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知事記者会見(平成30年11月28日)

記事ID:0019020 2018年11月30日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成30年11月28日(水曜日)11時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。

知事

 お手元に2点、資料をご用意しております。
 ひとつは、かねてから準備を進めてきておりましたが、「Trip(トリップ)Base(ベース)道の駅プロジェクト」ということで、同じタイミングで積水ハウス株式会社の方から東京で発表されていると思うのですが、道の駅を拠点にネットワークをつくっていくと、道の駅の隣接地にホテルを建てるというプロジェクトであります。
 積水ハウスと、アメリカのマリオットが組んで、積水ハウスのいわば施工技術といったところ、マリオットのいわばホテル運営についてのホスピタリティーとかグローバルネットワークとか様々なマリオットのブランド力、そういったものを一緒にして、かつ概ね道の駅は高速道路のインターチェンジの近くにあったり、道路交通のネットワークの大事な所に設けてあるといったメリットがあるわけです。
 このホテルは宿泊に特化したもので、食事とか、お土産とかは道の駅で調達してくださいということでありまして、従って、スピーディーにこれからはつくっていくのではないかと。かつ、全国展開していくということで、その第一弾として5つの府県と15か所で開業しますと、そのうちの岐阜県については4か所ということで、お手元の資料にありますように、本美濃紙の「美濃にわか茶屋」、郡上おどりの「古今伝授の里やまと」、美濃加茂市のぎふ清流里山公園の一角につくるわけですけども、清流里山公園もいま大体ひと月に7万人のペースでお客さんが入っていますが、そこにこのホテルが加わるとさらに魅力が増してくるのではないかと思います。それから若干調整はしていますが高山市の荘川。荘川桜で有名な所で、これも交通の拠点にありますので、岐阜県はまずこの4か所でスタートするということでございます。タイミング的には再来年の10月以降ということになっております。
 私どもとしては、インバウンドが急速に増えていく中で、宿泊需要が急増しているわけですが、そういう中で新しいタイプのネットワーク型の道の駅、特に岐阜県は全国で北海道に次いで道の駅が2番目に多いところでありますので、岐阜県にとっても非常に受け入れやすいというか、素晴らしいアイデアをいただいたのではないかなと思っております。
 かねてからいろいろと議論してきましたけども、こういう発表に至ったということで、大変私どもは大歓迎という思いであります。
 観光あるいは地域の活性化のプラットホームでありかつネットワークになっていくことを期待しまして、これは第一段階ということであります。

 それから、もうひとつの資料は「伐採旗設置制度」という聞きなれない言葉ですが、来年の4月1日から、森林の違法伐採の防止という観点から導入する制度でありまして、中部地方では岐阜県が初めてということで、九州で一部導入されています。
 「100年先の森林づくり」をにらみながら、伐採と再造林を着々とやってきておりまして、この一定範囲の樹木をまとめて伐採する「皆伐」、みんな伐るということですが、皆伐も積極的に進めているわけですが、皆伐というある一定範囲のエリアの木を取るということが、逆に違法伐採への温床になりかねないということで、これを防ぐために旗を立てようということです。
 普通林の場合には、1ヘクタール以上の皆伐箇所を対象に「伐採届出旗」。なんとなく行政チックな名前ですが、それから土砂災害防止等のための公益的な機能が高い保安林については、すべての皆伐箇所を対象に「伐採許可旗」ということで設置して、違法伐採の疑いが一目で分かるようにして、無届伐採等への抑止につながるという趣旨でございますので、ご紹介をさせていただきました。

