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知事記者会見(平成27年12月25日)

平成27年12月25日(金曜日)午後3時00分

知事 あっという間に12月も終わりになりまして、今年最後の会見になりましたので、お手元に一年間を振り返ってということで、恒例ですけれども、一年間の色々な出来事を少し整理をしたものをお配りさせていただきました。一言で言うと大変慌ただしい一年であったという感じがしておりまして、あっという間に時間がどんどん過ぎていったような、そんな印象がございます。ただ、そういう中で、それぞれのテーマについて、極力成果を着実にあげていけるようにということで、職員の皆様と一緒に頑張ってこれたのではないかなと、そんなふうにも思っております。
色々な整理の仕方があるのでしょうが、お手元に資料の柱立てという方の概略を書いた紙を見ていただいて、詳しくはもう一方もお時間があれば見ていただければと思います。大きく3つに分けて、「『清流の国ぎふ』ブランドの発信」ということと、それから「岐阜県の未来づくり」と、特に今年は地方創生という議論を知事会も含めて国を挙げて行われたわけであります。その部分のところを未来づくりと整理しております。それから「安全・安心の社会づくり」という、これも県政の任務であるわけでありますけれども、全体として慌ただしかった中ではここ数年間を見ますと、大きな災害が幸いにも岐阜県としてはなかったと言いますか、免れた年でありまして、その分危機管理対策について、色々な準備といいますか、整備をする方に時間を費やせたのかもしれないと、そんなふうにも思っております。
めくっていただきますと、もうちょっとそれぞれの柱立てについてちょっと小さい字で恐縮ですけれども書いてあります。ざっと見ていただきますと「清流の国ぎふ」ブランドについて言いますと、まずは清流の国ぎふを世界に発信をするということで、ご案内のように12月15日に世界農業遺産をいただいたわけでございますが、これ以外にも「曽代用水」、あるいはユネスコの世界記憶遺産に「杉原リスト」が候補になっているとか、あるいは美濃和紙の活性化ということで内外様々なプロジェクトを進めてきたとか、それから来年には、ユネスコの無形文化遺産の候補として、「高山祭、古川祭、大垣祭」、それから再来年の夏には世界記憶遺産の結論がでてくるということで、世界遺産をめぐって「清流の国ぎふ」を世界に発信をしていくといいますか、そういう重要な時期であったというふうに思っております。(2)にありますように、「観光・食・モノ」私ども三位一体といっておりますけれども、三位一体で岐阜ブランドを世界へということで今年はベトナムとフィリピン、それからヨーロッパ、イギリス、フランスを中心にアピールをしてきたということでございます。
観光誘客の促進ということでは、インバウンドが大変好調でありまして、まだデータは出ておりませんけれども、今年100万人にいったかどうかということでありますけれども、その関連で関ケ原古戦場の再整備等々と北陸新幹線の金沢延伸効果を取り込んでいくということで、北陸と飛騨の広域連携といったこともかなり積極的にやってきたところでございます。
2番目がスポーツによる地域振興ということで、特に飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアは海外からも高い評価を得ておりますし、国内も特に駅伝ですね、今、大変盛んですけれども、男子・女子を通じて実業団、大学、高校いずれも全国の有力チームは皆この御嶽で練習をしているということでありまして、箱根駅伝の青山学院もそうでありますし、ついこの間は世羅高校が男子も女子も圧勝しましたけれども、これらのチームも飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアでまさにトレーニングをしているということで、内外にアピールをしながらこのトレーニングを通じて色々な交流をしていこうということでやっておりますし、これからオリンピック・パラリンピックに向けて大いに活用していただこうということで、フランス、イギリスとは既に基本合意ができたということでございます。それから国の方では、オリンピック・パラリンピックに向けて「ホストタウン構想」ということを打ち出しておりますけれども、私どもとしては県と高山市、下呂市が一緒になって名乗りを上げているところでありまして、いわばホストタウンのトップグループに名乗りを上げようとそんな思いでおります。これは年が明けたところで色々と国の方で審査をされると思います。
