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知事記者会見(平成25年8月28日)

記事ID:0010726 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成25年8月28日(水曜日)午後3時00分

知事

私のほうからは、順不同ですけれども、お手元に資料をお配りしておりますが、1つ目は県産品のテストマーケティングということです。これまでも色々やってきている訳でありますけれども、メイド・イン・ジャパン・プロジェクトという株式会社でありますが、六本木の防衛庁の跡の東京ミッドタウンで、THECOVERNIPPON(ジカバー・ニッポン)という、こだわりの日本製品を扱うお店をやっておられる訳であります。

これまで包括協定を結んで、平成22年度から県産品としては9回、テストマーケティングをやっておりまして、156社が参加しておられます。今そのうち24社が、継続でこのお店で販売を続けておりますけれども、それも含めて現在57社の商品が、このジカバー・ニッポンというショップで販売されておりまして、県産品の首都圏での販路拡大に貢献していると言いますか。

今回、在日外国人が非常にここに来られますので、私も海外に行く時のお土産をここで結構買っているのですけれども、もちろん岐阜県産品を買っているのですが、9~10月にかけての2か月間、海外での販売を視野に入れたテストマーケティングという、そういう問題意識で、まず外国人の生の声を国内で聞いてみようということで、やろうということでございます。

事前選考会で品物を厳選しまして、県内15社の38商品ということですが、この資料の後ろに(一覧が)付いておりますけれども、木工から、陶磁器、刃物・金属、プラスチック、食品、紙・繊維と、あらゆる地場産業を網羅している訳であります。
このメイド・イン・ジャパン・プロジェクトの大変語学堪能なスタッフが、外国人来店者の声を聞き取って、そして出展企業に対して、販売結果も踏まえた分析レポートを提供していただけると、こういうことでございます。

また期間中に、各国の大使館、それから外資系の企業といった在日の外国人の方々、またそのご家族をお招きして、出品企業と交流をする、あるいは商品を品評していただくというようなイベントも予定されておりまして、9月11日(水曜日)にその第1回のイベントがございますけれども、私自身もこれに出席して、PR、意見交換、それから参加企業への激励といったことをやらせていただこうかと思っております。
なかなかあそこの、東京ミッドタウンの3階でしたか、ど真ん中の非常にいい場所に位置されていて、なかなか優れものがずらっとこう並んでおりまして。私も東京でちょっと時間があると、時々覗いたりして他県の物を見ています。

ちなみに、私もオーナーから聞いているところによりますと、このお店で全国の優れものを並べているのですが、岐阜県産品が断トツに売れ行きがいいということで、そういう意味で非常にたくさん取り扱っていただいているというふうに聞いておりますので、是非、機会を見てというか、覗いていただければと思います。これが第1点ですね。

それから2番目に、9月1日が防災の日になっておりますけれども、8月31日(土曜日)とそれから9月1日(日曜日)にかけて、超広域災害への対応訓練ということを主眼に、今年度の岐阜県の総合防災訓練を行いたいと思っております。
まず、1日目の8月31日(土曜日)でございますけれども、南海トラフ巨大地震を想定して、「命を守る訓練」というテーマで実施をさせていただきます。

ポイントは、1つは県民参加型の「シェイクアウト訓練」と。どう身を守るかということで、当日午前10時に大地震が起こったと想定して、"机の下にもぐる"とか、"鞄などで頭を守る"とか、"エレベーターに乗っていたら最寄りの階に直ちに降りる"とか、そういう身を守る安全運動を、それぞれの場所でやっていただくと。県職員も含めてですね。そういう訓練でございます。
今、小・中学校、企業、医療機関、自治体等々、希望を募っておりますが、参加希望者が10万人を超えておりまして、かなり大がかりな訓練ができるのではないかと。

もう1つは、国が実施する訳でありますけれども、「広域医療搬送訓練」、これに参加をするということで、この南海トラフ巨大地震で甚大な被害を受けた愛知県から搬送されてくる重症患者を、県の災害派遣医療チーム、いわゆるDMATですね、それから自衛隊が連携をして、まずは県内の広域搬送拠点臨時医療施設でありますところの岐阜基地に受け入れて、その後、災害拠点病院に搬送するという、この手順を確認するという訓練でございます。

