ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 分類でさがす > 県政情報 > 知事 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成28年9月20日)

本文

知事記者会見(平成28年9月20日)

記事ID:0015121 2016年9月23日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成28年9月20日(火曜日)午後3時00分

広報課  本日は発表項目の1つ目といたしまして「第18回アジアジュニア陸上競技選手権大会」の開催決定に関して、共同記者会見をさせていただきます。この会見には、公益財団法人日本陸上競技連盟事務局長の風間明様、一般財団法人岐阜陸上競技協会会長の田口利正様にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、知事お願いします。
知事  お手元に、「第18回アジアジュニア陸上競技選手権大会の開催決定について」という資料をお配りしてございますが、それを見ながらお聞きいただければと思います。2018年6月開催ということで、これは日本初のアジアジュニア陸上競技選手権大会の開催ということでございます。既に17回やってきておりますが、インドネシアから始まって、1年おきに開催されておりまして、アジアの主要都市のほとんどで開催した後、日本で1度も開催されていないこと、オリンピックの前々年ということもあり、そろそろ日本としてどうだろうかという流れの中で、日本陸上競技連盟と、是非この岐阜県でという私どもの想いとが1つになりまして、一体になり誘致活動をやらせていただいたわけでございます。改めて今日、風間事務局長においでいただいておりますけれども、日本陸上競技連盟の皆様に心から感謝申し上げる次第でございます。
おかげさまで、(開催が)決定をいたしまして、私ども大いに進めております2020プロジェクトと言いますか、2020年に向けて清流の国づくりを進めていくという流れの中で1つの大きなイベントになるのではないかと思っております。16歳から19歳までの若い世代によるアジア大会ということでございまして、いわば19歳以下のアジア最高峰の陸上競技大会ということでございます。本年は第17回大会がベトナムのホーチミンで行われました。22種目のトラック、フィールド競技、アジア45の国や地域から約1,000名の選手、監督らがおいでになるということでございます。
この中から2020年の東京オリンピックで活躍される方々も大いに輩出するのではないかと思っているところでございます。日本の選手、さらには岐阜県の若手がこの大会を目指し、さらにその先、世界に羽ばたいていってもらえれば大変ありがたいと思っております。
また、アジア45の国や地域から色々な方々が岐阜においでいただけるということは、岐阜県としましては、大変ありがたい、またとないおもてなしのチャンスでございます。大いにおもてなし交流事業等々、知恵を絞って県民のスポーツへの関心、地域の活性化など色々なことにつなげていけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
広報課  ありがとうございました。それでは続きまして風間事務局長様より一言お願いいたします。

風間事務局長

 日本陸上競技連盟事務局長の風間でございます。このジュニアの陸上競技大会というのは、国際陸上競技連盟が主催するアンダー20の世界ジュニア選手権と、アジア陸上競技連盟が主催するこのアジアジュニア陸上競技選手権大会がございます。ともに、アンダー20ということになっておりまして、日本のこのジュニアの陸上競技の今の実績ということをお話しいたしますと、数ある種目の入賞者、メダリスト、メダルを合計するプレイシングテーブルというのがございますが、つまり世界の中でどの位置に(日本が)あるかというと、世界のジュニアの中では常に10位前後です。この中には、シニアのいわゆるオリンピックで活躍するアメリカ、ドイツ、ボルトを中心とする、ジャマイカ、ケニア、エチオピアという選手団の国が強豪なわけですが、それに伍して日本のジュニアはその中に入って戦っております。アジアでは、中国が非常に強い強豪国でございますが、その差がだんだん縮まってきておりまして、今、中国と日本がトップ争いをしているという状況でございます。まさに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの2年前にこのアジア19歳以下の選手たちが、この岐阜に、トップ選手たちが集うということ、2020年、そしてそれ以降の陸上競技のレガシーが生まれるものと思っております。高校生、大学1年生までが日本の代表としてこの出場を目指して頑張ってくれると思います。是非、この岐阜でこの大会が成功することが2020年のオリンピックの成功に結び付くものと思っておりますので、皆様のご協力の中で是非とも成功させたいと思っております。

