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知事記者会見(平成28年12月27日)

記事ID:0015421 2016年12月28日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成28年12月27日(火曜日)午後2時30分

広報課

 それでは、ただいまより知事の年末の会見を行わせていただきます。本日は、発表項目の1つ目としまして、「海外からの誘客に関する連携協定締結式」を行います。そのために、(株)JTB中部代表取締役社長でいらっしゃいます松本博様、並びに東京よりジェイティビーグループ本社取締役でいらっしゃいます坪井泰博様にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
スケジュールにつきましては、協定の締結を行いました後、写真撮影、それから知事からの挨拶、松本社長及び坪井取締役からのご挨拶という順番で進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それではまず、協定の締結をさせていただきます。協定書にご署名をお願いします。

 (協定の締結)

 広報課
 ありがとうございました。
 それでは、写真撮影をさせていただきますので、お立ちをいただきまして、知事、松本社長で協定書を1通お持ちいただきまして、よろしくお願いします。

 (写真撮影)

 広報課
 ありがとうございました。
 ご着席ください。それではご挨拶をさせていただきます。まずは知事からご挨拶をさせていただきます。

知事

 改めて、本日、協定を締結していただきました(株)JTB中部の松本社長、そしてまた、ご出席いただいたジェイティビーグループ本社の坪井取締役をはじめ、関係者の皆様に感謝申し上げます。
 私どもは、平成21年度から「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」ということで、積極的なインバウンド促進ということでやってきておりますけれども、おかげさまで相当な手応えが出てきておるということであります。
 そうした中で、今回、この協定は、「命のビザ」で知られる本県出身の外交官、杉原千畝氏の功績やその精神を世界に広め、次の世代まで語り継ごうと取り組んでいます岐阜県と、そして、「命のビザ」の発給を受けたユダヤ人の輸送業務を担って、現在もなお、企業風土として、これを語り継いでいる(株)JTB様の理念が共通しているというご縁を大切に、協定の締結に至ったということでございます。今後、両者が力を合わせて、海外から本県への誘客を促進させるとともに、観光振興、地域活性化を図っていくということで、杉原千畝氏の功績を大切にしながら、そういったことを進めていきたいということでございます。
 今回の協定に基づく連携事業の第一弾が、北米をターゲットに実施をしていただくということでございまして、私自身も今年9月に、アメリカでトップセールスをやってまいりましたが、飛騨牛あるいは県産品の販売拡大とインバウンド増加を念頭に、ニューヨークとワシントンでキャンペーンをやってまいりました。同時に杉原千畝氏のビザを受け取った生存者の方々あるいはその一族の方々にもお目にかからせていただきまして、貴重なお話しをいただいたところでございまして、ニューヨークはユダヤ人も大変多く住んでおられまして、杉原千畝記念館への、八百津へのツアーへの誘客も相当期待できるのではないかということでございます。
 八百津町は、アクセスが必ずしも良くないので、観光客が大量にお出でになるうえでは、ちょっと不便があるものですから、その点、(株)JTB中部様の方でジャンボタクシーなどを使ったツアー造成をしていただくことで、アクセス環境を改善して、北米からのインバウンド増加を図っていくということを大いに期待申し上げたいところでございます。
 来年の夏頃には、順調に行けば、ユネスコ「世界の記憶」の登録の可否が決定するわけでありまして、登録が叶えば、さらに杉原千畝氏の功績が注目を浴びるということで、一段と今回の協定の重要性が高まるということで、これも大いに期待しているところでございます。
 その上で、なにも北米だけに限りませんので、この北米のキャンペーンをスタートラインにして、世界各地でのインバウンド戦略に(株)JTB様と積極的にタッグを組んでいけたらと思っております。ということで、今日は素晴らしいスタートを切れたのではないかと改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
広報課  引き続きまして、松本社長からお願いします。
松本社長  岐阜県様にはこれまでも様々なお力添えをしていただいておりましたけれども、このたび、この重要な連携協定のビジネスパートナーとして、弊社をご指名いただきましたことに、心から御礼を申し上げたいと思います。
 今般の連携業務に誠実に取り組み、岐阜県様への誘客への貢献をしていきたいと考えております。先程も知事様よりお言葉がありましたように、当社の社名がジャパン・ツーリスト・ビューローだった時代、杉原千畝氏の発給した「命のビザ」を持ったユダヤ人難民の輸送斡旋業務を担いました。その業務に関わった社員が、昨年公開されました映画「杉原千畝命のビザ」にもビューロー職員として、実名で登場しております。会社として当時の社会情勢からこの業務の引き受けに関しましては、相当な議論があったようでございますが、人道的見地から引き受けるべきという経営判断をしたと記録に残っております。(株)JTB中部では、先人たちの想いを忘れないためにも、5年前より出生地であります岐阜県八百津町にて桜の植林を行っております。今回、杉原氏と縁の深い岐阜県様とこのような連携協定の締結ができたことを本当に喜ばしく思っております。
 具体的な連携内容でございますが、まずは連携協定の具体的実施策の一つ目として、杉原千畝記念館ツアーの企画実施をいたします。北米に多く住んでいらっしゃる千畝サバイバーやそのご家族の方々をはじめとし、多くのお客様をこの岐阜県に呼び込みたいと考えております。
 今後もJTBグループ全体で、岐阜県様に対する誘客を促進していき、ご期待に応えていきたいと思っております。以上でございます。
広報課  ありがとうございました。
引き続きまして、坪井取締役お願いします。

