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知事記者会見(平成26年8月20日)

記事ID:0011977 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成26年8月20日(水曜日)午後2時30分

知事 ちょっとお尻が限られておりますので、駆け足で報告させていただきます。
いくつかありますが、順不同ですけれども、まず、県の試験研究機関の研究開発成果の発表ということで、平成24年度から、「安全安心の清流の国づくり研究開発プロジェクト」ということで、色々なことを進めてきておりますが、そのうち、「防災・減災」それから「環境・エネルギー」と2つのテーマで進めてきたものについて、ある程度目鼻がつきましたので、ご紹介させていただくということです。
1点目の「防災・減災」につきましては、多治見市の県セラミックス研究所が、停電したときに有効な非常誘導用建材の開発に成功したということです。耐熱性・耐久性に優れたセラミックス製の蓄光材、これを低コストで実用化するということで、非常に安価な非常誘導標識ができたということでございます。
だいたい性能的には(同じで)市販されているものの半分くらいの値段でできるということと、それから焼き付けが可能なので、インテリアとかエクステリアとか、美濃焼タイルの新しい市場開拓につながるのではないかと、こういうことでございます。
2番目が、「環境・エネルギー」ということで、笠松町の県産業技術センターが、スギ・ヒノキの枝葉(えだは)を使って、固形燃料とアロマオイルを同じ工程で同時に作り出すという、こういう技術であります。固形燃料だけですとどうしてもコストがかかるということなのですが、非常に抽出効率の高いアロマオイルができるということになりますと、全体としては非常に経済性があるということになるということであります。
これは、高山市の飛騨産業株式会社と共同で、新たな高圧水蒸気圧搾蒸留(あっさくじょうりゅう)という手法でやりましたということです。このアロマオイルの抽出効率が従来の30倍から40倍ということで大変効率のいいものになったということで、従ってコストに見合うものになると、こういうことでございます。
このアロマオイルは、9月10日(水曜日)から、「飛騨の家具フェスティバル」、高山市でやりますけれどもこれにも出展する予定です。この後見ていただくようになっていますので、そちら(会場の後方)にありますので、眺めておいてください。
それから、登山届受理システム「コンパス」。来週27日(水曜日)に、日本山岳ガイド協会と私どもの間で協定を締結することになりましたけれども、登山届の受理システムということです。
今は条例もできて、届出環境を整備していくということでありますけれども、オンラインによる届出ということで、利用者がインターネット上の地図を利用して、登山ルートを作成して必要項目をインプットするということで、届出が可能になるということで、大変、登山者にとっては便利なシステムということであります。今度の協定では、岐阜県内の登山にかかる分については、県による閲覧を可能にするということでありまして、条例で規定する項目を全部満たすようにシステムを改修するというか、項目の追加をしていけば、条例施行上も非常に便利ではないかということでございます。
それから、岐阜県の広域防災拠点の強化と総合防災訓練ということで、自衛隊、警察、消防といった応援部隊の活動拠点、あるいは支援物資の集積・配送、それから怪我をされた方々の搬送を行う受援・支援の拠点というようなことで、県の関連施設7か所、広域防災拠点として指定しておりますけれども、今回さらにそれで足らない場合に備えて、市町村と協定を結びまして、各圏域1〜3か所の市町村有の施設を県の広域防災拠点として追加指定するということです。今回8市の8つの施設について指定をするということで、岐阜県全体として広域受援・支援体制を強化すると、こういうことでございます。
今度8月31日(日曜日)に、今年度の総合防災訓練をやらせていただきますけれども、その際にこの前線基地となる県広域防災拠点を立ち上げる、運営をするといったことの訓練を県としては初めて実施することにしておりまして、いざというときの応急活動体制の検証をやろうということでございます。今回は可児市の「ふれあいパーク・緑の丘」を対象として選んで訓練をしていこうと、こういうことでございます。
