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平成29年度調査事業計画「何が見つかる?今年の遺跡」

発掘作業

政田仙道上遺跡(まさだせんどううえいせき)

  • 所在地:本巣市政田
  • 主な時代:中世

政田仙道上遺跡は、標高約13から14mの根尾川の旧河道及び扇状地上に所在しています。遺跡内には小字「仙道上(せんどううえ)」、「仙道下(せんどうした)」という地名が残り、遺跡北部には東山道推定ルートが横断しています。
平成27年度の発掘調査では、溝によって方形に区分けされた区域内で、掘立柱建物、柱穴、土坑、井戸などを確認し、小型の土師器皿、山茶碗、生活雑貨を中心とした中世陶磁器、井戸枠や曲物等の木製品、輸入銭等の金属製品など、中世後期を中心とする遺構や遺物を多数発見しました。
平成27年度の調査に続き、今回の調査でも中世後期の人々の生活の痕跡が見つかることが期待されます。
板組井戸
写真:中世の板組井戸(平成27年度調査時)
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

上保本郷遺跡(かみのほほんごういせき)

  • 所在地:本巣市上保地内
  • 主な時代:古墳から中世

上保本郷遺跡は、船来山古墳群のある郡府山の西麓から旧根尾川氾濫原の間に位置し、遺跡の南1200mには古代寺院である席田(むしろだ)廃寺跡、北600mには弥勒寺(みろくじ)跡が所在しています。
平成27・28年度に実施した発掘調査では、古墳時代から室町時代までの遺構や遺物を多数確認しました。発掘区北東部では、古墳時代後期の横穴式(よこあなしき)石室を2基確認しました。発掘区中央や西側では中世の鍛冶炉や坩堝(るつぼ)、大型の鞴(ふいご)羽口、砥石などが出土し、鍛冶を行っていたことがわかりました。また、発掘区西部では掘立柱建物やこれを区画する溝を確認し、土師器皿や古瀬戸などの陶器類が多数出土したことから、鎌倉時代から室町時代にかけての館跡があったと考えられます。
今年度は、館跡が見つかった発掘区の北側を調査します。また、平成27年度及び28年度の調査成果や出土した遺物を整理する作業も併せて行います。
遺跡全景
写真:平成28年度発掘調査西側遠景(今年度は写真手前の範囲を調査します。)
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

六里遺跡(ろくりいせき)

  • 所在地:揖斐郡大野町麻生・小衣斐
  • 主な時代:古墳、古代、中世

六里遺跡は根尾川扇状地の扇端に位置し、発掘区の約300m西には飛鳥時代の古代寺院である大隆寺跡が所在しています。
平成26年度に実施した発掘調査では、中世以降の水田跡や古墳時代後期から平安時代にかけての集落跡などを確認したほか、土師器、須恵器など多数の遺物が出土しました。
今回の調査では、古墳時代の集落跡や大隆寺跡に関連する遺構が見つかる可能性があります。
検出した竪穴建物・掘立柱建物
写真:平成26年度の調査で検出した竪穴建物・掘立柱建物
事業者:岐阜県揖斐土木事務所
事業名:県単道路新設改良事業(主)岐阜巣南大野線下磯から麻生工区

国分寺遺跡(こくぶんじいせき)

  • 所在地:大垣市青野
  • 主な時代:弥生から近世

国分寺遺跡は、弥生時代以降に段丘化した扇状地上に所在しています。平成8年度から平成14年度に大垣市教育委員会が発掘調査を実施し、参道や幢竿(どうかん)支柱、井戸、掘立柱建物など、美濃国分寺に関連する遺構が確認されました。
平成28年度の発掘調査では、列状に並ぶ古代の柱穴、土坑、杭列、溝、自然流路などを確認し、瓦、「せん」(古代のレンガ)、墨書土器など古代の遺物が出土しています。
昨年度の調査に続き、今回の調査でも国分寺との関連が考えられる古代の遺構や遺物が見つかる可能性があります。
遺跡遠景
写真:国分寺遺跡遠景
事業者:岐阜県大垣土木事務所
事業名:県単道路新設改良事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

北方京水遺跡(きたがたきょうずいいせき)