それから大会の誘致ということで、全国レベルの様々な大会を、誘致をしてきておりますけれども、ここに書いておりませんけれども、「マスターズ」とか「ねんりんピック」とかですね、これから2020年に向けていくつか国際あるいは全国レベルの大会をいくつか予定しておりますし、来年は岐阜県にとっては初めてとなりますけれども、レクリエーション大会をやるということでございまして、このスポーツを通ずる地域活性化ということも、ひとつの大きな課題として進めてきているところでございます。
それから、5月から6月にかけての「花フェスタ2015ぎふ」、10月の「全国育樹祭」と2つの大きな行事がございましたが、いずれも大成功と言っていいのではないかと思いますが、多くの参加者、あるいは育樹祭で言えば「間伐」というテーマを初めて前面に立てて、皇太子殿下にも間伐をやっていただいたということでありますし、「100年先の森林づくり」ということで、様々な角度から県民総参加で盛り上げてきたということであります。花フェスタにつきましても、特に「ナイトローズガーデン」っていいますか、夜のバラめぐりということで、新機軸を打ち出せたんではないかということです。
それから文化芸術の分野では、未来会館を一旦閉鎖をした後でありますけれども、新たな文化の発信の拠点ということで、特に障がいを持った方々の文化芸術活動の拠点でもあるということでやっておりますけれども、このところ様々な企画いずれも大変盛況というふうに聞いております。それから県の美術館も新たに日比野克彦氏が館長に就任されまして、美術館の庭をメイン会場にした企画展ということで、これも新しい試みということで盛況でございましたし、また、日比野さんも含めてでありますけれども、いわゆる県展といいますか、県の美術展を思い切って見直そうということで、今、改革が進んでいるということであります。
それから、地方創生ということを中心に岐阜県の未来づくりということでありますけれども、人口ビジョン、総合戦略、それから企業誘致、成長産業の競争力強化、特に各務原については航空宇宙科学博物館を、いわば全国といいますか世界に向けても発信できるようなそういう内容と規模のものにしていきたいということで、リニューアル作業を今着々と進めているところでございます。
それから県産品の販路拡大ということでは、海外拠点でテストマーケティングをやらせていただいております。それからネットワークインフラとしてはリニア中央新幹線の建設に向けてのJR東海とのやり取り、あるいはこれを通じた地域振興についてのビジョンづくり、アクセス道路の進展等がございましたし、西回り区間もできるだけ2020年までにはという旗を私どもはまだ下ろしていませんので、最大限頑張っていきたいということでやらせていただいております。
それから農業につきましては、3年間で担い手1,000人の就農ということでやっておりますけれども、来年は担い手サミットを皇族殿下の御臨席のもとに行う予定です。ちょうど世界農業遺産を得たところでもございますので、併せて盛り上げていきたいということで、準備を続けているところでございます。
それから花フェスタもございましたので、花に焦点を当てて、花きの振興、花き産業の振興あるいは生活の中での花というものの活用といいますか、そういうことで色々と県民挙げての体制づくりをやってきているところでございます。
あとは林業については、大型の製材工場でありますとか、ドイツとの連携でありますとか、コンソーシアムの整備でありますとか、そのようなことをやってまいりました。
それから人づくりの面では、移住定住です。これも今年のまだ最終的なデータはありませんけれども、このところずっと年々過去最高を、しかもかなりの伸び率で更新し続けてきておりまして、首都圏それから名古屋圏等、移住定住についての岐阜のキャンペーンPRあるいは岐阜で生まれ育った若い人たちに岐阜に残ってもらうための様々な仕掛けといったようなことをやってきておりますし、障がい者、女性、若者といった誰もが活躍できる場の創出ということで、そういったことにも色々と目配りをしてきたところでございます。
それから、2020年に向けて、今日も水球のリオオリンピックに行かれる予定の選手がお出でになりましたけれども、選手強化も今着実に進んでいるということでございます。
