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知事記者会見(平成27年11月16日)

記事ID:0013889 2015年11月18日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成27年11月16日(月曜日)午後4時00分

広報課  お待たせいたしました。それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。
本日は発表項目の1つ目といたしまして、食品科学分野の連携に関する協定締結式を行います。そのため国立大学法人岐阜大学学長森脇久隆様、理事兼学術・情報担当副学長の福士秀人様、理事兼総務・財務担当副学長の横山正樹様、産学官連携担当副学長の王志剛様、応用生物科学部学部長の福井博一様にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。最初に協定の締結を行いましてから、写真撮影、知事からの挨拶、森脇学長からのご挨拶、質疑応答という形で進めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
それでは協定の締結に入らせていただきます。森脇学長、古田知事はお手元の協定書にご署名をいただきまして介添人にお渡しください。よろしくお願いいたします。

(署名)

 ありがとうございました。それでは引き続き写真撮影に移らせていただきます。お手数ですがお立ちくださいまして介添人がお渡しをいたします協定書をご一緒にお持ちください。
それでは撮影をお願いします。

(写真撮影)

 よろしいでしょうか。はい。ありがとうございました。ご着席ください。
それでは、知事から挨拶をお願いいたします。

知事  今回、岐阜大学の敷地内に食品科学研究所ということで設置をすることになりました。あわせて、県と大学が連携してこの食品科学分野において連携を深めるということでありまして、これらを内容とする「食品科学分野の連携に関する協定」をただ今締結させていただいたしだいでございます。改めまして、森脇学長をはじめ今日おいでの大学関係者の方々に心からお礼を申し上げるしだいでございます。ありがとうございました。この名のとおり県と岐阜大学が連携、協力を深めて、この食品科学分野について、研究開発と県内企業の支援強化を図っていこうということでございます。
ご案内のように、岐阜県内には特徴的な健康食品を製造する食品業界もございますし、清酒などの醸造業界もございます。私どもも食料品分野というのは、ひとつの成長産業の一分野だと考えておるしだいでございまして、より付加価値の高い製品を今後開発して、ビジネスにつなげていくという機会を作っていきたいということでございます。
国立大学の敷地の中に県の試験研究機関を設置するというのは全国的に見ても、おそらく初めてのことではないかというように思っております。まさに大学内にそういった総合的な支援の拠点を設けるということで、それぞれ県と大学が持っている技術・知見を結集して、効果的に研究開発に取り組んでいけるのではないかというように思っております。
研究所そのものは平成30年度末までの完成を予定しておるわけでございますが、当面の具体的な取組みとして、地域の食材を用いて高付加価値製品を開発する共同研究プロジェクト、それから食品・ヘルスケア関連企業等の支援体制の拡充、さらには研究者、技術者間の人的・技術的交流による高度技術者の育成、この3本柱で作業を進めていこうということでございます。
今回の取組みによって、新たな付加価値の高い県産ブランドの開発の促進と、高度な食品分野での技術系の人材の育成につながることを大いに期待したいということでございます。私のほうからは以上でございます。
広報課  ありがとうございました。続きまして森脇学長お願いいたします。
森脇学長  今、古田知事からご紹介がありましたとおり、このたび、岐阜県と岐阜大学との間で食品科学分野の連携に関する協定を締結することができました。あわせまして、平成30年度に岐阜大学のキャンパス内に、今、知事がおっしゃったとおりですが、全国でもたぶん初の取組みだと思いますけれども県の研究機関が開設されるという予定になっております。このたびの運びにつきまして古田知事をはじめ県の皆様方にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
