をして、積極的に国際機関とつながっていこうという思いでいるところでございます。
 それから、世界最古の大学のひとつであるサラマンカ大学が、来年800周年を迎えるということで、岐阜にサラマンカホールがあるとか、サラマンカ大聖堂のパイプオルガンを修復した方が岐阜に縁のある方であるとか、あるいはサラマンカホールのファサードがちょうどその大聖堂のレプリカであるとかいろいろございまして、この際、サラマンカ大学、あるいはサラマンカと岐阜県とで、いろいろなレベルでの交流をやろうということでございまして、来年の800周年のイベントの流れの中で交流を深めていこうということで、岐阜大学と岐阜薬科大学の方々も含めてサラマンカを訪問して、そうしたことに関する意見交換や打ち合わせをやっていきたいということでございます。
 それからフランス・イギリスでは、陸上競技連盟あるいはオリンピック委員会との間で高地トレーニング場の利用について、具体的な合意なり協定締結を進めていこうということでございます。
フランスにつきましては、仮に杉原千畝の関係で動きがあれば、またそれに合わせてアポイントを入れたり、あるいは動いたりもできるのではないかと思っております。
 パリでは、アメリカには「NASA」という宇宙開発機関があるのですが、これに見合うものとして欧州宇宙機関「ESA」があり、その本部がパリにございます。私が通産省の課長時代によく通っていたのですが、あるいはル・ブルジェの空港では1年おきに航空宇宙のエアショーをやっており、そこには航空宇宙博物館もございます。各務原の方も来年3月のオープンを控えて、昨年はNASAとスミソニアンと交流を図ったわけでございますが、同じような意味で今回、「ESA」そしてル・ブルジェ航空宇宙博物館とも連携をとりながら、世界の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館という形でアピールしていきたいと思っております。
 また、ロンドンでは、岐阜県の県産品の開発にご協力をいただいておりますコンランさんや現地のデザイナーあるいは百貨店など、いろいろな方々にお目にかかって、更に岐阜の県産品のプレゼンスを高めていくということで意見交換をし、また、具体的な連携をしていきたいということでございます。

 それから5番目が食品の関係でありますけれども、「岐阜県食品科学研究所」、これは仮の名前でございますが、その起工式を今月の30日に岐阜大学の敷地内で行うことにしております。
 既に連携協定を結んでおりますけれども、現在笠松町にあります県産業技術センターの食品部を岐阜大学のキャンパスの中に移転するということでありまして、国立大学の敷地内に公設試験研究機関を整備するというのは全国初の試みでございます。まさに産学連携ということで、食の開発をさらに前に進めていきたいと、あるいは人材育成、特に学生さんとの交流ですね、こういったことを進めていきたいと思っております。
 また、このエリアは岐阜大学の農学、工学、医学、獣医学、岐阜薬科大学の薬学とございまして、食品あるいは医薬品を含めたいわばヘルスケアといいますか、身体にまつわる関連産業の一大支援拠点として将来的に発展していくことも期待されるわけでございまして、そういった意味でも一つの重要なポイントとなる食品科学研究所の起工式ということでございます。工事が1年2ケ月程かかりますので、再来年の4月から供用開始ということを考えております。
 もうひとつ食品関係では、後で試食していただきますけれども、飛騨の特産のエゴマを用いた機能性調味料が開発されたということです。油をしぼった後のエゴマの種子を原料に、微生物を用いて発酵させて、機能性成分を大幅に増加させた調味料の製造ということでございます。「飛騨えごまの醸(かも)しだれ」ということで、高山市内の糀屋柴田春次商店(こうじやしばたはるじしょうてん)と県産業技術センターが一緒になり、さらに岐阜大学にも協力していただいて完成したわけでございますが、早速明日から、この糀屋柴田春次商店で発売開始するということでございます。後でまた味わっていただければと思います。
 私の方からは以上でございます。

記者  海外出張のことでお聞きしたいのですが、イギリスのロンドンで、イギリスのオリンピック委員会と協定を締結するとのことですが、具体的にはどういう内容ですか。
