ナビゲーションをスキップして本文へ

ここから本文です。

上保本郷遺跡から出土した温石

上保本郷遺跡で出土した温石(おんじゃく)を紹介します。温石とは現在のカイロにあたるもので、石を温めて布などでくるみ、ふところに入れて暖を取りました。滑石(かっせき)製の石鍋を再加工して転用されたものです。
上保本郷遺跡から出土した温石
上保本郷遺跡で出土した温石です。

 

 上保本郷遺跡で見つかった温石は、中央上のかけた部分を中心に割れていました。この部分には、通常小さな穴があけられます。火鉢などで石を温めた際に、石に直接手で触れず火箸(ひばし)等を引っ掛けて取り出せるようにあけられたと考えられる穴ですが、この温石はこの穴をあける際に割れてしまい、実際には使われることのなかった未製品です。

 この穴のところで、元々の石鍋の「鍔(つば)」が縦方向に観察できます。ふところに入れた時に鍔の突起が邪魔にならないよう、張り出した部分が削られています。また、下端は石鍋を切断した際の切断面が確認できます。

 この温石は、元になった石鍋の形態から鎌倉時代のものと考えられます。温石を使っていた鎌倉時代の人のふところはさぞかし温かかったことでしょう。

 

温石の下端

温石の下端、石鍋を切断した切断面。のこぎりの歯の跡も確認できます。

 

センター調査だよりにもどる