ご存じのとおり国立大学、一般に大学というものは教育、研究と同時に、地域貢献が大変大きなミッションでございます。岐阜大学には、教育・研究の強み、もちろん、機械、ものづくり、土木もございますけれども、食品科学について大変大きな研究実績とまた社会への還元実績を持っております。そのような分野につきまして、今回から県とさらに連携を深めることによって、地域の経済力の強化、ひいては地域活性化という格好で社会貢献をさらに増大することができることを私ども自身願っておりますし、また自負もございます。どうか先々の研究成果を楽しみにしていただきまして、ご支援賜りますようにお願いいたします。簡単ではございますけれども岐阜大学からのご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。
広報課  ありがとうございました。それでは、記者の皆様から今回の食品科学分野の連携に関する協定についてのご質問があればお受けいたしたいと思います。どなたかございますでしょうか。
記者  今回、締結式がありましたけれども、もともと呼びかけは岐阜大学のほうか、それとも県のほう、どちらからされたのでしょうか。
知事  私どもから見ますと、県の試験研究機関を色々な意味で見直ししようという流れの中で一つ一つ検討してきたところでありますけれども、そのうち岐阜県の産業技術センターの食品部というのがございますが、ここでの実績、今後の発展を考えた時に今回のような形で連携をしていくのがいいのではないかということを私のほうでは議論しておりました。そういう議論と、岐阜大学のほうでは研究推進・社会連携機構というものをお持ちですし、それから応用生物科学部もおありでいろいろと活発に活動しておられるものですから、そのあたりがうまくつながったということだと思います。
森脇学長  では、大学の側からご返事申し上げますと、今知事からご紹介ありましたとおり、今日後ろに座っておりますけれども、産官学連携推進本部の王副学長、それから隣におります、応用生物科学部の福井学部長、もともと非常に産学連携、産学官連携の強みを有しておりました。非常に幅広い範囲で連携を持っております。ちょうどそこに今知事からご紹介がありましたように食品科学研究所の話が持ち上がってきたということで、こちらもぱっと対応させていただいたというしだいでございます。
記者  今回の連携によって、平成30年に試験研究機関を新たに岐阜大学の中に作られるということで、象徴的な意味で連携していくということをはっきりアピールするというのは非常にあると思うのですけれども、そのほかに実利面でこういう部分が便利になるというようなところを具体的に少しお話いただけたらと思います。
知事  先ほど申し上げたように、それぞれのこれまでの実績・蓄積を生かした共同研究プロジェクトを立ち上げていきます。たとえば、健康維持に役立つ食材についての機能性商品開発でありますとか、自然食材を用いて高付加価値製品を作るプロジェクトですとか、いくつか共同研究テーマもありますし、機能性評価の分析力をそれぞれ持っておりますし、機器も持っておりますのでそういったものを持ち寄って、食品の高機能な分析をやっていくということもあります。企業の色々な研究開発を一緒になって支援していくということもありますし、そういう具体的なテーマをもって早速一緒に動いていこうということになりますので、単に象徴的に連携しますよということではなしに、そういう共同プロジェクトなり企業に対する支援体制が作られていくということを期待しているということです。
森脇学長  一応、建物としては3階建てを予定されています。1階と2階が、今、知事がおっしゃいました、行政、それから分析サービスということになってまいります。大事なのは3階でございまして、ここには四つ研究室が立ち上がります。一研究室あたり、一食品と申しますか、一食材と申しますか、そういったようなテーマになってくると思います。ここでの研究成果がものとして地域還元になり、もちろん、そんなすぐといったわけにはいきませんけれども、地域の活性化、雇用創出というところにつながっていくようなデザインを描いております。
記者  先ほど学長が、一研究室あたり一食材とおっしゃったと思うのですけれども、その食材というのは決定されているのでしょうか。