知事  東京オリンピックが決まった直後に、イギリスのオリンピック委員会の委員長とも会いまして、その時に岐阜での事前合宿についての覚書をすでに締結しておりまして、その際には、具体的にどのような競技でどの施設を使ってどうしていくというような具体的なことではなしに、一般的な岐阜県の協力をうたった覚書でございましたけれども、同じ頃には、イギリスの中長距離選手が高地トレーニングエリアを使っていただいておりますし、今回は、事前合宿についてどこをどう使うかという具体的な合意書の締結になるのではないかということでございまして、今その具体的な文言については、調整しているところでありますが、多分行けるんではないかと思っております。
記者  調整中というところではありますけれども、中長距離以外の競技についてはどうでしょうか。
知事  今のところは、イギリスは陸上ですね。
記者  これは、他の自治体も協定を結んでいるものなんでしょうか。
知事  この合意は、岐阜県だけではなしに、高山市、下呂市も一緒に入った合意になりますが、その他では、今手を挙げているのが、各務原のホッケーとか、岐阜はまさにホッケー王国ですから、各国にアピールをしておりますし、ワールドカップということでラグビーは関と郡上のエリアで、2ケ所手を挙げておりますけれども、これもまだ返事待ちというような状況でございます。
スロバキアに岐阜市の方から行かれて、意見交換をされたといことをきいておりますけれども、具体的にどの競技でどうかということまでは聞いておりません。それから、海津がボートですね。それから川辺がやはり、ボート・カヌーについてですね、アピールをしているというところですね。これからオリンピックが迫ってくるにつれて、具体的な動きが出てくるんではないかと思っております。
 現に調査団と言いますか、視察に来られる人はあちこち増えてきておりますので、そういう機会をとらえて一生懸命アピールをしているというところであります。
 それから、フランスも高地トレーニングには興味があって、先般世界陸上の競歩の金メダリストがやってまいりまして、単に来て練習していっただけではなしに、下呂の中学生に対して陸上教室をやってもらったり、あのエリアの施設整備についてですね、いろいろとトレーニング機器に対する要望とか色んなご意見もいただいておりますので、そういうのを聴きながら、改善しながら更にアピールを高めていくということをやっております。
記者  他の国が使いたいと言ってきた場合であってもある程度イギリスを優先させるということでしょうか。
知事

 高地トレーニング場は常時350人ぐらいは入れますから十分キャパシティはあると思います。

記者  協定には、競技名とか、具体的な内容になるのでしょうか。
知事  国によって違いますけれどもイギリスについては、一回覚書を交わした後の協定なものですから、むしろ具体的なところを書き込もうということでお互いにやっております。ニュージーランド、アメリカ、オーストラリアなども来ますが、どの程度具体的に書けるのか、一般的な協力、リクエストという書き方もありますし、それは国よってバラバラですね。
記者  一昨日の、衆議院選挙の結果を受けて、どんな選挙だったかと振り返られるかということと、安倍政権の継続ということになりますが、政権に岐阜県として求めていくことというのはどういうところになるでしょうか。
知事  なかなか一言ではいろんなことがありましたので、そういう意味では、非常に話題が多いと言いますか、そもそも仕事人内閣ということで内閣改造をやって、国会を開会したら冒頭解散ということでありましたので、解散の大義と言いますか、意義は何かとか、内閣総理大臣の憲法上認められた解散権限とは何ぞやとか、そこから、議論が始まったわけでありますが、その後、政党間の構図が、いろいろと展開をしていくということで、大変目まぐるしい変化、転換をしましたし、その中で、論点と言いますか、争点と言いますか、大変多岐にわたりましたし、政策もさることながら、政局選挙といいますか、そういう側面もかなり強く出ておりました。また、中には、三都物語とか、いろんなことが途中の過程でございましたし、最後の最後は、かつてない超大型台風が投票日にやってくるとうおまけまでついたような選挙でありまして、非常に色々と関心を持って見ていたところです。
