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知事記者会見(平成26年5月27日)

記事ID:0011720 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成26年5月27日(火曜日)午後2時00分

知事 お手元に資料をお配りしておりますけれども、私からは4つご報告したいと思います。順不同ですけれども、まずは、「岐阜県ハラールプロジェクトチーム」の設置ということです。これは前々から課題として考えてきていた訳ですが、「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」ということで、海外誘客、それから県産品・農産物の輸出促進ということを今やってきている訳でありますが、例えば東南アジアで言えば、マレーシア、インドネシアなどのイスラム圏諸国、これはイスラム教の戒律で定められている「ハラール」という、その定義に即した食品、サービスを提供する必要があると、こういうことでございます。
これらの国では、「ハラール」に関する認証制度がある訳でありまして、製品の原料、加工、包装、流通の全ての過程において認証が必要ということでございまして、輸出あるいは観光誘客をする上では、これをクリアしなければいけないと、こうなっている訳でございます。
農政部長をトップにこのプロジェクトチームを立ち上げまして、官民協働でこれに取り組んでいきたいということです。
まず、県産品の輸出という観点からは、インドネシアへの飛騨牛の輸出を実現したいということで、食肉処理施設のハラール認証取得について調査研究をし、対応策を検討すると。それから、観光誘客、インバウンドにつきましては、宿泊施設、飲食施設、それから食品などに関するムスリム対応について、調査研究と対応策を検討するということであります。
早速、昨日(26日(月曜日))から本日(27日(火曜日))にかけまして、県の担当者を東京、大阪にありますムスリムの関係団体、東京ですと日本ムスリム協会、大阪ですと日本ハラール協会にそれぞれ派遣をいたしまして、議論をスタートしたところでございます。
それから、5月30日(金曜日)から、ご案内しましたように、私どもは、マレーシア、シンガポール、インドネシアと行ってまいりますけれども、これに合わせてハラールプロジェクトチームの担当者を帯同しまして、現地で調査研究もやっていこうということです。
こうしたことを踏まえて、6月下旬にプロジェクトチームの第1回の正式会合を開催しようということでございます。
ムスリムの人口は、2010年時点で約16億人と、世界人口の4分の1ということで、
2030年には22億人に達するということでございます。
またマレーシアでは、ビザの免除、インドネシアでもビザの緩和措置が取られてきておりまして、これによって急速に日本への観光客も増えているということでございまして、イスラム圏は、新たなマーケットとして大変有望であるということでございます。
他県も関心を示しているところもございますが、我々としては、積極的にかつ着実に進めていきたいということでございます。
それから2番目が、「ぎふネットショップ総合支援センター」ということで、インターネット市場への新規出店、あるいは売上拡大、さらには関係する事業者間の情報交流ということで、総合支援センターを5月29日(木曜日)に開設をすることにいたしました。
このネットビジネスは、過去5年間でマーケットが約1.6倍の9.5兆円に急拡大をしておりますし、まだまだ成長が見込まれているということでございます。
それから、立地や商圏に左右されずに、かつ県外消費の獲得が可能であるということで、住み慣れた地域で商売を続ける手段としても有効であるということでございます。
これまで特に、楽天(株)と連携をしたセミナーをやったり、あるいは県内でネットに関わっておられる事業者の交流をしようということで「ぎふネットショップマスターズ倶楽部」といったものも既に作っておりまして、かなり積極的にやってきておりますが、更に今後、競争も激化するという中で、更なる店舗運営者のスキルアップ、あるいは相談窓口といったものを求める声があがっているということに対応するということでございます。
それで、ソフトピアジャパンのセンタービルにこれを設置して、その運営については、公益財団法人ソフトピアジャパンに委託するということになっております。
専任スタッフが2名常駐し、個別相談に応ずるほか、商品撮影コーナー、在庫管理ソフトウェアなどの体験コーナー、関連書籍の閲覧、大手ショッピングモールへの出店案内資料の提供など、相談体制・情報発信を強化しようということでございます。
一応、開設記念イベントも予定しておりますけれども、ここでは楽天大学学長、あるいはコンサルティング会社社長による講演、ネットショップ運営者によるパネルディスカッション等々を予定しております。
またその他、様々なセミナー・勉強会も継続的にやっていきたいと思っております。