坪井取締役

 JTB本社でインバウンドの責任者をしております坪井でございます。この4月にJTB本社にインバウンドビジネス推進部を立ち上げました。地域の自治体様との連携強化、これを柱として取り組んでおります。本日、こういった形で岐阜県様と連携協定が結ばれたことを非常に嬉しく思っております。JTBグループでは訪日インバウンド事業ビジョン2020を策定いたしまして、インバウンド、海外からの旅行客の拡大に取り組んでおります。私どもの在外支店からは商品を作り、販売すると、そして、BtoB、BtoCのオンラインビジネス、また、日本に来てからはツーリストインフォーメーションセンターあるいは多言語コールセンター、また我々の季刊雑誌であります「るるぶ」の多言語化、こういったことを行いながら、しっかりとインバウンドを拡大してまいります。
 その柱は、地域への誘客でございます。今、お二人からお話がございましたが、その促進を期待していただいているということで、しっかりと取り組んでいかないといけないと考えております。杉原千畝のツアーはもちろんでございますが、一つ我々の取組みの例をあげさせていただきますと、私、社団法人アニメツーリズム協会の理事、また立上げに関わっておりまして、参画しております。このアニメツーリズム協会は、観光立国あるいは地域の活性化、これを目的に設立いたしましたが、このたび内閣府の公募事業でございますクールジャパン拠点連携実証プロジェクト、こちらに応募した内容が採用されております。中身はどういったことかと言いますと、大ヒットアニメ「君の名は。」を舞台にした飛騨地域を中心に海外、特にタイ、台湾の高発信ができるアニメファンを連れてきまして、現地に行っていただき、そこでアンケートあるいは行動調査をいたしまして、実際に訴求力を高める手法ということで検証するものでありますが、おそらく、こういったことは大きなインバウンド、岐阜への拡大につながるというふうに信じております。これはあくまでも一例です。我々JTBグループ、色々なリソースを持っておりますので、オールJTBで、しっかりと岐阜県にインバウンドを誘致するということをお約束したいと思います。ありがとうございます。
広報課  ありがとうございました。それでは記者の皆様からご質問を受けします。
記者  まず知事にお聞きしたいのですけれども、今のご挨拶の中でもありましたけれども、今回、あえて世界の色々な地域の中から北米を選ばれた狙いと、今後、どういったエリア、世界中に広げていきたいとか、どうビジョンを持っておられるのか、聞かせてください。
松本社長に企業風土として脈々と語り継がれているということでしたけれども、もう少し具体的にどういった理念が語り継がれていらっしゃるのかを教えていただければと思います。
知事  私どもはご案内のように、平成21年頃から、海外戦略を本格的にスタートしておりますけれども、まずは近場のアジアからということで、順次、香港、中国、それから東南アジアと回ってきまして、その後、ブランディングということを念頭に置いて、ヨーロッパを回ってきまして、そして今年初めてアメリカでキャンペーンをやった訳でありまして、何と言ってもインバウンドのマーケットの大きさとか、懐の深さという意味では、北米が重要でございまして、今年最初に、一回りして北米に辿り着いたところで、かつ、実際に色々な方にお目にかかって、この杉原千畝というテーマの響きが非常に手応えを感じました。これを今度、JTB様と連携をするにあたって、一つのきっかけといいますか、切り口に活かしていきたいということでスタートするわけですけれども、現にユダヤの方々も世界全体を眺めてみますと、やはり北米といいますか、アメリカにおられます方々が数として多いですし、そういう意味ではスタートとしては、良い連携が今回できたのではないかと思っております。
 ここから先どうするかということについては、まさに来年度の予算編成の中で、従来どおりの観光とモノづくりと食材という、三位一体のキャンペーン方式をさらに重ねていくのか、それともこれまで回ったところのフォローアップについてメリハリのついたやり方をしていくのか、はたまた全く新しいマーケットにアプローチしていくのか、あるいは観光、物販ということではなく、もっと広い意味での文化交流、色々な交流を模索していくのか、色々な戦略があろうかと思いますが、その辺りを今、検討しているところであります。来年度また議論が収斂したところでご報告したいと思います。
松本社長  弊社の理念というところでございますが、皆さまにもお配りさせていただいたと思いますが、「“命のビザ”を繋いだもうひとつの物語」があろうかと思いますけれども、私どもは明治の末期でありますが、創業して105年になります。ジャパン・ツーリスト・ビューローという形で創業して、もともと海外のお客様を日本にお迎えをする、そういった役割を担って創業した会社でございます。そういった意味では昨今、訪日のお客様、インバウンドのお客様が大変増えてまいりましたけれども、元々創業がそういった形でスタートしておりますので、この外国人の方へのおもてなし、お迎えをする、そういった体制、機能と言ったものは元々DNAとして備わっていると自負しております。そういったことを活かしながら、国内のお客様はもとより、海外のお客様をいかに日本でお楽しみいただけるかを、利便性を高めていくような色々なコンテンツでありますとか、そういった役割を担っていけるように私どもの会社は今取り組んでいるということでございます。