森脇学長  4つ部屋があります。テーマとしては、4つを超えるものが立ち上がってきておりますので、それについて今、選定をしているところです。知事がおっしゃいましたように機能性食品が一本の大きな柱ですね。もう一つは全国的に見ても特徴があると思うのですけれども、食べ物の香りというものをテーマに取り上げるような、そこを強化したようなものも候補には上がってきております。
記者  機能性食品というのは具体的にはどういった機能ということになるのですか。
森脇学長  たとえば、抗酸化作用という言葉がよく使われますけれども、それが強い、あるいは強化したような食品とか、たとえばこの後、後ろにブースがありますけれども、それのご紹介が知事からあると思いますが、そういったものが具体例になってくると思います。
記者  候補になっている食材というのを、差し障りのない範囲で教えていただいてもよろしいでしょうか。
森脇学長  食べ物の名前ということでいえば、たとえば今後ろにあります、広い意味でスプラウトとカタカナでいいますけれども、豆とか種から出てきた新しい芽です。それから、蜂蜜、お酒造りに使うような酵母、麹、お米、キノコ、そういったものが候補に挙がってきております。
記者  大学側から見て、学内にそういった研究施設があるということはどういった最大のメリットがあるとお考えですか。
森脇学長  最初に申し上げましたとおり、やはり大学の第一の責務というのは教育と研究でございますね。そういった研究の場が非常に広がるということが一つあります。それからもう一つは社会貢献をするには研究に携わって社会に還元する、社会実装をするための人材の育成が必要になります。その人材育成の教育効果というのが、もう一つの意味で、ものを作るということとはもう一つ別の意味で、非常に大きな意義があると思います。
記者  事務的な確認なのですが、整備費用というのはいくらぐらいというか、総工費はいくらぐらいを想定してみえて、どういうふうに県のほうと、大学のほうと負担されるのかというところを教えてください。
知事  イニシャルコストといいますか、最初の建物の設計とか工事は、まだ具体的には協議中なのでありますが、17,8億円くらいのイメージですかね。それから、建物の中にいろいろな備品、機器類を設置するわけでありますけれども、これはそれぞれ大学、県が、それぞれに必要なものを負担して設置するということになります。それからランニングコストについていうと、先ほど森脇学長からお話がありましたが、1,2階の部分は県が占有することになりますので、この分の負担は、電気代、ガス代等々、もろもろのランニングコストは県が持ち、3階は大学が負担をするということかなと。それから具体的な連携事業ですね、共同研究そのものとか、人材交流とか、企業支援とかですね。これはテーマに応じて両者でご相談して負担関係を決めていくと、そんなイメージですかね。
広報課  よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、以上をもちまして協定の締結式を終了させていただきます。森脇学長他岐阜大学の皆様は、ここでご退席をされます。ありがとうございました。

(岐阜大学関係者退席)

 ありがとうございます。それでは、2つ目の項目から古田知事、よろしくお願いいたします。

知事  まさに今の話で出ました食品機能性に関する、先駆けとなる研究開発の成果ということでさっそくご紹介したいと思います。ちょうど後ろに並んでおりますが、県の産業技術センターでは、中津川市にございます株式会社サラダコスモと、今、中田社長もおいでになっておりますけれども、共同で機能性成分の含有量を高めたスプラウトであるところの大豆もやしを開発したわけでございます。
この大豆もやしに含まれる大豆イソフラボン、これは骨粗しょう症の予防とかですね、更年期障害の改善とかですね、様々な健康特性があると言われているところでございまして、この健康特性に着目して、県の産業技術センターと株式会社サラダコスモとの間で共同開発を進めてきたということでございます。今回、この大豆もやしにビール酵母細胞壁を水に混ぜて散布することによって、この健康性機能の源であります大豆イソフラボンの含有量を従来の2.4倍程度に高めることができるということで、そういう栽培技術を確立したということでございます。
ということでありますので、新しい設備投資ということではなしに、かつ衛生的に栽培が可能ということでございまして、同じ量の大豆イソフラボンを摂取しようと思えば、これまでの大豆もやしの約4割の量で足りるということになるわけであります。
