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木造薬師如来坐像(東光寺)

木造薬師如来坐像[もくぞうやくしにょらいざぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 揖斐郡揖斐川町若松
所有者 東光寺
指定年月日 昭和43年11月11日

木造薬師如来坐像

  • 一木造彫眼素木像
  • 像高:64.0cm台座の高さ:35.0cm

 右手は施無畏印[せむいいん]を結び、左手に薬壺[やっこ]を持ち、蓮台に坐っている。堅木の一木から刻み出した一木彫成像で、内刳[うちぐり]はほどこされていない。像全体が分厚く、量感豊かに、緊張感を持って彫り出されている。
面貌は神秘感がただよい、頭上の螺髪[らほつ]は比較的小さく数が多い。眉・目・唇に墨や朱で彩色をほどこしているがその他は、木膚をそのままに残した素木像である。小像であるが、巨像の風格をもった優れた薬師如来坐像である。
一木彫で彫眼、神秘感があり、量感に富んでいる点、平安時代初期の弘仁仏であると思わせるが、衣文[えもん]は弘仁彫刻に多く見られる翻波線[ほんぱせん]がないこと、また彫りが浅いことから、この像の制作は藤原時代と推定される。
像に破損はないが、台座と光背、薬壺は後補である。