それから、2日目の9月1日(日曜日)でありますが、更に内陸型地震が、南海トラフ巨大地震に加えて発生をしたということで、これに対する、こういった事態への対処訓練をテーマにやる訳であります。
1つは「ブラインド型の図上訓練」と言いますか、検討課題を事前に知らせないで、当日、何が起こったか、何をなすべきかということで条件を設定するということであります。特に、太平洋側の県が軒並み甚大な被害を生じているという前提で、自衛隊の派遣、支援物資、あるいは広域避難の調整と、こういったことを検討するということです。これは図上訓練でありますけれども、鹿児島県にもご参加いただくということであります。

それからもう1つは、「中津川市と下呂市での実地訓練」を交えるということでありまして、県警のバイク隊による孤立支援対策とか、救助犬による捜索救助訓練でありますとか、医師会等と連携した応急救護所設営訓練でありますとか、あるいは県の職員を「緊急支援隊」ということで市に派遣をして、市の指揮下に入って支援物資の搬入訓練、避難所設置訓練などに従事をするということでございます。
近年、市町村との連携を大変重視している訳でありまして、今回は複数市への支援ということでございますが、この9月1日の訓練への参加者が、県庁・中津川市・下呂市も含めまして、136機関・1,800人という、過去最大の規模でやらせていただこうということでございます。
こういったことを通じて、防災体制の検証でありますとか、関係機関との連携強化ということを図っていきたいということでございます。

それから3番目が、東濃地歌舞伎のちょっとPRということになりますが、今週末8月31日(土曜日)の夕方から夜にかけてでありますけれども、瑞浪市の相生座(あいおいざ)、歌舞伎博物館でもあり、また地歌舞伎の歌舞伎小屋でもありますが、この相生座で恒例の夏の公演が、納涼公演というものがある訳でありますが、これにちょっと私も出演をさせていただくということになりまして。
瑞浪市長ですとか、前瑞浪市長で、今、安達学園の理事長をやっておられます高嶋さんですとか、瑞浪ロータリークラブの会長さんですとか、瑞浪市の市議会議員さんですとか、そしてまた、美濃歌舞伎保存会の方々と一緒に、「白波五人男(しらなみごにんおとこ)」をもじった「美濃乃国五人男(みののくにごにんおとこ)」ということで、私の役は「日本駄右衛門(にっぽんだえもん)」をもじった「美濃屋駄右衛門(みのやだえもん)」ということで。

歌舞伎の衣装を着て、顔を塗りたくって、ひたすら美濃の国の観光キャンペーンをやるということでございまして。今、お稽古をしておりますけれども、なかなかどうやっていいか分からなくて、難渋しておりますが。

岐阜県には29の地歌舞伎保存会がありまして、これは東濃を中心に13の市町村にまたがっている訳でありますが、この29という数字は、全国では都道府県単位では第1位でございまして、最も地歌舞伎の全国でも盛んな所ということです。
平成21年度に「東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋」ということで、地歌舞伎が盛んなだけではなしに、古い歌舞伎小屋が残っておりまして、それを使って地元の方々が保存をしておられるということでありまして、「岐阜の宝もの」に平成21年度に認定をしております。創作歌舞伎、あるいは芝居小屋の見学ツアーですとか、伝統的な歌舞伎の衣装の視察とか、それから歌舞伎にちなんだお土産物の開発とか、色々なことを私どもも応援してきております。

平成22年の上海万博の「岐阜県の日」に、この東濃の地歌舞伎の皆さん方に、これは岐阜県の魅力を、やはりこの「白波五人男」を模してキャンペーンをやっていただきましたし、昨年9月には新宿歌舞伎町でも上演しておりまして、地歌舞伎の方々は、県外への魅力発信にも随分協力していただいているところであります。

そういう中で、東濃地歌舞伎の1つであります美濃歌舞伎保存会の小栗会長、また奥様の小栗幸江(さちえ)さんが相生座の館長ということで、是非出てくれというものですから、地歌舞伎のPRの一翼と言いますか、お手伝いができればということで。決めたことはいいのですけれども、ちょっとなかなか大変でありまして。発声から仕草から、1つ1つもう全く初体験でありますので、どういうことになりますやら。野次が飛んできて台詞を忘れてしまったらどうしようかと、ちょっとどきどきしておりますけれども。

