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「出土した岐阜の逸品」No.4今宿遺跡人面線刻土器を紹介

【逸品No.4】悪霊退散、人面が描かれた弥生土器

逸品情報

今宿遺跡の人面文が描かれた弥生土器
土器に描かれた人面
土器に描かれた人面(一部推定)

概要

弥生土器(壺)胴径:24cm1mm 底径6cm5mm
人の顔が描かれた弥生時代の壺です。人面文は単なる顔ではなく、悪霊を退散させる意味をもっていたと考えられています。当遺跡の人面文は目に瞳がなく、髪の毛と顔の輪郭は確認できません。また、額から頬に入る線は入れ墨を表現しており、アゴにも入れ墨が入ります。目尻のシワ状の線も入れ墨ですが、左右非対称に描かれています。耳は左右で表現が異なり、左耳には弧線やバチ状の文様が描かれています。左耳を文様で表す例は多く、弥生人が左耳に何らかの意味を見出していたと考えられます。
人面が描かれた土器は九州から関東地方の各地で出土していますが、人面文の描き方がパターン化しており、地域による特色があります。入れ墨が描かれ、瞳と髪がないのは全国共通ですが、瀬戸内海沿岸では顔の輪郭があり、アゴの入れ墨がなく、関東地方では顔の輪郭がなく、アゴの入れ墨があります。愛知と岐阜を含む伊勢湾沿岸では、両方の人面文が出土しています。

出土遺跡

今宿遺跡(大垣市今宿・加賀野)
弥生時代後期から古墳時代前期にかけての集落跡と水田跡、また、鎌倉時代、江戸時代から明治時代にかけての水田跡が見つかり、弥生土器や土師器などを中心に、多くの遺物が出土しました。遺物の中には、線刻土器や手焙形土器、羽を表現した彩色のほどこされた鳥形木製品など、弥生時代から古墳時代のお祀りに関わると考えられる道具があります。また、古墳時代前期の水田からは、大量の人の足跡が見つかりました。

出土状況

弥生時代の遺物包含層から出土しました。同様の人面文が同じ土器に2面描かれていました。祭祀で使った後、意図的に破壊し、捨てたのでしょうか。

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