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地方財政の充実・強化を求める意見書

記事ID:0341158 2016年6月30日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 地方自治体は、子育て支援、医療・介護等の社会保障、被災地の復興、環境対策、地域公共交通の維持など、果たす役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版総合戦略に掲げる取組の推進など、新たな政策課題に直面しており、それを支える地方財政の確立を目指す必要がある。
 しかし、国においては、平成32年度の国・地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を図るという財政健全化目標を達成するため、社会保障や地方財政などで歳出削減に向けた動きを進めており、近年の地方財政計画を見ると、子育てや高齢化、雇用や防災などの行政需要や、国の制度に基づく社会保障関係経費の増大にもかかわらず、歳出総額の伸びは抑制されている。
 本来、地方財政計画は、地方で必要な公共サービスを提供するための財源を確保するために立てられるものであり、財政健全化目標を達成するために、不可欠な公共サービスが削減されることになれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済を疲弊させることになる。
 よって、国におかれては、住民と地域の安心・安全を支えている地方自治体がその使命を果たせるよう、次の事項の実現を強く求め、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

1 地方が責任を持って、子育て支援、社会保障、被災地の復興、環境対策、地域公共交通対策、人口減少対策など、地方の実情に沿った、きめ細やかな行政サービスを十分に担えるように地方単独事業を含め、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。

 

2 子ども・子育て支援新制度、地域医療構想の推進、地域包括ケアシステム、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズに対応し、及びこれに係る人材を確保するため、社会保障関係の財源を確保するとともに、地方財政への措置を的確に行うこと。

 

3 地方創生の実現に向けては、息の長い取組みを推進する必要があることから、地方財政計画に計上されている「まち・ひと・しごと創生事業費」について拡充を図るとともに、歳出特別枠については、地方自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、来年度以降も実質的に現行水準を確保すること。

 

4 今年度から導入された、地方交付税の算定において、民間委託等を積極的に進める自治体が達成した経費水準を単位費用に反映するトップランナー方式は、今後、単位費用に計上されている全ての業務について、導入の検討が進められる予定であるが、地方の行政コストの差は、人口や地理的条件など歳出削減努力以外の要素によるところが大きく、トップランナーだけを捉えた一律の行政コスト比較にはなじまないことから、更なるトップランナー方式の導入は、慎重に検討すること。また、平成27年度の国勢調査の結果を踏まえ、人口が急減し、又は急増する地方自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税の算定の在り方を検討すること。

 

平成28年6月30日

岐阜県議会議長

(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、復興大臣、内閣府特命担当大臣(地方創生)