今、この栽培技術は共同特許出願中でございまして、この大豆もやし、来月12月から株式会社サラダコスモで販売予定でございます。この4月から機能性表示食品制度というものができたわけでありまして、この機能性関与成分を公表して販売できるということになりましたので、消費者庁へ届出を提出しているところでございます。
共同研究者でありますところの株式会社サラダコスモの中田社長と、それから開発に携わった技術者にお越しいただいておりますので、ぜひ試食いただきながら、栽培技術等についてのちほどまた取材をしていただければと思います。中田社長の方から何かございましたらどうぞ。
中田社長  ありがとうございます。今日は本当にお世話になります。こういう県庁の会場をお借りして、私どもの日頃の研究活動をご紹介できるという機会に感謝いたします。今日は後で紹介もあるかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
知事  もう一点は今回の欧州への出張のご報告でございますが、お手元に渡航報告ということでお届けしておりますけども、スケジュールは2枚目の表裏に掲げたとおりであります。大きくは、一つは飛騨牛、美濃和紙を中心とする岐阜の魅力キャンペーンということでございまして、飛騨牛フェア、それから美濃和紙展示会、ロンドン、パリで行ってまいりました。その間特に、本美濃紙がユネスコで無形文化遺産になったということで、これを世界的なデザイナーの方で新たな商品開発につなぎたいということで、色々と意見交換、打合わせもしてまいりました。
また、ロンドンでイギリス最大規模の旅行博というものがございます。これはBtoBでございまして、まさに商談を旨とする旅行博でございますが、これに初めて参加をいたしました。また、イギリスの大使館がジャパンツーリズムウィークというものを、これまた初めておやりになりまして、そこにも参加してきたということでございます。色々な形で飛騨牛をご紹介し、和紙を紹介したわけでございますけれども、大変関心を持っていただいたということで、今後のさらなる進出の一つの手ごたえと言いますか、そういったこともある程度得られたのではないかと思っております。
それからもう一つは、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアを東京オリンピックに向けて事前合宿で大いに海外のチームに使っていただこうということで、イギリス、フランスとの間でそれぞれ合意文書を交わすことにしたわけでございますが、特にフランスのほうからは、「大変すばらしいエリアなので、この際、国際陸連の認証を取ったらどうか」と、「フランスとしては全面サポートするよ」と、このような提案もございまして、今、日本陸連とご相談を始めたところでございます。
それからあと世界遺産関係で二つ。一つは杉原千畝の杉原リスト。世界記憶遺産ということでありますが、これは来年(2016年)の3月末に正式に申請書を出して、その後ユネスコの専門家の中で色々議論が行われて、再来年(2017年)の夏までには結論が出ると、こういうスケジュールでございます。したがってまだ提出前ではありますが、八百津町長とご一緒にリトアニアに参りまして、リトアニア政府ともこれを機会に交流を深めていこうではないかということで、色々と意見交換をいたしました。リトアニアの側としては大いに応援をしたいということでございましたし、またユネスコ本部にも参りまして、色々とご説明をいたしました。
それから、その過程で当時の領事館がカウナス市というところにあるのですが、そこと八百津町との具体的な連携を進めようではないかと。そしてリトアニア全体と岐阜県との間でも様々な交流を進めようではないかということで、確か来年がリトアニアと日本の国交樹立25周年と言っておりましたので、そのメインテーマにこの杉原千畝氏の功績を掲げて交流行事をやったらどうかという提案が先方の外務大臣から、あるいは文化大臣からもございまして、これからちょっと考えていくことになろうかと思っております。
それからもう一つは世界農業遺産でございますが、「清流長良川の鮎」ということで、すでにFAO(国連食糧農業機関)にお出ししてありますけれども、今回ローマに行きまして、すでに岐阜に調査団も来ておりますので、今後どういうことになるのか、今後の段取りとか、色々と評価等々伺ってきたところであります。
最終的には12月14,15日に運営・科学合同委員会というのがございまして、最終結論を出したいということでありますので、もう1回ローマに参上して、正式、公式にこの「清流長良川の鮎」についてのプレゼンをやらせていただいて、そこで結論をいただくことになります、ということでございます。私のほうからは以上でございます。
