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2.乗鞍地区の自然の状況

 

(1)自然公園の指定状況など
ア:平湯峠より上の地域は、中部山岳国立公園に指定されており、平湯峠から約8km地点(標高2,300m)より上は、特別保護地区に指定されている。

 

イ:特別保護地区の自然の概要

1−標高2,000m〜3,000m
2−地形乗鞍火山群による火山活動の痕跡の火口湖、火口原、火口壁など火山地形を呈する。地表は火山性噴出物で覆われる。
3−植生高山帯植生〜亜高山帯針葉樹林

 ・高山植物群落

 チングルマ、アオノツガザクラ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、トウヤクリンドウ、イワギキョウなど

 ・ハイマツ群落

 ハイマツ、コケモモ、ガンコウラン、キバナシャクナゲなど

 ・亜高山性針葉樹林

 ヨツバシオガマ、シラベ、アオモリトドマツ、コメツガ、トウヒ、ダケカンバなど
4−動物等哺乳類ニホンカモシカ(特別天然記念物)

 ホンドオコジョ(県RDB絶滅危惧II類、環境省RDB準絶滅危惧)

 鳥類ライチョウ(県RDB絶滅危惧I類、環境省RDB絶滅危惧II類、特別天然記念物)

 高山蝶コヒオドシ

 ミヤマモンキチョウ(県RDB準絶滅危惧、環境省RDB準絶滅危惧)

 

 

(2)自然環境の状況(出典:乗鞍スカイライン沿線植物群落の変遷学術調査報告書(平成11年3月))

ア:植生

・畳平、鶴ヶ池周辺部の植物群落は、乗鞍スカイライン開通当時、入り込み者の踏みつけや土砂の流入などで植生が損傷され無植生地が著しく増

 加したが、その後の保全対策により植生は回復してきている。
・昭和51年度に桔梗ヶ原で確認されたハイマツの白骨化現象は、依然進行している。
・亜高山性針葉樹林では、樹高の高いシラベ、アオモリトドマツ、トウヒ等の枯死あるいは樹勢の衰弱が認められる。
・道路拡幅時に法面保護のため播種された外国産植物は、徐々に潜在自然植生の構成種に置き換わりつつあるが、完全に潜在自然植生に置き換わ

 るか否かは懸念が残る。また、西洋タンポポ、オオバコなど帰化植物や移入種の侵入状況も見守る必要がある。
・植生に配慮した除雪が行われており、その効果は認められるものの、除雪に伴い融雪が遅れる箇所では雪田植生が成立しており、また、ロータ

 リー除雪車による樹木や稚樹の損傷により特異なマントソデ群落の形成が見られる。

 

イ:ライチョウ(出典:乗鞍岳、御岳、笠ヶ岳のライチョウ(1998年3月))

 乗鞍岳全山を10地域に分けて調査
○総羽数は減少している。

 1983年調査:総羽数130羽

 1994年調査:総羽数109羽(対1983年16.2%減少)
○極端な減少地区と増加地区があり、繁殖箇所の集中化が見られる。

ウ:酸性雨(出典:乗鞍スカイライン酸性雨調査報告書(平成14年2月))
平成10年〜13年に乗鞍スカイライン料金所付近で雨水を採取し分析
○酸性化が進んでいると断定するには、変化がまだ少ない為断言できない。

○酸性化は全国的に進んでいると言われていることから継続的な調査が必要。

エ:その他(出典:野生鳥獣感染病防止対策調査(平成10年3月))
1−ライチョウ生息地の植生調査地点(畳平、肩の小屋、五ノ池)では、ライチョウの住みかとなるハイマツ群落(ハイマツ−コケモモ群集)と餌場

 である草本群落(ミヤマクロスゲ−ミヤマキンバイ群落など)がよく発達しているが、生息地のすぐ近くまで人が往来する環境にあり、人的圧力

 が懸念される。

2−鳥類の生息状況乗鞍岳で繁殖しているのは、イワツバメ、イワヒバリ、カヤクグリ、ルビタキ、それにライチョウの5種である。

3−哺乳類の生息状況標高2,700m以上の高山帯の哺乳類は9種(アズミトガリネズミ、ノウサギ、トウホクヤチネズミ、アカネズミ、ヒメネズミ、

 ドブネズミ、キツネ、オコジョ、ニホンカモシカ)である。アカネズミとドブネズミは人間生活と共に進入した種である。また、輪ゴム、ビニール

 紙などが含まれているキツネの糞が認められることから、観光客の増加と共に高山帯へ侵入するキツネが増えていると考えられる。

4−ライチョウ生息地の環境愛玩動物の持ち込みが、入山者400人当たり1匹と高頻度であり、また、犬の首輪をはずす例も目撃されたことから、

 A.犬による直接的なライチョウへの威嚇、殺りくB.I吠え声による間接的な威嚇C.糞に含まれる病原菌のライチョウへの感染が懸念される。

 また、ハイマツの中にゴミが捨てられることや、立入規制区域への入り込みがライチョウに悪影響を及ぼすと考えられる。