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知事記者会見(平成21年4月28日)

記事ID:0001317 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年4月28日(火曜日)午後3時

知事

今日はご案内のように、豚インフルエンザの関係で朝一番で本部員会議をやらせていただきました。本部員会議の内容については既に皆さん情報は聞いておられると思いますので、改めて申し上げませんけれども、私どもとしては時々刻々状況の変化に応じて、迅速に対応するということと、他方で冷静な判断を皆様に求めながら、必要なことをスピード感を持ってきちんとやっていくということを今、考えているところです。

それから、お手元に「豚インフルエンザ流行に備えて」というチラシが置いてありますが、これも状況に応じてどんどん書き変えていくことになります。これは午前中の時点で用意したものですが、今これも実は一部書き換えをやろうとしているところであります。

政府といろいろと話をしておりまして、このチラシに外務省や検疫所等の情報に十分留意してくださいと書いてありますけれども、その後、メキシコ向けの危険情報という格好で、外務省が以下のようなことを言っておりますので、それに合わせて、これも書き換えて、県民に紹介するというか、ご理解をいただこうと思っております。

渡航者に対しては「不要不急の渡航は延期してください。」という言い方をしておりますし、在留邦人に対しましても、「不要不急の外出は控え、十分な食料・飲料水の備蓄とともに、安全な場所にとどまり、感染防止対策を徹底してください。今後、出国制限が行われる可能性又は現地で十分な医療が受けられなくなる可能性がありますので、メキシコからの退避が可能な方は早めの退避を検討してください。」と、こういう言い方になっております。

それに合わせて、私どもも状況についてのフォロー、或いは、県民の皆さんへのご理解ということでやっていきたいと思っておりまして、これ自身も今、見直しているところでございます。

それから、お手元にお配りしておりますが、ぎふ清流国体、あるいは障がい者の方々のぎふ清流大会の県民運動を、いよいよ展開していこうということでございます。ここにミナモのぬいぐるみがございますけれども、「ミナモ運動」ということで、マスコットキャラクターのミナモからとった名前で、「ミナモ運動推進計画」の資料がお手元にございます。

これに則って、これから両大会を一過性のイベントではなしに、準備から開催後までを視野に入れた県民総参加の場として進めていこうということです。そして、「希望と誇りの持てるふるさと岐阜県づくり」に繋いでいこうと、こんな思いでこの推進計画を用意させていただいた次第でございます。

多くの方に知っていただいて、そしてまたこの推進計画をベースに具体的に市町村ごと、地域ごとにいろいろな取り組みをお願いしていこうという趣旨でございます。この8月には開催決定記念イベントと、それから県民運動推進大会をやらせていただこうと思っておりますし、それに先立って7月には両大会の会期も含めて、本県での開催が正式に決定になる見通しでございます。

高橋尚子さんとこの前対談をしましたが、やはり国体という場は単に優れたアスリートと競技を競うということだけではなく、まちの雰囲気と言いますか、その地域の温かさを感じる場所なんだということをおっしゃっておられました。例えば民泊したところが大変温かくて人が優しかったとか、食べ物がおいしかったとか、そういうことの印象も含めて国体なんだと、こんなことを仰っておられましたけれども、そういったいろいろな角度から盛り上げていけたらと思っております。

推進計画の2ページに、語呂合わせではないのですが、ミナモから一文字ずつ取り、「みんなのハートでおもてなし」で、おもてなし。「ナイスファイトで楽しいスポーツ」ということでスポーツ・健康。それから「もっと輝け、清流とふるさと」ということで美しい環境と清流づくり。

資料2ページの下の方に3つの分野で6つの運動を進めようということで、では具体的にどのようなことがあるのかということが4ページ以降、それぞれについて書いてございますので、これも参考にしながら、各地域で取り組んでいただこうと思っております。

最後のページにミナモの地域バージョンがあり、岐阜の鵜飼、大垣、谷汲踊、日本ライン下り、関の刃物、郡上踊り、陶磁器づくり、栗きんとん、それから高山、いろいろと地域ごとに楽しく、溶け込んでいけばと思っております。これが1つでございます。

