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知事記者会見(平成26年11月17日)

記事ID:0012221 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成26年11月17日(月曜日)午後2時00分

知事 海外に行っておりましたのでご無沙汰しておりました。私から3点ご報告させていただきます。
まず今回の海外出張ですけれども、お手元の資料のようなスケジュールで行ってまいりました。
平成21年度からアジアを中心に「観光・食・モノ」を一体で岐阜をアピールするという「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」をやってきた訳でありますが、その体験・教訓を活かしながら、今回初めてヨーロッパでトップセールスをやったということでございます。これはフランスとスイスでのトップセールスであります。
それから、ドイツにつきましては、昨年5月にドイツのバーデン=ビュルテンベルク州から2人の閣僚がお出でになりまして、「エネルギー及び森林・林業に関する交流・協力に関する覚書」を締結しております。それをさらに具体化をすると、交流促進をするということでまいりました。
様々なテーマで9泊11日行ってまいりました。
ポイントを申し上げますと、1つは、パリにあるフランス陸上競技連盟を訪れました。これには高山市長・下呂市長もご一緒しましたが、「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」を積極的に活用いただきたいということでお話をした訳であります。
先方の陸連の会長からは、10月にすでに(ナショナルコーチ2人が)現地調査に来ておりまして、「このエリアの評価は非常に高いのだ」という話がございました。来年は北京の世界陸上がございますので、まずそれを念頭にどう利用していくかと、さらには2020年の東京オリンピック・パラリンピックを睨んでということで、できれば通常の合宿地として恒常的にというか、中長期的にと言うか、活用していくことも考えたいという話もありました。
私どももそういう事であるとすれば、中長期的にご利用いただくという前提で、お互いに協力の合意と言いますか、枠組みを作ってはどうかということを申し上げました。それはそれで結構であるということで、今事務的に文言を詰めているところです。
御嶽山の噴火の話も、10月末に専門家チーム、調査チームが来ておりまして、「特段問題視していない」ということでございました。
なお、私のグループと離れて、このチームはそのままロンドンに行きまして、イギリスの陸連とも話をしてきました。イギリスも大変興味を持って、「寒いですよ」と言ったのですけれども、「12月には来たい。見たい。」というようなことも言っておりました。
それから、先般1か月くらい前ですか、アメリカのオリンピック委員からも見に来ていまして、これも大変興味を持たれたということでありますので、私どもとしては、利用される方々のご要望なり、色々なリクエストを聞きながら、積極的にこの「飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」を国際的な高地トレーニングエリアとしてオープンに使っていくと、利用していくと。そのことを通じて様々なスポーツの交流の道も1つ新しいアプローチとして考えられるのではないかと、そのようなことを思っております。
私どももそういうことで熱意は十分伝わったのではないかというふうに思っております。
それから、飛騨牛のPRを積極的に、フランス・スイスでやらせていただきました。パリの老舗ホテルでフェアをやりました。地元のレストラン、あるいは観光関係者約200人が参加をしていただきました。
今回、フランスに行って特に感じたのですけれども、アジアに行きますと、「飛騨牛はとろける様においしい。積極的に飛騨牛を扱いたい」とか、そういう議論にすぐ入っていくのですけれども、さすがに"食の国フランス"ですから、まず議論になるのは、「この飛騨牛は他の牛とどこがどう違うのか」と、「どのように調理をするのか」と、それから「フランスのシェフに任せるのか、日本側としてどういうふうに料理させたいのか」とか、かなり調理方法についても色々突っ込んだ議論がありまして、このフェアではやはり現地のシェフが何人か来られて、15種類の調理方法×100皿の1,500皿、皆さんそれぞれ次は何が出てくるのだ、次はどんなのものが出てくるのだということで、まさに調理方法と合わせて、飛騨牛をアピールしていくというようなことがありました。