広報課

 どうもありがとうございました。続きまして田口会長より一言お願いいたします。
田口会長  岐阜陸上競技協会会長の田口でございます。この大会が、岐阜で開催されるということは大変に名誉なことであり、我々関係者としても大変に喜んでおります。岐阜陸上競技協会は、先の(ぎふ清流)国体を始め、全日本実業団対抗陸上競技選手権大会、あるいは日本マスターズ陸上競技選手権大会、あるいは学連の大きな大会といったものを運営してまいりました。我々スタッフともに、大変レベルが上がってきております。そしてマラソンでは、先のオリンピックで(清流ハーフマラソンに出場した)キルワ選手が銀メダルを獲ったように、清流ハーフマラソンが世界的な大会になってきておりまして、本当に我々も喜んでおります。ところが、フィールドの方ではそういった国際大会の経験がございませんので、この大会を機会に岐阜の陸上競技が世界の陸上競技といったものの運営ができるといったことで、我々一生懸命やって、岐阜を世界にと思っております。こういった大会を開いていただくことによって、中学生、あるいは小学生、こういった子どもたちが本当に素晴らしい選手を見て、将来を夢見て底辺が広くなって日本の陸上界ももっともっと素晴らしい競技団体になるであろうと、こんなふうに期待しております。そういった意味で我々も一生懸命やらせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

広報課

 それでは今回の発表に関しまして、記者の皆様から質問をお受けします。
記者  事務局長にお伺いします。国内初開催ということですが、なぜ岐阜になったのでしょうか。決め手はなんでしょうか。

風間事務局長

 まず、これは知事をはじめ岐阜の皆様の大いなる決断が主な理由でございます。我々もアジアジュニア陸上競技選手権大会は、1回も日本国内で開催しておりませんでしたので、是非アジアが世界を引っ張るという、世界の中での日本がアジアに貢献するのは、まずこのジュニア世代の盛り上げではないかと思っておりましたので、まさに岐阜県が手を挙げていただいたこと、そして競技運営についても先ほど田口会長がおっしゃったような実績を踏んでおりますので、競技運営も間違いないということで、日本陸上競技連盟は決定したという経過がございます。

記者

 

 知事にお伺いします。2年後ということですが、どんな大会にしたいですか。
知事  先ほどもお話しがありましたように、東京オリンピックを睨んだ大会でもありますし、日本で初めての大会ということで、これまでの過去の大会の運営なり実績なりそういうこともしっかりと調べながら、岐阜県ならではの色々な内容のある懐深い大会にできたらと思っております。それから、こういう大会があるということを今日発表させていただくわけですが、何年か前に国体を目指して、特に国体の少年の部が大変弱いと言われていたものですから、当時の小学生から中学生たちが大変な勢いで頑張ってくれまして、いざ本番で予想だにしない素晴らしい成績を次から次へと各種目で上げてくれたわけです。今回も、岐阜県の若い人たちがこれを目指して、こういう大会があるという目標ができるということで、県内の若い人たちの励みというか、これを目指そうというふうに焦点が定まってくればますます高まってくるのではないかと、こんなことを大いに期待しています。
記者  目標というお話をされましたが、東京オリンピックに関しては岐阜県ゆかりの選手を何人輩出するという目標を設定されていると思いますが、この大会に向けて岐阜県ゆかりの選手を何人出そうとか入賞者を出そうとか具体的には考えていらっしゃいますか。
知事  ぎふ清流国体・ぎふ清流大会が終わったあと、スポーツ予算をどうするかという議論のなかで、私どもとしては国体に向けて右肩上がりに来たスポーツ予算を、ここで単純に減らしては他県と同じようにどんどん国内の順位が落ちていくだけで終わってしまっては意味がない。一過性に終わらせない意味でもスポーツ予算を維持しながら、どこに焦点を当てていくかということで、一方で底辺、他方でリオから東京へという流れの中で、選手強化をしていこうということで予算の配分をしてきました。今回、アジアジュニア陸上競技選手権大会が決定したことで、ちょうどリオオリンピックも終わりましたが、リオに19人のオリンピアンを出すことができたということで、当初の私どもの目標は東京オリンピックに向けては30人、パラリンピックに10人ということを目標にしておりますが、その目標を維持しつつ、さらに新たにその過程でこの大会が加わったということで選手強化の優先付けと言いますかウエイト付けのなかでこの大会もひとつ大きく実施したいと思っております。具体的な目標設定はむしろこれから精査していきたいと思っております。