それから3番目が、県産材の販路拡大に向けた長野県との連携ということでありまして、平成19年に長野県知事と懇談会をやる中で、両県の森林・林業分野について連携強化をやっていこうということで、これまで、両県の林業専修学校における交換授業や鳥獣被害対策の研究について情報交換、共同研究等々をやってきておりますが、今回そうした流れの中で、岐阜県の「ぎふ性能表示材」と長野県の「信州木材認証製品」、この両県独自の品質基準を共通化した「広域認証基準」というものを策定いたしまして、そして、これを満たす「広域認証木材」を利用したモデルハウスを愛知県長久手市に完成したということでございます。
中津川市の株式会社中島工務店がモデルハウスを作っているのですが、これは(国の)補助制度を活用して、補助金を交付しているものでございます。
6月7日の来週土曜日には、両県関係者によるオープニングイベントを行う予定であります。
この認証基準を共通化するということで、欲しいときに短期間で、品質の確かな製品を調達をするという、そういうニーズに応えられるということもありますし、それから1県だけでは対応が困難なところ、両県の連携によって安定したロットでの供給も可能になると、このようなことでございます。
それから、岐阜県はどちらかというとスギ・ヒノキの生産量が多い、長野県はカラマツ・アカマツが多いということで、両県が連携することによってより多くの種類の木材の供給も可能になるのではないかと。それから、岐阜県はどちらかというと中京圏、長野県は首都圏を販売エリアにしておりますので、お互いの強みを活用し合い、販路拡大をしていくと、そういうこともできるのではないかと。
今後、首都圏・中京圏で様々な建築関連のイベントに共同出展をしますとか、あるいは都市部の工務店・建築士等に対して広域認証木材の活用研修会などをやっていこうと。
また2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、選手村など多くの施設の建設が予定されていますけれども、そういう中で、広域認証木材活用ということを両県で協力をして要望活動をし、これも販路拡大につなげていきたいと、こういうことでございます。
それから、4番目でございますが、「岐阜県就農支援センター」オープニングセレモニーということでありまして、私どもは、「担い手育成プロジェクト1000」を、今年度からスタートしておりまして、就農相談から営農定着まで総合的に支援していこうと。
その一環として海津市で冬春(ふゆはる)トマトの新規就農者を支援する「岐阜県就農支援センター」をこの4月に開設をいたしました。6月16日(月曜日)から第1期生の研修が始まりますので、これに先立って6月11日(水曜日)にオープニングセレモニーをやろうということでございます。
ここでは、岐阜県の農業技術センターが開発しました「トマト独立ポット耕栽培システム」という、それぞれ1株ずつポットに入れて栽培をするというシステムでございますが、このシステムを中心に実習・研修を行っていくと。
それから研修を終えた後は、農地・施設の獲得や資金調達などの支援を行って、就農していただくと、こういうことにしております。
今回は第1期生の4名でございますが、20代1名、40代3名ということで、いずれも海津市での就農を最終的には希望しておられると聞いております。
それから、来年度の研修生も6月から7月にかけて募集を行うこととしております。
私からは以上でございます。
記者 集団的自衛権についてお伺いします。安倍首相が5月15日(木曜日)に、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を検討する考えを表明しました。この件について、これからどのように議論を進めて欲しいと考えていらっしゃいますか。
知事 これは県知事の権能に属する議論ではありませんので、そういう前提で申し上げます。
何と言っても国防に関する憲法解釈を変更するという方針を明らかにされた訳であります。まさにこのことは、国の行方、外交関係、国のありようの根幹に関わる非常に重要な課題でありますし、国民の関心も高まっていると承知しておりますので、やはりしっかりとした国民的な議論を進めていく必要があるのではないでしょうか。
ようやく与党協議会の議論が始まったところでございますけれども、丁寧な国民に対する説明、国民の声にしっかり耳を傾ける、あるいは国会も含めてスケジュールありきではなく、十分慎重な議論を進めていただく必要があるのではないかと思っております。
記者 昨日、JTBと東濃高校との問題について、(JTB社員に対して)刑事処分がでました。以前、知事が損害賠償請求をするか否かということと、当該会社との関係をどうするのか、この2点について今後精査していくとおっしゃっていましたけれども、その点について方針が出ていれば。
知事 現時点で言いますと、教育委員会、それから東濃高校当局との間で、弁護士にも相談をしながら、具体的にどういうふうにアクションをとるのか、とらざるかを検討しているというふうに承知しております。まずはその結果を伺った上で、県としての対応ということになります。