それから、4日の15時半のアトリエ・ダローザという、これ自身パリでは結構有名なレストランでもあるのですが、ここのシェフが何人か仲間のシェフを呼んで、そしてフランスのメディアを呼んで、そして見ている前で様々なそのシェフの工夫した調理方法で、「こうやって味付けをしてみた。こういうふうに調理してみた。さあ食べてみて」と言う感じで、フランスのメディアの方に食べさせて、私どもも食べました。さすがに料理の国で、色々な工夫をすると言いますか、飛騨牛の魅力と言うのを料理人のイマジネーション・想像力・創作意欲をかき立てるような柔軟な調理ができるという、これが1つ大きな魅力ではないかという、こういう議論は東南アジアではなかった話であります。
このダローザさんのところでは、メディアが50人来ました。大変な試食会でした。
それから、例えばこの11月4日の19時20分のユーゴ・デノワイエさんのところに行きましたけれども、これは食肉店ではありますが、パリでは最も人気のある食肉店なのです。すでに岐阜の飛騨を回って、どんなふうに飼育しているのかも見ていただいておりまして、大変気に入っていただいているのですが、これもこれでお店に行くと、私どもが見ている前で様々に料理するのです。例えば、油っぽいところをずっと集めて、タルタルにしてちょっとした味付けをして、「こうやって食べたらどうか」とか、色々やる訳です。「こういうタルタルは日本のレストランでは難しいんだよ」と言いますと、「なんでこんなうまいものを日本で食えないのだ」とかいうことを言ってみたり色々でして、私自身もちょっと食べ過ぎくらいで、夜中近くまでずっと食べさせられ続けられたと言いますか、「こうやってもおもしろい、あんなこともおもしろい」ということで。
やはり背景にユネスコの無形文化遺産にもなった日本食ブームがあるということもありましたけれども、料理の仕方についてもフレキシビリティと言うか、創作意欲を刺激するというところに魅力を感じるというところに、私どもは行く前には「おいしい」と言ってほしいという一心で持っていった訳なのですが、そう事は単純ではありませんでした。
それから、この日程表でいきますと、11月4日(火曜日)のお昼、フランス大使の公邸で、卸店など消費者に近いところでやっている人とか、それから日仏関係で色々と活躍している上院議員の方とか、色々な方を呼んできて、ここでもずっと飛騨牛の調理方法の議論になって、ある人はフランス人の好きなビフテキというか、こんがり焼く焼き方で、「飛騨牛というのは他の牛肉を圧倒して本当においしいのか美味しく焼けるのか」とか、「なにもしゃぶしゃぶ、すき焼き型だけではないのではないか」とか、とにかく色々なことを仰ってました。また別の人は、「何もフランス人の今の肉に対する考え方に媚びることはない」と、「飛騨牛を使ってこういう肉の食べ方もある、こういう味付けもあるというやり方でやってもいいのではないか」とか、色々ありまして大変面白かったです。
いずれにせよ来年の夏ごろにはJA飛騨ミートの施設も多分EUの規格でOKが出ますので、今回は試験輸送ということで特別な扱いをしてもらったのですが、そこからどんどん出ていこうということです。
結論的に言うと、「どの調理方法でもおいしい」と、「柔らかくて食感もいい」というのが総じた感想ではあったのですけれども、そういう非常に積極的な評価をいただきました。
それからもう1つは日本食ブームを背景にやはりお酒(日本酒)は間違いなくこれからブームになってきます。お酒に対する関心がものすごく強いです。そういう中で「アルザスワインと飛騨のお酒は兄弟なのですよ」と、「友好提携を結びましたよ」というのは、ものすごくうけました。アルザスで飛騨のお酒を売ってくれていますし、岐阜駅の「THEGIFTSSHOP」でアルザスワインが結構売れていますから、お互いにそういう交流はどんどんやってきましょうというということなのですが、パリも含めてお酒は本当に皆さん味にうるさい人達ですから、興味を持たれました。一番驚きましたのは、スイスのチューリッヒで白川郷のにごり酒が絶賛されました。どぶろくです。「こんなおいしいお酒があるのか」と、「いままで飲んだことがない」と。色々と試験的に売ってみようということで、お酒など色々なものを持ってきましたけれども、全部完売したという話を聞いております。
