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伊勢湾の再生と保全(第9次総量削減)

伊勢湾の再生と保全

 皆さんはくらしと川、また、その先の海とのつながりを考えた事はありますか?

伊勢湾で起こっている問題

赤潮

赤潮の様子
 伊勢湾内では、毎年30件程度の赤潮が発生しています。赤潮とは、生活排水や工業排水などの、栄養分(窒素やりん)をたくさん含んだ水が流れ込むことによって、植物性プランクトン(海水中に漂う小さな生きもの)が異常に増え、海水の色が赤色や褐色になる現象です。発生した大量のプランクトンは、海底に沈んで腐敗し、海底の酸素を著しく減少させたり、有毒物質を発生させたりして、魚や貝が大量に死ぬなどの多くの被害を与えます。
 赤潮を防ぐためには、家庭や工場から汚れた水を流さないようにすることが有効です。

苦潮(青潮)

苦潮の様子
 赤潮の原因となった大量のプランクトンは、海底に沈んで腐敗し、ヘドロになります。このとき、海水中の酸素が大量に消費されるので、海底付近の海水は、酸素が少ない状態(貧酸素水塊)となります。また、腐敗に伴ない有毒の硫化水素も発生します。このような貧酸素水塊が風などの影響で海岸の浅いところに浮き上がってくると、付近で生活していた逃げ場のない魚介類の大量死が起こります。硫化水素由来の物質がとても臭く、また青白く見えるため、このような現象を苦潮(青潮)と呼んでいます。

漂着ごみ

漂着ごみの様子
 伊勢湾の海岸には、毎年大量のごみが漂着しており、観光やレジャー、漁業だけでなく、ウミガメが産卵できなくなるなど、生物にも深刻な影響を与えています。それらのごみを調査分析したところ、川の上流部から流れてきたごみが海までたどりついていることや、ごみの半数以上がペットボトル・空き缶・くつ・おもちゃなどの生活ごみであるということが分かりました。
 岐阜県からのごみも伊勢湾まで流れて行っていることを認識し、ポイ捨てをしないことはもちろん、河原でのキャンプの後始末をきちんとする、ごみの集積場をしっかり管理するなど、日々の行動を見直してみましょう。

伊勢湾のためにできること

汚れを流さないようにする

 私たちの家庭から流される汚れは、各家庭のちょっとした心がけや工夫で減らすことができます。

  • 飲める分の飲み物、食べられる分の食べ物を取り分けて、飲み残しや食べ残しをできるだけ流しに流さないようにしましょう。
  • 流し台に目の細かいストレーナーや三角コーナーをおいて、調理クズを流さないようにしましょう。
  • お米をとぎすぎないようにしましょう。
  • 使い古した油、食器についた油汚れは流さないようにしましょう。使用済み油は新聞紙にしみこませたり、廃油回収を利用しましょう。また、食器についた油分は新聞やスクレーパーで洗う前に拭き取りましょう。
  • 石けん、洗剤、シャンプー、リンスは適量を使いましょう。
  • 公共下水道への接続、または合併処理浄化槽の設置をお願いします。

ブルーリバー作戦のページへ→
清流調査隊のページへ→

伊勢湾からの恵みを食べる

 昭和50年頃までは、食用魚貝類の国内自給率は100%を超えていましたが、現在では6割ほどになってしまいました。世界各国で獲れた海産物が身近になっていますが、輸入された魚貝類の消費が増えると、伊勢湾流域内での栄養分(窒素やりん)のサイクルが崩れ、伊勢湾内の栄養分が過剰になります。過剰な栄養分は、赤潮などの問題を起こしています。
 過剰な栄養分を減少させ、窒素やりんの正常な循環を取り戻すためには、漁業や潮干狩りなどで海域の魚貝類を採り、消費することが有効です。伊勢湾は全国でも有数の魚貝類の宝庫です。伊勢湾産(三河湾産・愛知県産・三重県産)の魚貝類を積極的に購入し、海の地産地消を推進しましょう。

清掃活動に参加する

 地域住民・NPO・企業・市町村などの参加により、森林・河川・海岸などの清掃活動が行われています。これらの活動に積極的に参加したり、レジャーなどで出かけたときにはごみを持ち帰るなど、できることから取り組んでいくことが大切です。

伊勢湾森・川・海のクリーンアップ大作戦のページへ(外部サイト:三重県庁HP)→<外部リンク>

訪ねる

 伊勢湾やその流域には、まだ自然がたくさん残っています。これらに目をむけ、今の自然環境や利用状況を知ることは、伊勢湾再生への第一歩です。

伊勢湾についてもっと詳しく知りたいときは、伊勢湾環境データベースへ→<外部リンク>
(中部地方整備局名古屋港湾空港技術調査事務所HP)

岐阜県の取組み

 岐阜県では、愛知県・三重県・名古屋市等と協働し、水質総量削減計画などにより伊勢湾の再生と保全に取組んでいます。

 伊勢湾総合対策協議会では、岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市が相互の連携協力を緊密にし、伊勢湾及びその周辺地域の総合的な発展と保全を図ることを目的として、広域的な調査研究や連絡協議、啓発活動などを行っています。
 伊勢湾総合対策協議会では、伊勢湾の再生と保全についてのパネルを作成しました。