それから次のページが安全・安心ということでございますが、特に医療と福祉の連携ということで、岐阜市の鷺山地区を障がい者支援の拠点の「ぎふ清流福祉エリア」ということで、相談センターの一元化でありますとか、特別支援学校、それから障がい者のための医療施設、それからスポーツ施設等様々な施設をこの地域に集中して拠点として整備をしてきております。
それから、少子化対策、子育て支援、あるいは性暴力被害者対策とか、きめ細かく進めてきているということでございます。
それから災害対策という意味では、防災・減災センターを岐阜大学と連携して設置をしたり、あるいは“BusinessContinuityPlan”と言うのですか、いざ何かあったときにでも、継続して活動が続けられるような備えをしていくBCPの普及強化などもやっております。防災という観点も含めてでありますが、県庁舎の再整備も具体的に基本構想に向けて着実に前進してきているということでございます。
それから、昨年の御嶽山の噴火は大変な災害であったわけでありますけれども、これを踏まえた対策、火山ごとに1つ1つ状況に応じた火山防災協議会を作り、火山ごとに噴火警戒レベルの運用体制を確立していったということと、登山届でも着実に普及し、定着してきているということでございます。様々な防災訓練等も行ってきているところでございます。
ざっと県政の主なこの1年間を振り返ってご紹介させていただきました。来年、ここからどう取り組んでいくかというのは、新年の会見にまとめてお話しをすることになるのではないかと思いますが、基本的には今見ていただいた流れがまだどこかで完結しているというわけではありません。むしろ地方創生もいよいよ本格的な展開を図るのが来年度ということでございますので、地方創生、その一環としての岐阜ブランド、人材育成、あるいはオリンピック・パラリンピックへの備え等々、そういったことについてさらに前へ前へと進めていくというのが、来年の基本的な方向かと思います。この点については、年末年始色々と思いを新たにして、年頭の会見でお話しをさせていただきたいと思います。
1年間皆さまがたにもいろいろとご理解やご協力をいただきまして、改めまして感謝申し上げる次第です。ありがとうございました。
記者 先ほど認定されました農業遺産について、改めて「清流長良川の鮎」が認定されたことの意義と、詳しくは年始ということでしたが、現時点での今後の活用方法について、お考えを聞かせていただけたらと思います。
知事 世界遺産の活用ということですね。
記者 そうですね。農業遺産も含めて、色々と。
知事 世界農業遺産ということで、いわば国連の農業機関の方々はdynamicconservation&rdquoと、ダイナミックな保全とかですね、生きた遺産とかですね、あるいは持続可能性sustainabilityという言葉をよく使われるのですが、過去の素晴らしいものを単に保存するだけではなしに、人間の手を加えることによって、農業・林業・水産業・畜産業がさらに過去から現在、未来へと着実に大切なものを維持発展させていくと。
こういう概念としての世界農業遺産だということで、私どもも、86万人の人口がその流域にいて、なおかつ、その流域で自然環境、景観、生物多様性、それから鵜飼いをはじめとした様々な漁法、あるいは、山との連携と言いますか、保安林との連携とか食文化でありますとか、色んな角度からこの清流長良川がこれまでも、それから未来に向けても守られていく、ということで、まさに「清流の国ぎふ憲章」を作りましたけれども、この世界農業遺産の理念と全く同じ方向を向いた、ぴったりと合致したものではないかということで、チャレンジしたわけであります。
そういう意味でFAOとしては、初めて川を対象に、初めて内水面漁業を対象に、川を巡るシステムとして世界農業遺産が認められたという、新機軸でありまして、私どもとしてはそういうことで受け止めていただいたことについて、非常に心強くしているという思いです。まさに、「長良川システム」を「里川システム」としてトータルにこれからもアピールをしていきたいなと思っております。もう1つ、FAOから言われておりますのは、アフリカとかあるいは中南米の内陸部の食糧対策という意味で、川をいかに大切にするか、内水面漁業をどのように発展させていくか、岐阜県の経験をそういった国際貢献という形で活かしてくれという注文も来ておりますので、そういったことにも身を用いたいと思っております。