それから、「岐阜県地方創生本部会議」。これは実は国で、安倍総理のイニシアティブで人口減少・超高齢化という課題に正面から取り組むということで、いわば司令塔として中央省庁各省の縦割りを排除した「まち・ひと・しごと創生本部」と。いわゆる、地方創生本部というのですかね、本部長が総理大臣ご自身ですけれども。これを立ちあげて、個性あふれる地方の創生に向かって思い切った政策を展開していくと、来年度予算編成等々にもつないでいくということで動き出した訳でございます。私どもも、本県として、そうした国の動きに合わせて、政策提言を行ったりあるいは必要な政策・予算を準備するということで、岐阜県版の地方創生本部会議を明後日8月22日(金曜日)に第1回を開催しようということでございます。(※「岐阜県地方創生本部会議」は「ぎふ創生県民会議」に変更になりました。)
この(お手元の)資料の裏を見ていただきますと、(配布資料の)下のイメージというところですね、従来からの成長・雇用戦略を作った「岐阜県成長・雇用戦略意見交換会」、それから、農林水産業の活性化ということで、TPPなども睨んで「岐阜県農林水産業活性化協議会」をやらせていただいております。それから、来月早々に「海外戦略会議」というものを立ち上げようとしておりますが、この3つをいわば束ねる形で創生本部というのを置こうということで、これで様々な地域活性化の戦略論議の体系ができていくのではないかということです。メンバーとしては、この(配布資料の)上にありますように、既にこの(配布資料の)下の「岐阜県成長・雇用戦略意見交換会」なり「岐阜県農林水産業活性化協議会」あるいは「海外戦略会議」でも中心になっていただく方々を募ってやらせていただこうということでございます。(メンバーは)14名でありますけれども、積極的に国に対する提言をしていきたいということでございます。
それから最後に、アジアパラ競技会が、この10月に韓国の仁川(インチョン)で行われる訳でございます。かねてから、国際レベル・全国レベルのスポーツ大会を誘致しようということと、それから、そういったことに合わせて国内外のトップレベルの選手の事前合宿ということで岐阜県を使ってもらおうということでやってきた訳です。その一環として、仁川(インチョン)のアジアパラ競技会においでになる方々の中で、3つの競技の日本代表合宿を誘致したということです。ここ(配布資料)にありますように、日本ボッチャ協会。「ボッチャ」というのは、(配布資料の)裏に説明が付いておりますけれども、目標とされる白いボールにいかに(ボールを)近づけるかという、転がして近づける競技なのですけれども。障がいを持った方でボールを投げられなくても、樋みたいな勾配のある装置にボールを置いて、どの辺りに置くかで距離が変わりますよね。その方の「ここに置いて」、「あそこに置いて」といった指示で、介助者がそこにボールを置くと転がると。そういうご不自由な方もご参加できるという競技です。
それから知的障害者陸上と、車いすテニス。車いすテニスのほうは、(資料1ページの)一番下に書いてありますが、諸石(もろいし)選手が岐阜県から日本代表として出られますし、もちろん合宿にも出られます。
ということで、県内各地で合宿をしていただこうということであります。本番間近でありますので、真剣に練習に取り組まれると思いますので、是非取材をしていただいて。
パラリンピックに向けて、岐阜県もお役に立っていこうという一つのステップであります。
私のほうからは、以上でございます。
記者 この間、高山を中心に豪雨で被害が出たのですが、幸いに人的被害はなかったのですが、避難勧告も空振りを恐れずにということで早々に出たりして。ただ、実際に避難した人の数は(避難勧告対象者数と比較して)だいぶ差があって少なかったというような面もあります。今回、知事は全体の防災対策の課題として何か考えていらっしゃる点はありますか。
知事 一つは、かなり避難勧告を出すことに、どういうタイミングで出すかということについて、市町村間で必ずしも積極的にという流れでなかった部分があったり、それから避難勧告が出ても、なかなか動かれる方が少ないという問題がありました。