番号 タイトル  
1 陸地に囲まれた海・伊勢湾 陸地に囲まれた海・伊勢湾​[PDFファイル/6.0MB]
2 伊勢湾の症状「赤潮」・「苦潮(青潮)」 伊勢湾の症状「赤潮」・「苦潮(青潮)」​[PDFファイル/30MB]
3 伊勢湾の症状「透明度の低下」・「漂着ごみ」 伊勢湾の症状「透明度の低下」・「漂着ごみ」​[PDFファイル/35MB]
4 伊勢湾の汚濁が進行する原因 伊勢湾の汚濁が進行する原因​[PDFファイル/2.5MB]
5 生物多様性と浄化作用「干潟」 生物多様性と浄化作用「干潟」​[PDFファイル/20MB]
6 生物多様性と浄化作用「藻場」 生物多様性と浄化作用「藻場」​[PDFファイル/22MB]
7 参加しよう 参加しよう​[PDFファイル/11MB]
8 関心を持とう/行動しよう 関心を持とう/行動しよう​[PDFファイル/1.7MB]
9 食べよう 食べよう​[PDFファイル/12MB]
10 訪ねてみよう 訪ねてみよう​[PDFファイル/85MB]

※ファイルの容量が大きいため、表示されるまでに時間がかかる場合があります。
※岐阜県では、パネルの貸出を実施しています。サイズはA0(約840×約1190mm)の縦型です。
環境イベント等にて掲示を希望される場合はご連絡ください。
≪連絡先電話番号:058-272-8230環境生活部環境管理課≫

 伊勢湾再生推進会議では、総合的な伊勢湾再生への取り組みと地域活性化の醸成を重点に置いた総合的な「伊勢湾とその流域の環境改善」のための行動計画を策定しました。この行動計画の推進を図るとともに、定期的なフォローアップを行っています。
構成員:中部地方整備局・東海農政局・岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市・名古屋港管理組合・四日市港管理組合など

第9次水質総量削減

水質総量削減について

 水質総量削減は、伊勢湾のような、人口・産業等が集中し水質汚濁が著しい広域的な閉鎖性水域について、一律の排水基準だけでは環境基準の確保が困難な場合に、産業排水のみならず、生活排水等も含めたすべての発生源からの汚濁負荷量を全体的に削減しようとする制度で、昭和55年にスタートして以来、現在まで9次にわたり実施されています。

総量削減計画

 環境大臣が定める総量削減基本方針に基づき、知事が汚濁負荷量の削減目標や削減対策等について定めるものです。令和4年10月には「第9次総量削減計画」を策定しました。
岐阜県では、森・里・川・海が一体となった環境保全として、県民総参加による「清流の国ぎふ」づくりを推進しています。この計画は、「清流の国ぎふ」づくりに即した様々な対策を講じることによって、流域からの汚濁負荷量を削減し、伊勢湾の水環境改善につなげていくものです。

  第9次総量削減計画(岐阜県) [PDFファイル/291KB]

  • 生活系排水対策
    家庭における生活排水対策、下水道の整備、合併浄化槽への転換など
  • 産業系排水対策
    総量規制基準の設定、基準の適用されない小規模な事業場等に対する対策など
  • その他の汚濁発生源に係る対策
    山林・農地からの流出削減対策、畜産排水対策など
  • 監視体制の整備、普及・啓発、中小企業者等への支援措置など

総量規制基準(第9次総量規制)

 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の流域に設置される水質汚濁防止法に定める一定規模以上の事業場については、化学的酸素要求量(COD)、窒素、りんといった水質汚濁物質の総量の排出規制が定められており、その業種ごとに規制基準値が設定されています。

総量規制対象事業場

 以下の3つの項目すべてにあてはまる事業場が対象です。

  1. 水質汚濁防止法に定める特定施設を設置していること
  2. 指定地域(伊勢湾に流れ込む河川の流域とされている地域)内にあること岐阜県指定地域図[PDFファイル/57KB]
  3. 届出通常排水量が50m3/日以上であること

第9次総量規制基準

 第9次総量規制基準は第8次総量規制基準から変更はありません。

COD 第9次水質総量規制に係るC値(COD) [PDFファイル/468KB]
窒素 第9次水質総量規制に係るC値(窒素) [PDFファイル/395KB]
りん 第9次水質総量規制に係るC値(りん) [PDFファイル/365KB]

総量規制基準の算出式

Lc=(Ccj・Qcj+Cci・Qci+Cco・Qco)×10-3
Ln=(Cni・Qni+Cno・Qno)×10-3
Lp=(Cpi・Qpi+Cpo・Qpo)×10-3
Lc:一日に排出が許容される化学的酸素要求量(kg/日)
Ln:一日に排出が許容される窒素含有量(kg/日)
Lp:一日に排出が許容されるりん含有量(kg/日)
Cc:特定排水中の化学的酸素要求量濃度(mg/L)
Cn:特定排水中の窒素濃度(mg/L)
Cp:特定排水中のりん濃度(mg/L)
o,i,j:時期区分(C値の適用時期区分及び適用年月日 [PDFファイル/264KB]

水質総量削減に関するリンク

環境省水環境課閉鎖性海域対策のページ<外部リンク>

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