記者

 事務局長にお伺いします。開催地として名乗りをあげた、立候補したところはどれくらいあったのか、また、日本国内では何県あったのでしょうか。

風間事務局長

 アジア陸上競技連盟に確認したところ、時期的に2018年という、次のアジアジュニア陸上競技選手権大会ということもございましたと思いますが、いわゆる我々の対抗馬という国の立候補はなかったということでございます。
それと国内でございますが、これも知事を含め岐阜の方々の手を挙げていただいたタイミングが非常に早かったということもあり、我々としては他に候補地を探るべくこともなく、岐阜に決定させていただいたということになっております。
広報課

 それでは、この共同会見につきましてはこれをもって終了させていただきます。風間事務局長、田口会長はここでご退席されます。どうもありがとうございました。

(風間事務局長、田口会長退席)

引き続き、知事定例記者会見を進めさせていただきます。
それでは知事お願いします。

知事

 ちょっとアメリカから帰ってきてから時差がとれないうちに、金藤選手の県民栄誉大賞表彰式と祝勝会を開催して、全国利き鮎大会をやって、ぎふ清流文化プラザの一周年の行事が昨日から始まりました。それから今週末には全国レクリエーション大会がいよいよ開催となりますし、時差がどこかへいってしまうような感じで次から次へと(行事が)あるのですが、今日もアジアジュニア陸上競技選手権大会も含めていくつか具体的に進んでいるものがありますので、ご紹介させていただきます。

一つは、世界農業遺産のいわばフォローアップの一つでありますけれども、岐阜県の魚苗センターをこの際思い切って拡充しようということで、来週28日(水曜日)に起工式を行うことにしております。
このセンターは1983年に開設しておりまして、稚アユの放流事業をずっとやってきたわけでありますが、この魚苗センターの開設によりまして、安定的に県産の稚アユを放流することができたということで、1992年には(鮎の漁獲量が)全国のトップまでいったわけでございます。その後、冷水病の問題や少子高齢化による漁師の担い手の問題など色々なことがありまして、今では全国3番目ということでございますが、先般、世界農業遺産に「清流長良川の鮎」が登録されたので、今一度この魚苗ということについて立て直しをしようということで必要な施設を拡充するということにしたわけでございます。
美濃と関にそれぞれ事業所がございまして、美濃事業所では、卵から放流用の稚アユを育てる「種苗生産施設」を増設して、冷水病菌を持たない稚アユの生産量を大幅に拡大するということでございます。それから関の事業所では、採卵用の親魚を安定的に(確保する)ということで、稚アユを採卵用の親魚に育てていく「親魚養成施設」を新設しようということでございます。
これから2年間で工事を行って、2018年度に稼働させるということで、冷水病菌を持たない放流用種苗の生産を拡大するということで、県内の漁獲量を拡大させていきたいということでございます。
昨年、世界農業遺産の認定をしていただいたときに、内外に表明いたしました「持続的な農林水産業の推進」、そして「知識、技術及び文化」の伝承といった観点から、この魚苗センターの拡充ということを言ってきましたので、これがいよいよ具体化するということでございます。