  • 所在地:大垣市北方町
  • 主な時代:古代から中世

北方京水遺跡は、埋没した旧中洲と旧河道上に所在し、旧中洲上には集落跡が残存すると推定されます。平成25年度に実施した発掘調査では、鎌倉時代初期の集落跡の他2面の水田遺構を検出し、古代から近世にかけての遺物を確認しました。
今年度は、平成25年度の調査地から南西に約400m離れた場所を調査します。平成27年度に県教育委員会社会教育文化課が行った試掘・確認調査では、古代から中世にかけての遺構や遺物を確認しました。旧中洲上に立地していることから、集落跡が確認される可能性があります。
試掘・確認調査で出土した土器
写真:試掘・確認調査で出土した土器(灰釉陶器や山茶碗)
事業者:岐阜県大垣土木事務所
事業名:公共広域河川改修事業

中切上野遺跡(なかぎりうわのいせき)

所在地:高山市中切町
主な時代:縄文、古代
中切上野遺跡は、高山盆地の北側の丘陵尾根及び傾斜地に所在しています。平成8年度に高山市教育委員会によって、一部発掘調査が実施され、縄文時代の竪穴建物15軒や古代の竪穴建物1軒のほか、柱穴・土坑・集石遺構が確認されています。今回発掘調査を行う場所はその南側に位置し、縄文時代や古代の集落跡の広がりが明らかになることが期待されます。
A地点の発掘調査前風景
写真:中切上野遺跡A地点の発掘調査前風景
事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
事業名:中部縦貫自動車道高山清見道路に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

整理等作業

洞第2古墳群(ほらだい2こふんぐん)

  • 所在地:岐阜市洞
  • 主な時代:古墳

洞第2古墳群は、岐阜市北西部に位置する御望山(標高225m)の緩やかな南斜面の東寄りに所在しています。平成27・28年度に発掘調査を行い、これまで知られていなかった9基の古墳や石室を確認した他、古墳以外にも弥生時代末から中世にかけての遺構や遺物を発見することができました。
今年度は、平成27・28年度の調査成果や出土した遺物を整理する作業を行います。
横穴式石室
写真:平成27年度の調査で検出した横穴式石室を持つ古墳(古墳時代後期)
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

小洞古墳群(こぼらこふんぐん)

  • 所在地:関市広見
  • 主な時代:古墳

小洞古墳群は、長良川と武儀川の合流地点から北へおよそ2500m上流の丘陵南斜面に所在しています。平成27年度に発掘調査を行い、これまで知られていた5基に加えて、新たに2基の古墳と木棺直葬墓1基を確認しました。
今年度は、平成27年度の調査成果や出土した遺物を整理する作業を行います。
横穴式石室の様子
写真:平成27年度の調査で検出した横穴式石室の様子
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

上切寺尾古墳群(かみぎりてらおこふんぐん)

  • 所在地:高山市上切町
  • 主な時代:縄文、弥生、古墳、奈良~平安

上切寺尾古墳群は、高山盆地北西部の丘陵尾根及び傾斜地に所在しています。高山市域で確認された群集墳の中では、基数が最多であることが確認されています。
平成27年度及び28年度の発掘調査では古墳52基と竪穴建物34軒、掘立柱建物3棟、礎石建物1棟などを確認しました。
古墳は、尾根上から斜面に並んで築造されていました。埋葬施設から出土した土器から、弥生時代終わり頃から古墳時代初め頃に構築されたものと考えられます。礎石建物は10世紀前半のものと考えられ、中央の土坑からは鎮壇具と推定される鏡が、建物周辺からは仏具とされる多口瓶が出土しました。このことから、この礎石建物は寺院跡の可能性が高いと考えています。竪穴建物は、尾根上に縄文時代のもの1軒と緩斜面で古代のもの33軒を確認しました。隣接する日焼遺跡でも縄文時代から古代の遺構を確認しており、日焼遺跡の集落が上切寺尾古墳群の傾斜地及び丘陵尾根部にかけて広がることが確認できました。
今年度は、平成27・28年度の調査成果や出土した遺物を整理する作業を行います。
墳丘・埋葬施設・周溝

写真:平成28年度の調査で検出した墳丘・埋葬施設・周溝の様子
事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
事業名:中部縦貫自動車道高山清見道路に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

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