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知事記者会見(平成21年4月14日)
平成21年4月14日(火曜日)午後3時
知事 |
私から数点、ご報告させていただきます。お手元に資料がございますが、「第30回全国豊かな海づくり大会〜ぎふ長良川大会〜」のテーマ、ポスター及びキャラクターが最終的に決定いたしました。それから、大会開催1年前のプレイベントについてでございます。 まず、大会テーマですが、お手元の資料のとおり「清流がつなぐ未来の海づくり」というテーマに決定しております。作者は村田小夜子さんとおっしゃる高山市在住、28歳・女性、主婦の方です。昨年11月下旬から今年1月下旬まで約2ヶ月間にわたって募集をしましたけれども、応募総数は7,393点で、大変多くの方にご応募いただきました。この数字だけを先催県と比較してもいけませんが、例えば昨年の新潟県ですと1,085点、滋賀県で約3,600点、佐賀県が2,300点というオーダーですから、如何に大勢の方が今回、テーマについて知恵を絞っていただいたかということであります。私どもも大変感謝しているところでございます。特に小中学生の応募が8割を占めておりまして、子どもたちが主役ということをかねがね申し上げておりましたが、大変積極的な参加をいただきました。 県としましては、第三者委員会で審査をいただいたわけでございますが、「初めて川で開催する大会に相応しい、森・川・海のつながりや森を守る意義を持って、誰にでもわかりやすい言葉で未来へという希望に満ちたテーマになっている」ということが選考理由です。 それから、大会キャラクターですが、ここにございますが、「ヤマリン」といいまして、なかなかアイデアに富んだキャラクターだと思います。名称は、山(やま)と海(マリン)をつなげた造語です。作者は平田千陽さんという関市在住の男性の会社員の方です。「豊かな森から流れ出る水が清らかな流れとなって里に恵みを与えながら海に注ぎ、豊かな海を育んでいる」ということでありまして、頭は山、森、口元にれんげ草、胴体が清流、足が海を表しています。 このキャラクターには4,552点の応募がありました。これも他県に比べると圧倒的に多い応募数でして、しかも9割が小中学生です。この「ヤマリン」については、選考委員の方々の意見としては、非常に斬新で新しさがあり、今までの型にはまらないというものでした。海のない県で初めて開催する海づくり大会のイメージを内包したキャラクターであり、非常に山から海へというメッセージが含まれているものだということです。この「ヤマリン」がいろいろなところに登場しますので、親しんでいただければと思います。 それから、大会ポスターについては、小学校低学年、小学校高学年、中学校の3部門に分かれて審査をしました。1,180点の応募をいただきました。最優秀賞をはじめとする入賞作品はお手元のとおりです。小学校低学年の部では、「きれいな川に喜ぶ魚たち」ということで、関市の小学校3年生和座旭宏さんが最優秀賞です。まさに川で魚が勢いよく飛び跳ねている様子を描いています。それから小学校高学年の部が「岐阜市内の長良川」という題で、近藤聖也さんという垂井町の小学校4年生の方の作品です。岐阜市の街と川、それから魚が描かれていて、大変楽しいポスターです。 それから、中学校の部は、「大切なもの」という画題で、少女がそっと水をすくい上げている姿を描いていて、いかにもさわやかな、やさしい感じが出ております。中津川市の中学2年生伊藤あつ子さんの作品が最優秀賞となりました。 なお、資料には、キャラクターの入賞作品も掲載されておりますが、これを見ていただきますと、「ヤマリン」の下に優秀賞として、「ミルンちゃん」「ながれくん」、佳作が「ユッタン」「ゆかいちゃん」「すいすいちゃん」とあります。優秀賞以下の作品は、それぞれいい作品ですが、ぬいぐるみ的なキャラクターです。一方、「ヤマリン」はいかにもオリジナリティのある独特の作品だということが比較するとお分かりかと思います。とりわけ資料の「制作の意図」をご覧いただきますと、「豊かな森から流れ出る水が清らかな流れとなって里に恵みを与えながら海に注ぎ、豊かな海を育んでいる様子を表しています。顔は豊かな森を抱く山を、体は清流を、足は豊かな海を表現しています。顔には山のふもとの里をイメージして県の花レンゲをあしらいました。」ということで、言われてみますと全部、豊かな海づくり大会のメッセージの要素が含まれています。 この大会テーマ、ポスター、キャラクターはいずれも、最優秀作品につきまして、PRポスターやグッズ、あるいは印刷物に使わせていただこうと思っております。 それから、1年前のプレイベントについてですが、「ぎふ海づくりフェスタ」という名称で6月13日(土曜日)に式典行事等を行います。