それからもう一つが、全国育樹祭1周年・全国植樹祭10周年という節目となる10月9日(日曜日)に、揖斐川町の昨年の育樹祭の会場を使って記念大会を開催させていただこうということでございます。ちょうど10年前に、下呂市で天皇皇后両陛下のご臨席を賜りまして、「植えて、育てる」そして「伐って、利用する」という循環型の「生きた森づくり」ということで植樹祭をやらせていただきました。それから昨年の育樹祭では、皇太子殿下のご臨席を賜って、お手入れ行事としては全国初の「間伐」をしていただいたということで、木を伐って循環利用する、そして世代をつないで森林を守り育てていく、いわば「未来の森づくり」というコンセプトで育樹祭をやらせていただきました。今回の記念大会はその2つの大会の節目ということで、「100年先の森林づくり」というテーマを掲げながら、大会として行事をやっていこうということでございます。
ざっと2,000人ほどの参加者を予定しておりまして、昨年の育樹祭のお手入れ会場での記念碑の除幕、それから式典会場での記念植樹と、同じく記念碑の除幕と、あと竹下景子さん、県森林文化アカデミーの涌井学長、それからNHKエンタープライズの井上恭介さんのお三方に、「森の恵みを100年先へつないでいくために」をテーマとしたトークセッション、さらに昨年育樹祭でご活躍いただきました、オカリナ奏者の宗次郎さん、和太鼓奏者の加藤拓三さんにもお越しいただくということでございます。
これに関連行事ということで、「森と木のふれあいフェア」、「木のおもちゃ広場」といったものを用意いたしまして、きのこ、山菜などの山の幸、それからジビエの提供、マイ箸・マイスプーンづくり体験等々、子どもから大人まで森林の大切さに触れていただくということも考えております。以上のような記念大会をやらせていただこうということでございます。

それから関ケ原でありますが、例年大体15万人前後の観光客が来ておられたのですが、「変わる関ケ原」というテーマで昨年秋から少しテコ入れをしましたら、昨年は23万人の観光客が訪れておられます。また、関ケ原古戦場グランドデザインも作ったところでありまして、それに沿ってひとつひとつ取り組んでいるというのが現状でございます。
先般、ゲティスバーグに行きまして、ゲティスバーグ区と関ケ原町の「姉妹都市協定」、それからゲティスバーグ国立軍事公園と関ケ原古戦場との「姉妹古戦場協定」と、2つの協定を締結したわけでございます。ゲティスバーグは人口7,000人、関ケ原とほぼ同じでございますが、訪れる観光客は古戦場のセンターに大体年間100万人、地域全体に訪れる方が350万人ということでございます。向こうの方に言わせると、自分達は何もない野原に町をつくり、銅像を建て、車で古戦場を巡るコースを作り、組み立てて、ここまで来た。関ケ原は史跡がいっぱいあり、自分達よりもっともっと人が来て当然なのにまだまだ十分行き届いていませんねということでありまして、私どももその通りだと思って、ゲティスバーグ並を目指して頑張っていきたいと思っております。
今年の6月に関ケ原七武将シリーズということで、徳川家康をテーマにしたイベントをやらせていただき、大変好評でございました。3月に第1弾の世界三大古戦場サミットをやって、第2弾が七武将シリーズで第1回目が徳川家康と、今回10月15日(土曜日)から23日(日曜日)の9日間を「関ケ原スペシャルウィーク」ということで、石田三成をテーマにやろうということでございます。石田三成の15代目の子孫の石田秀雄さんにもお越しいただきますし、NHKの真田丸の石田三成役の山本耕史さん、TVでは(三成は)もうお亡くなりになりましたけれども、トークイベント、石田三成の扮装で馬に乗って武者行列を行軍していただきます。不肖ながら私が徳川家康役で、馬に乗って行軍させていただくということで、少しでも盛り上げられたらと思っております。
また、関西で大変盛んなのですが、「花いけバトル」という、人が見ている前で時間限定で花をいけ、東軍、西軍どちらが勝ったかを投票するという、結構白熱するイベントがあります。この高校生版を花フェスタ記念公園でやりまして、非常に好評でして、華道家同士の東西花いけバトルというのを関ケ原でやってみようということで、関西から行事を誘致しておりますが、これも「天下分け目の戦い」というテーマで色々なことをやってみるという先駆けとしてスタートしたいと思っております。
それから、世界の色々な遺跡・史跡を周りますと、まずほとんどフランス発なのですが、光と音のショーを夜やっています。例えばナポレオンのアンヴァリッドでもそうですし、エジプトのピラミッドやスフィンクスでもそうです。関ケ原で夜な夜な観光客をお招きして、光と音のショーをやるとすれば、どこからどの方面を眺めて、どういうふうに光を当てて、どういう音を醸して、どういうふうに関ケ原の戦いを再現するかということを考える必要があるのではないかということで、その可能性を探るナイトビューイングを関係者・マスコミの方々を中心にトライアルをしてみようと考えております。
それから、東西グルメバトルとか、七武将史跡踏破ウォーキングとか、また大垣市、垂井町、養老鉄道等々、この時期に様々な企画を考えておられますので、これも関連行事ということで、できるだけ関ケ原という点ではなしに、面的に広がりの中で色々な連携をしながら関ケ原の魅力を発信していこうということで、「誰もが楽しめる古戦場」「何度でも訪れたくなる古戦場」ということと、古戦場の魅力と、東西文化の出会いの地としての関ケ原の魅力と、この秋のスペシャルウィークで、どこまでやれるか、毎年毎年レベルアップにつながっていけばと思います。色々と企画しているところでございまして、大いに訪れていただければと思っております。私どもとしては、このスペシャルウィークで何とか7万人から10万人(の来場)が期待できると思っております。以上が関ケ原第3弾石田三成編ということでございます。