それから、海外のアンテナショップを作ろうということで、色々やってきておりますが、今回はパリで2か所、チューリッヒで1か所訪問しましたが、それぞれに岐阜の品物を非常に高く評価していただいておりまして、今あるものをどういう形で安定的に売っていくかということに加えて、連携してオリジナル商品の開発をやっていこうと、あるいは岐阜県の業者と中期的なしっかりとしたパートナーシップを結んでいきたいというような話がありまして、総論から各論に至るまで様々な提案があったり要望があったり、議論も進みましたので、これはこれで良いきっかけができたのではないかと思っております。
例えば11月5日(水曜日)の「CFOC」という、これは東洋・中国のものを中心に並べている店なのですけれども、岐阜の陶磁器を非常に高く評価をしてくれていましたし、(配布資料の)一番最後のチューリッヒの「sato」という店、ここはあきらかに富裕層を対象にしてとんでもない高い値段で色々日本のものを売っておりますけれども、そこでも和紙や刃物、木工、家具、地酒などが非常に好評でした。
そういう意味でおそらくアンテナショップの提携もできるのではないかという手応えを得てきております。
それから観光という意味ではあちらこちらで色々やりましたけれども、11月5日(水曜日)の午後3時半の「ASIA」という、これはフランス人がやっている訪日旅行会社の大手なのですけれども、非常に積極的でどんどん契約を進めていこうという構えで色々な質問がありましたし、こちらからも県の観光連盟の皆さんも行って、具体的な旅行商品の売り込みをやらせていただきましたけれども、大変反応は良かったのではないかと思っております。
それから観光展という意味では、アルザスのコルマールで国際観光展をやっておりましたけれども、その中では岐阜県のブースの存在感が圧倒的でありました。スペースだけではなしに人だかりと、それから3万人入る観光展で、フランス・スイス・ドイツ辺りから集まってくる訳ですけれども、非常に地歌舞伎も好評でありまして、良かったのではないかと。
それから、その(配布資料の)上の6日(木曜日)夜の式典ですけれども、ミュールーズの博物館、これは直接岐阜ということではないのですけれども、1863年に大阪の毛織物業者が日本のデザインと布地をこのフランス・アルザスのミュールーズのプリント業者に送ったのが、このジャポニズムといいますか、日本のデザイン・絵画がこのフランスに一気に出ていくきっかけになったとのことです。それでこのミュールーズの染物屋が染めてそれを日本に送り返して来て、それが毛織物として日本で売られたということらしいです。
(観光展では)当時の日本のデザインとか、色々なものがありまして、これも大変な盛況でした。その際にも、「今度、本美濃紙が無形文化遺産になるよ」というような話もしたり、話は弾みました。アルザスとの間で、観光を中心に色々な交流ができたのではないかと。
それから、(配布資料の)7日(金曜日)に、県とオ=ラン県の(経済・観光に関する)協力覚書締結式というのがありますが、これは国際観光展のオープニングに先立ってやりました。250人が集まる中で先方(オ=ラン県)の知事と署名しました。「観光・食・モノ」、「自治体間交流」、「産業・大学研究」、それから「教育文化・若者交流」ということで、色々な合意をいたしました。県とアルザス州のオ=ラン県との合意、それから、オ=ラン県の県都であるコルマール市と高山市の合意、それから、世界でもっとも美しい小さな村ということでよく形容されるリクヴィルという小さな村と白川村との合意、それに「アルザスワイン」と「飛騨の地酒」という、4層の合意を一挙に持ってきました。非常に分厚いといいますか、重厚な協力関係ができたのではないかと思います。先方も非常に大歓迎でございました。
それから、ドイツは、昨年の5月の覚書に続いて、エネルギー分野でその後、共同研究や人材育成連携、企業間連携とか色々なところが進んできておりますし、森林・林業分野でも、ロッテンブルク林業単科大学と県の森林文化アカデミーとが具体的な交流を進めていくというようなことで、各論に入ってきたということであります。