システムということですので、県内大変喜んでいただいているのと同時に、皆さん自分たちの活動がこの「清流長良川の鮎」というテーマに大きく寄与しているのだということで、積極的に内外にアピールに参加したいという声も出てきておりますので、年明けに少し組織立てて戦略的にどういう場面でどういうふうに世界農業遺産を活用していくか、あるいは世界農業遺産と各地域の活動とのつながりを発信していくかということについて、体系的に整理をして、足並みを揃えてアピールしていきたいと思っております。それによって当然各地域とも地域の活性化でありますとか、地域の自慢・誇りでありますとか、あるいは子どもたちへの教育もあるでしょうし、観光振興という側面もあるでしょうし、色んな側面がありますので幅広く捉えて、戦略的に整理をして足並みを揃えてやっていきたいと考えております。
記者 政府の来年度予算の枠がだいたい出てきましたけれども、過去最大の予算であるというようなお話ですが、それについてのご所感を。
知事 全体としては、GDPの名目を平成27年度の2月7日%から3月1日%へ伸びると置いて、そこから歳入をはじいて組み立てていっているということでありますけれども、例えば地方の予算で言えば、そういった税の増収を含めて財源ボリュームとしてはこれまでの一番多かった平成27年度を上回る規模にしながら、他方で交付税は若干の減、それからお金が足りないから借金でとりあえず賄っておいてという臨時財政対策債ですね、私どもはかねてから思い切って減らしていくべきだと、これが地方財政の硬直化につながりかねないということで、危機を訴えていたわけでありますけれども、これも減らすということで、ベクトルとしては全体のボリュームを増やしながら、他方でそぎ落とすところはそぎ落とすということで、目配りをされたのかなと思っております。
それから、地方創生あるいは一億総活躍社会という基本的な政策に、相当重点を置いた組み立て方をしておられますし、特に私どもとしては使い勝手のいい予算をということで地方創生のための交付金を、額・内容・質量ともに、地方創生にふさわしいものにしてほしいとお願いしているわけですけれども、本予算で1,000億円、これにまた今回平成27年度の税収増を見込んだうえでの補正予算3.3兆円の中で地方創生のために加速化交付金という格好で、10分の10ということで100%の交付金を1,000億円用意していただいたわけでありまして、知事会と政府の方々との議論の中で、平成26,27年度合わせて1,700億円ということに対して、平成28年度から本格的に地方創生が始まる中で、1,000億円では少ないではないかということを、ずっと言ってきたわけでありますが、この補正と合わせるとちょうど2,000億円になるわけでありまして、1,700億円という1年前の規模を上回って確保していただいたということで、よかったのではないかと。まち・ひと・しごと創生事業費という財源の枠については、平成27年度同様1兆円ということで、これも維持をしていただいたということでありまして、全体としては一定の評価ができるのではないかと思っております。
具体的に使い勝手といいますか、政策的な自由度が運用の中でどう認められるかということで、この点については色々要求を出しながら、議論をしながら見定めしたいと思っております。せっかく補正の地方創生加速化交付金1,000億いただいても、年度中には割り付けをしなければいけないわけで、かなり時間的にも限られた作業になりますので、このあたりも効果的な配分ができるかどうか、また我々もこの加速化交付金に対してそれにふさわしい知恵を出せるかどうかというのが来年1から3月までの勝負になると思います。そういったことも含めて、全体として地方財政についてはバランスをとっていただいたのかなと思っております。
記者 先ほどの県政を振り返ってということで3本柱立てでお話ししていただいたのですが、全体を通して2015年を短く一言で表現するとしたら、どのようになりますか。
知事 岐阜県の魅力をどう発掘して、磨いて発信するかと、この魅力発信ということを色んな角度からやってきたと整理していいのではないかと。またその魅力発信を積極的な攻めの姿勢で、前向きに取り組んできたというふうに言っていいのではないかと思います。
それでは、是非よいお年をお迎えいただいて、また来年少しクールダウンをして、さらにエネルギーを注入して来年の方針については新年の会見で申し上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
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