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知事記者会見(平成22年12月21日)

記事ID:0007744 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成22年12月21日(火曜日)午後3時

知事

私の方から3点申し上げたいと思います。

最初に、資料はお配りしておりませんけれども、先般の議会でもご質問をいただいたように、このところ鳥獣被害の問題が大変県内で多く取り上げられておりますので、この鳥獣被害の問題について、いろんな角度から県庁全体として対策を検討したいということでございます。現状についての様々な情報の共有もございますし、県民の皆さん、市町村、それから農林業の関係団体等からもいろいろと御要望もいただいておりますので、捕獲推進の観点から狩猟規制の緩和の問題でありますとか、あるいは間伐等の里山保全対策でありますとか、その他専門的な見地からの地域住民の方々との一体的な対策でありますとか、そんなことを進めていけたらと思っております。環境生活部、農政部、林政部、それから県警本部、それから危機管理部門、そういったところも加えた横断的な本部を設けて、1月中旬頃に第1回の本部を開催いたしまして、情報の共有ということを中心に始めていきたいと、こんなふうに思っております。

このところいろいろなデータを見ましても、急速に被害が増大しておりますので、もう年末にかかりますけれども、そういう意味で急いで取り組んでいきたいと思っております。これは私自身が本部長になって、その他関係部長等で構成する対策本部です。

それから2番目が、お手元に資料をお配りしておりますが、「森林・水資源保全対策研究会」ということでございます。これはまずは研究会の設置からということですが、国内的に見ますといろいろと外国資本による森林の買収案件が出てきております。北海道では最近急増しているということで、必要な条例を制定しようかというような動きもございますし、それから、国のレベルでは自民党の方で議員立法で、森林法の改正とか緊急措置法案とかそんな動きもございます。県内ではまだ特に外国資本による森林売買の動きとかそういうものは具体的には確認されておりませんけれども、森林面積が非常に多い県でございますし、まず関係部署で所有する情報の共有から始めようということでございます。林政課長を中心に、総合企画部、環境生活部、林政部、県土整備部、都市建築部の関係課長クラスで情報収集を行っていくということで、明日22日ですが、第1回の研究会を開催してもらおうということでございます。市町村とも連携しながら、まずはどんな事情にあるかということを見ながら、必要に応じて対策も検討していくと、そういう体制に持っていきたいと思っております。

それから3番目でございますが、これは以前、この記者会見でも御質問がございましたけれども、予算編成過程の透明化ということで、岐阜県についてはあまり捗捗しい点数をいただいておりませんので、私どもとしては、積極的に来年度予算編成の中で透明化に取り組んでいきたいということでございます。お手元に資料をお届けしておりますが、すでに予算書、決算書等々の公開はしておりますけれども、それに加えて12月1日時点での各部局での来年度当初予算の要求資料を公開させていただこうということでございます。

約760事業を公開対象にしておりまして、この対象にならないものもいくつか残っておりますが、どのようなものが残っているかというと、公共事業をはじめ国の予算との連携の中で決まってくるものとか、それから給与等の人件費、これも組合との調整もございますし、それから公債費とか細かな事務経費などは除いておりますけれども、重要な事業は網羅的に出させていただくということでございます。

それから12月に入ってから新たに予算要求が出てきているものもございますので、そういったものは次の機会に、おそらく1月の中頃に、査定作業の途中経過をお出ししたいと思っておりますけども、そういった中でまた追加をしていきたいと、あるいは政府予算の決定に伴って県予算も要求が固まってきたものも、そういったタイミングをみてまたお出しをしたいと思っております。

いずれにしても、出来るだけの公開をしようということでやらせていただいております。

私の方からは以上です。

記者 2点ご質問したいのですが、1つは子ども手当なんですけど、昨日、政府の方で上積み分については全額国庫負担になったということで、地方の負担が少しは減ったと思うのですけども、それについての知事の評価と、今後、扶養控除が廃止になった場合に地方の税収が増えて、更なる地方負担を求められる可能性もあるものですから、そのことについて。もう1点が、愛知県のお話なんですけども、河村市長や大村さん、「中京都」構想と大々的に言われているんですけれど、他方では地域主権に逆行しているというご意見もある中で、それに対しての知事のお考えを、その2点についてお聞かせください。
知事

まず、子ども手当ですが、元々これは民主党がマニフェストに掲げて昨年の総選挙を戦われたということで、そのマニフェストあるいはその後の議論の中で、これは民主党のマニフェストであるから、かつ、国として全国一律に手当の水準を決めるということであるので、これは全額国費でやるということでおっしゃっておられたわけです。いろいろと仕分けをやったり、予算編成をやったりしていくなかで、いろいろなところで財源の問題が出てきて、去年の12月の時点では、今年度予算の中で子ども手当については、それ以前に地方でやっておりました児童手当、あるいはそれに伴う企業の負担、こういったものも含めて対応するということで、これはもう今年1年だという話だったんですが。今回この一連の予算編成の中で、その部分に加えて、追加支給する分について地方から出せと、こういう話でございました。