記者  台風が接近していますが、被害状況があれば教えてください。
知事  県内としてはまだ特に聞いておりませんが、時々刻々、危機管理の方でフォローして、状況によっては本部とか、その事前段階の会合を持つということで、まずは情報集約をやっているところであります。今のところ、今夜抜けていくだろうということで、動きがどの程度早まっていくかフォローしているところでございます。
むしろ、私ども先般の10号の情報収集をしてきたわけでございますけれども、これは被災地に向かう支援者の方々の高速道路通行を無料にする、災害派遣等従事車両証明書というのを岩手県と連携をとって発行させていただいて、この台風10号対策は速やかにということでやらせていただいておりますし、一定の被害の基準を超えましたので、災害見舞金もお出しするということで準備をしております。
16号については、今、情報を順次収集しております。
記者  御嶽山噴火からまもなく2年になりますが、防災対策等何か思うところはございますか。
知事  火山防災というのは、どういうことが必要かということについて、特に御嶽山のケースで色々なことを学びましたので、それに合わせて、特にスタートは登山届から始まって、刻々の情報提供をどう登山者にしていくかとか、どういう状況になったらどういう判断をして、どういう指示を下すかと、それから必要な資機材をどこにどのように蓄えておくかとか、大体一通りの手は打ってきていると思いますので、それをきちんと実行していくということです。それから登山届も当初色々な意見がございましたけれども、私どもは義務化すると、罰則も2年間の猶予を経てやっていくということで、まず義務化についてはほぼ近隣でも合意がとれており、罰則についてはまだ躊躇があるところがあります。何も当日紙を持ってどこの箱に入れるとかではなく、インターネットでいいわけですから、色々な意味で届けやすくなっておりますし、登山届を出すというところから、いわば火山防災のお一人お一人の心の準備が始まるというか、そういうことだろうということで、かなり理解が進んできて足並みがそろうようになってきましたので、そういう意味でよかったかなと思っております。
ただ、1つの事例の経験だけに拘っていますと間違えますので、色々なことがあり得るという目線で、絶えず状況をフォローしていくということかなと思っております。
記者  東京の築地市場の問題が非常に話題になっておりますが、本県でも県庁の工事が始まるということで、適切な工事の在り方、県庁の本庁舎だけではないですが、在り方ということが非常に注目される時期に入るかと思いますが、それをチェックしていく方策など知事のお考えはありますでしょうか。
知事  東京の事例はまだ全てが明らかになっておりませんので、何とも申し上げることができませんけれども、ただチェック云々よりも足元から崩れておりますから、そういう意味で、まず、小池都知事も仰っておられるように、県民ファーストと言いますか、何が県民の皆様のためになるかということと、それから、情報公開をきちんと行うということです。そしてまた、その情報に基づいて、物事が進んでいるかどうかを明らかにしていくということです。考え方としては私どももそういうことが大事だろうと思っております。
事例としては違いますが、10年程前に我々も大変深刻な事態に直面して、その時の教訓というのは、発見が遅れる、あるいは発見をしたにもかかわらず通報が遅れる、あるいは自体が分かったにも関わらずそれを明らかにしない、それを一つやると、そこから後、間違いがなかったと言わんがためにどんどん話が難しくなっていくと言いますか、あらぬ方向に逸れていくと言いますか、とにかく最初の第一歩で、これが事実であるときちんと把握をし、報告もし、それから直すところは急いで直すということです。それに取り掛かるのが早ければ早いほど、ダメージは少なく済む、遅れれば遅れるほど取り返しのつかないダメージになるということを、私どもも不正資金と言いますか、裏金を通じて嫌というほど経験しましたので、そのことを明確にうたった憲章も作って拳拳服膺しているわけであります。行政にとりましては、まさにそういう意味で、行政無謬であると決めつけないで、絶えず色々な事態の変化の中で実態をよく見ながら、不都合や問題点があれば直ちにそれを明るみにして、報告をして、どう対応するかということを分かりやすく議論していくということについてのスピード感を大切にしていくということがまず基本だと思っております。そのことを職員との間でまず徹底するということを、毎年7月には倫理月間ということでさせていただいており、今回の事を見ていますとそれを思い出し、改めて励行する必要があると感じます。そしてまた、できるだけ第三者の目でチェックした方が物事が分かりやすいときには、第三者の目線ということもタイミング良く入れていくと言いますかそのような仕組みを作っていくということを思っております。
この県庁舎の建て替えもいよいよ始まりますし、これから高度成長時代につくられたインフラの修復、建て直しということも目白押しになってくると思いますので、その辺りは相当心して行っていく必要があるかと思っております。
記者  昨日の地歌舞伎ですが、私も拝見させていただきましたけれども、大変好評でした。そこでお伺いしたいのですが、地歌舞伎を通じた県内の観光誘客について、具体的な方法としてどのように考えていらっしゃいますか。
知事