エネルギーでいうと、岐阜大学の未来型太陽光発電システム研究センターとドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州の太陽エネルギー・水素研究センターとの共同研究、それから、県立の国際たくみアカデミーと向こう(ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州)のリヒャルトフェーレンバッハ職業学校との教育交流、それから、木質バイオマス発電という分野での岐阜県の「岐阜県次世代エネルギー産業創出コンソーシアム」と、先方の発電事業をやっております市との協力、そういう各論レベルでの物事を進めていこうということで視察もさせていただき、意見交換もしました。それから、森林関係でいえば覚書も結んだというようなことでございます。
非常に、バーデン=ヴュルテンベルク州からも歓迎を受けました。岐阜県は日本の真ん中、バーデン=ヴュルテンベルク州はヨーロッパの真ん中だと。それから、お互いに「森林の国」だと。お互いに「清流の国」だと。向こうはライン川とドナウ川とネッカー川があると。「清流の国」だと。それから、先端技術、エネルギーといった色々な共通点があると笑い話になりましたけれども。
向こうが、「あなたは大事なことを一つ忘れている」と。彼らが岐阜に来て感激したのが鵜飼いなのです。(ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州の)代表団が帰ってから、ひとしきり、鵜飼いの話題で持ち切りだったらしいのですけれども、そのことについて私が触れなかったと。ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州と岐阜の共通点は「鵜がいる」と。向こうは鵜がいるのだそうです。「お互い(鵜が)いるのだ」と。ただ違いは、「岐阜県はその鵜を飼い慣らして漁業をやっている」、「ドイツはほったらかしだ。一歩遅れている」というようなことで、どうやって鵜を飼い慣らしたらいいのかというような笑い話をしたりしてやっておりました。
そういう意味で、大変忙しい出張ではありましたけれども、色々なテーマでそれぞれに手ごたえといいますか、反応は良かったのでないかと思っております。
総じて感じますのは、1つは、やはり岐阜県が提供する観光にせよ、食材にせよ、あるいはモノづくりにせよ、ヨーロッパの人から見て非常に魅力的なものがたくさんあるということです。彼らもそういう岐阜県の魅力を発掘したい、それに触れたい、味わいたいと、そういう意欲が非常にあると感じました。
それから先ほども少し申し上げましたが、大きな背景として、やはり日本食が無形文化遺産になったということでの日本食ブーム、あるいは今度本美濃紙が無形文化遺産になるとか、そういったことについての、やはり日本に対する関心が大変高いというか、そういったことが追い風になっているのかなと。そういう中で、私どもも一般的・抽象的な協力ではなしに、具体的なテーマを特定しながら、できるだけ具体的にということで、話を進めることができたのではないかと思っております。
今回のやり方は、デリゲーション(代表団)として大勢でぞろぞろ歩くということはしませんで、私自身が何人かのスタッフを中心にスケジュールを作って、あとは現地集合と。たとえば、「陸連に来たい人はどうぞ」「陸連の会議に入れるのは何人までだから希望者はその範囲内であればどうぞご自由に」「(入れる人数を)越えれば、ちょっと申し訳ないけど遠慮してもらう人が出てくる」と。あるいはフェアとかパーティとかそういうものは「出入り自由でどうぞ」と。それから、木質バイオマスの視察であれば、「それに関心ある人はどうぞ」と。森林協力であれば「森林関係者はどうぞ」と。お酒の交流であれば「お酒の関係者はどうぞ」というふうにして、それぞれアポイントとかイベントとか、そのポイントごとに希望を募って、皆さんが出たり入ったりで、大勢来られましたけれども、私どもからすると、どなたがどこのホテルに泊まって、どういうルートで来て、どういうルートでお帰りになるか全く知らないと。