 それと、資料はお配りしておりませんが、今月の7日から14日まで中国・香港・ベトナムに行ってまいりまして、それぞれ成果を上げられたんではないかと思います。
 中国の江西省は10年ぶりの訪問でありまして、友好30周年ということで様々な行事をやったわけでございますけれども、日中首脳会談の影響ということで、非常に日中関係が急速に好転しているというか、大変な友好ムードの中で今回の訪問ができたということで、そういう流れの変化を実感してまいりました。
 新たに就任された江西省の共産党書記の劉奇(リュウ・キ)さんとおっしゃるんですが、省庁の易錬紅(エキ・レンコウ)さんの二方といろいろと議論をいたしまして、特に観光、花き、林業、環境という4分野について特に交流の強化をしていこうということで、覚書を交わしましたし、お二人もハイレベルな相互交流ということを非常に強調しておられましたので、お互いにハイレベルな人間を行き来させることにしようということでございました。これからアクションプランをつくってやっていこうと思っております。省長さんが県知事のカウンターパートですけれども、その上の共産党書記の方がでてくることはまずないんですが、今回は、そういう意味で歓迎ムードの中で出てこられて、岐阜のことを大変熱く語っていただいて大変恐縮して、ありがたく思った次第です。
 それから、香港は9年振りで3回目のトップセールスで、岐阜県の海外キャンペーンのいわば、原点といいますかね、香港からスタートした経緯がありますので、また原点に戻って、観光セミナーとか体験会とかをやらせていただきました。
 ちょうど現地の香港の総領事の方、大使の肩書を持っておられますけれども、この方が離任する前々日ということで、いろいろとお手伝いをいただきました。3年の在任中ずっといろんな県や自治体のキャンペーンのお手伝いをしてきたけれども、これほど迫力のあるものは見たことがないということで、やっぱり噂に聞いていた岐阜のキャンペーンというのはこういうものかと実感したと、大変喜んでおられました。今度12月に岐阜を、さらに各地見て回りたいということで来られるようですけれども、そんな評価をいただきました。現地の大手の旅行会社も、古田知事一行歓迎というような、新聞紙面まで用意して歓迎をしていただきました。
 香港の大展示場でワイン&スピリッツフェアをやっておりまして、それこそ、世界中のアルコール類が所狭しと並んでおりまして、多分何千種類と並んでいたと思いますが、岐阜県がかなり大きいブースを用意して、9つの蔵元が参加したわけでありますけれども、岐阜のお酒が好評であったということです。香港のコンテストでも、岐阜県の長良川というお酒が第2位に入りまして、これは私どももびっくりしましたが、酒はまだまだこれから、海外キャンペーンの戦力になるということでございます。ちなみに、今、世界中各地でお酒ブームでありまして、地元の人が選ぶお酒のコンテストというのがはやり始めていまして、昔からやっているのはイギリスのロンドンでやっておりますけれども、4年前ですかね、ロンドンでやったインターナショナルワインコンテストで高山の酒がグランプリを獲りましたし、去年ですかね、初めてフランス人が選ぶ日本酒のコンテストがありまして、岐阜の「平岡誠治」というお酒がグランプリを獲りまして、つい最近ベルギーで同じことをやりまして、これも岐阜のお酒がグランプリを獲りましたし、北京でも最近同じようなことをやりまして、ここでも岐阜のお酒がグランプリを獲りまして、香港では2位ということで、あちらこちらで非常に高い評価を得ておりますので、自信を持って打って出ようではないかということで蔵元の皆さんともお話をしているところでございます。
 それから、高級花きですね。小売店での岐阜の花きフェアでありますとか、現地の百貨店、大手スーパーでの飛騨牛、農産物のフェアも大変好評であったということでございます。
 ベトナムは、フエ省を訪問いたしまして、人民委員会委員長と面談をいたしましたけれども、フエ省というのは、日本でいうと京都、奈良に匹敵するところでありまして、ベトナム最大の観光地で、フエ王朝が栄えたところで、歴史的な観光遺産が山ほどありまして、街全体がユネスコの世界遺産ということでございます。
 先方からすると岐阜県、とりわけ、高山、飛騨のインバウンドの増加というのは、目を見張るものがあるので、いったい岐阜はどのように観光客を誘致しているのか教えてもらいたいと、そしてフエをもっともっとインバウンドに売り込みたいということで観光誘客についての交流ということに、かなり期待をしている雰囲気でございました。
 観光をはじめとして、教育訓練、医療、ハイテク、若者交流とか、いろいろと申し出がありまして、やっていこうということです。特に観光については、両者でワーキンググループを立ち上げましたので、そこを通じていろいろとサポートしていきたいと思っております。
 岐阜大学とフエ大学の包括協定が締結されまして、今、岐阜大学では、中国人の留学生を超えてベトナムの留学生がトップになっておりまして、非常に行き来がありますが、留学生の受け入れと共同学術研究といったようなことで合意しております。これで2年前に岐阜県とフエ省が覚書を交わしております。今年の7月に高山市とフエ市が覚書を交わしておりますし、今回岐阜大学とフエ大学ということで、3層交流ということになりまして、懐の深い交流ができればと思っております。
 ベトナムでは昨年度から、冷凍の輸出が始まってきております。3年から4年ぐらい前ですかね、ハノイの迎賓館でアユ雑炊とか、アユの塩焼をだしてキャンペーンをやらせてもらいまして、丁度、オバマ大統領が前の日にベトナムとの軍事、防衛面での協力ということを高らかに打ち出した翌日、私どものアユと飛騨牛のキャンペーンを同じ迎賓館の同じ場所でやらせてもらいまして、当時ニュースを見ていましたら、オバマ大統領の次にわれわれのミッションがテレビに出てきました。
 どうも岐阜のアユが先方に受けるようでありまして、今回は、レストランのシェフとか食品バイヤーにアユの特徴とか調理法とかを教えるワークショップをやっておりました。日本人がやっている高級日本食レストランではアユ料理のコースを日本円換算で1万5千円で提供するということで、現地のどういう人がお使いになるのかわかりませんけれども、それでやっております。アユの輸出もベトナム、タイでじわじわと進んできているということでございます。

