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アブラボテ

アブラボテ Tanakialimbata(TemmincketSchlegel) 準絶滅危惧
(環境省:準絶滅危惧) コイ目コイ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 体高は比較的高く、側扁する。一対の口髭を持つ。肩部の斑紋と体側の縦条はない。体は幼魚時から黒ずみ、他種との識別は容易である。産卵期の雄は体側が暗黄緑褐色になる。
生息環境 水のきれいな平野部の中小河川や、本流から引かれた灌漑用水路などに生息する。池や湖などの静水域には普通生息しない。
生態 主にユスリカの幼虫など小型の底生動物を食べる。春から夏にかけて主にマツカサガイに産卵する。孵化後25日程度で体長10mmほどになり、貝から泳ぎ出る。
分布状況 濃尾平野以西の本州、淡路島、四国瀬戸内海側、鹿児島県北西部までの九州に分布する。日本海側では京都府由良川水系と島根県江の川水系に不連続分布する。国外では朝鮮半島に分布する。県内では美濃地方の平野部に分布する。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 水路のコンクリート化や汚濁により母貝の減少とともに激減した。
保全対策 農薬の使用を最小限にする、水質汚濁の改善、河川・水路のコンクリート護岸を避けるなどの産卵母貝の二枚貝が生息できる環境の保全や創出が必要である。生息地におけるブラックバスやブルーギルの駆除なども有効である。
特記事項  
参考文献 長田芳和(2001)アブラボテ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、pp.356-357:山と渓谷社.

文責:千藤克彦

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