この相生座というものは、元々は旧明智町にありました常盤座(ときわざ)という芝居小屋の舞台部分と、旧下呂町にありました、そもそも相生座(あいおいざ)と言っていた建物を、昭和51年に両方合わせて瑞浪市に移築再建したものでございまして、板敷きの桟敷席、それから花道・回り舞台等々ありまして、本格的な小屋になっております。
昨年、実は挨拶だけ行ったのです。そうしましたら、「やれ、やれ」と大合唱になってしまいまして、こういうことになってしまったのですけれども。

全国から、この地歌舞伎の追っかけが結構いるのですね、行ってみて分かったことは。本当に全国のナンバーの車がびっしりで、どうでしょう、700人くらい入る小屋なのですけれども、もう立見席も含めて溢れんばかりの超満員でして、おまけに外国人も結構おられまして。
大変和やかで、野次も飛べば、ティッシュに包んだ5円玉や10円玉など、おひねりがもうばんばん飛んできますし、なかなか熱気のこもった舞台なものですから、「素晴らしいですね。挨拶しに来るだけでは、やはりいけないのでしょうね」などと言ったら、「お前、やるんだ」などと言って野次が飛んできて、何となく取り押さえられたという感じで。

そういう経緯が昨年ありましたものですから。まあ皆さん忘れているだろうと思ったら、あの時のお約束を、などと言って。それで新しいオリジナルの原稿をいただいて、今、毎晩夜、風呂に入りますと、まず台詞を一生懸命暗記しているのですけれども。
最初の切り出しが「清流と緑豊かなる美濃の国大和の国のど真ん中熱き思いを胸に抱き」という台詞を最初、私が言って。このくらいは覚えているのです、台詞は。今も少しずつやっているのですけれども、なかなかこれに仕草が加わったり、野次が飛んで来ると、「ん、あれっ。何だっけ」というですね。

日頃使わない言葉と、声色と、このイントネーションなものですから。言葉に気をとられるか、仕草に気をとられるか。それで傘を持って、下駄を履いて、それで見得(みえ)を切らなければいけないでしょう。見得を切っている間に「次の言葉は何だっけ」ということになるのです。練習に行くと本当に、足はこうやって、手はこうやってと言われ、「はい、分かりました。あれ、ところで台詞は何だったかな」と思って。今度、台詞を一生懸命覚えていると、手と足が動かない、言葉のほうに気をとられてしまって。

ですから、いわゆる地域の方々が一生懸命、地歌舞伎を保存しておられるのですけれども、そうやって毎年毎年、色々な作品を発表して保存すること自身、仕事を持っておられる方ばかりですから。それから子どもたちも出るのですよ。そういう意味で、大変なことをやっておられるのだと肌で感じております。

ちょっと恥ずかしいことになるかもしれませんけれども、とにかく1回限りの1本勝負ですから。もう2度、3度とやる訳ではないので、最後は当たって砕けろということであります。そんなところですね、今日は。

記者 県産品のマーケティングは、今回初めて海外の販売ということなのですけれども。
知事 海外の販売を、専らそこに意図した並べ方をしようということです。
記者 特にターゲット国とか、相手は見定めたところだとかというのはあるのでしょうか。
知事 既に何年も東南アジアでもやってきていますし、それから「メゾン・エ・オブジェ(フランスで開催される見本市)」をはじめとした、フランス中心にヨーロッパでもやってきておりますので、厳密にこれはどこ、これはどこということはないのですけれども。
これまでの延長線上で言えば、アジア、それから北米、ヨーロッパというところではないでしょうか。
記者 他県と比べても大変、岐阜の産品が人気だというお話でしたよね。どんな商品が特に人気なのでしょうか。
知事

ここの社長さんは、暇さえあれば岐阜に来ておられるのです。それで自分で探すのです。誰かに言われて並べてみるというよりは、岐阜へ来て、もう何十回と来ておられますので、その都度その都度の問題意識で県内各地を訪れて、色々なお店や工場へ行って、こう眺めて、「これは面白い、あれは面白い」というようなことでやってきている部分と。

