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平成24年度調査事業報告「発見いっぱい!今年の遺跡」

発掘調査

東野遺跡

  • 所在地:加茂郡坂祝町黒岩・大針
  • 主な時代:縄文・弥生・古墳・古代・中世・近世

東野遺跡発掘区近景写真東野遺跡は、加茂野台地の東端、木曽川によって形成された河岸段丘上にあります。平成15,16年度の発掘調査では、縄文時代中期の竪穴建物跡、古墳時代の竪穴建物跡や掘立柱建物跡、古代の土器棺墓などを確認しました。また、縄文土器、土師器、須恵器などの土器類や、石器、鉄製品が出土しました。特に、竪穴建物跡と県内最大級の掘立柱建物跡が共存していた古墳時代前期は、周辺地域の中でも規模の大きい集落であったことが判明しています。
今年度は、遺跡南端部2,564m2の調査を行い、竪穴建物跡28軒、掘立柱建物跡6棟、方形周溝墓3基など、縄文時代から近世の遺構を2,240基検出し、遺物約10,000点を確認しました。竪穴建物跡は、縄文時代中期2軒、弥生時代7軒、古墳時代前期11軒、後期3軒、古代2軒、時期不明3軒です。掘立柱建物跡は梁行2間桁行5間(約4m50cm、9m)、梁行3間桁行5間(約4m50cm、7m)の大型のものや、庇(ひさし)をもつ可能性のものなどを確認しました。柱穴出土遺物から、古墳時代前期の遺構と考えられます。方形周溝墓は弥生時代後期のもので、東野遺跡では初めて検出されました。これらの成果から、当遺跡は断続的ではありますが居住域として利用され、弥生時代後期は墓域としても機能していたことが判明しました。

  • 事業者:国土交通省中部地方整備局多治見砂防国道事務所
  • 事業名:平成24年度一般国道21号坂祝バイパスに伴う埋蔵文化財発掘調査

整理作業

荒尾南遺跡

  • 所在地:大垣市荒尾町・桧町
  • 主な時代:弥生時代前期〜古墳時代前期

荒尾南遺跡B地区出土金属製品荒尾南遺跡は主に弥生時代から古墳時代にかけての集落域と墓域です。今年度は出土遺物の接合作業、復元作業、実測作業、実測図トレース作業、報告書編集作業等を実施しました。
A地区で、弥生時代中期の周溝墓の配置状況が時期によって異なること、中世の土地の地割りをほぼ踏襲した水田跡が近世から近代にかけて営まれたことなどを確認しました。B地区で、弥生時代前期から中期の墓域や、弥生時代後期〜古墳時代前期の集落域などを確認しました。弥生時代前期の溝から出土した土器片を接合したところ、高さ70cmを超える大型の壺に復元できました。また、弥生時代後期から古墳時代前期の溝から出土した木製の桶蓋未製品でコンパス状工具による円形のケビキ線を確認しました。C地区で、弥生時代から古墳時代前期の方形周溝墓群を地区全体に、弥生時代末から古墳時代初頭頃の集落跡を一部に確認しました。また、古代から中世と思われる水田遺構を検出し、河川跡や大溝からは、縄文時代晩期から古墳時代前期の大量の遺物が出土しました。木製品や石製品の加工を行っていたことを示す多くの遺物が出土したことからも、集落として利用された場所は限られていますが、多様な生産活動が行われていたことが考えられます。

  • 事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
  • 事業名:平成24年度東海環状自動車道(養老JCT〜大垣西IC)に伴う埋蔵文化財発掘調査

岩田西遺跡

  • 所在地:岐阜市岩田西
  • 主な時代:古墳・中世

岩田西遺跡自然流路出土須恵器岩田西遺跡は古墳時代後期から近世までの複合遺跡です。今年度は遺物図版作成、遺構図版作成などの整理作業を行い、報告書を刊行しました。
古墳時代の溝跡は居住域を区画しており、溝跡付近には焼土が残ります。集石遺構には故意に割った7世紀後葉の須恵器が散らばり祭祀を行っていることが分かりました。また、自然流路には7世紀後葉の須恵器の蓋・平瓶・提瓶が埋納されていました。飛鳥時代の平瓦、須恵器火舎香炉蓋、緑釉陶器1点も出土しています。中世の水田跡からは双魚文のある青磁鉢、赤一色の漆器、擬漢式鏡、刀装具、銅錘、銅鈴等が出土し、遺跡調査区西に字名に残る中世城館跡があったことを裏付ける調査結果となりました。水田跡の畦畔は明治時代の字絵図と一致しており、室町時代から同じ区画を使用していたといえます。

  • 事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
  • 事業名:平成24年度156号岐阜東バイパス建設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

与島B地点遺跡・与島C地点遺跡

  • 所在地:高山市上切町
  • 主な時代:古墳〜古代

与島C地点遺跡出土鉄鉢形須恵器与島B地点遺跡は、古墳時代から古代にかけての集落跡です。今年度は、遺物図版作成などの整理作業を行い、報告書を刊行しました。
出土遺物では飛騨地域で初の確認例となる古墳時代結歯式竪櫛により、当地における有力者の存在を示唆する資料を示すことができました。また、櫛は分析の結果、竹製で漆が塗膜されていることが判明しました(考古学コラム「きずな」で詳しく紹介しています)。
与島C地点遺跡は、古代の集落跡です。今年度は、遺物図版作成などの整理作業を行い、報告書を刊行しました。
出土遺物には鉄鉢形の須恵器や、漆付着土器、墨付着土器があり、遺跡の上方に位置する古代の山林寺院(三枝城跡内)との関連性を示すことができました。

  • 事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
  • 事業名:平成24年度中部縦貫自動車道高山清見道路に伴う埋蔵文化財発掘調査

下切遺跡

  • 下切遺跡出土縄文土器所在地:下呂市金山町中切
  • 主な時代:縄文〜近世

下切遺跡は、縄文時代から近世の集落跡です。今年度は、出土遺物の分類・接合・実測、遺構図編集等の整理作業を実施しました。
縄文時代の遺構は、竪穴建物跡が縄文時代前期後半のものであることが判明しました。また、時期が新しくなるにつれて、竪穴建物跡は調査区の北側に立地することを確認しました。古代の遺構では、竪穴建物跡の時期が8世紀後半〜9世紀前半に限られることを確認しました。遺跡付近に推定される東山道飛騨支路との関連性が注目されます。

  • 事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
  • 事業名:平成24年度国道41号下原改良に伴う埋蔵文化財発掘調査

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