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堅田遺跡から出土した珍しい遺物を紹介します

 今回は、堅田遺跡(不破郡垂井町)から出土した珍しい遺物を紹介します。

 下の写真(写真1)は、溝状遺構の埋土から出土した火舎香炉(かしゃこうろ=焼香用の香炉)の蓋です。愛知県の渥美窯で焼かれたもので、12世紀代のものと考えられます。破片なので分かりづらいですが、直径30cmほどの円形の蓋だったと考えられます。当初は経筒(きょうづつ=経典を収めるための容器)の蓋かと思いましたが、観察すると煙を出すための穴が開けられており(写真2)、香炉の蓋であることが分かりました。煙出しの穴はハートのような形で(図1)、蓋の周囲に等間隔で3箇所、開けられていたようです。

上から見た様子

写真1上から見た香炉の蓋

断面の様子 
写真2煙出しの穴の断面
煙出し穴の様子 
図1煙出しの穴

 

 渥美窯は渥美半島に分布している古窯群で、12世紀初頭(平安時代末期)から13世紀末(鎌倉時代)にかけて山茶碗を焼いていました。日本3大古窯の一つにも数えられていますが、岐阜県内では渥美産の山茶碗はあまり出土していません。碗や皿などの日用品の他に、経筒や蔵骨器(遺骨や遺灰を収めるための容器)などの特注品を焼いていたことで知られていますが、香炉は大変珍しいもののようです。当遺跡の近くには美濃国分寺と美濃国分尼寺がありますが、12世紀の頃の様子は詳しく分かっていません。どのような人が使っていたのか、興味深いですね。

 

 

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