来年の本大会の点検・試行という側面もございます。本大会に近い参加規模、催事内容で実施します。地元の子供たちによる演奏、踊り、あるいは放流、歓迎行事を通じて水の恵みに恵まれた歴史や文化といったものを表現する予定です。また、子どもたち、漁業関係者が一緒になって水を守るメッセージを発信する予定です。 13日(土曜日)、14日(日曜日)の両日には、関市本町商店街を舞台に様々な交流行事を開催して楽しんでいただこうと思っております。来年の大会に向けて大いに機運を盛り上げていきたいと思っております。 実は、おととい、関市長にお目にかかりましたら、先般の天皇皇后両陛下の金婚式のお祝いの会に関市で金婚式を迎えられた方もお招きに預かって、天皇皇后両陛下にお目にかかったそうです。その時の話として、「関市から参りました。」ということをお話ししましたら、皇后陛下が、「刃物の町ですね。」とおっしゃったそうです。それに対してその関市の方が、「そうです。来年は天皇皇后両陛下が関市においでになるのをお待ちしております。 楽しみにしております。」と申し上げましたら、すかさず皇后陛下が、「初めて川で行う海づくり大会ですね。どんな大会になるか本当に楽しみにしています。」というようなお言葉が即座に返ってきたということで、来年、関市で豊かな海づくり大会が行われ、かつ、初めて川で行われるということが、しっかりと既に両陛下に御認識いただいて、楽しみにしていただいているということでございます。 それを関市長が金婚式に出席されたお二人から聞かれて大変喜んで、これはまずは何といっても私に伝えなくてはいけないということで、おとといお話を伺ったところです。大変嬉しい限りでございます。大いに、県民挙げて新しいメッセージを出して行けたらと思っております。 それから2番目が、資料をお配りしておりませんが、今週18日(土曜日)、午後6時から東海環状自動車道の美濃関JTCから関広見ICまでの2月9日kmが開通します。東海環状自動車道の美濃関JCTからいよいよ西へ道路が開通していくということでございます。この日午後3時から、テープカット、記念植樹等のイベントもございますが、金子大臣もお出でになりますし、私も出席させていただく予定になっております。 平成17年3月に東回り区間が開通しまして、美濃と三河が直線で結ばれるということで、企業誘致、観光、いろいろな面で高い効果があったわけでございますが、西回り区間も岐阜県にとりましては、県民生活にとっても、産業経済にとっても大変重要な道路だということで、最重点課題の一つとして今、鋭意取り組んでいるところでございます。今回、そのうちの美濃関JCTから関広見ICまで繋がるということで、いよいよ西に向かって伸びていくということで、この景気低迷の中で一つの明るい話題になるのではないかと思っております。 この2月9日キロはいずれも関市内での開通ということでございますが、いろいろな意味で利便性が期待されていまして、一つは関の小瀬鵜飼の最寄りICになるということでございます。関広見ICを下りてすぐ小瀬鵜飼の場所でございますし、まさに豊かな海づくり大会を行う場所でもございますので、そういった意味では北からも南からも東からも、この小瀬鵜飼へのアクセスが格段に良くなってくるのではないかということで、今後ますますこの小瀬鵜飼にお出でになる方々が増大していくことを期待したいということでございます。 また、このICの近辺には池尻・笠神地区の工業団地の整備が計画されておりますし、それから岐阜市北部の三輪地区、ここでも工業団地が検討されているわけでございますが、こういった工業団地へのアクセスにつきましても非常に有意義なICになるのではないかというふうに思っております。また現在、西濃の大垣西ICから養老JCTまでの間で工事が最盛期を迎えておりまして、先ほど申し上げましたように、最重要課題の一つとして取り組んでいきたいということでございます。 その次が、お手元の資料で、「ものづくり技術とITを活用した高度医療機器の開発」についてです。これは文部科学省の産学官連携促進のための事業、これに岐阜県の高度医療機器の開発というテーマが採択されたということでございます。 3年間で13.5億円の研究開発プロジェクトということで、国費がそのうちの6億円ということでございます。3つの大学、岐阜大学、朝日大学、豊田工業大学、4つの公設試験研究機関、それから医療機器関連企業8社ということで共同研究開発をやっていくということで、産学官の連携促進ということでございます。 これに先立つプロジェクトとして、平成20年度までの5年間、知的クラスター創成事業ということで、やはり産学官連携事業をやってきているわけでございますが、すでにいくつか成果が上がっております。