ただ、損害賠償と一言で言っても、生徒・保護者の立場からの損害賠償という面もありますし、県という立場からの損害賠償という面もあります。そこは弁護士ときちんと整理をして、仮に要求するとすれば何をどういうふうにするのかということをきちんと議論する必要があるということで、そんなに時間はかからないと思いますけれども、今まさにその部分の検討がなされていると聞いております。
それから、指名停止の問題は、近隣県もどうもそのよう(な対応)らしいのですけれども、岐阜県の場合、会社の組織責任という形を問われる場合には、例えば観光庁がそういう趣旨から処分を仮にするようなことがあれば、その内容を踏まえながら入札参加資格の問題も議論していくということになります。今のところは個人の責任ということで、個人が逮捕された状態なものですから、ここから先、旅行業法を所管する観光庁がそこをどう出てくるのかというところを見ながら判断をしていこうという方針でおります。
記者 中部地方整備局のほうでは指名停止1ヶ月ということですが、その辺りの影響はないのでしょうか。観光庁のほうを見ながらということでしょうか。
知事 従来の我々の方針は、組織責任か個人責任かで分けて対応してきております。観光庁の処分がどう出てくるのかを見るのが従来の流れでありますので、それに沿って今のところは考えているということです。
記者 改めてお聞きするのですが、今日、岐阜県と長野県の山岳救助の合同訓練が行われています。登山計画の届出を条例化していくということですが、改めて条例を制定する背景と、それから条例案の県議会への上程がいつ頃になるのか、この2点をお願いします。
知事 一番近いタイミングでは、6月下旬から議会がスタートいたします。ここに出すとすれば、6月の中旬くらいまでにはだいたい方針が定まっていないといけない訳です。
かねてから議会とも既に質問があったり、議論もしております。大きな方向としては、やはりなかなか遭難事故が絶えない、高齢者の無理な登山が多い、そういったことから防災ヘリの出動回数も非常に増えてきていると。それから届出も十分出されていないということでございます。どこにどうディシプリン(規律)を求めていくのかということからしますと、そういった遭難件数が非常に多いエリアを中心に、やはりまず届出をきちんとやっていただくと。もちろん一方で、啓発活動もしなければならないのですけれども。届出をきちんと義務付けるということが、規律ある、節度ある登山と言いますか、そういうことに繋がっていくのではないかということから、どこまで条例で義務付けられるのかという問題はありますので、そこのところは慎重に。
それからある種、罰則と言いますか、そういう強制手段みたいなものをどこまで導入できるのかとか、なかなか微妙なところはございますので、そこは丁寧に議論をしていきたいと思っております。
やはり、何らかのディシプリン(規律)が必要ではないかということについては、これまでの議会の議論でも大方の理解は得られているように思っております。ある程度、成案ができたところで議会ともきちんと議論したいと思います。
記者 過料は5万円とか、具体的にはまだでしょうか。
知事 この手の行政罰の相場観というものがありますので、その辺りはよく検討したいと思います。
記者 改めての質問になりますが、先日、JR富山駅のほうで、北陸新幹線のレールが繋がって式典が開かれたのですが、知事のほうから、来春の北陸新幹線の延伸開通への期待ですとか、富山のほうから(観光客を)取り込むと言っても、直接駅がある訳ではないと思うのですが、取り込みへの課題ですとか。あと具体的に何年に、北陸新幹線の延伸でどれくらいの観光客を首都圏から増やしたいとか、その辺りの所感を伺えればと思います。
知事 北陸新幹線が長野から金沢まで延伸される訳で、来年の春ですかね。まずはこれで、人の流れがかなり変わってくると思います。今非常に人気のある飛騨高山、白川郷のエリアについて言えば、関東圏から来るときに、名古屋経由と富山経由では30分以上違う訳であります。恐らく今まで飛騨地域を訪れる方々で名古屋経由で来られる方の相当部分が、関東からですよ、富山経由ということになる可能性もあります。
それから、北陸と飛騨を合わせた広域観光と言いますか、そういうことに対する新たな旅行商品ができ、プランができ、そしてそれに国内のみならず海外も含めて、この北陸新幹線によって移動が広域的にやり易くなってくるという面もありますので、そういったことからの効果も期待できるのではないかと。
それから、現に海外で私どもキャンペーンをやっていますと、海外のツアーエージェントはやはり、石川県単独で4日間、5日間というツアーを組んだり、富山県単独で4日間、5日間単独で組むよりは、岐阜県も含めた3県の広域観光で、4日間、5日間、場合によっては1週間というツアーを組んだほうが、より魅力的なものもできるし、誘客動員も効果的にできるというような声はずいぶん聞きますし、そういう問題意識で色々検討が進んでおります。
それから、伏木(ふしき)富山港や金沢港に大型客船が、ヨーロッパやアメリカからかなりのペースで入ってくるようになります。そういうお客さんが降りたときに、やはり広域観光を求めるというケースが非常に多い訳なので、この地域の周遊プランがよりいいものができれば、まさにそのルートでのお客さんも増やしていけるのではないかと。具体的な数字はまだ、特に議論をしておりませんけれども、非常にインパクトの大きいものだと思っております。
