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岐阜県レッドデータブック掲載種の生息状況

 県ではレッドデータブックの二次改訂に向けて、岐阜県レッドデータブック改訂調査委員のメンバーを中心に、県内希少種の生息状況を継続的に調査しています。

 平成26年度の調査の概要は、以下のとおりです。

 

1植物

 絶滅危惧1類47種の生育調査を調査した結果、西濃・中濃・飛騨地域を中心に、希少種の生育を確認しました。そのうち半分程度の種において、新たな生育場所を確認していますが、全体的な増減は不明で、今後の継続的な調査が必要となっています。イガクサとナツエビネについては、従来の生育場所での生育が確認できず、その場所での絶滅の可能性が考えられます。オニバス、サクライソウ、オグラコウホネ、トチカガミ、ハイドジョウツナギ等については、近年、減少が確認されています。

 また、県内の一部の地域では、ミノコバイモやイブキコゴメグサなどについて、シカやイノシシによる食害と踏みつけの影響が懸念されています。

 絶滅危惧2類48種の生育調査を実施した結果、中濃・東濃地域では同じ場所での生育を確認していますが、シデコブシやミヤマツチトリモチ等については、伐採や樹勢の変化による生育環境の悪化が懸念されています。シダ類やタコノアシ等については、新たな生育場所を確認しています。

 準絶滅危惧48種の生育調査を実施した結果、西濃地域を中心に、新たな生育場所を確認しています。フモトミズナラは大部分が枯死したところがあり、コヤマミズについては林下で日照不足ないしは草刈りの影響による減少が見られました。

情報不足3種の生育調査を実施した結果、うちクヌギおよびカワラニンジン2種について、新たな生育場所を確認しました。

オグラコウホネ写真 トチカガミ写真

オグラコウホネ(絶滅危惧1類)(写真:高橋弘)トチカガミ(絶滅危惧1類)(写真:福岡義洋)

 

2哺乳類

 

 レッドデータブック掲載種のうち17種について調査を実施しました。

 絶滅危惧1類の7種絶滅危惧2類の5種、準絶滅危惧1種のコウモリ類については、捕獲・目視調査により多くの種の生息を確認しました。

 また、平成26年6月からの御嶽山の調査では、コテングコウモリ、モリアブラコウモリ、ヒメホオヒゲコウモリ、ヒナコウモリ、ノレンコウモリ、ウサギコウモリの生息を確認しており、環境の変化による今後の動向に注意が必要とされています。

 なお、準絶滅危惧であるカヤネズミについて、生息場所での巣を確認しています。

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モリアブラコウモリ(絶滅危惧1類)(写真:山本輝正)

 

3鳥類

 岐阜県全域でレッドリスト掲載種全41種を中心に繁殖期における生息状況を調査しました。

 絶滅危惧1類の種のうち、ライチョウは乗鞍岳での生息情報を得ています。

 絶滅危惧2類では、西濃地域でクマタカやヒクイナの繁殖を確認しました。また、ミゾゴイやコアジサシの生息を確認しています。

 準絶滅危惧種では、カイツブリやオシドリ、オオタカ、タマシギ等の繁殖を確認できました。

 情報不足の種については、アオバトやオオコノハズクなど、半数以上の種で生息を確認しています。

 ヒクイナ写真オシドリ写真

ヒクイナ(絶滅危惧2類)(写真:大塚之稔)オシドリ(準絶滅危惧)(写真:大塚之稔)

 

4爬虫類

 準絶滅危惧のニホンイシガメ、情報不足のクサガメおよびニホンスッポンの全3種について生息を確認しました。

 なお、県内では、外来種のミシシッピアカミミガメが河川域に多数生息を確認されており、在来種との競合が懸念されています。

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ニホンイシガメ(準絶滅危惧)(写真:矢部隆)

 

5両生類

 絶滅危惧1類のハクバサンショウウオや、絶滅危惧2類のクロサンショウウオ等のサンショウウオについては、生息状況の改善や個体数の増加は確認されませんでした。絶滅危惧1類のカスミサンショウウオにおいては、保護活動の成果が現れていますが、絶滅の危機を脱してはいないと考えられます。

 また、絶滅危惧2類のナゴヤダルマガエルや準絶滅危惧のナガレヒキガエル等のカエルについては、水田環境の変化や繁殖場所である河川上流部の荒廃等、生息環境の悪化が懸念されています。

 今回の調査の結果、両生類全般において、開発や水田等の耕作放棄などによる環境の変化等により、特に平野部では多くの両生類が減少傾向にあることが示唆されました。

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 ハクバサンショウウオ(絶滅危惧1類)(写真:高木雅紀)

 

6魚類・甲殻類

 岐阜・西濃地域の調査を中心に、絶滅危惧1類であるハリヨやウシモツゴ、準絶滅危惧であるヤリタナゴやサツキマス(アマゴ)、ドンコ等の生息を確認しました。

 また、絶滅危惧2類であるカマキリ(アユカケ)と準絶滅危惧のスズキについて、文献調査による生息情報の収集を行いました。

 

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 ウシモツゴ(絶滅危惧1類)(写真:向井貴彦)

 

7昆虫類

 乗鞍岳畳平周辺を中心に調査を行った結果、岐阜県レッドリスト掲載種14種を確認しました。

 また、準絶滅危惧種であるアルプスヤガ、ヤツガタケヤガ、ナカトビヤガ等の他、クモマベニヒカゲおよびベニヒカゲが多く確認されました。

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 アルプスヤガ(準絶滅危惧種)(写真:舩越進太郎)

 

8貝類

 西濃および岐阜地域を中心として、絶滅危惧1類であるオバエボシガイ、クロダアツクチムシオイガイ、絶滅危惧2類のカタハガイ、準絶滅危惧のケハダビロウドマイマイ等の生息を確認しました。

クロダアツクチムシオイガイ写真 ケハダビロウドマイマイ写真

クロダアツクチムシオイガイ(絶滅危惧1類)(写真:西尾和久)ケハダビロウドマイマイ(準絶滅危惧)(写真:西尾和久)

※掲載した写真は県レッドデータブックに使用したものです。(貝類を除く)

※写真の転載は固く禁じます。