私らは私らでスケジュールを組んで、「さあどうぞ出入り自由」でやりましたけれども、民間からも大変大勢来られまして、84人が全体として出たり入ったりなのです。単に私どもに加わるだけではなしに、聞いてみると、たとえば、お酒で手ごたえあったという人は、まっすぐ帰らないでロンドンに寄って自分でまたルートを開拓したり、「北欧に寄ってまたちょっとやっていきます」とかです。そういう、私どもの出張が1つのきっかけと言いますか糸口になって、さらに自前で残ったり、出たり入ったりしながら、自前での開拓もおやりになったと。
同様に市町村からも14人、首長も含めて参加されましたけれども、これらの人も自分たちの市町で関心のあるところは参加をする、関心のないところは自分たちで勝手に自分たちの観光キャンペーンをやるということです。
実は、私自身の今ご報告したスケジュール以外に、相当幅広くこの機会に色々な人がヨーロッパを動き回って岐阜のアピールをしていただいているということです。そういう総体が、今後どうなっていくかということで、これは第1歩であります。ちょうど東南アジアで5年間続けてやっておりますように、これはまだまだ1回やっておしまいという話ではなしに、むしろこれからであります。
第1回目としては大変手ごたえが良かったということですが、これをどう続けていくか、どう発展させていくかということで、次々とまた新しい手を打っていく必要があると思っております。相手も取り扱う品物もどんどん広げていく必要があろうかと思いますので、これはまた今後の課題ということで、今回の成果を整理しながら、考えていきたいと思っております。そういう意味でいいスタートになったのかなと、こんな感じでございます。ちょっと長くなりました。
それから、お手元の資料で、例の未来会館ですが、いよいよ来年9月にオープンいたしますけれども、名称を公募いたしまして、その中で多かったキーワードを中心に、色々な方に意見を伺って、最終的に「ぎふ清流文化プラザ」という名前にさせていただきました。
「ぎふ」という名前を入れたということと、それから、やはり「清流」という名前は是非入れようではないかいうことでありました。あと、ここの使い道が文化施設と運転教育施設ということでございますので、そういったことを表現するうえで文化プラザにしたというようなことでございます。
それからこの際、施設利用料を休止前の金額から15%ぐらい下げて、ホールとか練習室とか、県民の皆さんに気軽に使っていただこうではないかということも合わせて考えております。
それから、もう一つが、この後ろ(会場後方)にパネルもありますし、研究員もみえておりますけれども、「酵素でキノコの発生量を高める技術」を県の森林研究所で、これは全国で初めてということでありますが、新たに開発をしたということです。実は1年後の全国育樹祭に向けての取組みの一環ということで、森の恵みとして、新たにキノコの発生量を高める研究開発の成果がまとまったということでございます。後でパネルを見ていただき、研究員の皆さんに取材もしていただければありがたいのですけれども、非常に簡易な形で酵素を添加して撹拌(かくはん)するということで、エリンギとブナシメジというキノコを2~3割増やすことができるということでございまして、さらに色々な検証等々をやりながら、平成30年度中の実用化に向けてやっていこうということでございます。
ちなみに、岐阜県の林業産出額は82億円(平成24年)でありますが、そのうちの28億円(平成25年)が食用のキノコ生産ということでございまして、この食用キノコ生産が林業に占める割合もかなりのものでございます。そういった意味で、新しい研究成果ということで、大いに期待をしたいということでございますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
記者 今の発表とは直接関係がないのですが、安倍首相が消費増税の1年先送りをされるというような報道がありました。この先送りされることに関してどう評価をされるのか、が一点。そして、その消費税に関連して、安倍首相が衆議院を解散し、総選挙に踏み切るという報道がありますが、その解散に対するご所感をお願いしたいと思います。
知事 今日、7~9月期のGDPが発表されまして、ご案内のように4~6月期に比べてマイナス0.4%です。2四半期連続のマイナス成長ということで、このペースが1年続くと年率換算でマイナス1.6%と、こういうことでございます。特に、GDPの6割を占める個人消費が、夏の天候不順もあって微増にとどまって回復が遅れているというようなことも指摘されている訳であります。