今回のプロジェクトの前段階になるわけですが、平成16年度から20年度までの高度医療機器の開発で総事業費が25億円、成果としては具体的な事業化をしたものが25件、大学発のベンチャーが8社誕生しております。それから、事業化による売上が38億円、様々な技術開発の賞を62件受賞しておりますし、特許出願も260件あります。こういう5年間の技術基盤、知的集積の構築の上に立って、発展型として更にこれから3年間、このプロジェクトをやっていくということでございます。 医療機器の分野は、高齢化社会の到来にあわせて今急速に伸びている分野でございまして、平成14年から4年間で岐阜県の医療機器生産高が38%伸びております。また医療費も急速に今伸びております。そういう中で、今回のプロジェクトは早期診断、早期予防に関する研究開発、あるいは安全な治療・高品質な手術に寄与する製品の開発、リハビリ支援に寄与する製品の開発というようなことで成果を期待しているわけでございます。 それから、4番目がお手元の資料で、アサヒビール株式会社との森林環境教育の推進に関する協定締結でございますが、2月にINAXとの間でやはり森林環境教育分野での県とそれから教育委員会、3社での協定を締結しました。その2例目ということで、大手ビールメーカーのアサヒビール株式会社と締結いたします。岐阜県における「緑と水の子ども会議」でありますとか、森林環境教育でありますとか、そういったことに対していろいろとアサヒビールの方から支援をしていただくということでございます。寄付をいただいたり、出前講座をやっていただいたりというようなことでございまして、スーパードライ缶1本当たり1円を寄付するということでございますので、是非皆様方もこれから嗜まれる時にはスーパードライ“缶”の方を、岐阜県の森林環境教育を応援するつもりでご支援をお願いしたいということであります。4月20日に協定の調印を行います。その際に詳細は発表させていただきたいと思います。 私の方からは以上でございます。 |
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記者 | 繰り返しになりますが、先日(4月8日)、国の直轄事業負担金の関係で国と協議をされた際に、どのような主張をされたかということと、どのような成果があったかをお尋ねします。 |
知事 |
国土交通大臣、農林水産大臣、それから総務大臣がお出でになりまして、知事会として、このテーマの課題を整理して当日お出しをしたわけですが、例えばこの負担金というものがどんなプロジェクトに使われているのかという情報公開の問題もありますし、国の直轄事業として国が維持管理をする道路の維持管理費について、知事会としてはできるだけ早く廃止をしていただきたいということもありました。国が管理する以上、国が管理費を払うのが当然ではないかという議論です。それから、地方自治体と国とがこの問題を巡っていろいろと協議をする、そういう協議について、積極的に取り組んでいこうということでありますとか、そもそも国の直轄事業として国道を整備するわけですから、制度論としては廃止の方に持って行くべきではないかと、そういったことについても検討すべきではないかということをお出ししたわけです。 それに関して各知事からいろいろとコメントしたわけですが、私が申し上げたのは、こうやって1回集まって1回議論しておしまいというのではほとんど意味がない。課題は全部テーブルの上に置いてあるわけなので、この課題全てについて、できるだけ迅速に国と自治体との間で検討を進めるべきではないかということです。そのための今後の検討のスケジュールとか、行程表について合意する必要があるのではないかというのが1つ。 それから、この問題は負担金が国の直轄事業ですから、地方が負担するのが良いのか悪いのかという是非を議論する側面もありますけれども、それ以前にそもそも自治体としてもう財政的に支払うだけの余力が無い。したがって自治体の懐をあてにしていては事業が進みませんよということをいろいろな数字を出して申し上げました。私の方から岐阜県の単独の自由裁量経費が、予算トータルの中で173億円ですよと申し上げましたが、富山県知事は26億円しかないと、もっと少ないんだというようなことを言っておられました。「はい直轄事業やります、はい3分の1負担」と言われても、ありませんということを富山県知事もかなりはっきりと仰っていました。 それから、他の国が行う事業について、いちいちこうやって県に負担を求めていますかということです。例えば、新幹線であるとかいろいろなプロジェクトを挙げて、大学を作るとか国のいろいろなプロジェクトをやっていく時に、いちいち何分の1は県の負担というのは無いはずという議論も、他の知事さん達からいろいろ例を挙げてありました。