それから段々と、先程申し上げましたように、既に9回・156社が参加しておりますので、企業のほうからのオファーもありますから、そういうのを見て「これならいける」ですとか。それから、実際にテストマーケティングをやってみて、間違いなく売れるという物は長期的に置かせてもらっているのです。このようなことで、岐阜県にとっては、事実上、もう既にアンテナショップも兼ねているのです。

私が行きますと、比較的そういう意味で長く置いてあるのが、飛騨の木工製品類の、春慶塗の色々な器の類ですとか、それからヒノキで作ったワインクーラー、それから美濃和紙、それから岐阜ならではの、薄い繊維を使ったマフラーと言うのですか、スカーフと言うのですか、というような物とか、それから爪切りとか細かい刃物の類とか、色々な物が置いてあります。

それから、ここ(配布資料の一覧)にあります7番の家田紙工さんの「SNOWFLAKE(スノーフレイク)」という、よくパーティをやる時に窓に貼るでしょう、ペタペタと。これ和紙なのですよ。それで取り外しができますから。これは本当に今、ヨーロッパでもベストセラーです。結構、そういう物が売れているというふうに聞いております。

ちなみに私は、最近で言いますと飛騨のお酒を、あれは2合酒くらいですか、それを12本パッケージにした、12のお酒の飲み比べというものをパックに入れたものですとか。それから、ヒノキのワインクーラーですね。これは上手に作ってあって、水を入れても水が漏れていかないのです。ヒノキのワインクーラーに氷を入れて、それでワインを入れて出すと、ワインもさることながら、桧の香りがテーブルに広がるでしょう。そういう中でワインを冷やして飲むというのは、結構おしゃれで外国人が喜ぶのです。
それで岐阜らしいということで、私などはそういう物をお土産に買うことがあります。今日はちょっとここに並べてないですけれども。

記者 防災訓練のほうは、被害想定調査もちょうどまとまって、そういった教訓だとか、元々、基になっている部分だとか、今回の最大の特徴というのはどんなところを用いられたかということを。
知事

参加機関の数や規模から言うと、過去最高であります。特に先般、最悪の事態ということで(東海・東南海・南海地震等)被害想定調査報告書を出しました。あれを関係者、それから関係市に意識をしていただいて、最悪の事態が起こったという前提で話を始めましょうと。こういうことです。

それから、本県の広域搬送拠点臨時医療施設、SCUと言うのですが、これは航空自衛隊の岐阜基地と、それから高山市の高山自動車短期大学です。ここを前提として訓練をしていこうということで、実戦さながらの、という訓練になると思います。
意識としては、先だって発表した被害想定ですね、これを持ってもらうということです。

記者 地歌舞伎についてお伺いしたいのですけれども、元々きっかけとなったのは、昨年秋の舞台のご挨拶になるのでしょうか。
知事

昨年、県(教育委員会)も後援をしているものですから、応援をしているものですから、一度観に来てくれという話がありまして、観に行ったら挨拶をしろということになって。挨拶するなら単に挨拶するのはいけないから、迫(せり)上がりですよね、奈落(ならく)から上がって来る。それでやれと言うのです。それで普通は、奈落から上がって来ると歌舞伎の人に失礼になりますよね。私はこんな格好ですっと上がって来たものですから。それで、やんやの拍手喝采で上がって来たということで。

こんなに拍手喝采を浴びて、こんな素晴らしい芝居小屋で、皆が一生懸命になって盛り上げているというのは素晴らしいことで、何となく「挨拶だけで終わるのも、もったいないような気がしますね」という話をしたら、「お前も出ろ」とか何とか言って。「いやあ、それも一案ですね」なんて言って、ちょっと野次に合いの手を打っていたのです。
そうしましたら、もう翌日、「出ていただけるそうで」と言って、瑞浪市の皆さんが。それで、知事が出るなら市長も出るのだと言うので、市長も、では市長が出るなら誰に、市議会議員は誰だとかですね。何だかんだと話が弾んで、あっという間に5人決まったらしいのです。
それで、こういうことになりましたのでよろしくと言われて、間もなく持って来られて。「まあ来年のことですね」と言って、まだそれこそ国体の前でしたし。国体もありますし、選挙もありますし、翌年どういうことになっていることやらということがありましたけれども、「ああ、そうですね」などと言っていたら、もう完全に事実上やることになってしまったというか、そういうことなのです。あまり、「やりたい、やりたい」と言った覚えはないのですけれども。