私ども岐阜県も10月下旬に県内の色々な企業にヒアリングをさせていただいておりますけれども、全体評価を、この9月と10月の2か月連続で「景気回復に足踏み感がみられる」というふうに下方修正をしてきた訳でありますし、経済界の方々に意見を聞きますと、この増税については賛否分かれるところがあった訳であります。足踏み感という見方をしている訳ではありますが、今回のマイナス成長といいますか、マイナスの数字というのは、その見方と同様ないしはより厳しいところがあるのではないかというふうに思っております。
そういう厳しい数字が出たということで、「アベノミクスが地方では実感されていない」ということも、色々な機会に私どもは国に対して申し上げておりますけれども、そういったことも全国的に裏付けられたような感じもある訳であります。
さて、それを(消費増税の条件の1つである)景気条項との関連でどう評価するかということと、それを政治的にどう判断するかと、こういう話であります。安倍総理も今夕帰国されて、明日「経済財政諮問会議」で新たな経済対策の指示というかお話もあるようでありますし、それから明日の午後の記者会見で、今まさにご質問の点について総理の考えが出されるということです。
「まだ増税と言った覚えはないよ」とおっしゃっておられますし、それから、「この問題はやはり国民の理解と協力がいずれにせよ不可欠なんだ」ということもおっしゃっておられます。どういうふうに明日の記者会見で、このおっしゃった2点について判断をされ、その判断の根拠についてどういうふうにされるかというところを私としては注目していきたいと思っておりますけれども。
ただ今日出た数字は、やはりある意味では、実感としてなかなか厳しいものがあるという受け止め方をしております。
解散という話も色々と報道されております。私もヨーロッパへ行っている時に、新聞記事は読んでおりましたけれども、帰ってきてこんなに強い(解散)風が吹いているとは、驚いたところもありました。
この秋の国会は、地方創生国会というふうに銘打って、地方創生関連2法ということで、この法律を引き下げて地方創生を中心に、あるいは女性の活躍といったことを中心に議論するのだということでやってきた訳なので、この地方創生関連2法がどうなるのかという問題も、実は絡んでくる訳でございます。
私どもとしては、やはり地方創生国会と銘打って、ずっとこの秋にやってきた訳ですから、その1つの成果としての地方創生関連2法は何としても成立させていただいて、それに沿って補正予算がどうなるのか、予算編成がどうなるのか、これもご判断にかかってくる訳であります。是非地方創生という大きな流れは維持し、発展させてもらいたいと、こんな思いでおります。
記者 発表やこのタイミングとはあまり関係ないのですが、半年ほど前に増田元総務相が座長の日本創成会議が自治体の消滅可能性を含むような報告をしました。この定例会見や全国知事会でも古田知事は、県の予測とある程度沿った話で、対策も進めているという話をされていたと思います。
その中で、岐阜県が色々な委員会などにNPO法人を参加させていらっしゃいますが、小規模コミュニティーの持続可能性を高めるために、そういったNPO法人を活用していく意義とかメリットということと、岐阜県がNPO法人を使うモデルとして、県の特徴を他県に広げていけるというようなことがあれば。
知事 人口減少社会が本格化してくるというか、先々の自治体の消滅可能性ということも視界に入ってくるような状況になってきたという日本創成会議の認識は、既に私どもも何年か前に「人口減少社会への挑戦」というテーマで、県の総合プランを作らせていただいた訳であります。
そういう状況の中で、行政を進める上で、行政だけで物事を進めて行くというよりは、やはりNPOも含めた積極的な住民参加と言いますか、そういうことを色々な分野で丁寧にやっていく必要があると。人口が減少していくということは、同時にマーケットが縮むことでもありますけれども、担い手が色々な分野で不足してくるということですから、それをこの地域社会でどうカバーし、支えていけるかということ。また地域社会として、そういうことをカバーすること自身が、人々が地域に留まって、その地域に愛着を感じていく道でもあります。そういう意味で、NPO法人、法人という言葉を使うかどうかはわかりませんけれども、市民、住民の参加と言いますか、地域社会が積極的に持続可能性のために総力を挙げて動いていくというか、そういう体制を作っていくことが大事ではないかと思っております。