それから、「水の子ども会議」の学習成果発表会があります。連休に入りますから、今日ここでちょっとお伝えさせていただきます。来年の海づくり大会、そして今年6月の1年前プレイベントを念頭に置いて、様々な水にちなんだ学習を「水の子ども会議」ということでいろいろな学校がやっていただいておりまして、全県的に140校を超える学校が水の教育ということで取り組んでもらっています。

その学習成果を5月9日、水産会館で発表していただいて、そしてまた、そのうちのある部分を1年前のプレイベントで発表していただこうとこういう趣旨でございます。参加校は裏側のページにありますけれども、高山市、下呂市、中津川市、郡上市、白川町、可児市、関市、海津市、揖斐川町、岐阜市、大垣市、美濃市、多治見市といろいろなところから参加をしていただきますので、これもご報告させていただきます。

それから、お手元にお配りしました岐阜県の下敷き、これは海づくり大会にちなんで岐阜県の主な河川を紹介したもの、それからアマゴを題材にしましたストラップでございます。ここにあるテープレコーダー、お陰様でかなりミナモのストラップも付いていますが、それと同時にこの、今日お配りしたアマゴのストラップも付けていただければと思います。

それから、3番目が子育て支援事業の拡充ということであります。この4月から環境生活部に少子化対策課を新設して、体制を強化しているわけですが、その子育て支援の政策展開の一環ということで、ぎふ子育て支援助成基金を岐阜県社会福祉協議会に創設しております。これは3月に議会を通過しました、平成20年度の3月の補正予算に基づくものでございますが、向こう3年間、1億円程度の基金を子育て支援に使っていこうということでございます。

使い途としては、子育て相談、相互交流、講座開催、情報提供、人材育成等々書いてありますが、様々な子育て支援ニーズに柔軟に対応して、NPO法人でありますとか、子育てサークルなどの支援活動を応援していこうということで、明後日の30日から今年度分の募集を開始することにしております。6月末までの間でございます。

それから、裏側のページの下のほうに「参考」というのがありますが、これの他にも、例えば父親の子育て参加を促進する事業ということで、「お父さん頑張って講座」という、父親に子育てというものについて、いろいろと意識を変えていただくための講座をやるとか、母子手帳以外に「父子手帳」を作るとか、あるいは子育て家庭の負担軽減ということで産前産後期の家事育児支援、あるいは大型商業施設等での一時預かりとか、そういったサポート事業の実施、それから企業内における子育てマイスターの育成とか、そんなこともこれからやっていきたいと思っておりますが、まずはこの基金の具体的な助成からスタートするということでございます。

私の方から、きょうはこんなところでございます。

記者 今日、豚インフルエンザの対策本部が設置されたということで、先ほど、県民に冷静な判断を求め、スピード感を持った対応をという話がありました。今日の会合で各部局からいろいろ方針を出されたかと思いますが、改めて振り返って具体的にどういった方針が決まったのかをお願いします。
知事

今日はまずフェーズ4になったということで、本部を立ち上げるということと、立ち上げることによって様々な情報が円滑に流れるような、そういう体制をきちんとしていこうということでございます。それから、現時点ではまだ海の向こうで起こっている出来事でありますが、これがこちらに入ってくるのをどう防いでいくかということと、万が一にも入ってきた時に、どういう態勢で対応していくのかということを、まずは確認するというのが今日の本部の趣旨であります。

情報という面では、まず庁内の本部があり、幹事会があり、それからその中にそれぞれのテーマごとのチームがあるということで、体制をきちんと責任関係も含めて整備をすると同時に、県民からの電話相談の窓口をきちんとしておくとか、あるいは海外渡航者に対して注意喚起をどのようにしていくかということです。

先ほどのチラシも一つなのですが、県内の旅券窓口での注意喚起をどう進めていくか、あるいは県が集約した情報を、例えば「ぎふポータル」への掲載も含めて、どういうふうに県民の皆さんに明らかにしていくか、あるいは市町村との連携とか、そういったことについて、改めて確認したというのが一つですね。

今後は、その確認したところに従って、刻々と情報収集したり、情報提供したりしていくわけでありまして、まずは日々の動きとして幹事会ベースできちんとマネージしていこうということであります。

