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フジミドリシジミ

フジミドリシジミ Sibatanoizephyrusfujisanus(Matsumura) 準絶滅危惧
  チョウ目シジミチョウ科
選定理由 分布域の一部において個体数が減少しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさは約33mmで雄の翅表には薄い青緑色の金属光沢がある。裏は雌雄とも灰色が基調だが、帯状紋が他のミドリシジミ類と明らかに異なり区別は容易である。
生息環境 一般的に標高1000m前後のブナ林に生息するが、東濃地域ではイヌブナからも卵が確認されている。
生態 年一化性で卵で越冬し、雄成虫は美濃地方山間部で6月下旬から見られ、飛騨地方では7月から羽化する。雌は8月まで見られる。普段成虫は樹上で生活し、夕方に梢上を飛ぶが、早朝には下草に止まっていることがある。時々、北アルプスの山頂などにも風で運ばれ飛来する。
分布状況 日本固有種。北海道から本種、四国、九州まで分布する。県内では、北アルプス山系、白山山系、伊吹山系を中心に分布するが、いずれも山深い原生林である。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 ミドリシジミ類全般の傾向であるが食樹や生息環境が健在でも、徐々に少なくなっている。本種の場合もブナやイヌブナが存在しても、個体数は減少傾向にあると思われる。衰退要因として、産卵に適したブナ低木の減少や温暖化などによる環境変化が考えられるが、実態は不明である。
保全対策 生息地のほとんどは山深いブナの天然林であるため、原生的な自然環境は極力保護し開発は避けるべきである。また、必要に応じ産卵に適した低木を育成する手段なども考えていくべきである。
特記事項  
参考文献  

文責:河合和幸