 地歌舞伎は、岐阜県内に29の保存会がありまして、それぞれ地域ごとに、古くは江戸時代、場合によるともっと以前からの連綿と続く地域の、あるいは村の培われてきた独特のものがあります。その歌舞伎の内容ももちろんでありますが、歌舞伎小屋もその地域ならではの独特の建物の中で、地域の言わばアイデンティティと言いますか、シンボルと言いますか、特に村祭り、収穫の後の村祭りで大事にされてきたという、歴史的な流れがありますから、そういう物がたくさん残っているということが地域の誇りということで、これは是非我々としては大事にしていきたいと考えております。
それがまず一つで、それから29という数は全国でも圧倒的に多いということで、そういう意味では地歌舞伎の岐阜県、先進県と言うと変ですけれども、最も大切に保存している県だと思いますし、歌舞伎小屋も大切に保存されております。それを、活かすということが、地域の活性化に繋がっていきますし、地域の特色と言いますか、独自性と言いますか、趣きを大切にしていくという意味でも、大事な要素になっているのではないかと思います。私どもとしましては応援したい気持ちでかねてからおりましたし、岐阜の宝ものということで、身近にあって、隠れた観光資源を掘り出そうということで、7,8年前に行いましたときにも、地歌舞伎が宝ものの一つとして評価をされたものですから、地歌舞伎を通ずる観光ということを考えております。東濃は比較的多いこともありますし、地歌舞伎と中山道というような広域的な繋がり作りなど、色々なことを実施してきましたが、併せて、岐阜県の海外キャンペーンを行っていく中で、とにかくどこへ行っても圧倒的に人気があるものですから、国内でも十分知られていないにも拘らず、外へ行くと本当に地歌舞伎の面白さというものを海外の人たちが一緒になって楽しもうとしているということが感動的ですらありました。これまでのところは、岐阜じまんと言いますか、岐阜の素晴らしいところを地歌舞伎に託してご紹介するということを行ってきましたが、そろそろ本当の歌舞伎演目を行おうかと考えております。今回もニューヨークで行おうかどうか迷いましたが、もう一年待とうと思って躊躇したのですが、例えば昨日の演目の中で言うと「釣女」、女性を釣るという、短編で笑いもあり、男女同権について非常に厳しい欧米の国などでは非常に印象的な面白いお芝居になるのではないかと思います。次に持って行くとすると「釣女」のようなものを、30分演目ですが、そのような本当の演目をそろそろ持って行く時期がきているかと思っておりますが、いずれにしても海外との交流の一つの大きな、貴重な手法になってきているということもあります。ただ、それが特定の地域だけで楽しまれてきているということで、これをもっと県民の皆様に広く知ってもらいたい、大事にしてもらいたいと思っております。実際に各地の地歌舞伎に行きますと、追っかけの外国人が物凄く多い。今、東濃では外国人を対象にした地歌舞伎ツアーがありまして、これはアメリカ人がやっており、昨日初めて会いましたが、ハーバード大学の大学院生です。5年間岐阜の地歌舞伎の研究をしていて、そろそろドクター論文をまとめるので一旦帰ると言っておりますが、彼が研究の合間に、自分がこれはと思った地歌舞伎を組み立ててツアーを組んで外国人を呼ぶと、これが大変好評であります。地歌舞伎にのめり込んできている人たちも、外国の人であれ、それから地歌舞伎を見に行きますと県外ナンバーの車が物凄く多くて、追っかけが多いのだと思います。