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ギフチョウ

ギフチョウ LuehdorfiajaponicaLeech 準絶滅危惧
(環境省:絶滅危惧II類) チョウ目アゲハチョウ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさ50mm前後の蝶で、翅全体が黄と黒の縞のだんだら模様となっており、後翅に赤・橙・青の斑紋がある。
生息環境 美濃地方では低山地の落葉広葉樹林やアカマツ林に、飛騨地方では山地のブナ林や高層湿原の周辺など早春に太陽が地表に射し込むような林に生息する。
生態 成虫は年1回、3月下旬〜6月上旬に出現するが、発生地の標高や雪解けの時期により羽化時期は大きく異なる。成虫はカタクリ、スミレ類などの花で吸蜜する。幼虫の食草はウマノスズクサ科のカンアオイやウスバサイシンなどである。
分布状況 日本固有種。本州のみに分布し北は秋田県から南は山口県まで見られる。県内では高山帯、亜高山帯、平野部を除くほぼ全域に確認記録がある。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 低山地の生息地がゴルフ場、宅地などへの開発により次々と消失したこと、及び二次林の管理が行き届かなくなり藪化したことによる幼虫の食草カンアオイ類の減少などによる。
保全対策 生息地の開発を規制する。二次林の人為的管理により、春頃に林床に陽光が差し込むような疎林を形成させ、幼虫の食草となるカンアオイ類の生育を図る。
特記事項 本種は、名和靖氏により1883年に現在の下呂市金山町祖師野で初めて採集され、当県にちなんでギフチョウと名付けられた。御嵩町指定希少野生生物。
参考文献
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  • 菊池泰雄(2002)岐阜県天生峠で黄色眼のギフチョウを目撃、蝶研フィールド17(189):16-17
  • 延栄一(2001)ギフチョウ情報2001、ハルまで待てない(51):9
  • 鈴木俊文(2004)下呂市萩原町曲坂のギフチョウについて、啓蟄21(47):21-24
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  • ゆずりは(2003)国内蝶類情報2003年(4)、ゆずりはクラブ5(5)8-11
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  • 林健生(2006)サクラの葉に止まり交尾するギフチョウ、だんだらちょう25(72):表紙
  • 林健生(2006)地上に憩う、だんだらちょう25(71):表紙、表紙裏
  • 岐阜県博物館(2002)チョウ類のルートセンサス、岐阜県博物館報(25):21
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  • 春夏秋蝶編集委員会(2002)フィールドノート(2002.1.1〜6.30)、春夏秋蝶(27):27-40
  • 春夏秋蝶編集委員会(2004)フィールドノート(2004.1.1〜6.30)、春夏秋蝶(31):29-43
  • 林健生(2002)ヒメカンアオイに産卵、だんだらちょう21(60):表紙、表紙裏
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  • だんだらちょう編集委員会(2002)2002年度ギフチョウ調査記録だんだらちょう21(60):22-26
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  • 蝶研出版編集部(2002)2002年蝶類採集情報、蝶研サロン(192):7-20
  • 高橋昭(2003)2002年Luehdorfia調査記録、佳香蝶55(215):41-46
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  • 蝶研出版編集部(2004)2003年蝶類採集情報、蝶研サロン(205):7-22
  • 高橋昭(2004)2003年Luehdorfia調査記録、佳香蝶56(218):45-47
  • だんだらちょう編集委員会(2004)2004年度ギフチョウ調査記録、だんだらちょう23(66):20-24
  • 蝶研出版編集部(2005)2004年蝶類採集情報、蝶研サロン(218):8-22
  • 高橋昭(2005)2004年Luehdorfia調査記録、佳香蝶57(224):75-80
  • だんだらちょう編集委員会(2005)2005年度ギフチョウ調査記録、だんだらちょう24(69):15-20
  • だんだらちょう編集委員会(2006)2006年度ギフチョウ調査記録、だんだらちょう25(72):14-21
  • だんだらちょう編集委員会(2007)2007年度ギフチョウ調査記録、だんだらちょう27(75):15-19

文責:水谷治雄

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