 ひとつは投票率が非常に低かったということでございまして、前回に次いで、戦後2番目の低さということでありまして、台風の問題もありましたし、あるいは、争点のわかりにくさといいますか、構図のわかりにくさというのがあったかもしれませんが、これはひとつ残念なことかなと思っております。
 一方で、小選挙区制という制度が導入されて、小選挙区制という制度が、いわば大いに機能を発揮したというか発現したという選挙だったのではないかと思います。やはり小選挙区ですから、どう一騎打ちに持ち込むかというところが、与党と野党の対決の構図の中で雌雄を決していく流れになりがちだと言われていたわけですが、そういう中で野党側が分かれて行ったということで、その結果としての小選挙区らしい機能を発揮した結果となったという感じがしております。そういう中では対立軸を明確にしたところに票が流れたのかなという感じもしております。
 他方で、無所属の方が過去最多の当選率というんですか、73人立候補されて26人が当選したという、これは過去最多だそうでありますけれども、これもまた、小選挙区制のもとでの、独特の今回の経緯によるところの現象かなということで、なかなか複雑なところがあります。
 そういう中で死に票が非常に多かったというのが特徴ではないかと思います。小選挙区だけでいうと、自民党は48パーセントの投票を得て75パーセントの議席を得ている。一方、希望の党は21パーセントの投票を得て6パーセントの議席を得たということでございまして、死に票が小選挙区だけでも48パーセントということですし、ある統計によると、死に票が比例復活も入れると32.6パーセント。これを政党別にみると面白いんですね、自民党の死に票が5.5パーセント、公明党9.9パーセント、立憲民主党が19.6パーセント、希望の党65パーセント、共産党に至っては94.8パーセントが死に票ということで、小選挙区というものが、どういうもであるかということについて、色々と感じるところになった選挙であったと思っております。いずれにしましても国政、地方におきましても課題は山積しておりますので、私の方からもコメントも出しましたけれども、人づくりとか、地方創生とか、社会保障制度の改革でありますとか、防災・減災でありますとか、地方の様々な課題が、総論ではなしに、各論の課題でありますので、まさに具体的にですね、これから、国が年末の予算編成に向けて、まさに仕事人内閣としてどういう具体的な仕事をしていくか、そういう中で、知事会及び私どもそれぞれの県が、これに対してどのように対応していくかということで、まさに、具体的な政策のレベルでこれからキャッチボールをしていきたいと思っております。
 それから当然、緊迫する北朝鮮情勢も含めて、外交安全保障も大きな国全体の課題でありますし、こうした課題のベースのところに憲法改正という問題が大きく横たわっているわけでありまして、そういう非常に広範囲で幾重にも課題が重なっている中で、是非、政府与党におかれては、国民の様々な声に、一つ一つ丁寧に耳を傾けて、強い信念と明確なビジュアルのもと、という言葉を言わせていただいておりますけれども、そうした課題に取り組んでいただきたいという気持ちでおります。
記者  杉原リストの審査が始まりますが、改めて知事はどんなお気持ちで、吉報を待っておられるか教えてください。
知事  私どもとしては。杉原千畝さんがおやりになったことは、こういう今の緊迫した国際情勢の中で、より一層人道主義といいますか、あるいは、平和の大切さといいますか、彼の偉業について、しっかりと見つめ、かつ評価し、学んでいかなくてはならないという時期にきておりますし、かれこれ、このテーマはユネスコとの関係では2年以上色々議論をしてきておりますし、それから、リトアニアに行ったり、アメリカでホロコースト博物館とか、ユダヤ協会とか色んな方々、サバイバーの方々にもお目にかかっておりますけれども多くの方がそういう認識でおられますし、非常に国際的なサポートの中でこれまで準備してきましたので、いよいよ審査が始まるということですので、私どもとしては、彼の人道主義については、丁寧にご説明をしてきたつもりでありますし、必要な資料もお出ししてきておりますので、是非ユネスコの場面できっちりとした評価を得られることを期待してお待ちをしているということであります。
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