記者  知事にお伺いいたします。さきほどこの夏にもユネスコ「世界の記憶」への登録というような話がありましたけれども、それも踏まえた今日この時点で協定締結という、何か背景、理由があれば教えてください。
 それからインバウンドに関しては、全国各地色々なところで色々な動きがあるのですが、ともすると埋没してしまうというリスクもあるなかで、この杉原千畝に関しては、どのように独自性を評価していて期待を寄せているのでしょうか。
知事  (協定締結のタイミングについては)特に他意はありません。できるだけスムーズな形で両者の協力を始めたいということで、話し合いが整ったところで発表させていただくということになりました。アメリカから帰ってきて、次の手をどうするかという流れの中で、JTB様との提携の話も浮かんできたとこういうことでございます。
 それから、杉原千畝氏の件は、まさにユネスコ「世界の記憶」そのものが、例えば人権宣言やマグナカルタ、あるいはベートーベンの第九の楽譜やアンネの日記の原稿など、人類がずっと記憶、そして大切にドキュメントを保存し、記憶していくに値する重要なものを登録するという、まさに人類の記憶として登録をするということでございます。
 先般、ニューヨークに行ってサバイバーの方々とお目にかかった際に非常に印象的でしたけれども、単に杉原千畝氏がビザを発行してユダヤ人を何人助けたということだけではなしに、彼ら(サバイバーの方々)も色々その後、杉原氏の事情を調べるにつけても当時の大きな歴史の流れの中で、彼(杉原氏)自身が身の危険があり、かつ国内でも色々な議論があるなかで、ひたすら自分の損得といいますかね、自分にとってプラスになることが何もないにもかかわらず、人道という立場でビザを書き続けたと。これは一人の個人が、利害を超えてこれだけのことができるのだという意味において、ユダヤ民族のみならず、人類が大切に語り継がなければいけない大切な財産なんだと、記憶なんだと、こういうことをサバイバーの方々がおっしゃっておられまして、そこまで非常に深く大切なものとして受け止められておられる訳です。このところ申請の話ができたところで、岐阜県にはユダヤの方々が非常に多く訪れられるようになりましたし、岐阜県に対する関心も非常に高まっておりますけれども、そういう背景があるということで、私ども自身もこの仕事をしながらそういう歴史観に学ぶところが多いのではないかと思います。どこかに埋もれるとか埋もれないとかというよりも、私たち自身もそれこそ大事にしていく必要があると思います。それから、リトアニアに行きますと至るところに杉原千畝氏を顕彰するパネルがあったり、彫刻があったりするわけですね。ある意味では私どもの想像以上に杉原千畝氏が大切にされているということでありますし、そういう意味でその流れをしっかりと受け継いでいきたいと、こういう思いでございます。
記者  JTB様にお伺いします。さきほど支援のなかで、ジャンボタクシーという話が出たと思うのですが、事業内容以外に具体的にどのような支援を考えておられるのか。それから「杉原千畝ルート推進協議会」との棲み分け、例えば取組みが重複して無駄が出るのでないかという気もするのですけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
松本社長  今のところですね、こういったツアーからまずスタートするということで、杉原千畝記念館、八百津町の自然・景観、こういったものをアメリカ人の方にしっかり体験していただく、見ていただく。そのための受け皿をまず作ることが大事であると考えておりますので、まずはツアーをしっかり催行させ、ご評価をしていただくことから始めたいと思っております。
それから協議会との棲み分けについては、まさにこれからしっかりとやりたいと思いますし、無用なバッティングといいますか重複がないような形で進めていきたいと思っております。
記者  現時点で具体的な支援というのは、まだ明確な形になってはいないですか。
松本社長  先程も申し上げましたが、まず八百津町に5年前から桜の植林を私どもの事業として取り組んでおりまして、これで5年目を迎えました。毎年、300から400人くらいのボランティアの方々によって植林をしてまいりました。これを続けていきたいなと思っております。
記者  JTB様にお伺いします。ツアーの具体的な、例えば利用者数などの想定している規模ですとか、販売する期間、料金といったもの、あとどういう状況で購入できるのか、例えばアメリカで購入してこちらに来るのか、それとも現地で購入できるのかといった使い方について教えてください。
松本社長  購入手法は、こちらに到着してからになりますけれども、こういった商品がある、こういったツアーがあるというPRに関しては、もちろんアメリカでさせていただきたいと思います。それから具体的な販売人数、料金については、まだ公表できる段階ではないということでご理解いただけますでしょうか。
記者  (記者配布資料に)1月からとあるのですけれども、1月時点になるまでは公表されないということでしょうか。
松本社長  告知が1月ということでございますので、商品自体は4月頃です。
記者  販売が2月からになっておりますけれども。

