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知事記者会見(令和元年8月27日)

記事ID:0022438 2019年8月29日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

令和元年8月27日(火曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。
 知事、お願いいたします。

知事

 お手元に2つ資料を配布しております。
 1つは、9月10日(火曜日)から15日(日曜日)まで6日間、オーストラリアを訪問いたします。オーストラリアは、知事としては初めてなのですが、アジアからヨーロッパ、アメリカと海外戦略を展開していく中で、今回のオーストラリアは、昨年、牛肉の輸入を解禁しました。そこで、岐阜県からオーストラリアに対して、飛騨牛を輸出していこうということですが、オーストラリアの牛肉の輸入解禁に伴ってキャンペーンをやるのは、日本の地方自治体として、岐阜県が最初ということでございまして、積極的に進めていこうと思っております。
 いろいろと統計を見てみますと、オーストラリアの方々は、日本を訪れた際の1人当たりの観光消費額が最も高い国ということでございます。アジア各国からの観光客の倍くらい消費しておられるということですから、日本への関心が高まっているこの機会に、トップセールスということで、「清流の国ぎふ」の観光・食・モノを一体でPRしていこうということです。飛騨牛の輸出促進と、オーストラリアからの誘客促進ということで、全体として岐阜ブランドの認知度を高めていきたいということでございます。
 まずメルボルンに行きますが、ここは、オーストラリアを代表する美食の街ということで知られておりまして、昨年8月から飛騨牛が少しずつ入っております。そうしたベースを踏まえて、オーストラリア最大級の有名料理学校におきまして、シェフを目指す生徒を対象に飛騨牛の料理教室を実施していただくということであります。
 それから、現地で飛騨牛を評価して扱っていただいております大手の食肉卸売業者と飛騨牛のPRに関する覚書を締結しまして、飛騨牛のアピールに、協力してもらおうということで販路拡大をしていくということでございます。
 それから、オーストラリアで最も多くの飛騨牛を取り扱う高級レストランにおきまして、「飛騨牛海外推奨店」の認定式も行わせていただくということであります。
 次に首都キャンベラに参りますが、マッケンジー農業大臣とも面談いたしまして、飛騨牛のPR、それから今回、シドニーで鮎のキャンペーンもやりますので、そういった岐阜県の農畜水産物の振興策について、いろいろと意見交換をしたいと思っております。
 実は、キャンベラの駐オーストラリア日本大使が高橋礼一郎(たかはしれいいちろう)さんとおっしゃるのですが、この方の料理長といいますか、大使の公邸の料理人をやっておられるのが、高見(たかみ)さんという岐阜市の方です。昨年まで、岐阜市で料亭を営んでおられた方が、海外で自分の腕を試してみたいということで、積極的にこの大使公邸の料理人ということでオーストラリアに行っておられるものですから、この際お会いして、いろいろと現地での食事情を聴きながら、激励もしてきたいと思っております。また、大使の公邸で、積極的に今後とも飛騨牛のPRをしてもらおうと思っております。高橋大使はかつて、私がニューヨークでキャンペーンをやった時のニューヨークの総領事の方で、ニューヨークでも随分お世話になった方ですから、岐阜県のことは十分承知していただいていると思っております。
 最後はシドニーに参りますが、こちらでは、現地の旅行会社とか、現地メディアの方々を対象に、岐阜県プロモーションを初めて開催するということです。例えば、観光セミナーということで、オーストラリアを代表する情報誌の代表取締役とか、編集者とか、これらの方々は、既に岐阜県においでいただいているわけでありますが、そういう方々にお越しいただいて、トークセッションという格好で岐阜県の魅力をPRしていただこうということです。
 第二部は、バイヤー、百貨店、レストラン関係者等々をお招きして、レセプションを開催し、岐阜県の食を味わっていただくということでございます。また、観光とういう意味では、中山道のサイクリング、ウォーキングでありますとか、それから地歌舞伎の皆さんも中津川から公演に来てくれますので、そのミニ公演をやります。それから美濃和紙を、オーストラリア在住の芸術家が大変高く評価して、いろいろと創作をやっておられるということで、そういった方々にも参加をしていただくとか、いろいろと体験メニューも取り入れながら、レセプションでアピールをしていこうということでございます。
 それから、岐阜の鮎が、タイでありますとか、シンガポールでありますとか、香港でありますとか、これまで非常に受け入れられてきておりますものですから、一定量の鮎を輸入して、それをメインディッシュとして提供されるレストランを「岐阜鮎海外推奨店」として、新たに制度化しようということで、シドニーで最も有名な日本食レストランを、その第1号店とする認定式を現地で予定しております。これまで、オーストラリアには、日本産鮎の輸出実績が全くありませんので、今回の岐阜県産鮎が最初の日本からの鮎の輸出ということになるわけでございます。
 それから、メルボルンに続いて「飛騨牛海外推奨店」の認定式もやりたいと思っておりますし、現地のインテリア店を訪問しまして、県産品のセレクトショップということで動いていただこうということで意見交換、キャンペーンをやってまいります。
 このようなことを予定しておりまして、5泊6日の旅ということでございます。