司会

 それでは、ご質問がありましたらお願いします。

記者

 道の駅のホテルの建設の件ですが、敷地については清流里山公園の中も含まれていますが、例えば行政側が無償で貸し出しとかPFIみたいな、そういう手法をとったりするのでしょうか。

知事

 プロジェクトのホテルは、道の駅の隣接地に建設されます。美濃市、郡上市及び高山市のホテルの土地は、市有地または民間の所有地となっており、各所有者と契約が結ばれます。ぎふ清流里山公園内にできるホテルは、県営都市公園内であることから県が設置許可を出し、使用料を徴収します。
 美濃市、郡上市、美濃加茂市、高山市いずれも、私どもとしては大歓迎で、道の駅のこういう活用の仕方があるのかということで、積極的に売り出そうという感じですかね。

記者

 伐採旗の件ですが、違法伐採の監視目的ということなんですが、実際に現状で違法伐採は県内で広がっているのでしょうか。

知事  私が承知しているところでは、平成28年度に8件、平成29年度に6件ということで、現実に皆伐にかかわる無届伐採ということが発生しておりますので、やはり、きちんと手を打たないといけないということです。もともとこれは森林法で届出ないしは許可を得るというシステムになっておりますけれども、そこをくぐり抜けていることですかね。岐阜県は長期計画でどんどん伐採して造林するというサイクルをつくろうとしているんですけれども、そういう流れがたくさんあると、それに沿ってやっているように見えちゃうということなんですね。
記者  2点ございます。IRのことで、名古屋市長から長島につくってはどうかというお話がありましたが、長島というと岐阜県にも近いんですけれども、そもそもIRというものをどのように受け止めていらっしゃるか、そういった提案がでてきたことについてどう思っておられるかということがまず1点目の質問です。
 それから、万博が大阪に決まりました。知事としては率直にどのようにご覧になっておられるか、ご所見をお聞きしたいと思います。
知事