現に、富山県との知事同士のこれまでの意見交換、今年も7月にまたやりますけれども、それから、石川県との意見交換会でも、先方からも岐阜県との連携をということを強くおっしゃっておられますし、私と同じような問題意識で両県知事もおられるのではないかと思います。
記者 付け加えで質問なのですけれども、一つの課題として、下呂温泉や白川郷となると、新幹線を降りた後の二次交通の手段の確保が課題になってくると思うのですけれども、県として、市町村への支援も含めてどういう支援を検討しているのかなどありましたら、教えていただけますでしょうか。
知事 二次交通の問題は、新幹線の延伸に限る話ではなしに、常にある訳です。今年80周年を迎える高山本線と東海北陸自動車道とをどういうふうにアクセス良く繋ぎ合わせるかとか、この問題は、広域観光という以上は常についてまわる問題ですから、そこは、地元、あるいは観光業界ともご相談しながら、やっていこうと思っておりますけれども。
もう何年か前から、富山県、石川県、それから飛騨の観光業者は、この3県の広域的な観光バスの運用などを、住民サービスにもなりますし、観光客を運ぶことにもなるということで、試験的に色々と既にやってきております。そこは皆さん、まさにおっしゃるような問題意識は共通に持ち合わせていると思います。
それから、石川県との間では、前にもお話したかもしれませんが、白山スーパー林道を、両県を繋ぐ観光道路としてきちんと位置付けて、名称変更もして、通行料も思い切って下げて、積極的に両県で広域観光のルートとして使おうと。これは合意しておりますので、これを地元の方々や自治体、観光関係者と今相談をしながら、その辺りの具体策を議論しているところですから、この辺りは同じような問題意識で進んでいっていると思います。
記者 話が戻って恐縮なのですが、国民生活に関わることなので。集団的自衛権の行使容認に向けた動きに関してなのですが、現在の論点の一つに、現在の政府のほうが、憲法改正なり改憲という手続きではなくて、解釈の変更というので、集団的自衛権の行使容認に向けてまして、そこには当然異論もある訳なのですが、知事ご自身としての、その手法に関しての認識というのは、いかがでしょうか。
知事 一般論として、憲法であれ法律であれ、解釈が変わっていくというのは、折に触れてというか、時にはありますよね。そういうことではありますけれども、今回の議論はまさに国防といいますか、安全保障の根幹に関わるところですから、政府の解釈変更だけでいいのか、そもそも憲法改正が必要なのか。また、そういったことについて、国民がどのように考えているか。まさに、そういったことも含めた国民的議論をもっとやっていただいたらどうかということを思っていたのですけれども。
記者 手続的なものも含めて国民の賛同なり理解を得ていかないと、というような。
知事 そういうことだと思います。これは、知事の権限に関わる話ではありませんので、感想として聞いていただければと思います。
記者 数日経ってしまってはいるのですけれども、タイのクーデターの関係なのですが、県としても企業進出だったり支援だったり、かなり力を入れている部分もあると思うのですが、何か対応について検討や、動きがあれば教えてください。
知事 状況はフォローしておりますけれども、県内に本社のある企業としては、17社がタイに進出しておりまして、県のほうから色々と状況は聞いておりますし、それからJETROからも情報をとっております。
企業活動、それから市内の交通・物流等、概ね平常と変わらないと。ビジネスリーダーの見方も冷静であると聞いております。そう意味で、特段の異常はないのですけれども、夜間外出禁止令が出ておりますので、工場の夜間操業について慎重になるとか、そういった点での何かしらの影響はあると。
それから日本人学校も、先週金曜日に、タイの国内の学校を休校にしたので、日本人学校も休校にしたということですけれども、今週からは通常どおりやっているという状況です。
それから、県庁の職員も、今のところ公用・私用含めて特に渡航の予定はありません。いずれにしても、引き続き情報収集はきちんとやっていきたいと思っております。
記者 ただちに影響とかはないと。
知事 今のところ、特に影響があるという話は聞こえてこないです。
記者 高円宮典子様のご婚約がご内定となりました。ぎふ清流国体にもおみえになられましたが、知事としてご所感がありましたら。
知事 知事コメントという話もありましたので、別途お出ししましたけれども。高円宮家、お亡くなりになられましたけれども高円宮殿下、それから久子妃殿下、それぞれの女王の方々は、大変スポーツにご関心も深いですし、色々とご尽力いただいております。特に2年前のぎふ清流国体においでいただいて、ご視察もいただきました。そういう意味では、私どもとしては色々な面で接点のある方が、こういうおめでたい結果になったということでお話がありましたことを、大変喜ばしく思っておりますし、県民あげて歓迎の意を表したいと、そういう思いでいます。