それから、特別警報と言うのですか。いわゆる注意報、警報より、更にもっと差し迫って大変だよという特別警報というのが、新しい仕組みとして入りました。これは5km四方のメッシュが、都道府県単位で50ヶ所で、48時間雨量が50年に一度というようなことにならないと発動できない訳です。ですけど、局所集中豪雨というのは、こんな50ヶ所を待っていてはとてももちませんので、岐阜県なりの考え方で、5ヶ所出たらもう特別警報に準ずるものですよということで、県内にアナウンスをすると。そして更に避難を促していくという仕組みを導入して、機動的にやろうということでやってきた訳です。
一つは4年前ですかね、7月15日(※平成22年7月15日に発生した豪雨災害)ですね。可児市、それから八百津町ですね。ここでは、川とそれから地滑りで人命が亡くなった訳ですけれども、これを契機に、県内で急速にこういったことに迅速に対応しようという流れも出てきました。それから、その実態をご覧になった方々は、とにかく急いで逃げる時には逃げるというような流れもできてきましたので、着実に気象状況の変化に応じて行政も手を打つ、それから市民、県民の皆様にも対応していただくという方向はでてきていると思います。
ただ今回、約3万人を対象に(避難勧告を)出して、実際に動かれた方が500人弱ということですから、さて、これは地域によって色々な状況の違いもありますし、それから垂直移動も避難だと。1階が危ないから2階、3階に逃げたというのも避難だと。そういうものは計算できないものですからね。ですとか、色々とありますので、やはり今回の実情について、落ち着いたところできちんと分析をして、その上で改めて市町村の防災担当の方々と考え方を整理しようかと思っております。
ただ、これは岐阜県の例ではないですけれども極端な例で、先般の台風11号で三重県は、オール三重県民の3分の1が避難指示の対象でした。特に鈴鹿市と四日市市は、全市民に避難指示ということなのですよね。逆に、例えば岐阜県で県民の半分に避難してくださいと言ったときに、どこにどのように避難するのか、どうするのかとかですね、その辺りの避難先の問題もあります。それから、過去の事例では、避難先自身にまた土砂崩れがあったりして。ですから、避難先も本当に大丈夫かということも確認しながら、日頃から見定めていく必要もあります。
いずれにしましても、迅速に動くという方向で物事は進んできていると思いますけれども、更によく精査をしたいと思っております。それから昨日、高山市に内閣府大臣政務官がおいでになりまして、非常に迅速に対応していただけると、査定前の工事についても弾力的にやっていただけるということで、非常にありがたいと思いました。
同時に高山市に行って感じましたのは、やはり地域の特性というものがありますけれども、高山市は国際観光都市ですよね。ということは、被災した時に、地域住民はもちろんでありますけれども、相当な数の観光客がおられると。この中には、もちろん外国の方々も相当おられるということで、そういう方々に一体何が起こって、どうなっているのかということについて、どのようにスピーディーに伝えるかとか、それから避難する場合にはどういうふうにガイドしていくのかとか。それから事態を脱したとして、まだ交通手段が、例えば高山本線が動いていないという時に、今回はバスを増発した訳でありますけれども、そういった観光客の皆様を、外国の方も含めて安全・安心に、かつ色々な方の事情を聞きながら的確に次の行き先のほうに運ぶことをどうやっていくのかとかですね。
やはり国際観光都市は、国際観光都市ならではのやり方があって、特に印象がありましたのは、英語と日本語交互で避難勧告をおやりになったそうですけれども、これも非常によく考えておやりになったのではないかと思います。色々その地域の特性に応じて避難勧告の出し方、避難の仕方が色々とあろうかと思いますので、そういったことも高山市の例も出しながら、各市町村ごとに色々と検討していただこうと。そういう意味で、できるだけ早い機会に担当者会議をと思っております。
記者 先程、実際に避難された方が500人弱ということですが、正確な人数は出ているのですか。
知事 494人です。
記者 3万人に避難勧告が出たのですか。
知事 避難勧告が29,813人です。それで、避難した人が494人です。
