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東江地区自治連合会

東江地区自治連合会(海津市)へアドバイザーを派遣しました

 東江地区では、少子高齢化、人口減少が進む中、地域活動における担い手不足、行事の参加者減少や縮小化等による地域活動の衰退が懸念されています。そのため、東江地区自治連合会では、地域住民や自治会等の役員を対象に、市民協働の重要性や自治会の必要性、地域課題の解決について、自ら考え解決する意識付けを図ることにより、住みよいまちづくりを推進することを目的とした懇談会を1月21日(火曜日)に開催しました。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この懇談会に講師として、滋賀大学経済学部教授、内閣府地域活性化伝道師・内閣府PFI推進委員会専門委員横山幸司氏を派遣しました。

 当日は、はじめに「時代の変化に対応した地域自治活動のあり方について」と題し、横山教授の講演がありました。
 その後、参加者が地区別のグループに分かれ、各地区での生活の中での困りごと等課題を出し合い、その課題について話し合った後、グループごとの結果発表を行いました。
 最後に横山教授から、グループ発表に対するまとめと講評をいただきました。

主な講演内容

  • なぜ、地域自治・市民自治が必要なのか
    • 背景には、人口減少社会や、国・地方の財政難、行政の肥大化などがある。
    • その中でも最大の問題は、戦後長らく続いてきた既存組織・事業が制度疲労を起こし、現代の地域をめぐる諸課題に対応できていないことにある。
    • 地域自治とは、適切な公、民、協働(公共私)の役割分担により公共領域を担っていくことである。
  • 地域自治・市民自治の課題
    •  地域自治組織(町内会)は公共団体であり、行政、住民の双方が責任をもって運営していく組織である。
    •  町内会をめぐる諸問題として、加入率の低下、担い手不足、役員の固定化のほか、財政問題(不透明な使途、財源不足、予算の偏在等)がある。これらを解決していかないと、今後ますます加入率が低下し、運営が立ちいかなくなる。
  • 間違いだらけのコミュニティ支援施策
    •  コミュニティには地域(地縁)型と目的(テーマ)型の2種類があるが、中間支援組織(市民活動センター等)の支援施策は、目的型(NPO法人等)への施策に偏っている。
    • まずは、コミュニティ支援とは何かをしっかり定義しなしければならない。
    • 財政的支援施策としては、持続可能な自立した活動のための支援、人的支援施策としては、地域住民が育つような人材育成支援が必要である。
  • 地域自治・市民自治の発展のために

コミュニティ支援の手順

  1. 地域診断(地域カルテ)
    • 地域(人口や高齢化等のおもてに出るものだけでない、引きこもり、孤独世帯、交通弱者、自治会のガバナンス等の状況)を把握する。手法として、アンケート調査が有効である。
      (例)近江八幡市安土地区では、16歳以上を対象にまちづくり意識調査を実施
  2. 事業、組織のスクラップ&ビルド
    • 組織や事業の統合、再編、再構築等、廃止も視野に入れた見直し等を行う。
      (例)各団体がバラバラに実施している児童の見守り活動の統合
    • 民間活力の導入も有効
      (例)高齢者の見守りや介護補助用品の補助金申請手続きの生協との連携
    • 住民活動を行う際には、5要素(マーケット、ターゲット、ポジション、パーパス、リテラシー)を考えるとよい。
  3. 適切な中間支援
    • 適切なフォローアップ
      (例)会計処理や各種施策に関する研修等、必要な研修の機会を設けたり、第三者を介入させ有効な指導や助言を受ける。
  4. 適切なモニタリングの実施
    • 絶えず適切な運営をチェックすることが重要

グループ発表の主な内容

  • 課題
    • 女性の声が自治会に反映されていない。
    • 消防の再編が進展しない。
    • 単位自治会活動に終始し、地区間の連携が少ない。
    • 役の引き受け手がいない。
    • 年間行事が毎年同じで変化がない。
    • 子供会活動における子供の減少、行事参加率の低下(特に土日)等
    • 老人会の参加者の固定化、名称への抵抗感
    • 高い高齢化率
  •  意見
    • 自治会等組織の統一によるスリム化、再編を考えてはどうか。
    • 各組織において、年齢構成ごとにリーダー人材の育成が必要ではないか。

まとめ、講評

  • 発表いただいた課題は、どこの地域でも同じであるが、発表の中ですでに変えていくべきという意見が出たことは画期的なことである。
  • 今日をきっかけに、公共私のみなさんが集まり、組織・事業の棚卸を行い、必要なものは何かを考え、再編していかなければならない。
  • 地域だけでは難しいので、行政や社会福祉協議会、あるいは第三者が入り、案を提示し、方向性を明らかにしていくことが大切である。これからも、頑張っていただきたい。

当日は、自治会、社会福祉協議会等の役員や地元住民の方など、31名が参加されました。
参加者からは、自治会運営の改善の必要性、時代の要請についての理解が深まった等の感想をいただきました。
東江地区自治連合会では、今後も今日の講義を参考に、自治会運営をよりよくするための話し合いを続けていくことになりました。

講師の横山教授 グループ討議の様子 発表の様子
講師横山教授 グループ討議の様子 グループ発表の様子