記者  まず、2点ほどお伺いしたいのですが、1点は、先日ありましたフランスのテロ事件の件で、知事も先刻行かれていましたし、今日加納高校の生徒さんも戻ってきたりもしていますけれども、県内への影響というか、そういったことについてです。
それともう1つは、旭化成建材の件がありまして、最終的に2件データ流用がある、今のところは。まだもう2件がまだ調査中という事ですが、もう1つジャパンパイルだったかな、他の大手でもやってるのではないかというような報道もなされておりますので、それに対する所見とか今後の方針とかをお願いいたします。
知事  まずパリの同時多発テロ事件でございますが、私自身もちょうど直前に帰国してきたわけでありますけれども、状況がだんだん明らかになればなるほど、大変なことであったということを実感しておりますし、まさにアメリカの大統領が、「これは戦争である」というふうにおっしゃっておられますけども、いかなる意味においてもこうしたことは許される事ではありません。また、こうしたことが現に起こったという事で、今後色々な意味でフランスとも連携を取りながら、対応していくという事だと思いますけれども。
県内の関係者につきましては、加納高等学校とそれから城南高等学校が行っておりましたけれども、既に帰国済みで無事は確認しておりますし、城南高等学校は、滞在のある部分は、私どもも行きましたコルドン・ブルーですね、あそこでのいわば研修というかそんなことであったというふうに伺っておりますけれども。
それから、県の職員も今渡航中の職員はございませんし、1名パリの日本人学校に教職員が出ておりますけれども、無事を確認しております。また、フランス進出企業につきましても、駐在員・家族、あるいはオフィスも含めて被害・損害はないというふうに聞いております。ということで、引き続き、色々なルートで状況の確認は進めてまいりますけれども、現時点ではそういった意味で特に県の関係の被害は出ていないということであります。
ただ、パリのアトリエ・ブランマントで美濃和紙展をやっておりますけれども、これはちょっとああいうことなものですから、14日(土曜日)は臨時休業ということで閉じておりますし、日曜日はもともとお休みなのですけれども、本日どうするかも、今ちょうど向こう時間で朝になるところでありますけれども、現地と調整していくということです。21日までの予定なのですけれども、ちょっと状況をみながら、現地の皆様と相談しながら慎重に注意深く対応していきたいと思っております。
それから、旭化成建材の関係につきましては、県内の建築物でもあったという事で、大変遺憾に思っておりますし、そもそもその建物を現に利用しておられる方々にとりましては、大変な不安ではないかというふうに拝察するわけであります。この不安の早期解消ということが不可欠でありますので、データ流用が判明した物件については、建築基準法に則って早急に安全性を確認するという事であります。手続き的には現地確認という手続きがありまして、これは元請建設業者に対して、傾斜・ひび割れ等の不具合がないかどうかの確認を求めるというものでありますし、それから安全性の確認という手続きがありまして、これも元請建設業者に対しまして、安全性の確認を様々な記録の調査・地盤調査等々ですね、あるいは杭の到達状況の調査等々をやって、その結果について報告を求めるという事でございます。
それを受けて、私どもとしては、その結果の妥当性と建築基準法違反の有無について判断をすると。仮に違反があるとすれば、是正措置を求めると、改善計画を求めるというような事になろうかと思っております。できるだけ速やかにやっていきたいと思っておりますが、国とも相談しながら期限を決めて進めていきたいなというふうに思っております。
県内物件としては、私どもが建築基準法の担当であるところの特定行政庁となっておりますが、もう1つ、岐阜市も同じく特定行政庁として対応すべき物件がありますので、岐阜市に対しては、県と足並みをそろえてやっていこうではないかということで話をしております。
それから、既に都市建築部の建築指導課に相談窓口を設けておりますけれども、お問い合わせ等については積極的に受けながら、不安の払しょくに努めていきたいというふうに思っております。