松本社長

 販売は2月で、商品自体は4月頃を予定しています。
記者  では概要が分かるのは2月ということでしょうか。
松本社長  はい、そうですね。

坪井取締役

 一つ補足しますと、着後でなくても我々の多言語のウェブサイトを利用いただけば全世界から購入することは可能になります。  それから宣伝の仕方という部分では、アメリカのJRパスを買ったお客様のクーポン券にしっかりとこのツアーの宣伝をしているということもやってまいります。
広報課

 それでは、この共同会見につきましてはこれにて終了とさせていただきます。松本社長、坪井取締役はここでご退席されます。どうもありがとうございました。

 (松本社長、坪井取締役退席)

引き続き、知事定例記者会見を進めさせていただきます。
それでは知事お願いします。

知事

 お手元にフランスの「メゾン・エ・オブジェ」の出展関係の資料があるかと思いますが、ここにありますように、来年1月20日(金曜日)から24日(火曜日)までの5日間、インテリア業界のいわば「パリコレ」と言われております国際見本市の「メゾン・エ・オブジェ」に岐阜県がブースを出展するということでございます。会期中は世界中から3千社が一堂に会するということで、海外のバイヤー、ジャーナリスト等々だいたい8万人前後の人が来場するということです。メゾンというのは家、ハウスですね。家具、雑貨、ホームテキスタイル、テーブルウェア、文房具など家に関する、生活空間を彩るアイテムが出品されるとこういうことでございます。
 私の承知しているところでは、「メゾン・エ・オブジェ」に出すこと自体が一苦労といいますか、相当なバリアを乗り越えていかなければいけないということですが、今回、私どもとしてはラッキーなことに、イギリスの著名デザイナーであるセバスチャン・コンラン氏といわば協定を締結して、岐阜県の企業10社とコンラン氏が連携をして、新商品開発をしたということで、「SEBASTIANCONRANGIFUCOLLECTION」と銘打って、出させていただくということになりまして、大変私どもとしてはいい機会をいただいたなと思っております。世界最大級の生活空間の見本市であります「メゾン・エ・オブジェ」の中でも、最も注目を集めるのが「ホール7」というゾーンでございまして、そこに岐阜県単独のブースが出るということで、これまた非常に恵まれた状況の中での出展になっております。県内企業10社とコンラン氏が連携した37商品が、お手元の資料に写真がありますけれども、「美濃和紙」「木工」「陶磁器」「刃物」をベースにしたものでございまして、コンラン氏のモダンなデザインと、岐阜のモノづくり産業の伝統技術とのコラボレーションということでございます。これが岐阜ブランドというような形で、世界に認知をされ、評価をされ、商品として普及していくことを大いに期待するわけでありまして、そういう取組みの一つの大きなスタートになろうかと思っております。今年は、4月にイタリアのミラノで開催された「ミラノ・サローネ」に、美濃和紙を中心にスイスのデザイナーと組んで出展したわけでありますが、今回はこのパリの「メゾン・エ・オブジェ」という舞台で、「SEBASTIANCONRANGIFUCOLLECTION」ということで出させていただくとこういうことでございます。
 初日の20日(金曜日)にオープニング・パーティをやることになっておりまして、メディア、ディストリビューター、バイヤー、デザイナー等々ざっと500人をお招きしてスタートしますが、この時に地酒や飛騨牛など併せて目いっぱいおもてなしもしたいなと思っております。コンラン氏自身が岐阜県の伝統工芸品の豊富さや匠の技に非常に興味を持っていただいたというところからスタートしたわけでありまして、これをきっかけに県内の他の企業も含めて、海外販路拡大に一つの大きな弾みになればということもあわせて期待をしているところでございます。
 私もできたら行きたいのですけれども、ちょうどこの時期は身の自由が利かない時期ですから、副知事ないしはしかるべきスタッフに行ってもらおうと思っております。