 2番目の資料が、大河ドラマ「麒麟がくる」の100日前イベントでございます。
 「麒麟がくる」の撮影は、順調に進んでおりまして、先月、私も東京の砧(きぬた)のスタジオで見てきましたが、来年1月5日(日曜日)の放送開始予定に向けて、9月28日(土曜日)に100日前イベントと称して、ぎふ清流文化プラザでキャンペーンをやりたいと思っております。
 例えば、明智光秀ゆかりの県内8市町、加えて京都府の福知山市、亀岡市、滋賀県の大津市の方々にも、ゆかりの市町ということで参加していただいて、それぞれのPR合戦をやるということで、大きくゆかりの地の連携を図っていきたいと思っております。
 東京大学の本郷先生にも、この明智光秀に絡んだ講演会をお願いしたり、それから土産物の新たな開発を今、積極的にやっておりますが、その進捗状況ですとか、開発したものから選りすぐったものについてのご紹介ですとか、そういったことで「麒麟がくる」の応援をしていこうということでございます。
 これをきっかけに、改めて戦国武将観光というような、岐阜県のアピールのひとつの切り口にしてきたいと思っております。
 私からは、以上です。

記者

 豚コレラの関係で、前回の会見時に有識者会議の方々が8月にドイツ、リトアニアに行って、現地調査をされるというお話をされていましたが、そこでの成果と、今後の事態の鎮静化に向けて、それをどう生かしていくのかということについて、教えていただけませんか。

知事

 かれこれ豚コレラ問題も1年になろうとしておりまして、発覚したのが去年の9月9日ということで、ほぼ1年ということであります。ご質問にありました欧州での調査ということでありますが、これは、リトアニアとドイツに出向いていただきまして、精力的に意見交換なり、実地調査をしていただきました。実は、今週日曜日(9月1日)に、有識者会議を予定しておりまして、その時までに、ある程度まとめてもらおうと思っておりますので、その時点でレポートとしてはご紹介できると思います。
 印象として一つは、農場のバイオセキュリティといいますか、各農場の防疫措置については、かなりレベルが高いと言いますか、厳しい基準を設定したり、いざ発生した時の様々な人の動きとか、いろんなことにきっちりと制限を課して、それに農家も協力するというようなことが、相当レベルの高いところでできているという印象です。その辺を具体的に整理して我々の参考にしていこうという流れがあると聞いております。
 それから、野生いのしし対策としては、狩猟による捕獲ということを中心にやっておられて、毎年かなりしっかりとした狩猟計画というものを作って、頭数でありますとか、年齢ごとに、どういういのししをどう捕獲するかとか、捕獲した場合のいのししの処理の方法だとか、かなり事細かに具体的な狩猟計画を作って、捕獲し、検査するという体制ができているということで、これらも学ぶべき点があるのではないかと聞いています。
 そういったことを中心に議論やデータ等も整理して、例えば9月補正とか、あるいは、その先の来年度の当初予算に向けて用意すべきこととか、あるいは中長期的に検討しなくてはいけないこととか、内容によっては国に対して、積極的に要望して行くとか、そういうことをやっていこうということであります。
 また丁寧に説明を聞かないといけないと思いますが、いのししを捕獲してワクチンの効果をみているわけですが、現地のドイツの皆さんの意見では、だいたい生まれて4カ月ぐらいのいのししは親の抗体を持って生まれてきているので、その抗体が効いている期間は、ワクチンの投与はあまり関係ないということであります。それから10カ月以上経ちますと、ワクチン以外のルートで感染することも有り得るので、ワクチンによる抗体と、それ以外の感染による抗体を、なかなか見分けにくいということであります。そうすると、生まれて4カ月から10カ月の間のいのししを捕まえるのが一番ワクチンの効果を確かめるのには有効で、どういう年齢のいのししをどう捕まえて、どうチェックしたのかというあたりを、かなり丁寧にやっておられるということでありますので、そういったところのご報告もあるのではないかと思います。そういったことを我々としてはどのように採り入れられるかということも、今度の日曜日の午後ですが、議論をしていただくのではないかと思います。