そういう意味で、NPO法人というのは一つの核になり得ることですし、私も着任した早々、NPOの積極的な活用ということで、一期目の時には特別なファンドを設けて育成策を積極的にやってきております。最近そういうファンドはなくなりましたけれども、NPO法人の活動の拠点となるようなところに色々な支援の手を差し伸べたり、それからNPOの活動のための色々な研修とか支援の場も設けてみたり、あるいはNPO法人に業務の一部を委託をしたりというようなことを通じて、NPOの積極的な活用をやらせていただいております。
特にこのところの人口減少という意味では、今申し上げましたようなコンテキスト(文脈)で、積極的にやっていきたいと。そういう意味で、色々なところに出ていただいております。
記者 今週、安倍首相が解散するのではないかという報道、あるいは永田町の動きということで、極めて可能性が高まっているということで、現段階では表明もされていないなので、あくまで仮定の話なのですが、ここに来て解散をした場合、知事としてはどう評価されるかがまず一点。
あと一昨日、自民党の県連で、年内の解散総選挙に反対されるという決議がありました。決議の中身はもうご存知かと思いますが、あの決議に関してはどのように感想をお持ちですか。
知事 ちょうど今晩(安倍総理が)帰ってこられる訳ですし、明日会見もされます。おっしゃるような議論が今、それこそ報道を見ると渦巻いている訳なので、当然そういったことも踏まえて、総理としてのご意見をおっしゃるでしょうから、このタイミングで私から先走ってあれこれ言うのはちょっと控えたほうがいいかと。
まずはどうおっしゃるのか、それを十分見極めたいということで、先程のような回答を申し上げた訳でありますけれども。
ただ少なくとも、先程も申し上げましたように、地方創生という大きな旗を掲げて、地方創生国会と銘打って、この秋に色々な議論をしてきた訳なので、その目指すものがこの会期中に結実していくのか、それがどう次のステップに繋がっていくのか。そういったところは、直接私どもとしては関わりある話として注目しているところです。端的に言えば、地方創生関連2法がどうなるのかということは、一つ直接関わる問題としてはありますね。
あと、議会の判断、それぞれのお立場で、それぞれのご判断があろうかと思いますけれども、私としては、どういうご説明、どういうお考えを表明されるのか、それをまず見た上でと思っております。
記者 地方創生を進めるという中では、一昨日の自民党県連の決議の中でもあったのですが、年末の商戦だとか、この多忙な時期に選挙をやられるというのは、とても経済団体のほうからも如何なものかという声があるというようなことが内容に盛り込まれていたのですが、年末というタイミングで経済に悪い影響が出るのではないかという懸念が感じられます。地方創生を掲げる中で、そういう時期に選挙をやるということについて、影響と言うのは、もし選挙が行われた場合、出て来るとお考えでしょうか。
知事 あまり仮定の話は。今日明日の話ですから。まずは、その説明を聞いてからにしようかと思っております。
この秋に、まさに地方創生国会と銘打ってきた地方創生という意味は、とにかく地方が消滅しますよと、多くの地域がこれから先行き消滅しますよと、どう持続可能な、生き延びていくのかと、そこまで事は深刻なのですよと。
それに対して、これまでやってきた議論は、年内に国として総合戦略を立てて、閣議決定し、政府の方針を決めます。そして補正予算で地方というものに対して、どういうふうに考えるのか検討する可能性もあります。それから当然、来年度予算には、この地方創生基本法に則って、各自治体に中長期的な総合戦略を作ってもらうと同時に、それに必要な政策体系を、予算も税も用意しますと。そして平成28年度以降、がっちりとした中長期的な、一過性ではない取組みをやって、どう地域社会が存続していくかということについての見通しを立てていこうと。
こういうかなり腰の入った、しっかりとした取組みを、体系を作ろうということだったはずなので、それがどこかへ行ってしまうのは、如何なものかなということだけは、少なくとも私の立場からは、今日の時点では申し上げたいということです。