それからもう一つは、お手元の資料に「平成28年の県政を振り返って」ということで、数ページの柱書きだけのものと、25ページの冊子がございます。ざっとこれを見ていただければこの1年間、岐阜県政どんなことをやってきたか、どんなことがあったかということが一目瞭然ですから、お時間が許すところで見ていただければと思いますが、せっかくのこの会見の機会でございますので、駆け足になりますが、一緒に見ていただければと思います。
 25ページの冊子の方で見ていただきますと、「ひとを育む・ひとにやさしい社会をつくる」という一つの大きな柱の中で、担い手づくりということで、農業の岐阜県方式でありますとか、下の方の「成長産業人材育成センター」のスタートでありますとか、次の2ページの県立岐阜工業高等学校における「モノづくり教育プラザ」でありますとか、また企業合同フェアの「オール岐阜・企業フェス」でありますとか、色々と人材育成なり人材確保ということで色んなことをやってまいりました。
 3ページからスポーツによる地域振興でありますが、特に、真ん中より下にある「ホストタウン」に一早く名乗りを上げて、各国との交流を進めているということでありますし、4ページに入りますと、大きな行事としては「第70回全国レクリエーション大会in岐阜」。約17万人という過去最大規模のものになりました。5ページにあります皇太子同妃両殿下の御臨席のもとで行われました「第19回全国農業担い手サミットinぎふ」、これも過去最多の5万人強が結集したということでございました。
 女性の活躍ということでは、「女性の活躍支援センター」をつくり、6ページにあります「清流の国ぎふ女性の活躍推進会議」、「イクボス」の養成講座等々、やらせていただいております。
 2番目の大きな柱「しごとをつくる」ということで、7ページからでありますけれども、特に岐阜ブランドを発信するということで、ベトナム、タイ、それからアメリカとトップセールスもやらせていただきました。このところ、急速にベトナムとの交流が進んでおりますし、タイの最大の百貨店グループのセントラルフードリテール社とは、今、人の交流・マーケティングの交流をやらせていただいております。7ページの下の方になりますが、アメリカのマンハッタンで飛騨牛と日本酒を本格的にアピールさせていただいたということであります。
 成長・雇用戦略という意味では、8ページの下のほうですが、かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルに着手しましたし、世界につながる博物館ということでは、アメリカのスミソニアン博物館との連携もスタートしております。9ページの真ん中より下にあります、先ほど話がありました「ミラノ・サローネ」への出展、これは新しい試みをして、非常に成功裏に終わって、県美術館、東京スパイラル・ガーデン、東京アクシス・ギャラリーという色々デザインの色んな方々の交流するところで凱旋展示会をさせていただいたということでございます。今、商品化に向けて作業をしているところであります。10ページの一番上が、今回のコンラン氏との(商品)共同開発「メゾン・エ・オブジェ」です。真ん中から下、ソフトピア・ジャパンが20周年を迎えたということで、IT活用ということでさらに弾みをつけたいと思っておりますし、初の移動式の水素ステーションも開設しております。
 11ページで、広域観光という観点で、関ケ原古戦場の整備ということで、「世界古戦場サミット」、ゲティスバーグとの連携、武将イベントということで、今年は10月末で既に目標の30万人を突破しておりまして、急速に来場する方の数も増えております。12ページで、こういったことと併せて、県営の4つの都市公園について、根っこから見直そうということで、「岐阜県都市公園活性化基本戦略」をまず作らせていただいて、これから各論をやっていくということであります。観光列車「ながら」も大変好調でございます。それから養老鉄道の活性化も色々ございました。
 13ページの真ん中が農林水産業でありますが、「100年先の森林づくり」でありますとか、ドイツのロッテンブルク林業大学との協定に基づいた、特に集材技術の高度化ということで取組みを進めていただきましたし、正式名称は決まっていませんが、おもちゃ美術館、総合的な木育拠点を作ろうということで、検討が始まったところです。14ページは、花きの振興ということについても、本格的に取り組み始めたところであります。それから、ジビエの登録制度、岐阜オリジナル新品種ということで、いちごの「華かがり」もありましたが、何といっても話題を呼びましたのは「天下富舞」という柿でありまして、2個32万4千円で取引されたということでございます。
 15ページに入りまして「岐阜に呼び込む」「まちの魅力をつなぐ」ということで、移住定住が特に20・30代の若い世代を中心に好調であるということで、増々この面では力を入れていきたいということでありますし、大学生のUIJターン、就職促進にも力を入れてきておるということでございます。
 16ページが「世界遺産を活用した岐阜ブランドの創出」ということで、3つの祭行事が先般ユネスコの無形文化遺産になりましたし、「杉原千畝」も「世界の記憶」への努力をしているというところでございます。世界農業遺産の「長良川の鮎」につきましては、「内水面漁業研修センター」を設けたところ、アフリカ、中国、アジア各地から研修生もおいでになっておられると。それから、「魚苗センター」の拡充、石川県との連携ということで「里山・里川・里海」とストーリーを作って発信をしていこうということで、両県の色々な連携事業をやっております。