それから、いざという時の備えという意味では、発熱外来の設置による検診というものをどう進めていくかとか、患者の収集、転院、搬送をどうするかとか、検体の輸送、検査をどうやるかとか、そういった体制整備に着手をするということの確認というのが一般論です。

後は、具体的にそれぞれ、例えば秘書広報統括監であれば、ぎふポータル、あるいは報道機関への対応といったこと、それから危機管理統括監では、県内の消防本部との連携、あるいは総務部であれば、いざという時に予算が必要な時にどう弾力的に予算を使えるようにしていくかとか、それから職員の海外渡航の最新状況を、絶えず把握していくと、そして必要な指示をしていくというようなことがあります。

総合企画部でありますと、渡航者への危険情報の発出、在外邦人への情報の提供、あるいは国内旅行業者、あるいはメキシコ等への県内企業進出の状況、あるいは現地の県人会の状況、こういったことについての情報収集、情報提供といったようなことが言われております。環境生活部でありますと、私立学校、文化施設、自然公園施設に対して、注意喚起をどのように進めていくかということであります。

健康福祉部でありますと、保健所を通じた市町村との連携、医師会、あるいは感染症指定医療機関等との連携とかがありますし、さらに端的には、県立3病院における、いざ患者が発生した、あるいは広がりつつある時にどう対応していくか、ということも検討する必要があります。例えば、他の患者とどう隔離していくかとか、そのようなことも検討していく必要があるのではないか。あるいはこの治療薬の流通量をどのように把握していくかとかです。

それから、商工労働部でありますと、すでに海外へ進出している企業との情報交換、それから農政部ですと、農業関係団体への情報提供、それから林政部ですと、森林林業関係団体との連携、県土整備部ですと、建設業協会への周知でありますとか、交通規制等の情報収集でありますとかございます。都市建築部でありますと、これはどちらかというと部内ですが、それから、県警本部もいろんな意味で対応を考えていこうということ。

教育委員会は学校、あるいは市町村との教育委員会との連携、とりわけ学校、教育委員会ベースで行われます修学旅行とか、あるいは研修旅行といったものはどうなっているのか、それに対してどういうふうに注意喚起していくのかということがあります。振興局はそれぞれ地域振興会議というものを持っていますので、そういうベースで対応していく等々、それぞれに取組みの考え方が示されました。

これは決して固定的なものではありませんで、状況に応じて、万全を期していこうと、そんなようなことの確認でございます。これからはむしろ、本部を毎日開くというよりは幹事会をできる限り開いて、今申し上げましたことも含めて、ひとつひとつ丁寧に全庁的な情報交換をしながら、手を打っていくと。

それで例えばフェイズ4がフェイズ5になるとか、あるいは日本の水際で事案が生じたとか、状況が変われば直ちに本部員会議をやりますし、そうでなくても幹事会ベースのマネジメントをある程度軌道に乗ってきたところで、状況報告をしてもらうために本部員会議をやるとか、そんなようなことを今考えておりますが、できるだけ固定的ではなくて、意味のある対応ができるように柔軟に取り組んでいきたいと思っております。

そういう意味で、皆様方に対して、どういう頻度で私どもの作業状況をお話していくかというのを、これもかなりがんばっていかなくてはいけませんので、できるだけまさにスピード感を持って、皆様方に我々が今どんなことをやっているか、どんな情報を得ているか、これもお伝えするやり方も検討しながらと思っております。また、整理ができたら幹事社を通じてご相談したいと思っております。

記者 報道への情報提供という意味で、今日の本部員会議は冒頭の取材のみで、後はシャットアウトされたのですが、今回非公開にされた理由は何だったのでしょうか。
知事 特に深い他意はありません。従来対応型で急遽やらせて頂いたということでありまして、特に他意はありませんので、本部員会議もありますし幹事会もありますし、それからそのチーム毎のいろんなやりとりもありますので、どういう形で皆様にタイムリーに情報をお知らせしたらいいのかということも含めて考えております。
記者 原則公開という方針で。
知事

おそらくこの手の問題は、患者さんの個人情報とか、そういったことが危惧される場合にはちょっとそこはどうするかということは考えなくてはいけないと思いますけれども、できるだけ私どもがどんなふうに作業をしておって、そしてその中でどういう情報を得て、どんなことを県民の皆さんにご注意いただきたいかということをできるだけすばやく知っていただく上で皆様方の報道というのは大変重要だと思っております。

