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鐘楼門[しょうろうもん](願興寺)

分類 重要文化財
指定別
所在地 御嵩町御嵩
所有者 願興寺
指定年月日 昭和52年11月18日

願興寺鐘楼門

 願興寺は天台宗に属し、寺の由緒書によると、桓武天皇の弘仁6年(816)宗祖伝教大師によって創始され、その後、長徳2年(996)2月7日勅命によって七堂伽藍を建立し、名づけて大寺山願興寺と号した。その後、天仁元年(1108)9月18日兵火によって諸堂は焼失したが、本尊はつつがなく移された。正治元年(1199)堂塔再建され旧観に復した。元亀2年(1571)には再度武田勢の兵戦にかかって堂は焼失したが、諸尊像・大般若経の大半は焼失をまぬがれた。
その後、玉置与次郎・市場左衛門の勧進によって天正9年(1581)から慶長・寛永にわたって現在の諸堂が完成されたものと思われる。
鐘楼門は、方約3.5m、方柱四方転びの2階建入母屋造檜皮葺[いりもやづくりひわだぶき]、2階縁廻り周囲に斗束[とつか]付勾欄[こうらん]を設けている。現在は門をかねた鐘楼門となっているが、もとは鐘楼であったことは四方に残る貫穴によって判明する。これは寺の記録とも一致し、享保11年(1726)の火災後現在地に移され、現状のように改造されたものと思われる。この移築によって多少の変更はあったものと思考されるが、旧様を推察することは可能であり、建物も寺伝にいう寛文10年(1670)と一致する。