ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

涅槃像(多治見市)

涅槃像[ねはんぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 多治見市虎渓山町
所有者 永保寺
指定年月日 昭和32年3月25日

絹本著色涅槃図

 涅槃図は、釈迦の死を描いたもので、人間的苦悩をなくし、永遠の生命に生きるという深い意義をもつものである。この図は、死を予覚した釈迦が、菩薩から禽獣に至る52類を集め、臨終の説法を行い、息をひきとった場面を描いてある。
上方には、我が子の死を知り悲しみの余り、降下する母摩耶夫人が描かれ、釈迦の周囲には、悲哀に包まれた52類の面々が描かれている。
永保寺の涅槃図は、釈迦が床上に右脇を下にして臥して涅槃に入り、十大弟子、二天は悲慟し、床下の獅子は悲鳴をあげ、五比丘、上に叢雲ありという典型的な釈迦入滅の状況が描かれている。
釈迦の全身に施されている截金[きりがね]もしっかりしている。裏銘には、貞治3年(1364)甲辰とある。表装は描表装で、色はよく、保存も完備している。