何故この分野について、これだけの負担を自治体に求めるのかという議論もありました。 それから、3番目はすべての知事が共通して言ったことですけれども、透明性と言いますか、例えば国土交通省の現地事務所の設置といった問題について、具体的にどういう仕様で、どんなふうに使っておられるのか全く明らかではない。そもそもそういうものが地方の負担金で支払うべきものなのかということです。それから、仮に現地事務所が移転をして、後に残った敷地を国有財産の売却ということで対応しておられるのですが、それであればその3分の1は払った自治体にお金を戻すべきではないかという議論だってあるのではないかという話もあります。3分の1払わされて国有財産になりました、あと財産処分をしたら、その売上代金を全部国がいただくというのはいかがなものかという議論もありますよということも申し上げました。 それから、維持管理費は即刻廃止をというのが各知事さんの共通の意見ですが、スケールとかいろいろな面で違いはあるにしても、県が管理している県の道路と直轄国道と比較して、ざっと私どもが計算しますと、道路では直轄国道の維持管理が県の道路の維持管理の約8倍、河川で28倍ということで、あまりにも管理費が違いすぎるのではないかということです。具体的にどこにどういう管理費を使っているのか、そういうことについてもやはり明らかにしていただきながら、透明性のある議論、検討が必要ではないかということです。 4番目に追加経済対策、先般補正予算について、財政力指数によって多少変わるかもしれないと言っていますけれども、地方負担分の原則9割について国が新たな交付金を設けて対応するということが言われております。これが実行に移されますと、通常予算で自治体が3分の1払う国道と、自治体が3%だけを払う国道と、2つの制度がこれから併存することになります。そうしますと、この追加の経済対策は何年間やるのか、そして、どういう道路に3分の1払い、どういう道路に3%払うのかということです。 それから、この追加経済対策が一定の期限だとしても、道路というのは1年や2年で仕上がるものではなく、かなり長い年月をかけて作っていくわけなので、「追加経済対策は終わりました。もとの3分の1に戻ります」ということになるのかならないのか、です。仮に戻りますと言われても、お金のない自治体からすれば、そこで仕事が頓挫してしまうということになりかねませんので、この追加経済対策と一般予算で考えている従来の制度に則った道路の整備とをどのように考えていくのか。そうなると、否応なしに必然的に、この直轄負担金が制度としてどうなのかという制度論をやらざるを得ないのではないかということで、当面、追加経済対策で資金不足に対応するとしても、他方で、やはり早急に、また最初の点に戻りますけれども、それぞれの課題についてきちんとした工程表を作って、制度論にも立ち入って議論をしていくべきではないかと、そういったことを申し上げました。 |
記者 | 直轄事業負担金に絡んでなのですが、他県の知事では透明性という部分で、要求した使い道をはっきり示されないのであれば、直轄事業負担金の支払いを差し止める、差し止めるといいますか支払わないというようなことも言っておられ方もおられるのですが、そのあたりの知事のお考えはどうでしょうか。 |
知事 |
せっかくこうやって知事会の中にタスクフォースがあるわけで、今回の会合はそのタスクフォースと3大臣との会合ということであります。タスクフォースの中で各県でこの直轄事業負担金を使ってどのような国の直轄事業が行われているかということにおいて、きちんとした情報交換もしながら足並みを揃えてやっていこうということを今言っているわけです。 それから今ちょっと申し忘れましたけども、冒頭知事会の方からまさにお金の使い道について詳細な資料要求、どういう資料が欲しいかということを羅列しまして、早急にこれに答えてもらいたいという資料要求書も出しておりますので、やがてそれが出てきたところで、また各県それぞれいろいろ状況についてシェアしながら議論を深めていくということになるのではないかと思います。 岐阜県でもこれまでほとんどといいますか、中部地方整備局から、いろいろな内訳、積算、使用等々全く情報の開示がありませんでしたので、強く申し上げました結果、この3月31日に事務レベルで初めて若干の説明をいただいたところです。それでもなお、庁舎改築費も含めて使途の内訳について明確ではないということで、さらに詳細な情報提供を求めているというところでございます。私どもとしては中部地方整備局に対して県として具体的に要求をするという流れと、それから、今の知事会を通じて共通の情報提供を求めていくという、この両方を見ながら対応していくということになるかと思います。 |