こういう形で、一方で地域主権を掲げながら、国の仕事と地方の仕事をきちんと整理をして、それぞれに必要な財源、権限を、仕分けていくということとは違う方向で話が進んでいくことについて、知事会としても私自身としても大変危惧の念をもっておったということです。

まず、追加分について、地方の財源を当てにするのはおかしいのではないかという議論と、それから児童手当にしても、本来は去年1年という話をしたのではないかと。こういうやりとりの中での今回一応の結論ということでございますので、児童手当分についてはこのまま残るわけですけれども、新規の上乗せについてはご理解をいただいたということかなと思っております。

それからもうひとつ、いろいろな控除ですか、控除を調整する結果、地方の収入が増えるのではないかと、その部分を財源としてという話がありますが、これは純粋に地方の収入が増えるわけではなく、交付税の算定の時に、要するに収入と財政需要との差額を交付税で埋めていくわけですから、そこでカウントされるという性質のものです。地方が何か追加的に新しい収入を得るという性格のものではなくて、交付税のところで調整されていくものという理解を知事会も私もしております。そういう前提で物事を積み上げていけばいいわけで、地方の財源とされているものを国の施策の財源にちょっと使わせてよという格好で、国と地方の財源が複層化してくることはやはり問題ではないかなと思っております。

それから2番目の点は、まさに今事実上のそれぞれ出馬表明もされて、公約を掲げて論戦をしておられますので、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙の話だと思いますけれども。昨日も最初県庁においでになりたいという話だったのですが、県庁というわけにはいかないので、外でということでああいうことになったんですけれども。片や中京都というんですか、片や東海連合というんですか、いろいろと議論はされておりますけれども、私自身としてはまだまだそれぞれのおっしゃっておられることの中身が必ずしもよく分かりませんし、報道されているものを注意深く眺めております。一時、中京都と大阪都は違うとか同じとかそんな論争もありましたし、まだまだよく分からないことも多いものですから、ちょっと私の立場でこの場で、どうこう言うというのはちょっと控えた方がいいのではないかと思っておりますけれども。興味をもってそれぞれ御主張されることについては見させていただいております。

記者 先ほどの関連になるんですが、中京都、東海のことではなく、減税のことについてですが、名古屋市長の河村さんも、今度愛知県知事選挙に出られる大村さんもいわゆる減税を主張されておられます。当然どうなるか分かりませんけれども、住民の動きとして、そちらの方に、税金が安い方に人の流れがいくというのは十分考えられることだと思いますが、そういった主張を名古屋と愛知がしていることについて、いわゆる減税ということを掲げていることについて、知事はどのように考えてみえるのか、それを教えていただけますか。
知事

愛知、名古屋それぞれの候補者のお立場で、あるいは現職のお立場でいろんなことをおっしゃっておられますけれども、それはそれで注意深く見ておりますけれども。

今私どもはこれから予算編成作業をしていくわけで、来年度予算編成をするうえでどう組んでいくかというときに、御案内のように今年3月にアクションプランといことで、向こう3年間こういう枠組みで、臥薪嘗胆でいこうと打ち出したわけです。言ってみればいろんな事業予算を相当思い切って切り詰めざるを得ない、そうしますと県民サービス水準という面では何がしかの影響が当然あるわけですから、それをどこら辺までのところで食い止めていくかということもありますし、市町村、あるいは県民の皆さんに御理解をいただかないといけないわけです。それから起債許可団体になりましたので、公債費の、新規の県債発行も気楽に増やすわけにはいかない。慎重に後年度の負担、公債費の後年度の流れを見極めなければならない。しかもそういう中で、私どもお出しをしたアクションプランでは、職員の給与カットも視野に入れてお出しをしておりまして、これも人事委員会の勧告を超えて今年度既に賃金カットをさせていただいているわけなので、それやこれや考えますと、予算編成の中でまず減税というものを設定をして、そしてそこから来年度の岐阜県の予算を構築するというのは、私としては、今とても考えられる選択肢にはとてもならないというのが現状であります。おそらく今申し上げましたように、県民サービス、それから新たな県債発行、それから給与のカット等、こういった状況の中で、おそらく岐阜県民の皆さんも、ここでまず減税をやってくれとは多分おっしゃらないのではないかと思いますし、私ども今、とても視野には入って来ないというのが正直なところです。