 18ページからが文化・芸術ということで、今年は飛騨・美濃合併140周年でございましたので、記念行事をいくつかやらせていただきました。また、従来、未来会館と言っておりました「ぎふ清流文化プラザ」が、オープンして1周年ということで、まずまずの成果を上げてきておるのではないかと。今後、地歌舞伎の定期公演化ということも決まっております。19ページに入りまして、県美術展といって毎年やっていたものを、3年に1回の本格的な世界に通用する芸術祭ということで、日比野克彦館長に関わっていただき、オールジャパンの審査員を組んで、「ArtAwardINTHECUBE2017」の準備が今、着々と進んでいるところでございますが、これを何とか来年の4月半ばに順調にスタートさせたいと思っております。新しい美術館長の日比野氏は、様々な新しい試みをやっていただいておりますし、図書館の名誉館長には紺野美沙子氏、ここにありませんが、かかみがはら航空宇宙科学博物館のアンバサダーと言っていますが、事実上の名誉館長を、宇宙飛行士の山崎直子氏にお願いしております。
 未だに燃え盛っているアニメ映画、岐阜が「聖地巡礼」のメッカになったということでございまして、先ほどJTB様がアニメツーリズムとおっしゃっておられましたが、そういうジャンルもできてきたということで、岐阜県としては非常に恵まれたポジションにありますので、大いに活かしていきたい。
 インフラ整備という点では、東海環状自動車道の西回りルートの完成を急ごうということで、あらゆる機会をとらえて、予算、三重県との連携、色々なことをやってきているところでございます。いよいよリニア中央新幹線は、先般、瑞浪市の日吉で起工式が始まりましたが、県内でも工事が始まるということでございます。当然、これの活用戦略の具体化ということを更に進めていく必要があるということでございます。
 最後の大きな柱が「安全・安心をつくる」ということで、特に明日は我が身ということで、熊本地震を始めとして、他県で色々な事例が起こるたびに、これを岐阜県の教訓として検証させていただくということを、ずっとやってきておりますし、緊急輸送道路とか、県庁舎の再整備でありますとか、そういったことも順調に進んできております。この22ページの一番上にあります、防災無線、本格的な3層システムでやろうということでありますが、とりあえず地上系からスタートさせていただいたということです。消防の広域化とか、新規消防団員の加入への支援とか色々やっておりますし、防災リーダー、防災訓練等々丁寧にやらせていただいております。23ページの真ん中にありますが、登山届の義務化ということで、ようやく長野県に加えて石川県も足並みを揃えて義務化しようという流れになってまいりました。より山岳遭難、火山防災対策としてしっかりやっていきたいということでございます。
 安らぎのある県民生活ということで、医療の充実、特に重症心身障がい児のための新しい病棟を(県総合医療センターに)作りました。(県内の医療機関で一定期間勤務することを条件に、県出身の岐阜大学医大性に修学資金を貸与する)地域枠の制度がスタートして8年ということで、第1期生が、今各圏域の医療機関で勤務を開始しているということでございます。引き続き、地域偏在、科別の偏在といいますか、そういった問題、課題があるわけですが、この地域枠その他を活用しながら取り組んでいきたいということであります。
 福祉につきましては、(岐阜市)鷺山地区を「ぎふ清流福祉エリア」ということで、障がい者の医療・福祉・教育・文化・芸術・スポーツ・就労、一体的なエリアの整備を進めてきております。先般も福祉友愛プールができたわけでありますが、この先もいくつか整備してまいります。ひきこもりとか、若年性の認知症支援とかも丁寧に対応してきております。
 25ページの真ん中あたりですが、食品廃棄物が突然食品になってしまうということで、監視体制の強化をはじめとして、再発防止のために手を尽くしているところでありますし、亜炭鉱の廃坑対策ということで、予防的な工事をモデル事業としても予算をいただいて順次進めているところでございます。
 全体を眺めて、地方創生という流れの中で、清流の国ぎふ創生と言っておりますけれども、こういった柱建ての中で色々な分野で色々なことが徐々に前向きに進んできつつあるというのが現状ではないかなと思っております。特に幸い、(本県では)今年は大災害はございませんでしたが、備えを忘れずということで、先ほど見ていただきましたように、他県や他の地域の色々な事例に学んで危機管理体制だけはきっちりやっていこうということと、岐阜ブランドの魅力発信でありますとか、人づくりでありますとか、こういったところを中心に地域の魅力を高めて地方創生につないでいくと、こういう大きな流れの中で色々なことが動きつつあるというのが、今年の1年の姿だったのかなと思います。
 来年に向けては、今、来年度の予算編成の作業をやっておりますけれども、新年の記者会見でお話しさせていただきます。
 色々なところで動き出したものを、着実に形にしていくというか、いい結果につながるように1つ1つ丁寧に対応していくということに、大きな括りとしては来年はなるのではないかなと思っております。いずれにしましても、私の身分があいまいでございますので、とりあえず私の想いということを申し上げて、次のフェーズはまた別の機会にお話しさせていただきます。
今日お話しすることは以上であります。今年最後の記者会見になりますけれども、1年間大変お世話になりましてありがとうございました。また、来年もよろしくお願いしたいと思いますし、是非よいお年をお迎えいただきたいと思います。