そういったことも含めてちょっと考えさせていただきたいと思っております。今日はとりあえずとにかく本部を作るのだということで、従来対応でやったというだけのことですが、ちょっと考えさせてください。

記者 検討する中には公開でやっていくということも含めてでしょうか。
知事

はい。ただ先ほど申し上げましたように、本部も含めて頻繁にやるわけではないわけですから、幹事会レベルがいいのか、それとも幹事会が終わるごとに例えばプレスの皆さんに今日我々がどんなことをし、どんな認識をしているかということをかなりの頻度でお伝えするというやり方もありますし、いろいろなやり方があると思うのですけれども。

要はスピード感を持って状況をお伝えするという姿勢で、ちょっと考えさせていただきます。

記者 今言われた、終わった後に内容を情報提供するというやり方ですと、今日の朝一番でやられた本部会議の結果が、昼回って2時半でして、全く意味がないので、そのあたりの対応を検討してほしいのですが。
知事 夕刊に間に合わないですね。そうですね。
記者 先ほどのメキシコ渡航の危険情報ですけれども、渡航者に対しての不要不急渡航を延期してください、とおっしゃった所があったと思うのですが、この豚インフルエンザのビラに関してもそのような記述に今替えるということでしょうか。
知事 今替えつつあります。はい。
記者 渡航者に対しては不要不急の渡航を延期する呼びかけをするということでいいのでしょうか。
知事 はい、そのつもりです。いずれにしましてもこの手の問題は、岐阜県民だけに特有のことではありませんので、やはり国全体として共通の考え方でやっていくべきですし、そういう患者が出たときにとにかく迅速に県内にもお伝えするということが大事であります。外務省が先程のような方針を出したところでありますので、すぐにも今度はこれの第2便、また変われば第3便ということになるわけですが、そこはタイムリーにやっていきたいと思っております。
記者 今日のブリーフィングで不透明だったのですが、感染例が国内で発見されてしばらく疑いがあって、国が判断して、豚インフルに感染しているという判断までの、いわゆるグレーゾーンの間は県のガイドラインの運用というのは、次の段階に進むのか、あるいは前段階に留まるのか、非常に難しい判断ですが、そのあたりは。
知事

そこは、今まさに国と言いますか厚生労働省ともいろいろと議論をしているところなのですが、渡航経歴、それから実際に出ている症状、それからA型インフルエンザであることと、この3つが確認されると豚インフルエンザかもしれないということになるわけですが、最終的にはその検体を分析してみないと、通常のA型インフルエンザなのか、まさにこの豚型のインフルエンザなのか、わからないわけです。

ヒト型と豚型とあって、ヒト型であるかどうかはある程度の検査で早めにわかるそうですが、ヒト型でなかったら全部豚型かというと、これもその疑いが強くなるけれども最終的には検体検査が必要ということで、これも時間がかかるわけですから、おっしゃられるギャップはありますよね。

かといって遅れてはいけませんし、さりとて渡航歴と症状とA型インフルエンザということだけで、はい、これはもう豚インフルエンザに違いないと言ってわっとやるのもどうかということで、どこでどういう風に線を引いたらいいものかということをまさに国の方も真剣に議論しておられます。

私どももそこのところを歩調を合わせながら、どうやっていくのか早急に答えを出していきませんと、いざという時に混乱しますので、そこのところがまさに今議論しているポイントなのです。ある程度見定まったところでご報告しますけれどもそんな状況です。

記者 具体的にはどのあたりに落ち着きそうですか。
知事 まだ私もわかりません。
記者 別の話なのですが、昨日「国幹会議」が開かれて東海北陸道の白鳥以北の飛騨清見までの4車線化が決定されたことについての受け止めと、県内で暫定2車線が残っていると思うのですが、そこへの要望みたいなものはありますか。
知事

今回の議論は、この一連の景気対策経済対策の一環として、緊急でかつニーズが高くていろいろ効果の高いものの中でいろんな議論をされていく中で、岐阜県でいえば白鳥以北の飛騨清見までの4車線化というものが俎上に載ったということであります。土地の手当てから始まって、速やかに動き得る速効性のあるプロジェクトということで、これが俎上に載ったということであります。

