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特徴のある森林

金華山などの照葉樹林  岐阜県の金華山国有林は、ツブラジイ、アラカシなどの常緑の広葉樹が多く、一年中林の内部がしめって暗い、照葉樹林と呼ばれる森林です。この森林は、日本列島の中央部から南に分布し、岐阜県や静岡県が分布の北の端になります。
経済活動が盛んになるにつれ身近な自然は姿を変えましたが、金華山は都市の中心部にありながら県南部の本来の自然の姿を今日に伝えています。
ひるがの高原などの湿原  森林の中の周辺からきれいな水が供給される谷すじの低地には、湿原が発達することがあります。飛騨地域などのブナ帯の窪地(蛭ヶ野高原、天生峠など)にホロムイソウ、ヒメシャクナゲ、ミズバショウなどがある高層湿原がみられますこうした寒冷地の高層湿原は北日本では比較的多く見られますが、岐阜県はその分布の南限にあたります。
また、東濃地方では、サワシロギク、サギソウなどの草本や周辺にシデコブシ、ハナノキなどを見ることができる小さな湿地が点在します。これらの湿地は東海地方にのみ分布し、この地域特有の自然景観を形成しています。
白山山麓などのブナ林  県北部の飛騨地方には、落葉広葉樹の森林が比較的多く残っています。これら広葉樹林の多くは、古くから薪炭利用等により人の手が加わり、維持形成されてきた二次林であるが、近年はその利用の衰退(変化)により荒廃している森林も多くなっています。また針葉樹を主体とする人工造林化も進んでいます。このような情勢の中にあって、白山山麓周辺では、ブナ、ミズナラを主体とする原生林が面的に広範囲にわたって残っており、県下でも極めて自然度の高い貴重な自然環境を残した地域といえます。
東濃などのヒノキ林  東濃から飛騨にかけて、良質のヒノキ材を生産する人工ヒノキの美しい森林が広がります。人の手で丹念に造成された森林景観は地域のシンボルになっています。
北アルプスの亜寒帯性針葉樹林  北アルプスの落葉広葉樹林と高山帯の間に広がるコメツガ、トウヒ、オオシラビソなどを主体にする針葉樹林で、本県がほぼ南限になっています

岐阜県の森林

 本県には、県土の約82%にあたる約868,000haの森林があり、重要な「みどりの環境」を形成しています。
森林は、スギ、ヒノキなどを植えて人の手で育てた人工林と人の手のくわわり方の程度が少なく自然の姿に近い天然林の2つに分けられ、天然林の中でも人の手の影響が少なくその地域の植生を代表する森林は原生林と呼ばれます。
 民有林面積の約44%が人工林、52%が天然林になっており、一般に天然林は奥山地帯に広がっています。また原生的な森林としてまとまった広がりを持つものとして、北アルプス金木戸河・高瀬川源流部森林生態系保護地域(国有林)などのほか、約686,000haの民有林があります。これらの森林は、それ自体が植物の遺伝資源をプールしているだけでなく、野生生物の生活の場を提供して「種の保管庫」として機能しています。
 森林は炭酸同化作用を通じて地球温暖化の原因になる二酸化炭素を吸収し、酸素を大気中に放出しています。温暖化が進むと植物の生育環境が変わり、植生分布の変化や時には種の絶滅をもたらしますが、森林はその進み方を遅らせる働きをしています。また、水源地帯の森林は、雨を貯え、水質を浄化してゆっくりと流し出すことで多様な生命を豊かに保ちます。こうした森林の「自然の母」としての働きも見逃すことはできません。

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