記者 練習というのは、台詞を覚えてみえると言ってみえたのですけれど、やっぱり現地に出向いて先生に指導を。
知事

まずは、何がなんだか分からないでしょう。それからどういうお芝居をやるのか分からないものですから、原稿を小栗さんがお書きになって、原稿を送って来られて。それから小栗さん自身がその原稿を見て、台詞はこういうふうに発声するんだということで、原稿を読んだカセットテープを送って来られて。それから、この「白波五人男」というのは、かつてこの相生座でもやっているのですが、何年か前にやったものはこういうふうにやっているのだというDVDを持って来られて。

それで1か月くらいは、まずはそのカセットとDVDを見て、まず自分で勉強をしていらっしゃいと言うのですけれども、分からないのです。そんなぱっと見ただけでは、どこがどうか。
それで8月に入ってから、週末に現地へ行きまして、そこで「さあ、どうぞ」と。「さあ、どうぞ」と言われても、どうしていいか分からないのですよ。そういうところから始まって、振付から声色から色々とご指導をいただいて。これでは駄目だからまた来ましょうと、また次の週末も行ったりですとか、そのようなことで練習をやらせていただいていて。

ただ、皆さん忙しいですから、現地での練習は2回、それから当日少し早めに行ってもう1回やりますけれども。段々、皆さん熱を帯びてきたのですけれども、なかなか難しいですね。こういうことですから、是非、ご関心があれば、何をやっているのか1回観に来ていただければ。
それよりも、本当に全国のナンバーの車が、駐車場に行くと一目瞭然です。毎年、追っかけで来ている人がいるのだという話です。全国のナンバーの車が一杯になるのと、外国人が結構、どこから来るのだろうかと思うような。それで家族連れも多いのです。

そういうことでして、岐阜県の地歌舞伎というか、歌舞伎小屋というのはこういう雰囲気だとか。それから、子どもたちがかわいいお芝居をやると一生懸命応援をしたり、ちょっと間違えると皆で「頑張れ」と言って激励の野次を飛ばしたり。東京の歌舞伎座や御園座に行く時のあの雰囲気とはまた違って、アットホームな感じで、何とも温かい歌舞伎小屋です。これはこれでいいなと思って、昨年観ていたのですけれども。
それで、適当にお弁当をその場で食べながらですけれども。ただ、本当に超満員です、びっしり。それから、上の2階席のようなものがあるのですが、そこも一杯です。

こんなことをやっているのだ、こんな場所があるのだという意味では面白いと思います。私も昨年行って、いっぺんに好きになりましたというか、好感を持てるというか、頑張っているのだなという、そういう感じでした。

記者 明日、久しぶりにと言うか2年ぶりに、山梨のほうでリニアの走行実験があるということで、先日知事はJR東海のほうへ行かれましたけれども、改めて、今後リニア、まだまだ時間はかかりますが、どんなことを、例えばJRのほうへ要望をしていきたいとか、県としての考えを改めてお伺いしてよろしいでしょうか。
知事

本当は私も、時間的な余裕とか色々な諸条件が整えば、明日行っても良かったのですけれども、ちょっとそういう訳にもいかないものですから、今回は失礼します。

私自身も既に1回、実験線は乗っているのです。着任して間もない頃に行きまして、乗せてもらいました。非常に静かなのでびっくりしました。私は上海のリニアに乗ったことがありまして、それから愛知万博のリニア、これはちょっと簡単なものですから。上海のものは町なかから空港まで飛ばしますから、結構スピードが上がるのですけれども、これは結構、音と揺れがありましたけれども、実験線は非常に静かで揺れも少ないものという印象があります。ただ今回は42kmくらいあるのですか、より本格的なものですから、いずれ遠からず、機会をみて乗ってみたいと思っているのですけれども。