 このIRは国際的に開かれたものという構想でやっておられるんでしょうけれども、事柄の性質上、内陸県よりは海沿いの沿岸県の方が相応しいのではないかとおもっております。岐阜県としてはIRについて、特に議論したこともありませんし、また、やってはどうかという声もありませんし、まずは、状況を見ているという状態ですかね。三重県だ愛知県だ名古屋市だということをやっておられますけれども、普通はある程度、他県の地域にあるものについては、いろんな形でご相談しながらやっていくというのが通常のやり方ではないかと思います。近隣県ですから色んなコラボもあるでしょうから、まずは相談しながらやっていくということかと思います。岐阜県と名古屋市で言えば、導水路、堀川の水というようなことをいろいろ議論をした経緯もありますが、そういう意味では、静かに見ております。私なんかは事前に相談したうえでやりますから、私とは手法が違うのかと思っております。
 大阪万博は大変新しい切り口でアピールして行こうということでありますが、今回選ばれたのは、大変ありがたいことであると思いますし、今回どう時代を切り開いていくかということを楽しみにしております。
 私自身も愛知万博にかなり深くかかわりましたけれども、選ばれることも大変ですし、選ばれるためにコンセプトを世界にアピールしてそれが評価されて受け入れられるという、この面での努力も大変なことでありますが、それよりもはるかに大事になのは、選ばれたあと、どういうフォーメーションでどういうふうに事をすすめていくかと、いわば国家事業ですから、どういうふうに東海地域も含めて国全体を束ねていくかというか、日本をアピールしていくかということが、むしろこれからご苦労があるのではないかと思いますが、是非成功していただきたいと思っております。
 万博というのは、かつては国威発揚的な要素が非常に大きかったと思いますし、そういう中で、万博で人類の新しい文明を切り開いていくというか、提案していくというか、そういうことを通じて国威発揚していくというのが、スタート時点の19世紀の中ごろのことでありまして、万博からいろんなものが巣立って行っているんですよね。
 例えば、オリンピックというのは人体の万博なんですよね。万博を開催する地域が当初オリンピックをやっていたんです。第1回のオリンピックはアテネで月桂冠を渡しておりますけれども、第2回以降は金メダル銀メダル銅メダルということなんですが、これは万博の出展作品の優れたものに金銀銅メダルとしていたもんですから、オリンピックも同じように金銀銅にしたという経緯があったわけです。
ディズニーランドはニューヨーク万博のメイン会場そのものなんです。
 あるときは電気の時代ということでエジソンが発明したものが万博のメインテーマになったという時代もあります。
 そういう意味で、日本との関わりで言えば、1900年のパリ万博は夏目漱石も行き、「坂の上の雲」に出てくる人達がみんなパリ万博に行って、ある意味では目を見開かされ、ある意味では日本もいけるぞという自信を持ったということもありますし、幕末では徳川幕府と薩摩藩が競って万博に行っていたとか、万博もどの位置にパビリオンを取るかというのは、列強の争奪戦でありまして、色んなパワーゲームの舞台でもあるし、新しい文明論の舞台でもあります。そんなようなことで、ずっと発展してきているわけなので、愛知万博はいわば環境万博ということで、それまでにない、自然の叡智という新しいコンセプトを出したわけですし、この前の大阪万博は人類の調和と発展というコンセプトを打ち出したわけでありまして、今度はどういうことになるのか楽しみに見ております。ちょっと感想にならないかもしれませんけれども、そのあたりが大事だと思っております。

記者

 3点伺います。
 1点目が、昨日、法案が衆議院を通過した外国人材の受け入れ拡大についての受け止め方と、今後、法案として通った時に県としてどういう風に活用していきたいのか。
 2点目が、先週から焼岳が活発に動いていますが、県として対策をどのように打っていくか。
 3点目が、豚コレラがかなりの地域に広がっていますが、具体的な今後の方針・対策について、現時点のものを教えていただければと思います。