私どもとしましては東海北陸道につきましては、昨年7月の全線開通以来、交通量がほぼ倍増しておりまして、4車線化の目安と言われる1日あたり1万台を超えておりますし、現に休日観光シーズンには大変な交通渋滞も生じておりますし、また若干ではありますけれども対面通行で深刻な事故も発生しておりまして、やはり早急に対応すべきものだと思っております。

地元からも、あるいは私ども県としてもかねてから要望していたところでして、それを今回の一連の経済対策の流れの中で、早急に取り込めるような財源の手当てもしていこうということで、俎上に載せていただいて、私どもとしてもそういう方向で踏み切らせていただいたわけでございます。

記者 今週の日曜日に名古屋市の河村新市長が当選されましたが、岐阜県でも関係の深い自治体だと思います。そこで河村新市長に期待することと、前市長が後継指名した人ではない人が当選したということで、名古屋市の行政運営がガラリと変わる可能性もありますが、それに対する懸念する点はありますか。
知事

今回の選挙は何といっても名古屋市民の方々のご判断の結果だということです。岐阜県としても名古屋市との間ではいろいろとご縁がありますので、そういう意味では大変関心を持って見させていただきました。特に一定の頻度で三県一市の首長会議で共通の課題について集まって議論をしておりますし、例えば広域観光でありますとか、セントレアをどう活用するかとか、廃棄物処理や環境政策、科学技術政策など、いろいろな面での協力やご縁がございます。

そういう意味で引き続き名古屋市と岐阜県との間で、もちろん愛知県も三重県も含めて、良好な東海地方として、一体となったいろいろな取組みをこれからも進めて行けることを期待しております。公約などを拝見しても、直ちに三県一市の連携に影響が及ぶようなことをおっしゃっているとは思えません。むしろ、福祉とか環境など、いろいろなことを大事にしていこうとおっしゃっていますので、私も機会があればできるだけ早い機会にお目にかかって率直な意見交換ができればと思っております。

隣県で知事が代わるというケースは、私が就任してから、長野県が代わりましたし、滋賀県も代わりましたが、それぞれの広域連携において全くそのことによって、岐阜県との連携に何か支障が生じたこともございません。それぞれに県境を越えてやっていこうということについては、どの首長さんも意見の相違はないと思いますので、お互いにウィン−ウィンで、いい関係を作っていきたいと思っております。

記者 徳山ダムが5月初めに本格稼働から一年を迎えるのに関連してお聞きしたいのですが、岐阜県が徳山ダムを開発した工業用水と水道用水の利用先がまだ決まらないままと聞いております。一年前の会見でもお話しされたと思いますが、今後どのように取り組まれるお考えなのか、改めてお聞きしたいと思います。
知事

昨年のゲリラ豪雨の時にもありましたけれど、治水面では既に効果が見えてきておりますので、そちらの点については、多言を要しないと思いますが、おっしゃったような工業用水その他の利水面については率直に言ってまだまだ進んでいない状況です。

ただ、東海環状自動車道の西回りが、特に大垣西ICから養老JCTまで、今、急速に進んでおりますし、私どもとしてはこの西回りルートの全線開通を、岐阜県としては公共事業としての最優先課題と考えています。それと同時に昨年の12月から、この西回りルートをどう戦略的に活かしていくかという中で、沿線の工業団地のあり方とか、新たな企画など、いろいろな議論が行われています。

そういったところから新たな需要が出てくればという思いで、その協議会にも参加させていただいております。これは力づくというわけにもいきませんので、まさにこの西濃地方の発展とともにニーズが出てくるわけですので、西回り効果を期待しながらいろいろな方々と議論を進めていきたいと思っております。

記者 今のお話の中で、おそらく当初、徳山ダムを開発した時点では、ダムの本格稼働と合わせて利水も事業化して、ユーザーから料金を徴収して、利水償還に充てていくという考えだったと思いますが、そうするとダム稼働に合わせて、西濃地域にそれだけの水需要が発生するという当初の見込みがあったと思うのですが、それが今、発生していないということは、やはり当時の見込みが甘かったという理解でよろしいのでしょうか。
知事