それから、それ以外にもという事もありますので、私どももそういう不自然な点がないかどうかという点を含めて、諸々チェックをしていきたいというふうに思っております。以上でございます。
記者  今回ヨーロッパへの出張で、清流長良川の鮎の世界農業遺産認定に向けたアピールをされたということなのですけれども、アピールされたうえで、来月12月に登録認定されるかどうか、その感触をお聞かせください。
知事  これはもっぱらローマのFAOとの関係なのですけれども、FAOの事務局長にお目にかかりましたし、また担当部長、その下の担当事務局長、それからそもそもこの制度を創設するときに力を振るわれ、今は世界農業遺産基金のトップにおられる方等々ですね、それぞれにお目にかかりながら、この制度の目指すものなど、色々と話を伺ってきたところでありますけれども。
やはり今ユネスコの世界遺産というものが、過去の優れたもの、素晴らしいものをしっかりと保存していくということに焦点があるのに対して、このFAOの世界農業遺産というのは持続可能性ということをキーワードに農業、林業、漁業、まさにその業に携わる人たちがいて、生産活動をして、そしてまたそこに人々の生活が成り立っていく、そして未来に向かってもその業と人々の生活がきちんと回っていくと。彼らの言葉を使いますと「ダイナミックな保全」とか、あるいは「未来に向かって進化する遺産」という言葉を使っておりまして、そういう単なる過去にこういういいものがあるよ、大事に保存しますよというだけではなしに、「人々の生業も含めて過去、現在、未来どういうふうにそのエリアが保存され、また未来に向かってプランニングがされているかということを審査をするんだ」とこういう話でございました。
清流長良川の場合には流域に86万人の人が暮らしをしているわけで、日本3大清流とよく言われますけれども、静岡の柿田川というのは流域にはどなたも住んでおられないんですね。それから四国の四万十川は流域10万人ということで、長良川の場合には86万人の人がそこで住んでいると。そこで清流が保たれ、漁業が行われ、そしてまた鮎だけではなしに様々な生物の多様性が確保され、また景観も保全され、あるいはその食文化、鵜飼、色々な面で文化、伝統にもつながっているということで、そういったことをトータルにきちんと説明をしていきたいなとそんな思いで帰ってきました。
もう一つは、先方が言っておられたのは、非常にその(認定を)決めるだけではなしに、決まった後のことも非常に大事であると。つまり進化する遺産ですから、ぜひ岐阜県なら岐阜県のこういう地域の清流を守り、人々がそこで生活しているというシステムを、アフリカとか中南米とかそういう食糧、環境色々な面で難しい状態にある方々に対して国際協力、国際貢献と言いますか、そういったことを実績を踏まえて展開してもらうことを期待しているのだということもおっしゃっておられました。
私どもとしてはそういうFAOの方と相談はしながら、我々がやってきたことを国際的にアピールすることはもちろんでありますけれども、例えばアフリカ、中南米の適当な地域なり国なりですね、パートナーとして協力をしていくということは十分考えておりますよ、という話はしましたけれども、そういう進化する、未来に向かって目を向ける遺産ということでの、未来に向けての取組みということもしっかりと12月にはアピールする必要があるのかなと、そんな印象を持って帰ってきました。
ただ、その審査する方々と議論した訳ではありませんので、審査する方々はまさに運営委員会、科学委員会の方ですし、この時期にはそういう方々はやっぱり私どもと会うのはちょっと遠慮したいということでありましたから、それは当然のことでありますので、ただ目指すものと言いますか、そういったことについては十分話を伺ってきたのでそれを参考に頑張りたいというふうに思っております。
記者  県産品のアピールを今回ヨーロッパで何年目かになったのですけれども、また来年以降の展開についてどのようにお考えかということをお聞かせください。
知事  ヨーロッパについては、飛騨牛の輸入解禁というスケジュールに合わせて、去年第1ラウンドとして最も評価が厳しいであろうなと、難しいであろうなと思われたフランスに入っていったわけでありますけれども、思った以上に好評でございましたので、そこから1年間色々な努力を重ねていって、フランスの流通・肉業界、それから各種レストランですね、色々と取っ掛かりを見つけながら進めてきた上での、今回第2ラウンドということで、飛騨牛の本格的な輸出につながるような努力をしてきたということでありますし、イギリスは今回は第1ラウンドであります。