記者  メゾン・エ・オブジェについて、先ほどそもそも出展することが一苦労ということでしたが、コンラン氏との協定締結が大きかったということでしょうか。
知事  そうですね。ただ、私はいずれメゾン・エ・オブジェに岐阜のモノを出したいという願いを前から持っておりまして、フランスに出張へ行くたびにメゾン・エ・オブジェの幹部と面会をして、こちらの想いは伝えておりますし、先方側の問題意識も伺ったりしております。それから、先方が東京で色々な見本市をやりますよね、そういうのにおいでになるときにも、東京でお目にかかって彼らの問題意識とか色々なことを聞いたりして、そういう意味での交流はずっと、この何年か続けておりました。今回、出展する以上は、相当腹をくくって思い切ったことをやる必要がありますので、コンラン氏と組む中で出ていくのが一番、形としてはいいのではないかというこういう作戦です。私はあまり知らないのですが、ありがたいことに、(今回出展する)「ホール7のNOW」が本当にど真ん中と言いますか、会場の最上の場所を提供してもらえるということで、それだけ私どもの想いなり、コンラン氏の評価なりが、響いたのかなということです。ホール7は誰に聞いても、よく初出展でこのど真ん中をとれましたねと言われるので、非常に期待できるのではないかなと思っております。
記者  県政を振り返られた中で、深刻な人手不足というのが今年1年ずっと続いておりまして、有効求人倍率が全国4位という状況が続いておりますけれども、その辺りについてのお考えと今後の対策をどのようにお考えか教えていただければと思います。
知事