それはそれとして、私どもからしますと、やはりかつて"東京から東濃へ"ということで、首都機能移転の受け皿として岐阜県が名乗りを上げて、頑張った時期がある訳であります。残念ながら、このプロジェクトは立ち消えと言いますか、国会で法律もできて、色々なことがあったにも関わらず、ほとんどエネルギーを失ってしまった訳であります。

それとは違う意味で、岐阜県の東の玄関として、しかも東京との時間距離がわずか30分ということになりますので、首都機能移転ではなしに、30分の距離というのはもうそのまま東濃がと言うか、岐阜県が、時間距離としては首都圏に入っていくということになりますので、これを岐阜県全体の活性化と言いますか、発展に大いに活かしていきたいと。

そのためにもきちんとした戦略を立てて、岐阜県としてどういうふうに受け止めるかという戦略づくりと、それからそういったことについてのJR東海とのきちんとしたコラボレーションと言いますか、そういうことをやっていこうということで取り組んできました。
これまでのところ、JR東海のほうで徐々に大体、まず駅をどうするのか、場所・費用、それから駅の粗々の姿が徐々に表れてきておりますし。それから、私どもが併せて要求しておりました、車両工場と言いますか、総合車両所と言うのですか、車両基地でもあるし、それから補修メンテナンスのための色々なオペレーションもやる訳ですから、地域の活性化と言いますか、あるいは産業観光とか色々な意味でも、総合車両所の意味のある誘致ができたのではないかと思っております。

こういったものを含めてどう活かしていくのかということで、リニア活用戦略研究会をやらせていただいておりますけれども、これを着々と、今年度中にはある程度の方向を出してもらいたいと思っております。

同時に今、環境影響評価も始まっておりますので、やはり沿線の皆さんの納得できる形で環境への影響とか、それから今度はより具体的な路線でありますとか、それから厳密な意味での駅の位置とか。それから、岐阜県の場合には中津川市ということでありますけれども、既存の中央線の駅との距離をどうするのか、限りなく既存の駅と近い所にということでお願いしておりますし。
まさに、岐阜県の東の玄関足りうるだけの内容のものにしていきたいと思っておりますので、コラボレーションをしながら、そういう中で色々と要望を申し上げていくというのが、今の現状であります。

これまでのところ、そういう意味で意思疎通も十分順調にいっておりますし、つい先だっても東濃5市の首長と一緒に話をしてきましたけれども、今やここまで来ますと、関心はやはり具体的な駅の位置・構造・機能、それから、それに関するJR東海と地元の役割分担、あと環境・安全面でのどういうチェックがなされるのかといったこと、そういったことを1つ1つ着実に詰めていきたいと思っております。

JR東海が用意したスケジュールにほぼ沿う形で、今のところは動いております。順調にいっているのではないかと思っております。そういう意味で、東濃の皆さんを中心に大変期待をしておられますので、私どもはそれが岐阜県全体の発展に繋がるように、当然アクセス道路の問題もクローズアップされてまいりますので、それも念頭に置いております。

先だっても、濃飛横断自動車道、仮に(リニアの中間駅が)中津川市の坂本にできるとすると、大体どういう辺りを濃飛横断自動車道が通るのかという辺りのざっとした絵姿も、県としては発表させていただきましたし、関係者の方々は皆さん納得ということで、私どもの考えを理解いただいております。それやこれやありまして、着実に実現に向けて積み重ねていきたいと思っております。

今の予定では、私は79歳になっているのですね、開通する時には。それまで生きておられるかどうか分かりませんけれども、1つ1つしっかりやっていこうと思っております。

記者 秋に、JRが詳細をもう少し発表される予定だと思うのですが、それまでにまた改めて、この間みたいに市長たちと一緒にJRに要望に行かれたりとか、そういった予定とかはありますか。
知事

今年、期成同盟会をやって、現時点での要望事項は全部整理をしてお出しをしましたので、それに対してJR東海のアクションですね、反応が出てきたところで考えるということです。恐らくそういうルートの詳細、駅の位置の詳細がやがて出てきますから、それを見てからではないでしょうか。