知事

 まず外国人労働者の受け入れの問題ですが、岐阜県という立場でいくと、9月の有効求人倍率が2.02と全国4位で、かつ、ここ4か月連続で2を超えているということで、人手不足が大変深刻な状況にあります。
 外国人労働者の受け入れというのは、この問題に対する全てではないが一つの対応策でもありますし、もともと岐阜県は製造業の比率が高いので、かねてから日系ブラジル人とかフィリピン人などの在留者も多いわけでありまして、すでに私も着任以来ずっと一貫して多文化共生ということに力を入れてきているので、岐阜県におられる外国人の方々を、外国籍の岐阜県民というふうに位置付けて、岐阜県民に対する様々な行政サービスとか、いろいろな手立てを講じてきたつもりであります。
 そういう流れの中で、今回、国全体としても外国人労働者の受け入れという方向にかじを切ろうとされているわけでありまして、そうなればなるほど、まずは具体的な制度設計についても様々な議論がありますし、その辺りをよく見極めていく必要があります。例えば14業種と言っていますが、業種ごとに具体的な分野を指定するという話もありますし、それやこれや、丁寧な制度設計とか必要な支援措置を、国には目配り手配りをしていただきたいと思っております。我々もこれまでの多文化共生政策の延長線上で、受け入れ環境の整備に、さらに配慮していく必要があるだろうというふうに思っております。
 それから外国人技能実習生も、受け入れ人数では岐阜県は全国第6位なんですね。これもまた非常に多いわけであります。
 一方で、労働関連法の法規違反とかいろいろと労働環境についての議論もありますので、こういった面での目配りもさらに丁寧にやっていく必要があるのではないかと思っております。
 焼岳は、今のところ噴火警戒レベルが1ということですので、まずは情報を入手ということで、気象庁、あるいは有識者との意見交換とか、いろんな意味でいざというときに、警戒レベルが上がった時に迅速に対応できるように、情報面ではきちっと目配りしていこうと。
 それから注意喚起はやるべきだということで、高山市、長野県、松本市とも連携して、登山口などにおいて、仮設の看板を設置しましたし、それから県及び高山市のホームページにおいても注意喚起をしています。
 ただ、震度1以上の地震が42回、たとえば奥飛騨温泉郷で発生していますが、火山活動の活発化を示す兆候はまだ認められないということで、依然として噴火警戒レベルは1だということなもんですから、注意喚起もし、十分情報に目配りしながらやっていこうということで、まだ入山規制とかもう一段上の措置には至らないと思っています。
 ただ地元に聞きますと、若干、宿泊者のキャンセルも出始めているようで、そういう意味で風評被害を防ぐためのしっかりとした情報提供も併せて考えたいと思っています。
 豚コレラについては、先般、農水副大臣が来られまして、2つ目の農場の例について、非常に遺憾の意を表されまして、国、県、市でさらに連携を密にして、しっかりと対策していこうということで、岐阜市のほうでも検証チームを立ち上げておりますし、我々もすでに検証チームを立ち上げておりますので、これまでの経緯とか実態についての精査はきちんとやっていこうということであります。
 また、考え方として、これまで集中発生していたのは椿洞と大洞、それに飛び地になりましたが可児で木曽川超えが1件あったということで、それぞれ中心となるところから10キロの円を描いて、その中心部分については徹底的な罠をかけ、周辺部分については10キロ圏のところで罠をかけながら徐々に内側に追っていくということで対処しています。周辺にかけた罠ではすべて陰性なものですから、やっぱり中心部分で次々出てきているということで、現在、約450頭ほど捕獲して、陽性は59頭ですか。私どもとしてはこのやり方でずっと追い詰めていくというか、縮めていくということで、警戒区域については、猟についても自粛していただいているということで、このやり方でやっていきます。
 そういう中でさらに今回の可児市のように、飛び地的に広がっていくことについては何とか防ぎたいということでやってきているわけです。飛び地的に広がってくると、警戒区域がどんどんどんどん広がっていくので、なんとかそれは防ぎたいということであります。
 先般副大臣から、国としても何でもお手伝いするからなんでも言ってくださいという話があった時に申し上げたのですが、農場の防疫対策については、いろんな手法が確立しているわけですが、野生のイノシシについて、陽性のイノシシを取りきるためにどのようにやっていったらいいか。我々もそういう意味では、中核となる部分での徹底的な罠かけと、それから半径10キロという円を徐々に絞っていって、周辺に広がっていないかどうかをチェックしながら追い込んでいくという、こういう手法でやっているんですが、国としてもぜひ野生のイノシシに対する対処の仕方についてしっかりと議論をしていただいて、指針ができるといいのではないかという話を申し上げましたら、それはまた検討しましょうとおっしゃっていました。
 それが現状で、手法はそんなところでやってきていますが、私どもが心配しておりますのは、2つの円で行こうとしていたものが3つになり、2つの中の片方でもう1回農場で手戻りがあったということなものですから、こういうことのないように、今の輪の中で行けばと思います。しかし、広がる恐れがある場合は、いち早く輪を広げて、さらに迅速に新しい輪の中で追い込んでいくということをやっていきたいと。そのためにも、岐阜市との連携ですね、9月以来、現場ベースではいろいろとやり取りしていたようなのですが、これも検証チームの検証によりますが、もっともっとこの問題の深刻さというか難しさを考えますと、上のレベルでの連携を深めると。幸いこのところ私どもの対策本部に岐阜市の市長なり部長さんたちも来ていただいて、一緒に、共通認識の下で進めていくというやり方になっていますので、こういう連携が大事だと思っています。

記者

 道の駅のホテルの話に戻りますが、4か所の選定の理由について、例えば、県として宿泊需要に応えるのに課題があるような、大型のホテルがない場所とか、そういうような意図をもって選んでいるのでしょうか。