記者 昨日、直接知事ご自身も高山市に足を運ばれたと思うのですけれども、(災害現場を)実際見た率直なご感想をいただきたいのと、昨日も政務官が「総理から早急に復旧作業をするようにと指示を受けてきた」と話しておられたと思うのですけれども、県として今後どのような対応をするのかということ。それから、今日広島市で土砂災害もあったと思うのですけれども、市町村にハザードマップがどのようにしているかとお聞きしたところ、まだ作成中というところも一部ございまして、それについてどう思われるかという知事ご自身のご意見をお伺いできればと。この3点を教えていただければと思います。
知事 まずは何と言っても被災された皆さんには心からお見舞い申し上げる次第であります。
昨日現地に行きまして、やはり水の力といいますか、あの橋桁を流してしまう訳ですから。ものすごい水の力の怖さ・すごさといいますか。
それと昨日もデータをご紹介しましたけれども、1時間〜2時間であっという間に水位が上がる、急速に上がるということであります。しかもそれがピンポイントで(起こります)。同じ岐阜県といっても相当違いがありますし、高山市といっても時間と場所によって違いますから。
そういうピンポイントでものすごい集中的な力が働くと、これに対して避難すべきところは間違いなく避難する、あるいは高山グリーンホテルのところなどは、あの手前まで護岸工事が進んでいたのです。ですからもう少し進んでいたら、あの事態は防げたと思うのですけれども、そういう被災された場所も含めて、今後、護岸工事も含めたそういう備えを、復旧プラス備えというものについて、もう一回よくレビュー(評論)をする必要があるかと思いました。
それから市町村間で取組みのばらつきがありますけれども、やはりこういう事態になってきますと、1週間前は台風11号、今度は集中豪雨でしたし、まだまだこれから台風は本番でありますので、各市町村でより積極的な取組みをお願いしようかというふうに思っております。
それと復旧についてはとにかくスピードが大事であります。被害を確定して、そして被災者の皆さんができるだけ早く元の生活を取り戻すことができるように査定前工事・応急工事も含めて取りかかれるところから急いでやっていこうということです。
実は昨日から1日経って、被害額(の推計)を鋭意作業させているのですけれども、取りあえず暫定的なものとして申し上げますと、県土整備部の関係の河川・砂防・道路・橋梁・公園、こういったところにつきましては、ざっと47億円強という被害額ではないかということです。それから林政部関係の山地災害・林道被害、これが大体6億8千万円強です。
併せて54億円程度の被害額は見定めておりますが、実は農政部関係の農産物・農業生産施設・農地被害・農業施設、これはまだ集計中でありまして、急がせております。これは、昨日も話が出ましたけれども、空からヘリコプターでずっと精査をして見る必要もありまして、地べたから見えるだけでは完全には分からないところもございますので、これは今鋭意やらせているところです。
こういった被害箇所・被害額の確定とそれぞれについてのスピーディな復旧計画を、ということで、昨日の政務官あるいは各省の方々とのやりとりで、「そういったところが定まればとにかく柔軟に急いでやろう」と、こういうことで今日総理にもご報告いただけるということですから、そこは大いに期待しているところです。
記者 ハザードマップについてはどうですか。
知事 これは、先程抽象的に申し上げましたけれども、要は市町村ごとに積極的に取り組んでいただく必要があります。それから作るだけではなしに、よく市民の方々がアクセスできて日ごろからいざという時の備えをしていく上で理解していただけるように、これは早急に手を打ってもらう必要があると思っております。
これも先程申し上げましたが、担当者会議のテーマとして話をしたいと思っております。
記者 今朝の広島市の土砂崩れの関係なのですが、現段階で知事会を通じてなり、県に支援要請や応援要請は来ているのでしょうか。
知事 ピンポイントで各市で(災害が)起こっておりますし、それからこの間の台風で言えば、鈴鹿市などの三重県がかなり集中的に被害を受けましたし、今日は広島市です。それから日曜日はどちらかというと、全国的にみても岐阜県に集中しております。京都府もそうですよね。色々なところで色々起こりますので、逆に国の方は特にそういう被災地に直ちに調査団を送って、現場検証をして、そして地元と連携を取りながら急いでやろうということですから、全国知事会という組織でどうこうするというよりは、それぞれの被災箇所の県と市町村、それから国が早急に連携を取るということで充分対応ができるのではないかと思います。