いずれにしてもこういうものは継続することが大事でありますので、まだまだこれで手を放していいという状況ではありませんので、私自身、トップセールスをやるかどうかはともかくとして、フォローアップはしっかりやっていく必要はあるのかと思っております。
パリではすでに、フィガロという新聞を見ますと、飛騨牛弁当の広告も出ておりますし、「以下のレストランに行くと飛騨牛料理が出ますよ」ということで、フランス料理屋もありますし日本レストランもありますけれども、そういうものも出るようになったということで、去年からさらに一歩前進したのかというふうに思っております。
ただ向こうの人とも色々と議論をしましたけれども、量を出したいということではなくて、最高級の牛肉としての評価・ブランド評価をきちっと確立していくというところを私どもとしては眼目にしておりますので、そういうことにつながるようなキャンペーンなり、あるいはそのパートナーを取扱店を見出していくという努力をしていくということかと思っております。
ただ向こうで面白いことを言われまして、「日本というのは海洋国ですよね」と、「それで寿司だとか刺身だとか活きのいい魚があって、とにかく素晴らしい魚の国だと思っていたら、肉の本場に肉を持ってくるというとんでもないことをおやりになりますね」という人もおりました。「ヨーロッパはとにかくみんな肉を食べて育ってきていますので、大変難しいところですけれども、よくこういうところに来ますね」と言うものですから、「我々としてはそれだけ価値のあるものをお持ちしたいということでやってきておりますので、まずは食べてみて」ということで。
今回は既に世界的に名を馳せておられる成澤シェフにも一緒に行っていただいて、色々な形での飛騨牛の料理を出していただきましたけれども、大変好評でありましたし、「なるほど」と。またある人は「フォアグラオブビーフ」と、とろけるような味ですから牛肉のフォアグラみたいなものかと。あちらは固いビフテキですよね。食べ慣れている牛肉というのは。ところがこの飛騨牛のようなやわらかい口の中でとろけるような触感というのは初めてですから、そういうものに対する驚きというか評価というか、そういうものは皆さん一様にあったのではないかと思っております。
これはオフレコでもなんでもないですけれども、ちょっと今回残念だったのは、予定では飛騨牛を、カトリーヌ・ドヌーヴさんと一緒に食べる予定で準備をしていたのですけれども、ご本人も「飛騨牛を食べたい」ということで前日まではOKだったのですけれども、当日になってどうしても体調がということで、もちろん何十人かお呼びしているゲストの中の一人なのですけれども。1対1で食べるわけじゃないですよ。ないのですけれども、たまたま私の席の隣に設営していて、カトリーヌ・ドヌーヴの若いころの「シェルブールの雨傘」とか「昼顔」、「ロシュフォールの恋人たち」とか、ああいう映画の題をフランス語で間違えないように言わないといけないと思って、一生懸命暗記していったのですけれども、ぎりぎりのところでキャンセルになりましたものですから、お宅のほうにまた次の機会にということで飛騨牛をお届けしました。
それで私の隣に誰が座ったかといいますと、パリ在住50年で、ご案内の高田賢三さんがお座りになりまして、デザインの世界で活躍されておられるので、飛騨牛論議も含めて大変楽しい会話ができましたが、ここにもう一人いたらさらにという思いは少し残っておりまして、次回の課題ですね、これは。
記者  阿藤快さんが亡くなりまして、JAの飛騨牛広報大使をお務めで、おそらく知事と一緒に香港でPRをされたということがあったのではないかと思うのですけれども。
知事  一番最初の頃に、香港かシンガポールかどちらかですよね、かなり大がかりなキャンペーンをやった時に、おいでいただいて、非常に積極的にアピールしていただきました。それから、東京で、これは固有名詞言っていいのですかね、資生堂パーラーがかねてから飛騨牛を使っていただいていますよね。資生堂パーラーの飛騨牛パーティーの時にも、彼はおいでになりましてね、それで大変激励するスピーチをやっていただいたりしていました。
大変ありがたく思っていたところでございますので、そういう意味では、そういう力のあるというか、影響力のあるパートナーというかですね、こういうことになって、非常に残念に思っております。
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