知事

 まず道の駅の隣接地にそういうホテルを建てるスペースがあるかどうかと。
 そういう土地のスペースの問題と、それから道の駅は各自治体がやっておられますから、それぞれの自治体が受け入れる用意があるかどうかとか、それから、立地に絡んでいろんな法規制がどの程度あるかとかですね。
 そういう類いのベーシックなことと、観光戦略上ですね、まずそこの道の駅に泊まること自体の意義と、そこを拠点として観光客が動いていくにあたっての意義とかですね、そういう意義のある所をずっと考えていって、いくつかご紹介をして、積水さんも見て回られて、かつ自治体とも意見交換もされて、そういう中で絞られていったというか、それでこれでおしまいというわけではないですが、まず取り掛かりとしてスムーズにいくところ、わかりやすいところが選ばれたということで、まだまだ私どもとしては、このプロジェクトがうまくいけば、県内の自治体が我も我もと手を挙げてくるのではないかと思いますし、現にインバウンドの宿泊需要がいっぱいあるわけですから、私どもとしてはさらに広げたいという思いではおります。

記者  2点お尋ねします。
 まず、インバウンドのお話がありますが、京都などでは、外国人観光客が増えたことで市民生活に影響が出てきている、オーバーツーリズムの問題が出てきています。県内でも高山市でそのような気配があるようですが、知事として、今後外国人観光客が増えていくにあたっての対策をどのようにお考えなのかお聞かせください。
 2点目は、国会のほうで議論されている水道法の改正ですが、水道自体は市町村の運営ではありますが、県民の財産、命を守る知事のお立場として、改正に関して、民営化に関して、是非も含めてお考えを聞かせてください。
知事

 インバウンドはこのぐらいがいいんだとかここで線を引くんだとか、そういうのはたぶん現実的には難しいと思いますし、そういうことをやっているのは世界中あんまりないと思います。
 私もこの前京都に行ってきましたが、いろんな声がありますよね。かつ京都というところは地域ごとにいろんな歴史を抱えていますから、それこそ平安京時代からのいろんな歴史が、地域がある中で、そういう歴史とインバウンドとかですね、民泊とかですね、そういうものとの兼ね合いについてかなり議論が始まったところという感じではありますが、そういう意味でやはり大事なのは地元の自治体がどういうふうに観光政策として打ち出していくかということだと思います。
 ただ増えればいいということではないと思いますので、地域の魅力をアピールしてお客さんに来てもらうことが逆に魅力の低下につながっては意味がないものですから。それから、そこに生活者がいるわけですから、生活が乱されたうえでのインバウンドということでは本末転倒なので、そこは地域との対話を密にしながらやっていく必要があるのではないかと思っています。
 そういう意味で、民泊法というのが施行されて、すでにいくつかのケースが出てきていますが、岐阜県でどんな民泊ケースが出てきて、どんな状態になるかというのは非常に関心があって、昨日も審議会をやりましたが、その中での議論では、民泊法の運用について、県も市町村も非常に丁寧に目配りをして混乱がないようにやっているし、出てくる方も法にのっとってきちんとした手順を踏んでいるということで、何ら混乱・トラブルは起きていないという報告がありました。
 いずれにしても一つ一つの宿泊施設と一つ一つの地域にかかわることで、そういうものが積みあがっていくと、地域全体の大きな問題になっていくので、個々の早い段階で問題があればきちんと解決していくという細かい目配りも大事ではないかなと思っております。
 それから、水道法は、今回の改正は広域連携とか官民連携とかを旗印にして、とりわけ、厚生労働大臣等の許可を得て、運営権を民間事業者に設定できるという、いろいろ議論は行われていますが、私どもは既に去年の11月から、県内全市町村の水道担当課長等を構成員とした岐阜県水道事業広域連携研究会というのを立ち上げておりまして、広域連携の可能性などいろいろと検討を行ってきているところです。
 そういう意味で意見交換、意志疎通はよくしているつもりですが、そういう中で、今回の法律にあるように運営権を民間事業者に渡そうと、渡してもいいんじゃないかと考えている自治体は県内には今のところないと。それから逆に、そういうふうに制度が変わるんであればやってみたいということで手を挙げる事業者も全くいないという状況なので、私どもとしては法改正がどういうふうにどういう議論で進んでいくか、また法律のみならず政省令も含めて、どういう制度設計になるか、丁寧に見ていきたいと思っていますが、こと岐阜県についていえば、現状で特に何か問題があるという意識はありませんので、このまま行けば、まずは、そのまま行くのではないかと。ただ、民間の運営ノウハウといいますか、民間活力を活用することが、より改善につながるというような部分があるかどうかをきちんと議論して、その時点での結論に従ってやったらいいと思いますが、今のところは静観という状況ですかね。

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