記者 一昨日、愛知県の大村知事のほうから国家戦略特区の関係で、国に要望していくという話と要望があったと思うんですけれども。割とちょっとスケジュールもタイトで、なかなか煮詰まって議論する機会もあまりなかったと思うんですけれども、大村知事の発言、今回の要望について知事はどういうふうに受け止められているのかということと、今後また全国個別になって、国のほうからは、どこの自治体からも意見を受け付けるという話も出てきていると思うんですけれども、岐阜県として何か意見を言っていくのでしょうか。何か予定というものがあれば教えてください。
知事

今回のものは、愛知県のほうから岐阜県あるいは三重県、静岡県、近隣県・東海地域一体となってやるべき内容を含んでおりますので、事務的にも議論をしながら、「モノづくり産業強靭化スーパー特区」と言うのですか。元々、「アジアNO.1航空宇宙産業クラスター形成特区」というものがありますけれども。

岐阜県からすると、この航空宇宙産業、自動車、それから医療機器ですね、そういったものを念頭に置いて、更にスケールの大きい、しかも例えば、税の引き下げとか規制緩和とか、まさに国家戦略特区にふさわしいような内容を持った特区を、もう一段強烈なものを作っていきたいということについては、東海地方の関係県も一致している訳なので、一致できるところは一致して、名前を連ねて要望を出していこうということで、岐阜県も名前を連ねさせていただいたということです。大村知事が急いで発表したいということで、どうぞということで、私は昨日は東京に行っておりましたし、いわば代表という格好でやっていただいたことなのです。

それから、もう1つは農業の部分があります。「アグリ・フロンティア創出特区」と言っていますけれども。私どもは「岐阜県農林水産業活性化協議会」を先般スタートしたところでありますけれども、やはり農業の活性化と言うのは待ったなしであります。
そこに国の色々な特例措置とか税制優遇とか規制緩和とか、そういうものが組み合わさってくると色々なことができるのではないかということで、これまた共通の課題を抱えておりますので、一緒にやろうということで出していただいた訳です。

ただ、締切が確か9月11日(水曜日)ですし、まだ全国的に眺めても、出るべきものは皆出ているという感じでもありませんし、検討中のところもたくさんありますし。
そういう意味で今回、東海4県ですか、一緒に出せるものは一緒に出すということではありますけれども、まだ少し時間がありますので、岐阜県ならではの国家戦略特区というものが、この他にどういう分野であり得るかと、どんなことが考えられるかということは、実は庁内各部局には検討するように指示は出してあります。

仮にある程度、これも岐阜県版、岐阜県オンリーワンの国家戦略特区としてふさわしいという内容のものがまとまってくれば、これはこれでまた手を挙げたいと思っておりますけれども。ちょっとまだ、私のところでどうしようかと議論する以前の段階で、各部局で練ってもらっていますので、その辺りの結果を聞いてからまたご報告したいと思います。

記者 もしそれを県としての意見を言うとしたら、愛知県とかを通して。
知事

いいえ。ですからこれは、ジョイントでやるものは昨日の発表でおしまいと。ここから先は独自でやるものを、あれば独自で考えて独自で出していくということで、別に手を挙げるのに数の制限はない訳ですから、出してみたいと思います。

それから、最初は何となく国の言い方も、大都会の、何と申しますか、国際競争力を持ったまさに国家プロジェクトと言うような、国際的な、あるいは世界一のビジネス環境を整えるというようなことを随分、政府の皆さん、おっしゃっておられましたけれども。これに対して全国的に、要するに特区という問題を全国の様々な地域を視野に入れないで、何か「限られた大都会だけですか」と、「地方頑張れということとは、どういう関係があるのですか」というような批判もありました。

そういう中で、国のほうも色々な提案はどんどん出してくれというふうに来ていますので、国家戦略特区という以上は、そういう国家的な意義というものを第一義には置いていると思うのですけれども、さはさりながら、大小問わず切れ味のいいプロジェクトがあれば受け付けよう、一緒になって検討しようという構えになってきております。私どもも、うまくそれにフィットするような切れ味のいいプロジェクトが出せるかどうかというのは、もうちょっと時間をください。指示はしてあります。

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