そのように広がっているということも大事にしたいと思いますし、県と岐阜市で、一度お目見えした方が良いのではということで、清流文化プラザも地域の伝統を発表する場にしたいというコンセプトも元々ありましたので、第一回で鳳凰座に公演してもらって、感想を聞きながら、毎年2,3回各小屋毎に得意の出し物をしてもらって、オリンピックの年にオール岐阜の地歌舞伎大会ということで、例えば土日に2ヶ月くらいかけて29の保存会全てが自分たちの得意技、持ち技で参加をしていただくということも一案かと思っております。
昨日は、花道がなく、どうするのかと思っておりましたら、簡単な花道は作られており、ぐるっと円にすることによって結構広いスペースが取れていました。あそこで十分演技ができますから、真っ直ぐな花道でなくともあの場で色々な演技ができますから、あれは上手くいくと思いました。それから音響が良く、非常に聞きやすかったという話で、清流文化プラザも使えると感じました。それと、整理券で溢れかえってしまって、モニター室と交代で皆様に見ていただいたのですが、それだけ関心のある方が多いということで、第1回目としては良かったと思っております。
私だけ頭抜けて出来が悪いものですから、恥をさらしているようなものですが、恥を忍んで、少しでもお役に立てればと思い、出演させていただきました。いざ見に来て、田舎のお芝居かと思っておりましたら、真剣にしっかりとした演技をしておられるので、これはほとんどプロと変わらない、と感想を持たれた方もおられます。昨日出られた方は、全員下呂市と中津川市の市境にある、舞台峠という峠の村の人たちばかりです。
義太夫の三味線が素晴らしかったですよね。あの方は、全日本級の方です。でもその村に住まれている方なんです。それからあの方を指導している女性の師匠は、80歳以上ですが、若いころは少女歌舞伎で鳴らして、市川福升さんと仰るのですけれども、市川團十郎や市川歌右衛門などの市川家から、生涯市川を名乗ってもよいという免許皆伝をいただいた方で、非常に素晴らしい指導をされます。
それからリーダーは、八百屋の役だった、コミカルなおばあちゃんの役をやった軍二さんですけれども、これまた素晴らしい演技でした。このような財産を広く知っていただいて、応援していただこうと。またそれを皆で楽しむということが、岐阜県の誇り、アイデンティティにも繋がるのではないかと思っております。
ちょうど昨日で終わりましたけれども、新幹線に「ひととき」という雑誌がグリーン車に置いてあり、1ページから30ページまでの冒頭、日本一熱い岐阜の地歌舞伎という特集がありました。このようなところにも出るようになったということで、大変ありがたいと思っております。ぜひ皆様方も見に行っていただいて、そのうち出演してみたくなったら話は取り次ぎますので、いかに難しいかというか、本当に私もまともに練習する時間もないしどうしたらいいのか、手足、言葉はバラバラでコントロールできないのですが、それをいとも簡単に皆様がやっておられて凄いと思っておりました。そのようなことで、皆様も一緒に盛り上げていただけると大変ありがたいと思います。

それから、先程の台風のご質問ですけれども、今のところ人的物的被害は特に聞いておりません。大垣と多治見、白川町が避難準備情報を出しております。各務原市では、1世帯1名だけですが既に自主避難をされた方がおられるということであります。それぞれに警戒に入っているということです。

<外部リンク>