西濃地域は、地下水を圧倒的に利用しています。この地下水というものがどこまで使い続けられるものか。今、確か95%を超えていると思います。そういう考えも含めて需要を考えていたわけですが、なかなかそういう、まさにおっしゃるような需要が生じてきていないということです。そういう意味では、当初の考えからはかい離してきていることは間違いありません。

しかしそれは、プロジェクトそのものが50年の歳月をかけて出来上がったものですし、長期的に岐阜県の水需要、県の発展にとっての水需要というものを考える必要があると思います。今、まさに急激な景気後退の中で企業誘致も少しブレーキがかかっておりますけれど、やはりその企業誘致を私が着任して以来やってみて、岐阜県の固くて地震に強い地盤と豊富な水というものが企業誘致には間違いなく魅力があるわけです。

逆にほかの地域で、工業用水がこれ以上供給できないがゆえに、企業誘致もできないというところも他県にはかなりあるわけで、長期的に岐阜県の発展にこの水を活かしていくということを考えていきたいと思っております。

記者 毎年、23億円ずつ、23年間に亘って一般会計から払っているわけですが、これは将来、水道を事業化した場合に、先行して一般会計から支出したお金をどのように処理されるのか、そのあたりのお考えはどうでしょうか。
知事 理想形はユーザーからの支払いで全額返還していくということができるといいのですが、まだそういう状態に至っておりませんので、どういうユーザーを現実的に見込みながら、かつどういう料金でどのように補填していくのか、まずは一般会計から先行して返していくわけですが、それをどうユーザー料金というかたちで埋め合わせていくのかということは、これも机上の議論だけをやっていてもいけませんので、まずはユーザーを見定めながら考えていくというこれからの課題だと思います。
記者 具体的に見込みはあるのでしょうか。市町村にいくつか聞いたところでは、水は足りているのでもう要らないという声も聞かれたのですが、具体的にどのくらいのスパンでユーザーを見つけていきたいとお考えですか。
知事

一方で、そう遠くない過去において、西濃の多くの市町村がこぞって徳山ダムを早期に完成して水の利用を積極的に考えたいとおっしゃっておられたことも事実です。地下水は地盤沈下に繋がったり、何かに汚染されるようなことがありますと、大きな問題に繋がったりするなど、当時から危惧された議論もありました。

そうした危惧されたことが今は発生していないということですが、これから長期的な目で、折角の貴重な用水ですから、これを大いに活かすということで需要を開拓していくといいますか、先ほど申し上げたようなことを考えていくというのが基本線ではないかと思っております。まだ、わかりやすい見取り図ができないのは事実ですが。

記者 東海北陸自動車道の建設も県の費用負担が伴うと思いますが、事業手法のあり方についてはどのようにお考えですか。
知事

今度のやり方は中日本高速の仕事と国の仕事を合同で4車線化をやっていくという考え方を国としてはとっておられます。全事業費の中から中日本高速が自ら有料化事業をおやりになる部分を除いたところについて、国としては直轄事業ということになり、一定の負担を県に求めます。

ただし、先般発表された経済対策の中では、約1.4兆円の公共事業見合いの交付金があります。これは地方の負担の9割を事実上カバーするための交付金ですが、その地方の負担の9割をカバーするこの交付金を活かしてやっていき、残りの1割が県の負担となるわけで、従来のルールですとその県の負担の1割の約半分は交付税の対象となる整理となっています。

国としては今の状況の中でこの交付金を最大限に活かして実際の負担を出来るだけ抑える格好で、自治体にも応分の負担をということでして、私どもだけではなく、いくつかの県の4車線化があるわけですが、各県それぞれ、そういう考え方については、やむを得ないといいますか、了解をしたということです。

ただ、一般論としてこの負担金をめぐって、例えば具体的な事業の積算方法でありますとか、あるいは負担の軽減など、いろいろな議論を今、やっているところでして、そういった議論もにらみながら、まさにこの事業の具体的な規模とか、内容、交付金をどのように支出に回していくか、また、地元企業にどのくらい仕事が来るのか、様々なことを注意深く見て議論していく必要があるのではないかと思います。そういうことについても、国土交通省に対して私のほうから意見を申し上げているところでございます。

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