記者

 9月9日で、感染発覚から1年ということで、改めて、節目ということで、ご所感をお願いします。

知事

 1年間いろいろと悪戦苦闘をしてきたわけでありますが、具体的に進んだこと、うまくいってないこと、等々いろいろありますが、全体としてみますと、岐阜県としては、ほぼ半数の農家が閉鎖し、そしてほぼ半数の豚が殺処分されていなくなったという状態です。かつ、岐阜県から隣県に舞台も展開してきていまして、愛知県から始まって三重県、最近では福井県でも豚舎での感染が確認されました。それから、豚舎の感染はまだありませんが、陽性のいのししが発見されたという意味では、石川、富山、長野ということで岐阜県も入れると7県で陽性の野生のいのししが発見されたということで、じわじわと広がってきているということであります。
 そういう意味では、ここまで、岐阜県の問題、木曽川を挟んだ岐阜・愛知の問題というところから、中部圏全体に広がってきているということで、少しフェーズが広域化したというところで考えていく時期が来たと思っております。そういう中で先般の全国知事会でも、全国いつどこでも起こる問題だということで、全国区の国の危機管理案件であるとの観点から意見も出ております。
 それから先般、農林水産省が特にワクチンの問題を中心に、各県を招集して、政策についてお話がありました。そこでは、今申し上げた7県の他に、西でいうと滋賀県、東でいうと静岡、山梨、新潟、それから、群馬、埼玉といった各県の担当者を呼んで、例えば、いのししに対する経口ワクチンについては、日本の縦に防御線を引くというか、福井から滋賀、三重といった西の太い帯と、それから新潟、群馬、埼玉、静岡、山梨といった東の太い帯を防御線として経口ワクチン対策ということで、いのしし対策をしっかりやっていくという話がありました。それから豚へのワクチンについても検討しようという話もありました。そういう広域化した中で、更にいろんな検討がなされているという段階にきておりまして、そういう意味では拡大傾向に歯止めがかかっていないということで、大変残念かつ憂慮しているわけです。
 各県とも連絡をとりながら、意見交換しながらやってきておりますし、これまで私ども岐阜県だけをとってみても、国、他県の方々、県内市町村、自衛隊、獣医師会、JA、建設業協会等々、県の職員も含めて、延べ約2万7千人の方々が、この作業に協力していただいております。そういう意味では、地域を挙げて取り組んでいただいている中で、全力を尽くしてきた結果ということでありまして、これまでの野生いのしし対策をどう評価するか、それから、各豚舎の衛生管理基準の底上げをどうするかとか、今回の欧州でのいろんな調査の結果をどう採り入れていくかとか、農林水産省が検討しておられる豚へのワクチンをどう考えていくかとか、いろいろと課題があるわけでありまして、ある意味では、終息は見えない状態でありますが、一つひとつ間違いのない手を打っていきたいと思います。引き続き、油断なく汗をかいていきたいという思いです。同時に、これまで多くの方々に大変なご支援をいただいたことに対しては、心から感謝を申し上げたいと思っております。

