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正傳寺跡

正傳寺跡(しょうでんじあと)

所在地

本巣市上保(もとすしかみのほ)

地図<外部リンク>

時代

近世から近代

発掘状況

正傳寺跡は、船来山古墳群の展開する郡府山の南斜面に設けられた平坦面上に立地します。18世紀後半に創建された臨済宗妙心寺派の寺院で、昭和51年に土砂災害で廃絶しました。
平成28年度に実施した発掘調査では、本堂兼庫裡として使われた礎石建物1棟のほか、石垣・石列など寺院に関わる遺構を検出しました。

本堂兼庫裡(礎石建物)

発掘調査では本堂兼庫裡として利用された礎石建物の基礎部分が見つかり、基壇(周囲より高くなるように土を盛った壇でこの上に建物を建てる)の外装の石積みが残っている場所もありました。この礎石建物は近世から明治に生きた蓑虫山人が「妙法山正傳寺境内糸貫川眺望之図」に描いています。当時の建物は基礎部分から上の様子は、絵図からうかがい知ることができました。
礎石建物
本堂兼庫裡として使われた礎石建物(北西から)
「妙法山正傳寺境内糸貫川眺望之図」に描かれた本堂兼庫裡
「妙法山正傳寺境内糸貫川眺望之図」に描かれた本堂兼庫裡(北西から見た様子)
基壇外装の石積み
基壇外装の石積み(西から)

礎石建物の北西側にはトイレが付属しており、甕が2つ出土しました。このうち、1つの甕の内側には分析によって尿石(リン酸カルシウム)が付着していることが判明し、便器として使われていたことが分かりました。
礎石建物付属トイレ
礎石建物付属トイレ(南から)

また、仏前に供える花生等の仏具の他に七輪(しちりん)、擂鉢(すりばち)、徳利(とっくり)、碗(わん)、皿、灯明皿といった日常の生活に用いた道具も多く出土しました。
出土遺物
出土遺物集合写真

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