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ハクバサンショウウウオ

ハクバサンショウウオ HynobiushidamontanusMatsui 絶滅危惧I類

 

(環境省:絶滅危惧IB類) 有尾目サンショウウオ科

 

選定理由 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長8〜12cmで背面は暗褐色、腹面は淡褐色である。全身は白い斑点で覆われる。後足は4趾性で幼生はバランサーを持つ。卵嚢はコイル状で表面には明瞭な筋が入らない。
生息環境 山地帯から亜高山帯下部の湿原の周辺部の緩やかな流れのある浅い場所で産卵する。非繁殖期は繁殖場の周辺の林床の倒木や落葉の下に潜む。
生態 繁殖期は4月下旬〜6月上旬で、雪解けの時期に左右される。雪解け後に落ち葉や泥が堆積した水深10cm前後の緩やかな流れのある場所に雌雄が集まり、夜間に産卵行動が展開され、産卵後も雄は卵嚢の近くにとどまる。ふ化した幼生は多くは年内に変態上陸するが、一部は越冬し翌年変態上陸するものも見られる。
分布状況 日本固有種。長野県北部、富山県南部、新潟県南部に限定して分布する。県内では、高山市、飛騨市など飛騨地方北部でのみ確認されている。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 自然林の伐採、道路の建設などによる生息場・繁殖場の消失や繁殖場の乾燥化、湧水の枯渇などがあげられる。また、冬季通行止め解除前の道路の除雪や清掃時に成体や卵嚢が被害をうけている例もある。
保全対策 繁殖場となる湿原の周辺部の緩やかな流れのある浅い場所とその周辺部の樹林が複合的に残された環境を保全する。また、本種の生息環境に該当する場所での道路や林道の建設や除雪・清掃などには、一定の配慮が必要である。
特記事項 本種は、以前ヤマサンショウウオとして記載されていた。飛騨地方のカスミサンショウウオの記録は、本種が新種として記載される以前にカスミサンショウウオと同定した事例が多いと考えられる。岐阜県希少野生動植物。水産庁レッドデータブック危急種。
参考文献 ・松井正文・関慎太郎(2008)カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック80pp.:文一総合出版
・内山りゅう他(2002)決定版日本の両生爬虫類:平凡社
・松橋利光・奥山風太郎(2002)山渓ハンディ図鑑9日本のカエル:山と渓谷社
・佐藤井岐雄(1978)日本産有尾類總説復刻版:第一書房
・日本爬虫両棲類学会(2009)日本産爬虫両生類標準和名:日本爬虫両棲類学会HP
・松井孝爾(1985)日本の両生類・爬虫類:小学館

 

文責:高木雅紀