記者

 有識者会議について、欧州での調査の結果をお伝えするのとは別に、開催のメインのテーマを教えてください。

知事

 現状について、有識者の意見をいろいろと伺う必要があるということで、一つは欧州の調査がありますし、それから農林水産省が予防的ワクチン接種の検討を開始したということ、そして、いくつかの県を招集していろいろと議論をされたということ、それからアンケート調査も行ったというようなことで、そのあたりの状況のご説明をしながら意見を伺っていくということです。
 そこで何か決定的なものを決めるということではないですが、一つのプロセスの中で、節目節目で意見を伺っていくということです。これまでもそうですが、なかなか、パッとコンセンサスができて、こうやればうまくいくということではありませんので、いろいろな角度からいろいろな意見をいただきながら、柔軟に策を考えていくというプロセスとして位置付けています。

記者

 豚へのワクチン接種を行った場合に、豚の流通を制限する方策が何か必要なのではないかという投げかけのようなものが、農林水産省から各県にあると思いますが、なかなか岐阜県単独では制限しづらいという中で、これまでに他県と議論する場を設けたことはあったのでしょうか。

知事

 正式な協議体みたいなものを作っているわけではありませんが、折に触れていろいろなレベルで意見交換はしていますし、特に今回、農林水産省からまさにそのテーマのアンケートもありましたので、各県の考えを聞いたりなどのやり取りはしています。
 総じて各県とも、やはり防疫問題というのは国の責任と負担においてきっちりと対応すべきものということです。国として例えば、今おっしゃったようなトレーサビリティをどういうやり方でするのかとか、特に国際的に一部清浄国として残していこうとするならどういうことがなされないといけないのかとか、そういうルールのところはきちんと国が情報提供をし、考え方を整理していただく必要があるのではないかという意見が共通のものとしてあります。

記者

 農林水産省のアンケートに対して、岐阜県としては、地域限定のワクチン接種についてどういう立場でのご返答をされたのでしょうか。

知事

 まずは岐阜県の農家の代表の方に集まっていただいて、意見を聴取しました。岐阜県の場合でいいますと、全ての農家のいわば総意ということで、ぜひワクチンの接種をやってもらいたいということがありまして、それをやっていくうえで、トレーサビリティの問題とか、いろいろとルール化されていく中で、何とか岐阜県としてもそれに適応して、何とかワクチンを打つという方向でもっていきたいというのが皆さんの要望です。
 その際に、実際の取引の実態などを考えたときに、一つの県の中だけで全て処理をするというのは現実的に難しいのではないかということがあります。例えば、レンダリングというかミンチにする処理を、他県にお願いしている場合には、そことの連携が要りますから、例えば東海3県とか、あるいは中部圏とか、一つの県ではなくて圏域を広げて連携をとって、そのエリアの中で処理をするとすれば、そのエリアはワクチンを接種し対応しているエリアで、その外は清浄地域だということになるのではないかということです。そのように、一部清浄国というときに、県単位ですべて始末しなければならないということではないのではないかという考え方です。それで国際ルール(OIE)は一体どうなっているのかとか、今、一部清浄国ということでやっている国もあるわけなので、そういうところはどういうふうにやっているのかといった意見が県内農家にありましたので、私どもも、そのことは農林水産省にはアンケートの中で強く申し上げております。
 中部の他県でも、例えば、と畜とレンダリングは隣の県に任せてやっているというところもあって、そうなると隣の県と一緒に、ペアで一定のルールに従って処理をしていくという体制を組まざるを得ないということで、広域的なやり方というものをどういうルールの下で、どこまで広域的にやっていくのかということを、国として、国際ルールもありますし、それから一部清浄国で既にやっているところの実態もありますし、そういうことも踏まえて情報提供してもらいたいと申し上げております。そのうえで、どこまでやれるかということを判断していこうではないかということです。
 基本的な気持ちとしては、広域的なアプローチでなんとかルールに則ってできないかというのが各農家さんのご要望ですから、それを忠実に岐阜県の意見ということでお出しをしたということです。

司会

 他にはよろしいでしょうか。それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

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