 色々なテーマで政策論をやるということで、県内の有識者の方々にお集まりいただいて議論しておりますけれども、どんなテーマで議論しても、人手が足りないという声があらゆるところで出るようになりまして、まさに人口減少、少子高齢化とずっと言われてきたことが、人手不足という形でかなりはっきり出てきているという感じがしております。

 それから、有効求人倍率というのは一昔前であれば、これだけ仕事がたくさんあるということだったのですが、分母と分子の関係ですから、仕事がたくさんあるという面もあるのかもしれませんが、その仕事に見合って人が岐阜県に残っていないということもあるのではないかと思っております。この辺りの分野ごとの人手不足の分析を共通的なことはもちろんあるにしても、それぞれの分野でどういう人手不足が起こっていて、どういう対策をやっていったらいいのかという、大きな人手不足、人材育成マトリックスのようなものを作って、そしてその政策を一番フィットした格好で打ち出していく必要があるのではないかと思って、その作業をスタッフにさせておりますので、またどこかでこの問題について統一的な整理をしたものを発表したいと思っております。

記者  清水寺の毎年恒例の今年の漢字なのですが、県内も色々なことがあったりしたのですが、知事が何か一つお選びになるとしたら、どんな漢字でしょうか。
知事  今年は「金」という漢字が選ばれて、金メダルやトランプ氏の金髪など、色々趣旨はあるとは思いますが、私は実感として、どのような字がいいかは別として、岐阜県の色々な分野で色々なことが間違いなく動き始めたという感じがしておりまして、どういう字だったらいいのか分かりませんが、例えば胎動の「胎」という字になるのか、躍進の「躍」という字になるのか、飛翔の「翔」という字になるのか、突然のご質問ですからなかなか一つに絞り切れないですが、ただ、飛翔と躍進という字はまだ早いかなと思います。もっと結果が出てこないといけないと思います。しかし、静から動に移ったということは間違いなく言えるかと思います。だから、静から動に移ったという姿をどのような漢字で表すかということで、思いつきですが、例えば胎動の「胎」という字なのか、ただ、胎動というのは入口過ぎて、もう少し先に行っている気がします。飛躍まではいきませんが、動き出したばかりでもありませんし、この間のなにかいい字があるといいかなと。  
記者  「動」ではダメですか。
知事  「動」でもいいです。静から動といいますか、シンプルに動かもしれません。そういうことを実感としては感じております。
記者  先程の振り返りの中で、リオオリンピック、あと今度の東京オリンピックに向けて色々なスポーツ強化策を出しておられて、知事も大変熱心に、どちらに行かれてもその話をしておられて、動かし始めたという感じがします。一方で、振り返ってみると過去のメダリストが非常に少ない県だと、こちらで取材を始めて思いまして、岐阜出身の金メダリストというと高橋尚子氏だけではないですか。このくらいの人口規模の県で他を見回すと、もっとたくさん出ているところが多く、そういう状態を打開しようという動きなのだろうと、そのような側面もあるのだろうと思うのですが、これまでの背景というか、あまり出てこなかった背景というものを、どのように捉えていて、知事はこれから物事を起こされていこうと考えておられるのかお聞かせください。
知事  そんな大それたことを考えているわけではないですが、私はスポーツに興味があるということもあるのですが、今のご質問に真正面からお答えすることにはならないのですが、国体を準備していく中で色々と感じるところがありました。
一つは、スポーツをする環境づくりというものを、4年前の国体は全市町村に何かやってもらおうということで、何もしない市町村は一つも存在しないようにしました。何かやってもらおうと思うとじゃあ何をやりますかということで、そのためには一定のスポーツ環境が必要であり、そういう意味で全ての地域にわたってスポーツの機運というか、面白さ楽しさといいますか、そういうことを作りだしていくというのは、どのようにしたらいいのだろうかという問題意識もありました。
それから、中学生で目立った方が出てくると高等学校へ行く段階でどこかに持っていかれるんですよね。他県に行くわけです。それはやはり練習環境や指導者、あるいは強く引っ張られたなどのケースもあるのですが、必ずしも岐阜県に留まってずっと競技を続けるというよりは、もっといいところを求めて、それでも岐阜県出身で活躍していただければいいのですが、これまた環境整備が必要だと思うところもありました。
 それから環境整備というものはハードだけではなく指導者が必要で、よく国体は開催県がひとり一生懸命に天皇杯、皇后杯とやっているなど色々な議論がありますが、そういうことではなく、人生ずっと長くスポーツを続けたいというアスリートにとって、就職先が非常に限られているんですよね。それこそメダリスト足り得る人や日本チャンピオンなど、そういう方たちはそれなりに就職して、それなりにちゃんとした競技を続けていく環境の中で、指導者にも恵まれ、ハードにも恵まれ、さらに自分を磨いていくのですが、そのもうちょっと下のレベルというか、その人たちを追いかける層の人たちもいるわけです。その人たちが学校を出て、どういうところで就職して、どういう環境の中でどうやっていくのかという時に、国体というのは一つの受け皿になって、そのような人たち自身がもう一回活躍のチャンスを模索するという面と、同時にその先、指導者としてその地域に残って、地域のスポーツの水準を高めていくうえで貴重な人材になるということです。
 金藤氏は国体の時にお誘いしたわけですが、お誘いをした糸井先生というのはお父様が前の国体の時に県外から来て活躍をして、そして岐阜に留まって岐阜の水泳水準を上げて、自分の息子をさらにオリンピックの選手にして、その流れの中で金藤氏に岐阜で引き続き水泳をやりましょうね、ということでやって、岐阜の子どもたちの水準もあげてもらい、本人もまたチャンスを獲得するとかですね、どんなスポーツを取ってもいわゆる一握りのトップクラスのその少し下のところに分厚い層があってはじめて全体のレベルが上がっていくわけなので、この分厚い層をきちんと育てていくということが長い目で地域全体のスポーツの強化にもつながるということで、その辺が非常に大事だということを国体をやりながら感じました。
 ですから国体を一過性で終わらせないということは、国体が終わったら今度はその人たちがさらに挑戦をしてもらってもいいし、さらに今度は指導者として若い人を岐阜で育ててもらう、そういう貴重な人材として頑張ってもらうというかですね、色々なことを考えて、実は国体予算というのは段々上がっていって国体の時にピークに達したのですけれども、そこから実は予算は下げていません。ずっと横ばいなんです。焦点を今度はもちろん底上げと言う部分もありますけれども、トップアスリートということで言えば国体からリオへ、平昌へ、そして東京へということで、アスリートの競技力向上にメリハリのついた予算の配分をしていこうとか、それから競技環境をさらに良くするためにどうしたらいいか、指導者をどういうふうに確保していくかなど、色々なことを各競技団体の人たちも考えるようになってきたといいますか、そういったことでじわりじわりと来ているのかなというのが正直なところでありまして、その流れは大事にしていきたいと思っているわけであります。
 それからもう一つは岐阜県方式と言いますかね、大垣ミナモソフトボールチームもそうですし、それから高山のブラックブルズというハンドボールチームもそうですけれども、企業が一人一人を雇う。企業で雇って働いてもらって、夜皆集まってきて練習をして日本リーグなどで活躍するわけなんですね。このやり方はジャパンリーグにいくと独特なんですよね。一つの大きい企業があって一定の選手を雇って、企業の名前で一部リーグなんとかかんとかとやっているわけです。それが岐阜の場合には、皆それぞれ別々のところへ就職して、夜集まって練習して、そして一定の高いレベルを、モチベーションを保ちながら日本リーグで頑張るということです。このやり方で相当な結果が出るということが、岐阜県にとってもそれから日本全体にとっても非常に大事なことではないかなと思っておりまして、この岐阜方式でどこまでいけるかということも着実に応援していこうということの私にとっての一つの切り口と言うかモチベーションになっている。色々なことを考えながら全体として東京オリンピックが一つの節目の時期になるでしょうから、そこにつないでいけたらとそんなようなことですかね。真正面からの答えにならないかもしれませんが。
 ただ、リオオリンピックに行った岐阜県ゆかりの選手は19人なんですよね。目標20人と言っておりましたけれども、ほぼそれに近いところまで行きましたし、そのうち金メダルの金藤氏を含めて入賞者を5人出したわけでありますので、次は東京目指してどういうふうにやっていくか、私ども(目標を)30人と言っておるわけですから、頑張りたいと思っております。ちょっとお答えにならないかもしれませんけれども、トップグループのところとその次のグループのところと、それから底上げのところと、全体をどのようにバランスよく岐阜らしさを保ちながらやっていけるかという、なかなか楽ではないのです。一番思ったのは去年ですかね、(元大リーガーの)野茂氏がボーイズリーグのオールジャパンのチームを作ってアメリカ遠征に連れていったんです。その時のエースが飛騨の古川中学校の根尾君という中学生です。この人は挨拶に来たのですが、なんと全国50の高等学校から特待生ということでお呼びがかかって、彼はもう中学生でありながら140キロ台で投げるんですね。しかも学問も良くできるということで、文武両道なら岐阜高校ですかと聞いたら、とんでもないという顔をしてまして。さあどこに進学するかなとみておりましたら、大阪桐蔭高校に行って。そしてピッチャーで頑張るかなと思ったら1年生で4番バッターですよね、今。ピッチャーの方はお休みで、打者の方に専念しているそうですけれども、さーっと持って行かれるんですよね、そういう人は。ですから岐阜県自身の環境や指導者など、そこの辺りから丁寧に積み上げていかないといけないということですかね
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