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太子踊

太子踊[たいしおどり]

分類 重要無形民俗文化財
指定別
所在地 飛騨市神岡町吉田
技芸団体 吉田太子踊保存会
指定年月日 昭和52年6月24日

太子踊

 太子踊は、毎年7月24日に飛騨市神岡町吉田の常蓮寺で踊られる踊りである。
常蓮寺は、飛騨における真宗寺院としては、古い歴史をもつ寺である。常蓮寺に秘仏として安置されている聖徳太子像は、太子が父用明天皇の病気平癒祈願として刻まれた自作像で、鎌倉時代に豪族江馬氏の飛騨入りにあたって奉納され、永く信仰されてきたと伝えられる。この像は、寛永3年(1626)故あって、越中の聞名寺[もんみょうじ]へ移された。そのとき焼岳の噴火がおこり、この地方一帯が不作飢饉に見舞われた。住民は太子像が他に移された祟りであると恐れおののき、高山藩主にその奉還を嘆願し、6月24日(旧暦)にその望みがかなえられた。前夜、常蓮寺境内の桜の株に影さし光輝いた。住民は、太子のお帰りの前兆と、喜びいさんで寺へ集まり、手をふり足を踏みならし、あしなか草履の破れるまで、夜を徹し踊りあかした。この日を縁日と定め、今日まで太子踊として伝えている。
太子踊には、三つの音頭と踊りが伝えれている。一つは太子踊とよばれ、地方の盆踊松坂踊とほとんど同じ様式であるが、手を大きく振って、常に肩より高く上げるのが特色である。二つ目は、太子ばやし、別名はんやとも三拍子とも言われ、3歩前進2歩後退しながら輪になって踊る。三つ目は、踊り子が向かいあって輪になり、前進後退を繰り返しながらおどったといわれる踊りであるが、今は踊られていない。
縁日には、聖徳太子像が2回開帳され、寺宝展示、そして夜になると説教、太子踊と繰り広げられる。

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