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新年あけましておめでとうございます。
本県ではこの2020年をひとつのターゲットとして、かねてより様々な準備を進めてきました。
中でも東京オリンピック・パラリンピックが開催される本年は、国内外から多くの方々が本県を訪れる「観光ビッグイヤー」です。
1月には県内を舞台としたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送開始、7月には「岐阜関ケ原古戦場記念館」のオープン、10月・11月には県出身の杉原千畝氏の生誕120周年、「命のビザ」発給から80周年の記念事業、また、10月には
「ねんりんピック2020岐阜」を開催します。この絶好の機会にこれまでに磨き上げた「清流の国ぎふ」の魅力を国内外に目一杯発信していきます。
もう一つは危機管理です。一昨年の7月豪雨、昨年の大型台風による関東甲信越、東北地方への災害など想定外の災害が常態化しています。今なお続くCSF(豚コレラ)の対応を含め、「明日は我が身」どころか「今日は我が身」の心構えで一つ一つ丁寧に対策を進めていきます。
今年の干支は「新しい時代において、開花、繁栄していくことの始まり」を意味する「庚子(かのえね)」です。これまで磨き上げた成果を昇華させ、新たな局面を迎える「清流の国ぎふ」づくりを推進していきます。
大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公明智光秀の前半生は謎に包まれており、県内にも8市町にゆかりの地があるとされています。
そこで、私も「この際真偽は問わないから、我こそはというところは、皆さん連携して広域的に盛り上げましょう」と声をかけ、8市町が連携して取組みを進めています。
このうち、岐阜・可児・恵那の3市で、この日、一斉に大河ドラマ館がオープンしました。県内だけで3館というのは大変異例であり、私も、岐阜はオープニングセレモニーに出席、その後可児と恵那の視察をしました。
3館それぞれが地域の特色を生かした見せ方、おもてなしをしています。皆さん是非3館足を運んでお楽しみください!
岐阜和傘は400年近い歴史を持つ岐阜を代表する伝統工芸品の一つです。
昭和20年代には年間1000万本以上生産されていましたが、現在は大きく減り、職人の確保や製造する機械、道具の更新など様々な課題を抱えています。こうした中、岐阜和傘産業の再生を図り未来につなげるため、関係する事業者の皆さんが一般社団法人を立ち上げるということで、この日、その設立披露会に出席しました。
私自身、中学生の時に加納の和傘店にインタビューして夏休みの課題レポートを書くなど、子供のころから岐阜和傘は身近な存在でした。今回、発起人となった5人の皆さんから設立に至るまでの切実な経緯を聞き、心意気を感じ、私も何とか応援したいという思いを改めて抱いたところです。
岐阜和傘は今年度認定された「ぎふ女のすぐれもの」6点のうち2点選ばれ、また、羽田空港での地場産品展示販売会でも好評をいただくなど、再び注目されつつあることを大変うれしく思います。
この新たな門出の機会に、さらに多くの方々からの応援と支援の動きが広がっていくことを期待するとともに、県としてもスピード感をもって支援をしていきたいと思います。
地球温暖化は、パリ協定の下、世界的規模で取り組まなければならない重要課題であると同時に、私たち地域レベルでも取り組むべき課題です。今冬の暖かさ、雪不足で改めてその必要性を実感しているところです。
また、平成30年7月豪雨に続き、昨年、関東甲信越・東北地方を中心に甚大な被害をもたらした大型台風など、全国各地で大きな災害が続いております。
これら災害の一因には、地球温暖化をはじめとする気候変動が挙げられ、それによる生活への影響が懸念されており、いわゆる「気候変動への適応」が求められています。
こうした中、この日岐阜大学と「岐阜県気候変動適応センター設置に関する協定」を締結しました。
岐阜大学と連携することで、水害のリスクや降雪量の将来予測、農林業に及ぼす影響などの共同研究を通じた農林業振興、さらには適応に関する人材の育成など、県の地域特性に応じた対策をより一層推進できるものと期待しています。
そしてセンターで得た知見を活かしながら、県として温室効果ガスの排出量削減や気候変動による被害の回避、軽減に取り組んでいきます。
東京オリンピックの開会まで残すところあと半年。
この日、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長はじめ組織委員会の皆様にお招きいただき、選手村に隣接する雑貨店やカフェなどがあるエリア「選手村ビレッジプラザ」の内覧会に出席しました。
本県からは、「B1棟」と呼ばれる約300m2の建物に、県内6市町村とともに県産材を提供しています。
柱には中津川市、下呂市、白川町、東白川村が提供した「東濃桧」、はりには関市と郡上市が提供した「長良杉」が使用され、角材一本一本に提供自治体の名前が、床面の桧合板には「岐阜県」の文字が刻まれていました。
どの建物にも木材がふんだんに使われていて、木の香りがする心地よい空間が広がっています。
また、部屋ごとに香りが微妙に変わってくるのも楽しく、本県をはじめ、木材を提供している全国63自治体の東京オリンピック・パラリンピックへの思いが選手や関係者の皆さんに伝わることを期待しています。