記者 関連で、もし仮にですけれども、そういった減税が実施された場合に、県への、要は周辺の県への影響といいますか、そういったものについて、何か考えてみえますか。
知事 私どもとしては、まずは岐阜県の財政がどうなっていて、どんなふうに22年度、23年度、24年度、この3年間、苦労して工夫して、そして何とか県民サービスも極力落ちないようにして、しかも積極的な岐阜県のPRとか、あるいは雇用対策とか、積極的な産業振興とか、前向きなパイを大きくするようなこともやっていかなければいけないということで、それだけ余計に、予算というものを県民の皆さんにしっかりと御説明をして、御理解をいただく努力をしなければいけないのではないかと。そういうことになろうかと思います。
記者 リニアの事で、お伺いをしたいんですけれども、先日、中間報告がありまして、ルートがほぼ本決まりになりました。県内に駅を1つ作るという話は今までもずっとされてきましたけれども、今後、まず駅の建設費をJRとどういうふうにするかという話が1つ残っていると思うんですけれども。それについて今後どういう話をJRとされていくのか、県としてどういうスタンスでいかれるのかということが一つ。それから今までですと、東濃地方に駅を1個作るだけで、それを具体的にどこに作るかという、細かい所まで落とし込みがされていない状況だと思うんですけれども。そうなると今までは東濃5市で一枚岩でやれていたものが、諸々、足並みの乱れとか出てくる可能性があると思うんですけれども、その部分、県としてどういうふうに説明していかれるのかというのを、よろしくお願いします。
知事

まず中間報告、中間とりまとめが出まして、これはリニアの実現に向けて、大きな一歩前進であるというふうに思っております。私どもとしては、これによって、さらに早期実現に期待をつないでいるということでございます。

先だって、山田社長以下お出でになりましたけれども、この中間とりまとめを受けて、今後、駅費用の負担方法、その他いろいろな点で、各沿線自治体と積極的に協議をするということも中間とりまとめの内容になっておりますので、こういうことになりましたので、よろしくという御挨拶に来られました。一般的な意見交換をさせていただきましたけれども、おっしゃるように、これからいよいよ具体的に、駅は1つですから、東濃のどこに建設されるのかとか、それからその費用をどうするのかとか、それからある程度見定められてくると、駅へのアクセスのあり方とか、地域振興とか、いろいろなテーマが出てきます。ある部分は岐阜県独自でといいますか、岐阜県としてJRと直接話をすることでもありましょうし、ある部分は全体の枠組みとして、他県とも一緒に、JRと、場合によっては国とも相談しなければいけない部分がございますので、そういった作業がこれから1つ1つ具体的に進んでいくのではないかというふうに思っております。

これまでは、駅については、地元負担という言い方をしておられましたけれども、いろいろと注意深く伺っておりますと、よく相談もしたいというような事もありますし、国の意向もあるでしょうし、他県のいろいろな議論もあるでしょうし。この費用負担の問題につきましては、そういった意味で、岐阜県単独の議論ではありませんので、縦横、よく眺めながら、しかし地元としては、財政状況からしますと、そう易々と大きな負担ができるという状況ではありませんので、これはしっかり腰を据えて議論をしていきたいというふうに思っております。

それから、場所については、おそらく既存のJRの路線とか、それから高速道路網とか、あるいは、そのルートの流れとか、それから地下を走るわけですから、岩盤といいますか、地層だとか、いろいろな要素を総合、勘案しながら、ルートと、それからルート上の駅というものが決まってくると思います。こちらで案を作ってこうなるとかはありませんので、いろいろとJRのお考えも、これから徐々に伺っていくことになるのではないかと思います。おっしゃるように、せっかくこれができて、東濃の発展、ひいては岐阜県全体の発展に繋がるように活かしていかなければならないものですから、私どもとしてはやはりこれまでどおり、足並みを揃えて、東濃は1つということで、このリニア駅を活用した地域振興の研究会も今出来ておりますし、戦略も作っていこうということでありますので、そういった駅をどう生かすかということも含めて、東濃は1つということで、足並みを揃えていきたいと。そのことに十分、意を用いていきたいと、そういうつもりで取り組んでいこうと思っております。

それからまた、私どもとしては、あわせて総合車両所の誘致もお願いをしておりますものですから、こういったことについても、これからどういうふうに判断されるか。新幹線の場合は浜松にありますが、そういう役割も岐阜県としては担いたいというようなことも申し上げておりますので、いろいろな論点について1つ1つ足並みを揃えながら、岐阜県にとっていい形になるように努力をしていきたいと思っております。

記者 愛知県知事選挙とも絡むんですが、長良川河口堰についてなんですが、先日、大村秀章さんが河口堰に行かれて、そこで大村秀章さんが、御自身の公約として、河口堰の試験開放を行うということを、おっしゃいました。当然、他県にも影響する話なので協議を呼びかけていくと、仮に当選したらということですが、この点について知事御自身は、試験開放するということについてどのように考えてみえるのかということを教えていただきたいと思います。
知事

河口堰については、この場でも前に何度か申し上げたこともありますけれども、諫早湾とは違っておりまして、長良川河口堰はある頻度で開けているわけです。全面開放を今年は既に12回、全面開放をしておりますし、その他にもアンダーフローとか、オーバーフローとかいって、上半分下半分を開け閉めしているんですね。

これが年平均60回くらいやっておりますので、微妙に操作をしながら、逆に塩水が遡上して塩害が起こらないようにしながら、いろいろと操作をしてきている中で、併せてフォローアップ委員会というものが国土交通省の方にあって、水質とか、ゲートの操作のあり方とか、いろんなことを議論しておられます。私どもとしてはそういう議論なり操作を眺めながらさらに弾力化といいますか、工夫の余地があるかどうかというようなことを議論してきております。そういう意味でいうと、先だって行われましたフォローアップのまとめとして、アンダーフローの頻度を今よりも倍にするという、そういう話も出てきておりますので、そういう意味でゲート開放の弾力化がどこまで可能かという観点から、私どももフォローをしておりますし、意見も言っていこうというスタンスでおります。

それで大村さんが逆に開門調査というものについて、どういうことを考えておられるのか直接伺っておりませんので、直接お話を伺う時があれば、またその時にお話を伺うことになると思います。私自身は、ゲートの開け方、操作の弾力化という観点から、どこまで可能か、そういう意味では弾力化の方向を先般打ち出していただきましたので、それはフォローしていきたいと思っております。

いずれにしても沿川の方々からは、塩水の遡上によって、既に取水口から上水、農業用水、工業用水を岐阜県も愛知県も三重県もそれぞれ水利権に沿って取っているものですから、そこに塩水が入って塩害が起こっては大変ということを沿川の方々も強くおっしゃっていますので、そこら辺も睨みながら、さきほど申し上げましたような弾力化というような議論を進めていくということじゃないかなと思っております。

記者 知事選の大村さんの主張は別として、いわゆる一般的に言われている試験開放というのは全面開放、いわゆるアンダーフローとかオーバーフローではなくて、完全に全面開放したうえで、堰が事実上ない開放を意味しているんですが、そういった試験について知事は反対だという理解でよろしかったでしょうか。
知事 これは、今、数字は忘れましたが、あの部分では上流から下流への水圧が一定のラインを超えると塩水の遡上がない、ということで開けているわけです。ですから、上流で雨が降って水がたくさん出て流れが強いときには高い頻度で開けています。過去、年によって、6〜7回の時もありますし、今年のように12回開ける年もありますが、その水圧を緩めることができるかできないかというところが弾力化の議論の一環としてあり得ると思っております。今はあるルールで一定になったら開けています。これは絶対塩水が上がってこないラインで、じゃあこれをもう少し弾力化できるかできないかというところは、弾力化の議論としては余地があると思います。いずれにしても塩害が起こっては身も蓋もないものですから、その範囲内でどういう操作が可能かということは、議論したらいいのではないかと思っております。この間のフォローアップの中では、そこまではいかなくて、まずは、アンダーフローの頻度を倍にする、年40〜50回やっているものを倍にするという話でございましたので、それはそれで一歩、弾力化に向けて進んだということかなと思っております。そこら辺のギリギリの知見というものは、やはりよく技術的にといいますか、科学的に検討しなければいけないと思っておりますので、その議論は議論として残っていると思っております。
記者 塩害が起こらない範囲でというのが前提ですか。
知事 そうですね。あそこは、河口堰を造るときに、底を全部浚っているものですから、その時の水圧の状況によって塩水が上がってくる恐れがありますので、そうなると今度は取水口から塩水が流れ込むという、これを沿川の方々が一番心配をしているということなんですね。
記者 逆に塩害が起こらないことが確認されれば試験開放もありだという御認識ですか。
知事

今申し上げたように、弾力化ということで議論の余地はあると思っています。

もう一つ、今度は下流の方で海苔の養殖をなさっている方がおられますが、この方々はこの方々で、淡水がある時期にやってくると、今度は自分たちの仕事にとってマイナスが生じるので、そういう観点から、海苔の養殖の時期と開放の時期と慎重に考えてくれという要望もきておりますし、この辺も考慮の要素になると思っております。